楽しく新技術にチャレンジしたい!要件が決めきれないことを逆手に自由な挑戦を敢行したエンジニアのメディア構築ストーリー

#開発秘話  #エンジニア  #オウンドメディア

2020年12月9日 11時00分 株式会社シニアジョブ

ある日、システム開発部に降りてきた指示は、

「オウンドメディアを作る」

というだけのものでした。


営業支援や業務管理を統合したシステムを自社開発して運用している、シニア専門の人材紹介会社である株式会社シニアジョブでは、エンジニアの採用を強化しており、優秀な人材が集まりつつありました。

しかし、当時、マーケターはおらず、デザイナーと広報がいる他は、代表取締役が広告運用をしている状況。

(※SEOの専任担当は2020年9月に入社)


オウンドメディアの目的がSEOならば、ユーザーに求められるコンテンツが第一と考えるものの、その部分があやふやで定まらない中、

「どうせなら新しいことにチャレンジしよう!」

と、楽しみながら開発を手掛けることにしたシステム開発部の山崎裕に、シニアジョブ初のオウンドメディア「シニアタイムズ」(https://senior-job.co.jp/magazine/)構築の裏側について、エンジニア視点からインタビューしていきます。


◆株式会社シニアジョブ システム開発部 山崎 裕 (やまざき ゆう)

千葉県出身。2008年、学習院大学卒業後、WEB制作会社を経て、日本最大級のビジネステンプレート提供サイト運営会社に転職し、テンプレートサイトの全面改修、資料掲載サイト、お礼状サービスなどの新サービスの企画・構築を手掛けた。その後、ゲームや電子書籍を中心としたECサイト運営大手を経て2020年1月より現職。



PM不在、要件も決めきれないメディア構築


――オウンドメディアに着手した当初、どんなコンセプトがあったのでしょうか?


山崎:少なくとも私のところにコンセプトは降りてきませんでした。あったのは「オウンドメディア」を作る」というそれだけです。


着手して各所の話を聞いていくと、広告費が拡大する中、SEOに強いメディアを作りたいという、社長を中心としたマーケ関連のニーズと、コロナ禍でメディアとの接触が減少し、自前の情報発信チャネルが欲しい広報、という2種類のニーズがあることがわかりました。SEOであればユーザーに求められるコンテンツが第一、技術は第二と考えていますが、ターゲットとニーズが複数あり、コンテンツの方向性が定まらない中で、技術を担当する自分たちはどう動くべきかの迷いがありました。


――エンジニアのチームはどのように方向性を模索したのでしょうか?


山崎:当時、シニアジョブにはマーケティング職がおらず、SEOの助言は外部のアドバイザーから得ており、実質的に代表取締役の中島が広告運用を含めたマーケを一人で担っていました。私自身もページ読み込み速度向上施策などSEOに関与した経験が前職までにありましたが、今回はそうした施策以前に、どういったターゲット向けのどういったコンテンツを目指すのかがあやふやでしたし、それをまとめるプロジェクトマネージャーが不在でしたから。


――どんな対象にどのようなメリットを提供する、といったことも明確でなかったのでしょうか?


山崎:対象は当社をご利用いただく方、つまり、シニアの求職者の方です。その方たちが必要とする情報を掲載するメディアであることは確かでした。しかし、「シニアの求職者の方がどんな情報を求めているのか?」ということについては、まったくの手探りでした。


もちろん、シニア求職者が一番強く求めているものは「シニア向けの求人情報」だということはわかっていました。それはまた別途、求人情報サイトに掲載する内容に随時最新のものを反映しています。それ以外の転職ノウハウや豆知識などは、どんなものが求められているかの手がかりが少ない状況でした。オウンドメディアのオープンから4ヶ月以上経った今も、どんな情報が求められているのかは、データを元に日々仮説を更新しています。


――開発の役割分担は明確ではなかったのですか?


山崎:プロジェクトマネージャー以外は比較的明確でしたが、まとめ役がいない状況でした。例えばコンテンツは代表取締役がキーワードを選定し、広報担当が執筆をしていましたが、外部のアドバイザーの指摘がどの時点でどのように入るのかは確定していませんでした。サイトの要件も、どの時点で代表取締役や広報担当、デザイナー、外部のアドバイザーのチェックが入り、意見を反映すべきなのかが明確ではありませんでした。


結果的にところどころでコンセンサスを取り、ヒアリングはしつつも、サイトの設計はエンジニアのみの判断で行わざるを得ませんでした。


――結局、エンジニア独自の判断で進めざるを得なくなった?


山崎:ええ、とりあえずでも私たちが仕様を決めて、その計画を出す必要がありました。当然、私たちがSEOの最適解を出せるわけではありませんから、「では、エンジニアとしてこのプロジェクトにどんなメリットを提供できるのか?」という自問自答を行いました。


そこで行き着いた結論が「せっかくなので新しい技術にチャレンジし、将来的な可能性を拡げよう」、「楽しい実験の場」にしようというものでした。



「速さ」と「省コスト」、「“今が旬”の技術」でサイト構築


――エンジニア(システム開発部)としてはどんな方針を採ったのですか?


山崎:もっとも意識したポイントはやはり、サイトの表示やレスポンスの「速さ」です。スマホ回線でもユーザーがストレスなく閲覧できることで、直帰率の低減や閲覧数の増加を目指し、結果的に、SEOでも有利になる環境を目指しました。また、構造化データやサイトマップといったSEOに不可欠の要素も、より容易に実装できる形を狙いました。


しかし、「速さ」を追求するとなると返って、プロジェクトマネージャーが不在で、コンテンツ部分の方向性があやふやであることが、ドライバーやナビゲーターのいない中でスピードだけは出るラリーマシンを組み上げるような現場となり、不安や危険を感じながらの取り組みとなったことも事実です。


――具体的にはどんな技術にチャレンジしたのですか?


