2015年から継続的に介助犬支援をして下さっている、読売巨人軍の菅野智之投手。その支援が始まったきっかけからどのような活動をして頂いているか、社会福祉法人日本介助犬協会専務理事の高柳友子さんに話を聞きました。

　　　　　　　　　　　　専務理事　高栁友子

• 菅野投手と介助犬の出会い

2015年のとある日、読売巨人軍の菅野智之投手が原辰徳監督と日本介助犬協会（https://www.s-dog.jp/）の橋本久美子会長（元橋本龍太郎総理大臣夫人）とお話をしておられた折、菅野投手から「何かしら野球を通して社会貢献が出来たら」という話題が出たそうです。

橋本会長は、すかさず、「菅野投手、犬はお好き？？」「介助犬って知っていらっしゃる？？」と、身を乗り出したそう。

介助犬は手足に障害のある方の自立と社会参加を助ける犬で全国に未だ６０頭未満。盲導犬のように認知度が高くなく、ほとんどの方が知らないためその育成費のほとんどが寄付に頼っており普及活動が進まないこと、橋本龍太郎総理が議員連盟の会長として、身体障害者補助犬法が成立したこと。盲導犬と介助犬、聴導犬の3種類を総称して補助犬とし、社会はその同伴を拒んではならないという法律ができたこと。しかしながら、補助犬法の認知度も低いことから、飲食店や野球スタジアムなどでもペット同様に同伴を断られることがあり、まだ課題が山積していること、などを熱心に話されたそうです。

「僕にお手伝いできる事があるでしょうか？」

日本を代表する投手の、そんな謙虚なお気持ちから介助犬への支援は始まりました。

「菅野投手が介助犬を応援している」それが様々な場面で報じられるだけでとても大きな介助犬の認知広報活動になります。2015年の最初の寄付贈呈式のニュースを通じて、大手の新聞社、スポーツ紙各社が「介助犬」の文字を掲載くださり、感動したことを今でも覚えています。

「是非、継続してのご支援をお願いします」との橋本会長からのお願いに、菅野投手は「お手伝いするからには毎年しっかり貢献できるように、そしてそれを自分の頑張りのモティベーションにも出来るように取り組みたい」と話されていたと聞きます。

• 菅野基金創設

「菅野基金」として、試合での1勝あたり10万円の寄付を。勝利をするだけたくさんの寄付が出来る。それは、大きなプレッシャーとなるはずの挑戦ですが「モティベーションになる」と話す菅野投手。毎年の寄付贈呈式で、介助犬と接する時には球場でみる表情とはまるで違い、優しく温かい表情になっています。

菅野基金贈呈式は、2015年度読売巨人軍本社にて、2016年度沖縄キャンプ、2017年度宮崎キャンプ、2018年度沖縄キャンプ、2019年度ファン感謝祭、そして2020年12月に両国国技館で行われたシーズン感謝祭にて開催いただきました。菅野投手のご活躍、そして継続的なご支援を通じて介助犬の認知度が少しずつ向上していることを実感しています。

• パラスポーツに取り組む介助犬ユーザーとの交流

介助犬ユーザーでパラスポーツに取り組む方の存在を聞き、介助犬ユーザーとの交流も楽しみにしておられる菅野投手。

2016年沖縄キャンプで、県内初・そして唯一の介助犬ユーザーの新開秀夫さん&介助犬オメガと交流、2017年宮崎ではアダプティブサーフィン世界大会メダリストの藤原智貴さんのサーフィンを青島海岸で見学、介助犬ダイキチと触れ合い、2018年沖縄キャンプではパラバドミントン選手の我妻進之さんと車椅子に乗ってパラバドミントンの体験試合を行いました。そして前回の沖縄キャンプでは、大の巨人ファンでいつも巨人のユニフォームを着て東京ドームに試合を見に行く、石井勝己さん&介助犬クウと交流されていたのが記憶に新しいです。

介助犬使用者と介助犬について語る菅野投手：https://s-dog.jp/interview/special01/

• 支援活動のさらなる展開：東京ドームに介助犬

2019年からは菅野投手からの声かけにより、東京ドーム三塁側コンコースに介助犬PRブースを設置いただき、チャリティグッズ販売や介助犬使用者石井さんご夫妻や日本介助犬協会職員、ボランティアによる募金活動も展開されました。

最初は、「なぜ犬がいるの？？介助犬？？へえー」と、介助犬の存在を全く知らないお客様が多かったのですが、菅野投手とのコラボグッズとしてTシャツやトートバッグなどの販売を始めると、ドームに到着するやいなや、最初に介助犬ブースに駆けつけて下さるお客様が増え、なんと介助犬PR犬のファンタ、ハッシュ、ダンクの名前を覚えてプラカードまで作って来て下さるお客様も見えるようになりました。

菅野投手ファン、巨人ファンの中で、確実に介助犬の認知度は向上しました。それがとてつもなく、大きな功績です。

コロナ禍で球場での募金やグッズ販売活動が出来ない間は、この時しかできない！バーチャルバックネットに介助犬を動員！

（関連リリース記事：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000058195.html）

 この可愛すぎるバックネットは、巨人ファンに限らず、とても多くの野球観戦者の目に止まり、菅野投手が介助犬を応援しているという活動の認知度向上にもつながりました。

初めて京セラドーム出展した日本シリーズ期間中の介助犬ブースでは、関西エリアの巨人ファンから「ウェブでは見ていたけど初めて実際に介助犬ブースに来られて嬉しかった！デザインも良いし、何と言っても菅野投手と一緒に社会貢献が出来るのだから喜んで買います♪」 というお客様が多くグッズは大変ご好評をいただき、球場ではコラボグッズを身につけて来場されるお客様がとても多くなった印象です。

毎回コラボグッズをいち早く購入し身につけて下さるだけでなく、巨人軍の選手の皆様にもプレゼントして下さる菅野投手が、小さい団体である私たちの活動を見つけて下さったことには感謝の言葉しかありません。菅野投手の活躍とともに、私たちの活動もどんどん大きく羽ばたけるように、頑張らなければ！と思っています。

菅野投手コラボグッズの次は、記念すべき　最多勝記念グッズ！です。（近日発売開始）

ウェブ販売のみとなりますので、お楽しみにしてください♪（https://sdog.theshop.jp/）

菅野投手、これからもご活躍を心から祈念しております。

（社会福祉法人　日本介助犬協会役職員および介助犬ユーザー一同）