リモートワークに必要なものは3つ。リモートワーク導入歴4年の会社による気づきと、導入したSaaSツール

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2020年7月29日 10時00分 株式会社Queue

全従業員数60人程度の株式会社Queueでは、リモートワークを導入して4年ほどが経過しました。正社員の離職人数は1年間に1名、いるかいないか程度。低い離職水準を保つことができています。リモートワークを導入しながら、大学病院や大手企業との共同研究など社内で多数のプロジェクトが推進されています。


コーポレートマネージャーの坂田さんに、同社のリモートワーク導入の経緯や方法、実際に社内で導入しているSaaSツールを教えてもらいました。

従業員の大半がリモートワークで仕事を進める



株式会社Queue(以下Queue社)は2016年創業の技術者集団です。現在はアルバイトも含め62名ほどが在籍し、大半がリモートワークで仕事を進めています。技術を提供する会社なので従業員のほぼ全員がエンジニアです。設立当初からリモートワークを取り入れて仕事を進めてきました。


Queue社の事業概要は大きく2つ、R&Dサービスと自社SaaS製品の開発と提供です。R&Dサービスは、弊社の得意とする機械学習・画像認識の領域での高い技術力でクライアント企業の開発部分に入り込み、双方の専門性を活かして世界で今までになかったイノベーションのために開発研究を進めます。


自社SaaSの開発と提供は2019年から始まりました。現在は3つのSaaSツールを提供しています。

なぜリモートワークを導入するのか?

厚生労働省は働き方改革に関する情報発信を行っています。ここでも、働き方改革の目指すものとして


我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。


と記されています。


リモートワークや働き方改革についてQueue社ではどう考えるのでしょうか。坂田さんは「リモートワークはコロナウイルスの対処療法ではない。生産性を向上させるための一つの選択肢です。」と言います。


「先日の日本経済新聞にも掲載されていましたが、欧州では在宅勤務が法制化され始めています。2021年半ばまでのリモートワーク導入を決定した企業もあります。つまりリモートワークや在宅勤務が、働く人の一つの権利として認められる社会・世界になり始めています。


リモートワークは今だけやればいいものではなくて、今後確実に必要になるものです。」

リモートワーク導入直後に、課題感が多数出てくる企業は多い

2020年3月前後に、新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークを導入した企業が多くあります。しかし導入直後には課題が多く出ます。

SNSなどでは従業員側の課題や解決策の発信が目立ちますが、リモートワーク未経験の管理職にも当然不慣れな点や戸惑い、課題が存在しています。


坂田さんはこう分析します。


「パーソルさんの調査結果によると、働く人がリモートワークやテレワークで不安を感じたことのトップ3は『相手の気持ちがわかりにくい・仕事をサボっていると思われないか・出社する同僚の業務負担が増えるのではないか』と、同じ場所で働いていないことにより抜け落ちてしまっている情報からくる不安です。」


「さらに、従業員側の不安だけでなく、マネジメントをする管理職にも不安はあります。問題にあがることが多いのは『マイクロマネジメント』です。」


「管理職側も、働いている様子が見えないことから必要以上に進捗を確認したり、業務に干渉しすぎたりします。その結果従業員のストレス度が上昇してパフォーマンスが低下、そしてさらに管理職が業務に過干渉してしまう。負のスパイラルが起きます。」


「従業員と管理職の両方にリモートワークに対する不安がある。その不安が存在したままリモートワークを続けると、チーム全体がだんだん悪い循環に陥ります。」

リモートワークは、日本社会に必要な変化

(坂田さん、Queue社のオフィスにて)


Queue社は創業当初の2016年からリモートワークを導入していました。


「学業と仕事を両立させなければいけないメンバーもいました。しかしオフィスと学校の往復の移動時間がもったいないわけです。社内に『移動時間を減らして、仕事なり勉強なりに充てることができたほうが効率的だ』という考え方が自然に浸透しました。」


リモートワークを導入した方がいい人は導入してもらい、仕事のパフォーマンスが上がる方が、会社や仕事に対して成果が多く、従業員も楽に成果を出すことができ、苦しくない。Queue社では2016年当時から、厚生労働省の掲げる「多様な働き方を選択できる」状態が導入され、自然と普通になりました。坂田さんはこう話します。


「働き方改革は、残業の削減や効率化の意味合いで使われることが多いですが、本質的には『働き方を多様にして、1人1人が将来に向けてより良い展望を持てるようにしましょう』というものです。それならば、働き方改革の一つとして組織にリモートワークが採択されるといいのではないでしょうか。」

「リモートワークの課題」は、全て経験した

Queue社では2016年から自然とリモートワークが導入され、違う場所で働いている距離や空間のギャップを埋める方法が模索されました。様々なツールを導入し、どうすればリモートワークで起きてしまう差を埋めることができるのか、試行錯誤が行われた。そのひとつが、全社で実施した1週間の実験期間でした。


「2018年に『全員リモートワーク週間』を設けてリモートワークの社内実験を行いました。『全員が必ず異なる場所から仕事をしなければならない』『同じ場所で働くのはNG』というルールを設定して、全員に徹底してもらいました。」


