2022年12月20日、株式会社自由国民社は『いますぐ食べたい！冷凍食品の本』を発売いたしました。

『いますぐ食べたい！冷凍食品の本』は冷凍食品専門家・冷凍生活アドバイザーとして「冷凍王子」の愛称でメディアにも多く登場している西川剛史（にしかわ・たかし）さんが、持てる知識とノウハウ、最新の情報をすべて詰め込んだ冷凍食品事典とも言える一冊です。このストーリーでは、編集部が本書完成までの経緯を振り返ります。（自由国民社編集部）

『いますぐ食べたい！冷凍食品の本』

著者　西川剛史（にしかわ・たかし）氏

空前絶後の「冷凍食品事典」が爆誕した！

　『いますぐ食べたい！冷凍食品の本』。…いかにも手軽そうで、レシピもついたライトなムックかな？　タイトルだけ聞くとそう思われる方も多いかもしれません。

　本書はそうした予想を良い意味で完全に裏切る、これまで誰も見たことのない驚異的な一冊です。

　若くして「冷凍食品」に魅せられ、人生をかけた「冷凍王子」が、その燃えるような〝冷凍愛〟を注ぎ込み、渾身の「冷凍食品百科事典」ともいうべき本が生まれました。

　企画がスタートした当初は、ここまで“圧倒的な内容”にしなければならないとは考えていませんでした。

　食べ物の本ですから、まずは「美味しい」「ヘルシー」であること。加えて「お手軽」「お得」ならなおよし。そんなふうにイメージしていました。

　ところが制作が進むにつれ、著者である「冷凍王子」のあまりにも熱すぎる“冷凍愛”と深すぎる“冷凍知識”、すごすぎる“冷凍解凍技術”を目の当たりにして、次第に本の内容は深く、広いものに進化していきました。

　そしてある時、

（ここまできたら空前にして絶後の、「冷凍食品のことならこの本にすべてまかせろ」的な本を作ろう！） 

　著者はもちろん編集スタッフ一同、そう決意するに至ったのでした。

本書が生まれた背景

　最近、スーパーマーケットなどで冷凍食品の売り場が拡大され、目立つようになったと感じる方は多いのではないでしょうか。

　近年、冷凍食品の需要は急速に増え続けています。総務省統計局「家計調査（全世帯平均）」によれば、世帯あたりの冷凍食品の支出金額は年々上昇しており、特に、東日本大震災のあった2011年以降の伸びは顕著になっています。

　この傾向にさらに拍車をかけたのが、2019年末から世界をその脅威にさらすこととなった「新型コロナウイルス感染症」の拡がりでした。

　2020年４月に初めて緊急事態宣言が発出された直後、冷凍食品は売り場から消えるほど売れました。東日本大震災、コロナ禍の緊急事態宣言など、大事が起きるごとによく売れるのは、やはり冷凍食品が人々の生活を支え、頼られる存在になっていることの証左ではないでしょうか。

　いわばパニック下であった時期を脱して、「ウィズ・コロナ」時代となりつつある現在も、冷凍食品の売り上げは上昇し続けています。家族が家にいる機会が増えたことで、需要が増加しているのはもちろんですが、それに加え、新しいユーザーである男性客やシニア層が多くなっていると考えられます。社会の出来事や天災などがきっかけとなり、冷凍食品を食べる機会が生まれると、その美味しさに気づいてリピーターになる人が出てくるからでしょう。

　昨今の冷凍食品の需要の急騰を評して「冷凍食品ビッグバン」と呼ぶ向きもあるほど、いま冷凍食品のシーンは熱くなっているのです。

最初に冷凍食品の「美味しさ」「健康への貢献」を届けたい

　本書はそのような時宜に応じて、最新の技術で最高の美味しさを求め日々進化する冷凍食品の数々と、おすすめの美味しいアレンジレシピ、健康的な冷食活用献立、冷凍野菜の賢い活用法まですべて解説するという、実用的かつ「冷凍王子」ならではのレベルの高い内容を目指しました。