山崎:まず、JavaScriptフレームワークであるNuxt.jsを用いました。Nuxt.jsの特徴はWebアプリケーション開発に必要な機能がもともと組み込まれていることです。


Nuxt.jsとSSG(※1)の組み合わせを選択することで、現時点では最速クラスのページ表示速度を手に入れられると考えました。「シニアタイムズ」をオープンする直前の、今年6月にリリースされたばかりの機能を用いたため、期間の制約を含め、技術的な難易度が上がりました。加えて、ページ更新の度に再構築が必要という手間がかかりますが、選択の結果、実際にWebページの読み込み速度を計測できるGoogleのPageSpeed Insightsでも高得点が得られるサイトができました。


また、インハウスの限られた人員で開発から運用までを行うことから、作業をシンプルにし、コストを低減する目的で、すべてをサーバーの構築、運用が不要な「サーバーレス」な構成とする方針をエンジニアのチームで話し合って決定しました。サイトを公開するためのホスティングサービスに、Githubと連携するだけでサイトの再構築から公開まで可能なNetlifyを採用、検索には速度も早い全文検索のAlgoliaを採用し、CMSには使いやすい日本語のヘッドレスCMSであるmicroCMSを採用しました。実装に当たり、AlgoliaとmicroCMSについては、システム開発部のリーダーである坂東健一さんが担当しました。


Algoliaは誰も用いたことがなく、独特の制限に何度も再試行を余儀なくされ、使い慣れたツールを導入し直すことも検討しましたが、諦めずに工夫を繰り返すことで乗り切りました。この他、モバイルサイトを高速表示できるAMP(※2)や、多数あった画像形式をすべてカバーできるWebPなどの新技術も採用しています。


こうした開発の省力化と運営の利便性を確保しつつ、サイトの高い表示速度に貢献するツールの選択と併せ、やはり開発の効率化に効果があるTypeScriptでの開発を進めたところ、それが若手で有能なエンジニアの採用にもつながりました。まだTypeScriptでの開発経験はないものの、今後の開発ではTypeScriptが重要になると考えており、チャレンジできる環境を求めていたエンジニアが、当社の応募要件を知って応募してきて、私たちも丁度チャレンジしているタイミングだったため意気投合して一緒にチャレンジすることとなりました。


※用語解説1 SSG(Static Site Generation 静的サイト生成方法)

事前にWEBサイトの表示に必要な処理をサーバーで行い、全ページをファイルで生成しておくことで、ユーザー側で表示を速く行える機能。制約も多いが、今回のようなブログ形式のメディアサイトには適していた。


※用語解説2 AMP(Accelerated Mobile Pages モバイルページ高速表示手法)

スマートフォンなどのモバイル端末で、WEBサイトを高速に表示するための仕組み。Googleが中心となって推奨している。仕様に沿ってページを用意することで、高速に表示できるだけでなく検索結果に専用のニュース枠で表示されるメリットもある。



面白いことがしたくて入社したので思い切りチャレンジしたい

――今回の「シニアタイムズ」構築のポイントをまとめると、どういったことになりますか?


山崎:やはり、「速さ」「省コスト」、そして「“今が旬”の技術」ということに集約されると思います。「速さ」や「省コスト」を実現する技術は多々ありますが、「シニアタイムズ」の構築では、しがらみや制約が少なく、エンジニアが自由に考えられる余地があったことで、「“今が旬”の技術」にチャレンジできたと思います。


ソフトウェア開発でも「ローコード開発」が流行し、Webサイトの構築でも「サーバレス構築」が増加していますが、どちらも開発者の作業をシンプルにし、運用時の効率を高め、開発と運用両面のコスト低減につながります。一方で、初めてチャレンジする際の難易度は高めで、過去に別のツールで構築されていた場合は、導入が難しいものとなります。


――「シニアタイムズ」でチャレンジした技術、成果にはつながりましたか?


山崎:SEOについてはGoogleからの高評価に結びついています。同じように広報についても、記者の方を含めて「シニアタイムズ」の読者が増える中で、評価してくださる方も増えていると聞いており、多くの方に評価いただけるオウンドメディアに近づいていると言えるのではないでしょうか。そういった意味ではまだオープンしたばかりのオウンドメディアですが、一定の成果を上げていると考えています。


――今後はシニアジョブで、どのようなチャレンジをしたいですか?


山崎:私がシニアジョブにジョインした動機は、スタートアップの環境で「面白いことがしたい」というものでした。会社自体が急成長の途上にあるため、システム開発部の仕事も、会社のサービス内容も、現時点で思いつくもの以外が大量に発生すると思います。古い技術では自分自身も会社も大きな成長は望めないと思うので、今回のように、一つでも多くの「新しい技術」にチャレンジすることで、楽しみながら未来志向のアウトプットをしていきたいです。



中高年のキャリアと転職ノウハウの情報メディア「シニアタイムズ」はこちら

https://senior-job.co.jp/magazine/




会社概要

社名 : 株式会社 シニアジョブ

代表 : 代表取締役 中島 康恵

本社 : 東京都新宿区大久保1-14-15 三辰ビル7F

TEL : 03-6908-9822

URL : https://corp.senior-job.co.jp/

事業内容 : シニアの人材ビジネス提供


お問い合わせ先

株式会社シニアジョブ 広報部 安彦(あびこ)

TEL:080-4107-5851 e-mail:m-abiko@senior-job.co.jp