当時、HBOのドラマシリーズ『シリコンバレー』のように、一軒家に何人かで同居をしていた社員もいたのだそう。


「同じ家で暮らしていた社員たちの中には、場所を仕分けるためにクローゼットの中で働く人もいました(笑)そうまでして強制的にリモートワーク環境を作り出して、リモートワーク導入するとどうなるのか、何が起きてどんな学びや課題が生まれるのか、学びを得ようとしました。」

Queue社がリモートワーク実験を行い、至った結論

Queue社は全員で「リモートワークを強制的に経験する」期間を設けて全員で実施。その結果、以下のような結論に至る。


  • リモートワーク導入後には必ず課題が生まれる
  • 管理職にも従業員にも課題が生まれる
  • 導入後の課題を解決する方法が必要


そしてQueue社が導いたリモートワークの課題解決に必要なキーワードは3つ、透明性・信頼性・モチベーションの維持です。


坂田さんはこう話します。「オフィスの方が『情報』が可視化できるのであれば、その『情報』とは何でしょうか。その『情報』をリモートワークでも可視化して、透明性を保つ。そして信頼性は、疑うのではなくまずは上司部下、部下上司が、お互いを信頼して働くことのできる環境が必要ですね、という結論に至りました。」


「モチベーションは、自宅で1人で働いていると気分がなぜか落ち込んでしまったりモチベーションが持続しない人もいるので、仕事に対する評価をして『ちゃんと見てますよ』と伝えて、やる気を引き出してあげる。」


「透明性が高く、信頼度が高く、モチベーションが維持できること。この環境を保つことができれば、リモートワークがうまくいくだろうという結論を導き出しました。」

リモートワークが成立する組織が使っている3つのツール

リモートワークを成立させるためには「環境整備には、SaaSの導入が便利です」と坂田さんは言います。


「SaaSツールを活用しています。オフィスにいなければ分からなかった情報をリモートでも補完することができれば、オフィス以外の場所にいてもオフィスと変わらない環境を作り出すことができます。Queue社では、全部で30前後のSaaSを使っています。そのうちの3つ、リモートワークの成功のために使っているツールを紹介します。」

Notion

ドキュメント管理ツールのNotionでは、会議の議事録などを格納して共有することができます。ドキュメント管理以外にはタスク管理などにも使うことができる、オールインワンのツールです。


「透明性を保つために、後からメンバーが確認するときに誰が見てもわかるように管理しています。」

Twist

Twistは会話別のスレッドを立てることができるため、会話が流れにくくなります。Queue社は、Slackと並行してTwistを使っているそう。


「チャットツールのルールは『なるべく鍵をかけない』です。会社の風土や文化によってはDMチャットが林立したり、チャットルームに鍵をかけたりすることの多い会社もあります。


弊社は透明性を確保するため、どんなやりとりがされてどんなコミュニケーションが取られているのか誰でもアクセスができるような状態を作り、信頼度が高まる、不信感を抱かない環境にしています。」

remonade


タスク共有・コミュニケーションツールのremonadeは、remote(リモート)とaid(エイド)の造語から名付けられた、Queue社開発のタスク開発とコミュニケーションツールです。


「もともと社内で使っていたツールですが、取引先との会話などで『使ってみたい』といったお声を寄せていただいたことから、ツールとしてリリースしました。簡単に言うと透明性を重視したツールです。」


「自己申告で『この仕事を何時間やります』とTODOを作成して自分の仕事と進捗を明確にする機能を筆頭に、進捗共有やビデオ通話、雑談もできます。


管理職も従業員も進捗状況が一目でわかるため、日々のマイクロマネジメントを防ぐだけでなく、『何をどのくらいの時間でできたから、素晴らしい』『このタスクにこれだけの時間や工数がかかったのはなぜだろう、改善できるポイントは?』など、評価や改善がしやすいです。」

リモートワークは、日本の未来に必要な手段

「適切なツールを使うことができれば生産性を向上させ、オフィス以上の生産性を維持することもできます。ほとんどのSaaSは無料トライアルができるので、色々と使ってみて自社に合うサービスを選定・導入を検討するといいのではないでしょうか。」


Queue社は、2016年創業、2019年のリモートワーク実験、そして2020年の新型コロナウイルス感染症の流行を経て、現在ではほぼフルリモートワーク体制となっています。創業当時から導入しているため自分たちのことを「リモートワークネイティブ」と呼びます。


当然今後の社会情勢、特に感染症に伴う政府の決定などに応じて会社の方針が変更する可能性もありますが、渋谷区にオフィスを構えており、出社したい人は出社することもできます。基本的に出社の強制や義務はありません。必要なのは、それぞれが各自の仕事を推進して完了させ、成果を出すこと。今後もチームメンバーは、現在の勤務形態で仕事を継続する方針です。



Queue社では、リモートワークのコツや組織づくりの取材、Queueの開発提供しているツールについての取材も受け付けています。ぜひお気軽にご連絡ください。


話を聞いた人:Queue 坂田駿介さん

株式会社Queueコーポレートマネージャー。慶應義塾大学卒業後、大手銀行を経て現職。

remonadeではSNSも運用しています

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