　まずはみんな大好き「THE・王道の冷凍食品」――それはズバリ、餃子、炒飯、お好み焼き、焼きおにぎり、鍋焼きうどん、パスタです。購入金額ランキングの上位を占めるこれら人気商品の美味しさの秘密を知るべく、著者が各メーカーに取材し徹底解剖する記事となりました。普段美味しく食べている身近な冷凍食品が、なんとここまですごい技術とアイデア、工夫によって生み出されているのかと、驚かれること請け合いです。

　次に、毎日の料理の強い味方となるお役立ち食材、「冷凍野菜」。旬の時期に収穫されたあと急速凍結されているので、栄養価も高く、しかも美味しいのです。「冷凍野菜って、栄養は大丈夫なのかな？　なんとなく不安…」という疑問にしっかり答える科学的データも掲載しました。そして簡単で美味しい冷凍王子オリジナルレシピを掲載。この本があるとないとでは、冷凍野菜の活用度がまったく違ってくると自信を持って言える記事になりました。

　その次は……ここ数年、冷凍食品の中で年間国内生産量が１位なのは何だと思いますか？　それは「冷凍うどん」です。冒頭の王道冷凍食品に加え、はずせない人気冷凍うどん商品の魅力をここでも徹底的に取材し、オリジナルアレンジレシピも掲載しました。レンチンするだけで簡単、しかもコシが失われない冷凍さぬきうどんの製造の舞台裏を知れば、今すぐスーパーで買ってきて食べて確かめてみたくなるはずです。

　そしていよいよ冷凍王子の真骨頂となる、完全オリジナル「冷凍食品アレンジレシピ」を披露していただきました。そのまま食べても美味しい冷凍食品ですが、さらなる美味を求めて大胆にアレンジし、まったく新しい食べ方をドーンとご提案しています。商品のパッケージからは想像できない驚きの出来上がり写真の数々に、きっと驚愕し、「食べてみたい！」と思っていただけるでしょう。

　最新の冷凍食品情報としては、「とっておきの冷凍食品77品」と題し、今話題の「業務スーパー冷凍食品」に始まり、身近なコンビニの冷凍食品やお弁当用冷凍食品、高級冷凍食品まで……さまざまなカテゴリー別の最新のオススメを、これでもかと数多く紹介していただきました。まるで冷凍食品の森に迷い込んだような、楽しく目移りする記事になったと思っています。

（本書より）

　ここで気になるのが、先ほどの冷凍野菜のお話でも触れた「冷凍食品って、健康との関係はどうなの？」というギモンです。冷凍愛に溢れる冷凍王子は、もちろんここにも確固とした答えを用意していました。冷凍食品と栄養の関係にフォーカスし、主食・主菜・副菜・汁物・デザートまで冷凍食品を活用した、管理栄養士監修のヘルシーな献立を提案していただいています。また冷凍食品を献立に活用するときの注意点や栄養的ポイントを、具体的な献立をもとにレクチャーしていただきました。

　冷凍食品に関する超実用的なテクニックも完璧におさえました。スーパーで冷凍食品を買うタイミング、保冷バッグへの詰め方、裏面表示の見方、冷凍庫の整理術などなど、冷凍食品を美味しく長持ちさせるさまざまなテクニックを伝授していただいています。

（本書より）

冷凍食品の「科学知識」「歴史トリビア」を知れば、もっと美味しく楽しめる

　ここまでだけでも大変なボリュームの本になってしまいそうだったのですが、「冷凍王子」は立ち止まりませんでした。

　「もっと冷凍食品を好きになり、楽しむための記事を満載したい」。──そして想像を絶するエネルギーを費やしながら、冷凍食品に関するさらなる深い記事を取材し、執筆しました。その作業は、美味しい冷凍・解凍・調理に役立つ「システム冷凍」の科学的しくみとノウハウから、100年を超える日本の冷凍食品の歴史トリビアまで、多岐にわたる内容のセクションに結実しています。

　これらの記事は、たとえば小中学生のみなさんが「自由研究」テーマに冷凍食品を選んだら、おそらく資料は本書一冊で大丈夫だろうと思えるくらいの圧倒的な知識・情報量です。

