公益社団法人企業情報化協会（IT協会）は、企業の情報化に関するさまざまな研究会や、シンポジウム、表彰制度などの活動を通して、産業界の発展に寄与できる情報発信、交流の場づくりを行っています。

当協会のコンタクトセンター推進活動の一環として設けているのが「カスタマーサポート表彰制度」。顧客戦略の充実とそれに伴うカスタマーサポートの推進・発展に寄与したと認められる企業や団体などを表彰する制度として、20年以上続いています。このストーリーでは、カスタマーサポート表彰制度がどのような制度なのかを解説しながら、誕生の背景と私たちの活動に込める想いをお伝えします。

IT・デジタル技術を活用し産業界の発展に貢献

公益社団法人企業情報化協会は、IT活用による経営革新の推進機関として1981年に通商産業大臣（現・経済産業大臣）の認可のもと、設立されました。企業の情報化に関する調査研究及び開発を行い、その成果の普及並びに実施を促進することにより、日本の社会・経済及び産業の健全な発展に寄与することを目的とし、各種活動を行っています。

時代の変化に対応し社会的要請に瞬時に応える経営力を培っていくためには、IT・デジタル技術を戦略的に活用することが必要不可欠です。DX時代の本格的到来が叫ばれる今日、デジタル技術を駆使し、経営効率を高めサービス品質向上を目指し、従業員および顧客の利便性の向上と価値創造に寄与していくことが、まさに今後の日本の発展の鍵を握っています。

設立以来、40年以上にわたり培われてきた当協会の伝統を踏襲しつつも、時代のニーズに対応した活動の選択と拡大を図り、産業界の発展に貢献していきます。

組織を支えるコールセンター・コンタクトセンターの重要性

当協会では、各種研究会および表彰制度などの活動を通じ、企業における顧客戦略とカスタマーサポートの強化およびその活動拠点となるコンタクトセンターの効率的運営について、多角的な視点から研究と情報の交流を進め、産業界の発展を推進してきました。

なかでも「カスタマーサポート表彰制度」は毎年多くの企業や団体に参加していただいている重要な表彰制度のひとつです。

「カスタマーサポート表彰制度」の前進である「優秀コンタクトセンター表彰制度」は、当協会が1998年に設定した優秀表彰制度にのっとり、日本の産業界ならびに行政機関などの顧客サポートにおける生産性向上と効果的マネジメント・システムの整備を促進することを目的として制定されました。

企業における顧客接点の最重要拠点でありながら、日陰の役割に徹してきたコールセンター・コンタクトセンターの重要度やそこで働く方々の高度なマネジメントを社内外に大きく公表することにより、コールセンター・コンタクトセンターの活性化に寄与することを目指しています。

「企業における顧客接点の最重要拠点」としてのコールセンター・コンタクトセンター

コールセンター・コンタクトセンターは企業の顔であり、顧客対応の良し悪しによって企業イメージや製品についてのイメージが大きく左右されます。また、センターには顧客についてのありとあらゆる情報が蓄積され、その情報に基づいた分析された顧客データは、商品改善やブランディングの方向性に大きな影響を与えます。

顧客とのタッチポイントが多様化し、また主流となるタッチポイントが目まぐるしく変化する昨今においてはコールセンター・コンタクトセンターに寄せられる情報は顧客の「今」を表しています。これらを活用することが企業の生き残り戦略を左右することから、企業における顧客接点の最重要拠点と位置付けられています。

成果を挙げた企業や団体を表彰し、カスタマーサポートを発展させる

2014年度からは「優秀コンタクトセンター表彰制度」は「カスタマーサポート表彰制度」に名称を変更し、再スタートしました。昨今の日本の顧客接点の多様化や、それに伴うカスタマーサポート領域における情勢・環境の変化を鑑み、当領域の一層の強化・充実を目的とし、本表彰制度の審査領域・基準・方法を変更しました。

当制度では企業規模にかかわらず、顧客に対するサポート・サービスに関して、創意工夫や先進的試みを行い、顧客満足度の向上や課題解決を図ることによって経営に優れた貢献をし、カスタマーサポートの推進・発展に寄与したと認められる企業・団体・機関・事業所・部門などを表彰します。受賞者はカスタマーサポート表彰制度審査委員会による厳正な審議によって選ばれ、当協会が主催する「カスタマーサポートシンポジウム」で受賞各社による記念講演と表彰式典が行われます。

受賞した企業・団体・機関の成果は、日本の顧客戦略の充実とカスタマーサポートの推進・発展に寄与すべく、当協会を通じて広く社会に公表します。

カスタマーサポート表彰制度の審査概要

カスタマーサポート表彰制度の審査は、当協会より選任された審査委員によって厳正に行われます。審査委員は、コールセンター・コンタクトセンター業界に精通し、その豊富な知識と経験を持って、業界の発展に寄与しようと想いを抱く方々です。

審査の基準として、定量的かつ主体的な取組みを通して、いかにして自社経営に貢献しているかを最も重要としています。審査については、基本現地審査とし、事前に送られる取組み概要書を元に取組みが着実に実践されているかを審査します。

受賞された企業・団体へのメリット

受賞した企業・団体は当協会主催のカスタマーサポートシンポジウムを通じ、対外的にその取組みを広く公表します。これによるメリットは、取組みを対外的に広く周知することは勿論のこと、コールセンター・コンタクトセンターの取組みや重要性を自社内の他部門に知っていただくことにより、コールセンター・コンタクトセンター内のモチベーションアップや自社内での地位向上にも寄与できることにあります。カスタマーサポートシンポジウムには受賞企業の役員以上の方にご臨席いただいており、「うちのコールセンターはこんなに素晴らしい取組みをしていたのか」と驚きを持って評価いただいています。

2022年度の表彰の様子

カスタマーサポートのさらなる発展と活性化を目指して

2023年度のカスタマーサポート表彰制度では、顧客満足度向上、従業員満足度向上など優れた施策を実施した12社の受賞が決定しました。同年、7月20日に発表しています。

これからも、当協会では企業や団体と協力し業界全体の活性化・底上げに寄与していきます。