鳥取県内５つのキャンプ場を運営するTOTTORI-CAMPPARK（株式会社スマイルキューブ）は2023年6月、鳥取県の建築資材メーカー・商社ミヨシ産業株式会社との共同開発によるオリジナルサウナユニット「N-sauna」を発表。グループ運営の宿泊交流施設にて視察・見学用に一定期間公開の後、2023年10月より株式会社一向平キャンプ場（鳥取県琴浦町）が運営するサウナ施設「Nature Sauna」に設置場所を移動、サウナフェス等のイベントを中心に一般利用を開始しました。鳥取の山中から、自然と人にやさしく持続可能な日本流の新しいサウナ文化を提案したいと思います。

■「N-sauna」商品開発の背景

長かったコロナ禍の閉塞感のなか、全国的にアウトドアサウナが注目され始めたタイミングで、鳥取県の大山（だいせん）国立公園内にある一向平キャンプ場に本格的なフィンランドサウナが誕生。一躍人気スポットになり、鳥取県では2021年より新たな観光政策として「ととのうとっとり」を合言葉にサウナツーリズムを推進。県内各地で、常設サウナをもたない施設や野外イベントにおいてもテントサウナやバレルサウナの利用が広がっています。ここに、より独自性・差別性のある高付加価値のサウナ空間づくりをめざし商品企画がスタート。鳥取県産木材を加工した注目の新建材CLTを使用、世界で活躍するトップアウフギーサー五塔熱子さんを商品監修に迎え、約半年間の開発・製作期間を経て、「N-sauna」は2023年春に完成しました。

■「N-sauna」その後の歩み

2023年6月

完成した第一号「N-sauna」は、同時期リニューアルオープンした鳥取県日野町の宿泊交流施設「リバーサイド ひの」にて設置・公開され、見学受付をスタート。

6月27日、PRTIMESプレスリリースを配信。地元および全国のメディアに多数ご紹介いただきました。

2023年10月4日

当初設置の日野町から、TOTTORI-CAMPPARK唯一のサウナ施設である一向平キャンプ場Nature Saunaに設置場所を移動。常設サウナ・テントサウナに続く、ウィスキング専用の“第3のサウナ”として、使用を開始しました。

＜ウィスキングとは＞

サウナ室で植物など自然素材を使用して、心身をととのえること。本場フィンランドでは白樺など香りの良い若枝の「ヴィヒタ」（英語で「ウィスク」）で身体を叩くマッサージ法が知られています。他の各国や日本においても、植物の効果効能を取り入れた温浴は、古くから健康習慣として親しまれてきました。一向平キャンプ場Nature Saunaでは、地元琴浦町の森林の枝葉を束ねた手作りのウィスクを使用しています。

2023年11月25日・26日

米子市皆生温泉にて「日本サウナ学会総会2023」と合わせて開催された「ととのうとっとりサウナフェス」では、全国から集まった約200名のサウナーが「N-sauna」を含む4種類のサウナを当地グルメの数々とともに満喫しました。フェス2日めとなる26日は、会場から車で約1時間の一向平キャンプ場Nature Saunaでもイベントを実施。「N-sauna」でのハーバルサウナは遠路はるばるご来店の方々に好評を博しました。

2023年12月9日

季節ごとに開催される「ネイチャーサウナフェス」の今シーズンを締めくくる12月9日は、初めてウィスキングとハーバルサウナをメインとする内容に。サウナ好きが集まるポータルサイト「サウナイキタイ」に、ご利用いただいた皆様から「N-sauna」について多数の貴重なクチコミ（「サ活」）コメントが寄せられています。

https://sauna-ikitai.com/saunas/9626/posts

■「N-sauna」の現在とこれから

雪深い山麓にある一向平キャンプ場では12月11日から冬季休業に入り、「N-sauna」最初の1年が無事終了しました。3月半ばの再開まで、この地で春を待ちます。

サウナ発祥の地であるフィンランドと同様に、小さいながらも変化に富んだ地形をもつ鳥取県は、豊かな大自然を誰もが気軽に楽しむことができるアウトドアツーリズムに活路を見出そうとしています。その試みのなかで誕生したオリジナルサウナユニットの頭文字「N」は、商品監修者Netsukoの頭文字であると同時に、私たちが大切に考える価値観であるNatural（自然）、Neutral（中庸）、そしてNippon（日本）など、たくさんの意味と想いが重まったもの。

その歩みは始まったばかりですが、アウトドアビジネスが担う地方創生の可能性や、サウナカルチャーという新しい文化を日本に根付かせていくためのヒントがたくさん散りばめられたものになると私たちは考えています。