　「なんでここまで……」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかしそこにこそ、この本に「冷凍王子」が託した思いの核心部分があるのです。

　著者である冷凍王子は、本書の中で断言しています。

　「『現在の私があるのは、冷凍食品と出会うことができたから』そういっても過言ではありません。冷凍食品こそ、私・西川剛史のルーツなのです。その冷凍食品の魅力を多くの人に知っていただきたい！」

　ここまで言い切ってしまう冷凍愛の人。それが「冷凍王子」なのです。

「冷凍王子」にしか書けない本になった

　日本の冷凍食品には、100年を超える歴史があり、その中でくり返されてきた偉大な先人たちの挑戦と努力によって、現在の優れた冷凍食品があり、いまも進化を続けています。コロナ禍による「おうちごはん」需要の増加も後押しし、冷凍食品やホームフリージングへの注目は日増しに増加しており、テレビや雑誌、インターネットなどで目にしない日はありません。

　そのような冷凍の世界を愛し、冷凍の世界に生きている著者「冷凍王子」は、ホームフリージングはもちろんのこと、今後特に冷凍食品の魅力やおいしく食べるための正しい知識、役立つ情報をどんどん発信していきたいと言います。

　まさに、ここにこそ、その思いを本書に詰め込み、みなさんに伝えるべく、空前絶後の内容になった必然的な理由が存在したのです。

　それでも制作を終えたいま、「まだまだ書き足りないことがたくさんある」と冷凍王子は語ります。それも当然のこと。冷凍の世界では毎日が新しいことの連続であり、この先も進化しつづけるでしょう。

　本書は冷凍食品の世界を網羅した一つの完成形であると同時に、冷凍の世界における一つの道標であるとも言えます。これからも「冷凍王子」は冷凍の世界で生き続けます。この本がその入り口として、長く読者の皆様のお目に留まることができれば、必ず「冷凍食品」の世界にプラスの貢献ができると確信しています。

（本書より）

冷凍王子の思いを伝えたい

　冷凍王子は本書のあとがきで、次のように述べています。

　「偉大な先人たちが抱いていた『冷凍食品への夢とロマン』を引き継いで、誰よりも熱い想いを胸に、これからも私は冷凍食品とかかわっていきたいと思います。また、『冷凍は時間と場所を超える魔法の技術である』ことを説き、『冷凍食品で手軽に簡単に、健康で豊かな食生活を実現する』ことを伝えていきます。

　冷凍食品のチカラによって、誰もが幸せになる世界を……私は本気で実現したいのです。」

　ここまで熱い思いを抱く「冷凍食品」とは、いったい何なのか？　そう思ってしまうかもしれませんが、本書では著者のルーツである「運命の冷凍食品との出会い、そして冷凍を愛し、冷凍に愛された」空前絶後のエピソードもマンガで紹介しています。これをお読みになれば、一人の人生をかけた「冷凍愛」が本物のそれであることを、間違いなく感じていただけるでしょう。

　まずは本書をお手にとっていただき、「冷凍王子イチオシの冷凍食品」を、おすすめのレシピで今晩試しに食べてみませんか？　きっと美味しさにビックリしますよ。

『いますぐ食べたい！冷凍食品の本』西川剛史

「冷凍王子」が冷凍食品の魅力をすべてお伝えする渾身の一冊。

今日からあなたも「冷凍マイスター」になれる！

定価1,650円（本体1,500円+税）

A5判/208ページ

2022年12月25日 発行

ISBN 978-4-426-12830-2

https://www.amazon.co.jp/dp/4426128307/

「冷凍王子」として各メディアで引っ張りだこの冷凍食品専門家・西川剛史による、冷凍食品をあらゆる側面から追究する究極の一冊！

○第1章 こんなにスゴい！王道の冷凍食品８選

みんな大好き、THE・王道の冷凍食品――餃子、炒飯、お好み焼き、焼きおにぎり、鍋焼きうどん、パスタ。それぞれの美味しさの秘密を各メーカーに取材し、徹底解剖！

○第2章 超使える！冷凍野菜7選＆活用レシピ１４

毎日の料理の強い味方、お役立ち食材、それが冷凍野菜です。旬の時期に収穫されたあと急速凍結されているので、栄養価も高く、おいしいのが魅力。「栄養価は大丈夫？」という疑問に答えるデータも用意しています。簡単でおいしい活用レシピも掲載。

