こんにちは。株式会社中央軒煎餅 商品開発チームの責任者　武井です。

弊社は1923年に東京・荒川区で創業し、小さな工場からスタート、まもなく100年を迎える煎餅屋です。

次の100年に向かって既成概念にとらわれず、チャレンジするという決意がありました。

職人の多くの手作業により、約10日間じっくりと手間暇かけてつくる「ひとすじに、ひたむきに」のものづくりのメーカーから、「笑顔づくりのクリエーター・チームへ」というビジョンを掲げ、より社会の役に立ち、人を笑顔にさせる本質的な価値創造への一歩を踏み出したいと考えていました。

「それならば、宣言しよう！」と、私たちは1年前のPR TIMESさんの「April Dream」の企画で発信してしまったのです。

「おかき革命！おかきで食料自給率を上げる。おやつの枠を超えて、朝食や軽食、おうち時間やアウトドアなど、様々な時間やシーンで楽しめるおかきづくりにチャレンジします。おかきの主原料である国産もち米の消費量を増やすことで日本の食料自給率をあげることを宣言します。」なんて、大きな夢でしょう！

配信後、数社のメディアからお問い合わせがあり、「自分流に、自由に楽しむ中央軒煎餅」の記事掲載をしていただきました。お客様や友人・知人からも応援のメッセージを頂戴致しました。

これはもう、後にひくことはできません。「夢を実現するために、突き進むしかない！」と覚悟を決めました。

まず、初めに自社の強みを活かし、どのようにしたら「おかきで食料自給率を上げることができるかだろうか？」のアイデア出しのミーティングが行われました。

そして、３つのプロジェクトが結成され、生産部（工場）との共同開発がスタートしました。

３つのアイデアはそれぞれ、従来にはない「新しいおかき時間」を創ることでした。

朝食にクスッっと笑顔を！

第一弾は、子育てママを応援「朝から子どもママもクスっと元気に！」をテーマに“ARARE Jumpin!（アラレ・ジャンピン！）”が開発され、2021年7月に初クラウドファンディングMakuakeにて、販売を実現しました。

新しいおかきの時間として「朝食」を選び、「スープ」に特化した理由は、朝食の時間は子育てママに取って悩みの多い時間だからです。社内には子育てママ・パパが多いこともあり、忙しい朝の時間帯はついつい笑顔を忘れて、イライラしてしまうという切実な悩みが・・・。

そこで、手軽にスープにアラレをジャンプインして食べてもらおう！子どももママも笑顔になる商品の開発が実行されました。食物繊維豊富な玄米を使い、シールド乳酸菌を生地に練り込み、「元気になる」ための付加価値を加えました。3種のスープ「コーン」「じゃがいも」「トマト系」を特定し、それぞれに合う副素材「とうもろこし」「だだちゃ豆」「3種のチーズ」を選んでアラレを開発しました。

更に、子どもを笑顔にする工夫として、アラレ一つ一つに3種のキャラクターの顔＆ラッキーモチーフを描きました。この「生産部泣かせ」のアイデアを聞いた時、どうやって生産現場に理解してもらおうか？と不安が募りました。いくつかの壁を乗り越えた結果、子ども達からの「かわいい！」の声につなげることができました。

企画概要が社内で承認されたので、Makuakeのご担当者と商談を行ないました。すると「1か月後の公開に向かって準備しましょう！」と。お客様へのお届けは３か月後だとしても、開発途中で完成していない商品を公開するなど初体験です。そのスピード感に驚きと困惑が隠せませんでした。そこから始まる超速・ドキドキの数か月・・・。

焚火を囲んで、おかきづくり体験を！

第二弾は、コロナ禍にアウトドアやキャンプで楽しいおかきづくりを体験していただく“CAMP de OKAKI”。2021年9月に製品化をしました。

焼き工程前のおかきやあられ生地をパックした商品を3種類開発しました。家族や大切な人と焚火を囲み、自分だけのおかきづくりを体験して欲しいとの思いをこめました。

はじめてのおかきづくりに活かしていただこうと、代表の山田自ら、CAMP de OKAKIを持参してキャンプに出掛け、動画を撮影・配信しました。

山の中の電波のない場所でもおかきの作り方を見ていただけるように、商品パッケージには、レシピが記載されたをタグを付けました。

軽食には、揚げたてのライスコロッケを！

第三弾は、おかきの生開発でおやつをもっと楽しく！ 揚げたての“モチボール”。埼玉県の上里工場直売店の感謝祭にて、2021年10月にテスト販売を実施しました。

このモチボールは、もち米生地にトマトやベーコンを練り込んで、中心部分にチーズを入れて高温でカラッと上げたライスコロッケのような商品で軽食向けに開発しました。

抹茶、ナッツ、チョコを使ったデザート向けの味も用意しました。

お客様からは「サクサク、モチモチ」の食感がおいしいとの声をいただき、ほっとしました。

お客様とつながる体験は次へのエネルギーに！

これら３つのチャレンジは、堂々と、大風呂敷を広げた夢の配信「April Dream」が行動変容のきっかけとなりました。

特にMakuakeでは、応援してくださったサポーターの方に商品が到着するまで３か月を要したため、その間、開発途中の様子を活動レポートで11回報告をさせていただきました。

サポーターのみなさんから「子どもに食べさせるのが楽しみです」「子どもたちと届くのを楽しみにしています」「がんばって！」の応援メッセージを76件もいただきました。

お客様の応援の声が、本当にありがたくて、うれしくて、もの凄いエネルギーとなって工場の協力を得ながら、2倍・3倍速で開発を進めることができました。

CAMP de OKAKIの開発段階では、キャンパーの方が実際に何度も試して下さり、体験に基づくリアルなアドバイスをいただき、改良を重ねました。

こうして、お客様とつながることの大切さ、喜びを改めて実感する一年間となりました。

このチャレンジに対して、覚悟を決めて実行してくれた担当者＆社内の仲間たち、社外の

協力者のみなさま、そして商品化にむけて応援して下さったみなさまに改めて感謝致しま

す。

ありがとうございました。

2023年に創業100年を迎えます。2022年も「April Dream」で大風呂敷を広げて、おかき革命を継続したいと考えています。