1953年、岡山で創業したオハヨー乳業は、素材の味わいを大切にした商品づくりを行っています。フルーツのおいしさをギュッと凝縮した「ぜいたく果実」シリーズや、日本初となる香ばしい焼き目のついた「焼プリン」など、オハヨー乳業ならではの商品が多くの方々に支持されていますが、なかでも近年人気なのが、とろける食感と優しい味わいの「ジャージー牛乳プリン」です。

シリーズ累計で２億個以上発売している本商品ですが、発売からこれまで様々な出来事がありました。そこで今回は、あまり知られていないジャージー牛乳プリンの歴史の一部をご紹介します。

国内の乳牛のわずか0.8％！？希少な乳牛「ジャージー牛」

フランスの北、イギリス海峡に浮かぶジャージー島に起源のある「ジャージー牛」は、明るい茶色の毛並みをもつ小柄の乳牛です。一般的な乳牛である「ホルスタイン牛」と比べると、濃くて味わい深いミルクが特長で、古くから英国王室にも献上され「ロイヤルミルク」と言われることも。しかし、小柄なため搾乳量は少なく、酪農の現場ではあまり飼養されていません。

日本では、国内の総乳牛飼養頭数のわずか0.8％と非常に希少な乳牛で、北海道、岡山、熊本などが主な酪農地帯です。特に岡山県は、全国に先駆けてジャージー牛の酪農が始まりました。いまも県北部の蒜山高原を中心として、1,000頭以上のジャージー牛が飼養されています。

そんな岡山県に本社を置くオハヨー乳業が、ジャージー乳の魅力を知り、商品化したのは1993年のことです。地元の魅力的な素材を生かした美味しい商品を作りたい。開発担当者の強い思いもあり、アイスクリームやヨーグルトを発売。そして1999年3月、とろける食感と濃厚な味わいが特長の「ジャージー牛乳プリン」を発売しました。

３度めの挑戦で大ヒット！その理由はわずか10mm

いまではコンビニやスーパーで気軽にご購入いただけるジャージー牛乳プリンですが、その歴史は順風満帆ではありませんでした。こだわり抜いた味わいへの評価は高いものの、全国的に見れば最大の特長である「ジャージー牛」自体の知名度も低く、思ったように売れません。発売から約20年の歴史のなかでは、２度の販売休止も経験しています。しかし、一度食べれば多くのお客様に喜んでいただいているのも事実です。実際に、売り場で試食販売をすれば多くのお客様に手にとっていただくことができました。それだけに、商品名称やパッケージで試行錯誤が続きます。

転機になったのは2016年のこと。

悩み抜いた開発担当者は、商品パッケージをすべて見直し、他にはないフタの形状にたどり着きます。それは、和紙調の上質な素材を使用し、カップをやさしく包み込むことで、専門店のような手づくり感のある商品パッケージでした。一見、簡単そうに見えますが、フタを織り込みカップを包む技術は独自に開発したもの。わずか10mmの違いですが、そこにはこれまでオハヨー乳業が培ってきた様々なノウハウが凝縮されています。

新しいパッケージによって生まれ変わったジャージー牛乳プリンは、売り場でも注目を集め、発売当初から大ヒット。あまりの売れ行きにパッケージの供給は逼迫し、工場もフル生産を続けて商品供給を行いました。

その後もジャージー牛乳プリンは進化を続けます。さらなるおいしさを求めてプリン上部のクリームを改良。また、ミルクのおいしさを損なうことなくお客様にお届けするため、2019年3月には遮光性の高いパッケージを採用しました。発売当時から変わらない「おいしさ」への情熱によって、現在も様々な検討が進められています。

デザートには、毎日をやさしく支えてくれる魅力がある

新型コロナウイルス対策による外出自粛の影響で、自宅ですごす時間が増えた方が大勢いらっしゃいます。そんな方々にとって、暮らしを支え、毎日の楽しみになっているのがプリンを始めとするデザートではないでしょうか。実際に、オハヨー乳業でも外出自粛が本格化した2020年3月以降のデザート類の販売実績は伸びており、いままで以上に多くのお客様に買い求めいただいていることを強く実感しています。

包み込まれるような優しい味わいと親しみやすいおいしさ、そして手軽に購入できるということも、ジャージー牛乳プリンの魅力のひとつです。ご購入いただいたお客様からは、「大変だけどプリンを食べたら癒やされました」「これを食べて明日もがんばります」という声も多数届いています。そんな魅力たっぷりのデザートを、私たちはこれからもお届けしてまいります。

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