○第3章 時短の味方！冷凍うどんの魅力＆アレンジレシピ６

レンチンするだけで簡単、しかもコシが失われない冷凍さぬきうどん。その製造の舞台裏と、冷凍うどん簡単アレンジレシピも掲載。

○第4章 冷凍王子オリジナル！冷凍食品アレンジレシピ１８

そのまま食べてもおいしい冷凍食品を、さらなる美味を求めて冷凍王子が大胆にアレンジ！新しい食べ方をドーンと18品分ご提案。

○第5章 とことん使える！とっておきの冷凍食品77品

今話題の「業務スーパー冷凍食品」に始まり、身近なコンビニの冷凍食品やお弁当用冷凍食品、高級冷凍食品まで……さまざまなカテゴリー別のオススメが一堂に集結。

○第6章 冷凍食品で簡単にできる！健康的な献立の作り方

冷凍食品と栄養の関係にフィーチャーした本章では、主食・主菜・副菜・汁物・デザートまで冷凍食品を活用した、管理栄養士監修のヘルシーな献立を提案。冷凍食品を献立に活用するときの注意点や栄養的ポイントを、具体的な献立をもとに解説します。

○第7章 すぐに役立つ冷凍テクニック

スーパーで冷凍食品を買うタイミング、保冷バッグへの詰め方、裏面表示の見方、冷凍庫の整理術などなど、冷凍食品をおいしく長持ちさせるさまざまなテクニックを伝授します。

○第8章 知って得する? 冷凍の科学

日本の冷凍学の第一人者である「冷凍博士」、東京海洋大学特任教授・鈴木徹氏を監修に迎え、冷凍を科学的見地から紐解きます。豊富なイラストや図を用いて、冷凍を科学的に深掘り！冷凍食品の活用度がぐんっと上がります！

○第9章 知って得する? 冷凍食品の歴史トリビア18

冷凍食品ジャーナリスト・冷凍食品エフエフプレス編集長の山本純子氏を監修に迎え、さまざまな世相や時代を反映しながら進歩を重ねてきた日本の冷凍食品１００年の歴史を１８のトリビアとして紹介します。

○第10章 進化し続けるイマドキの冷凍食品事情

話題の急速凍結技術、冷凍麺の魅力、拡大している冷凍自販機や冷凍食品専門店、ハイクオリティな冷凍パン、ここでしか買えないご当地冷凍食品など……著者の取材をもとに進化し続ける冷凍食品の"イマ"をお伝えします。

○最終章 未来の冷凍食品

今後、冷凍食品はどのように進化していくのでしょうか？ 例えば、「AIスピーカーに呼びかければ好きなものがすぐに食べられる全自動料理提供」「バーチャル冷凍食品専門店」なども夢ではないかもしれません。未来の冷凍食品について考えました。

プロフィール

西川 剛史（にしかわ・たかし）

冷凍食品専門家／冷凍生活アドバイザー

高校生の頃から冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社に就職。冷凍食品の商品開発などの経験を生かし、現在は冷凍食品専門家として活動中。また、冷凍王子としてTBS系列「マツコの知らない世界」「王様のブランチ」、日本テレビ系列「ヒルナンデス！」、NHK総合「ごごナマ」などのテレビや雑誌等、さまざまなメディアで活躍する。

2016年8月には、家庭における冷凍テクニックを理論的に体系的に学べる資格講座として「冷凍生活アドバイザー養成講座」を開講。その冷凍テクニックをまとめた多数の著書の累計発行部数は20万部を突破している。

現在も年間約1,000品の冷凍食品を試食し、累計1万品以上の冷凍食品を実食している。その経験を活かし、冷凍食品開発コンサルタントとしても活動。主に中小企業や地方の冷凍食品メーカーに向けて、冷凍食品の商品開発支援に精力的に取り組んでいる。

常に冷凍を切り口にした、新しい活動や事業を積極的におこなっている。