京丹後市は、京都府北部に位置する海と山に囲まれた自然豊かな環境にあり、旬を迎える琴引メロンやブランドガニである間人ガニなど、豊富な食資源を有しています。一方で、本市では少量多品種生産が主流であり、地場産品の供給量の少なさが地域の課題となっています。

この課題解決を見据えて、地場産品の創出を支援する「#ふるさと納税3.0」への取り組みをスタートしました。そして、本事業の第3弾として、京丹後産紅はるかを使用した冷凍焼き芋の開発プロジェクトを立ち上げました。

本ストーリーでは、そのような地域の課題を解決するために取り組んだプロジェクトの裏側をお伝えします。

「#ふるさと納税3.0」とは

本事業は、地場産品の創出を計画する事業者に対して、必要な事業資金（イニシャルコスト）を補助金として交付するものです。交付する補助金の原資は、ふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディング（以下、CF）を通じて寄附を募り、必要な寄附額が集まれば、事業を開始することができます。

本市では、自主財源の確保と地域経済の活性化を目的に、2020年より「ふるさと納税10倍プロジェクト*1」を掲げ、ふるさと納税の寄附受入を推進する「ふるさと応援推進室」を設置するなど、寄附受入に向けた取り組みを本格化させました。

*1 ふるさと納税10倍プロジェクトとは、自主財源の獲得と 地域経済の発展を目的に京丹後市（市長：中山泰）が公約として掲げたもので、2018年度の寄附受入額（約2億7千万円）から、2023年度までに10倍の30億円を目指すプロジェクトです。

制度の開始以来、京丹後市の事業者による成功が続く

昨年6月に本事業を開始して以降、地元スーパーマーケットや地域商社が本事業にて熟成肉とクラフトビールの商品開発に取り組み、計約9,000万円の寄附をいただきました。本事業は、ふるさと納税を推進するだけではなく、新しい地場産品が創出されることにより、産業振興や地域経済の活性化にも寄与しています。

第1弾としては、本市を拠点にスーパーマーケット事業を展開する、株式会社にしがきが、熟成肉の商品開発に取り組みました。

当社は、創業以来70年以上にわたり精肉をはじめとする様々な食品の製造・販売を手掛けており、地域の食卓に安全・安心な食品を提供し続けてきました。本事業にあたっては、精肉担当のプロが、その時々に応じて状態の良い国産牛を仕入れ、肉のブロック（部位）ごとに試行錯誤を重ね、一番美味しくなる期間を定めて丁寧に熟成させることで、より柔らかい熟成肉の開発にいたりました。募集期間3カ月で7,000万円を超える寄附金額（目標寄付金額201％）を受け付けし、事業開始に至りました。

第2弾では、西日本最大の道の駅を運営する株式会社丹後王国ブルワリーが、瓶ビールとして提供している人気クラフトビール「TANGO KINGDOM Beer®」を缶ビールとして商品化するプロジェクトに挑戦しました。

瓶ビールは、美味しさを保つために冷蔵保存が必要である一方、缶ビールでは、常温保存が可能であるほか、瓶ビールに比べて消費期限が長く、保存性に優れています。この缶特有の利点に着目し、消費者の利便性向上とフードロス削減を目指して寄附募集を開始したところ、1,400万円を超える寄附金額（目標寄附金額107％）を受け付けし、事業開始に至りました。

「 #ふるさと納税3.0」第3弾の事業化が決定！3週間で目標額に到達！

今年5月には、第3弾として、京都府北部エリアを中心に農業事業を展開する老舗企業である株式会社三豊が、京丹後産紅はるかを使用した冷凍焼き芋の開発プロジェクトを立ち上げました。

紅はるか最大の特徴は、貯蔵熟成によって生まれる強い甘みです。品種一ともいわれる糖度の高さで、従来のさつまいもよりはるかに甘いということから、紅はるかと名付けられています。焼き芋にするとしっとりした舌触りで濃厚な甘味が強く、密が入ったように柔らかいねっとりした食感が特徴的なことから、「焼き芋」に適した品種です。

京丹後産紅はるかについてはリピーターが多く、「焼き芋」への商品化を希望されるお声があったことも商品開発のヒントになりました。商品開発にあたっては、美味しさを逃すことなく焼きたての味をご家庭にお届けしたいという強い思いがありました。そこで、収穫後、長期熟成させた京丹後産紅はるかを、低温でじっくり焼き上げた後、すぐ急速冷凍することができる急速冷凍庫の導入を企画しました。

5月22日より寄附募集を開始したところ、僅か3週間で目標金額である119万円を達成し、予想を上回る反響をいただいています。

京丹後市では、本事業をきっかけとして多くの事業者が新しい地場産品を企画、開発することで、本市の魅力が増えるだけでなく、新たな雇用の促進や産業振興の契機となりますし、何よりも、プロジェクトを応援いただく方にますます喜んでいただけるよう、地域一丸となって地場産品の開発に努めてまいりたいと考えております。

＜プロジェクト概要＞

実施事業者：株式会社 三豊

プロジェクト名称：京の味覚「京都産極上紅はるか」の冷凍焼き芋　開発プロジェクト

目標寄附額：1,194,000円

本日（7月12日）時点寄附額：1,679,000円

創出する産品（返礼品）：

・京の味覚「京都産極上紅はるか」の冷凍焼き芋 2Kg　（寄附額7,000円）

・京の味覚「京都産極上紅はるか」の冷凍焼き芋 3Kg　（寄附額10,000円）

プロジェクト実施期間（予定）：

～寄附受付～2023年5月22日～2023年12月31日

～急速冷凍庫導入～2024年1月初旬頃

～返礼品の発送～2024年1月中旬以降順次

プロジェクトの詳細は以下の特設ページをご覧ください。

（特設ページ）：

https://furusato-kyotango.jp/cf/detail.php?unid=3dc0e5f67465952770c0a1456a7c0fe3