岐阜県の最北端に位置する、自然豊かな飛騨市。人口減少や高齢化、担い手不足、といったさまざまな課題解決のための先進的な取り組みの数々を、市内外に向けて魅力的に発信しています。
今年7月に配信した、ふるさと納税返礼品「おっちゃんレンタル」のプレスリリースは、地元のつり名人をレンタルするというユニークな発想や伝え方が評価され、地元の魅力を内外へ広げることに最も貢献したプレスリリースに贈られる「ローカル賞」を受賞。
昨年同賞を受賞した「ヒダ×10代ケンシン」のプレスリリースに続き、2年連続の受賞です。
【受賞プレスリリース】【岐阜県飛騨市】「伝説のおっちゃん」ふるさと納税で“借りられる”時代へ。伝説の鮎釣り名人が鮎釣りを伝授!飛騨でしか味わえないふるさと納税を体感せよ!
【受賞理由】
ふるさと納税の返礼品として、地元の名人を「レンタル」できる事業自体も興味深いですが、その具体的な取り組みや魅力がプレスリリースを通じて上手く示されています。参加意欲を喚起するだけでなく、地域の自然や名人の人間的な魅力も伝えられており、地域のPRとして高い効果が期待できると思いました。(河 炅珍)
「伝説のおっちゃん」ふるさと納税で“借りられる”時代へ。という見出しのコピーが秀逸。おっちゃんの写真もあり、共感を生み出しつつ、ふるさと納税に繋げている自治体のリリースのお手本となるような素晴らしいリリースだと思います。(佐久間 智之)
「伝説の名人」を強調している割に根拠の記載がなく、やや宣伝色が過剰なのが気になったが、地域の関係人口創出に向け、ふるさと納税を通じた地元の名人・達人による体験型施策の提供、というアプローチは非常にユニークで地域の魅力付けになっている。「おっちゃんレンタル」という言葉選びも秀逸。(矢嶋 聡)
「〇〇レンタル」という、特定の人レンタル系サービスは徐々に広がっていますが、技術を持った釣り名人をレンタルにする発想が面白い。「おっちゃん」と表現することで注目度を高めている。(中村 勇介)
ふるさと納税のユニークな返礼品を紹介する内容で、プレスリリースにする価値があるほか、「おっちゃん」の人柄が伝わってくる書き方は広く共感を呼びそうです。(関根 和弘)

岐阜県飛騨市 企画部 ふるさと応援課 ふるさと応援係 主査
岐阜県飛騨市出身。大学卒業後、民間企業勤務を経て、2014年に飛騨市役所へ入庁。これまでに市内公共交通網の再編に尽力。現在は、ふるさと納税を担当し、適正な制度運営とふるさと納税を通じた関係人口創出を目指して取り組んでいる。

岐阜県飛騨市 企画部 総合政策課 広報プロモーション係 主査
岐阜県飛騨市出身。大学卒業後、飛騨市役所に入庁。これまでに介護保険、ふるさと納税、企業連携、関係人口に関する業務を担当。2017年「飛騨市ファンクラブ」、2020年「ヒダスケ!」の立ち上げ・創設期の運営に携わる。山口大学や京都府立大学、大阪大学等のメンバーで構成する「未来のコミュニティ研究室」では、関係人口創出のメカニズムや地域活力・地域愛着に関する研究を実施。現在は市の広報・プロモーションを担当し、さまざまな切り口から地域の宝物を掘り起こし、発信し、地域のファンを増やす取り組みに力を入れている。2025年より第四期プレスリリースエバンジェリストとして活動。
岐阜県飛騨市:ローカル賞受賞
──昨年に続き2年連続の「ローカル賞」受賞、おめでとうございます。2度目の受賞、決まったときはどのように感じられましたか。
2年連続のローカル賞の受賞でとても嬉しいですね。特に、発信と活用により地元の魅力を内外へ広げることに最も貢献したプレスリリースに贈られる「ローカル賞」は、自治体広報を担当する職員としても非常に励みになります。
──周囲からの反響はいかがでしたか。
日ごろからプレスリリースの一つひとつに想いをこめて書いていますが、今回のプレスリリースは、広報担当に加えて事業担当と中間支援事業者のメンバーで発信内容を事前に相談し、計画的・戦略的に発信をしたものです。チームで取り組んだものが評価され、喜びもひとしおでした。昨年度は福祉、今年度は地域振興のプレスリリースがそれぞれ認められ、飛騨市の全分野からの政策プロモーションの実現に一歩近づけたようで嬉しく思っています。
──前回受賞された「ヒダ×10代ケンシン」では、人口減少先進地として新しいチャレンジを知っていただくためだったかと思いますが、今回の受賞プレスリリースは、どのような目的で配信したのでしょうか。
ふるさと納税は全国的に返礼品競争になっており、本質的な制度運営が求められています。そのような中で、飛騨市では「日本一ふるさと納税をしてよかったと思っていただける自治体」になることを目標に、ふるさと納税事業に取り組んできました。
その中で「おっちゃんレンタル」は、ふるさと納税を通して実際に現地を訪れ、地域の自慢の人物とつながり、より多くの人に地域やその人の魅力を知ってほしいと思い、6年前から始めました。
飛騨市のふるさと納税の取り組みを広く伝えるとともに、飛騨市のまちや人の魅力と面白さを伝えるために発信したのが、このプレスリリースです。1週間で5,400PVを記録し、開催日当日はメディア4社に取り上げていただきました。「個人レッスン付き鮎釣り体験」は4日間のすべての日程が満員になり、市内の観光客増加や滞在時間延長にも寄与できました。
──「ヒダ×10代ケンシン」のプレスリリースは1週間で3,200PVとのことでしたので、さらに多くの方に見ていただくことになり、当初の「広く伝える」という点を達成できたわけですね。
はい。また参加者の満足度は5段階評価で4.9と非常に高く、「来年も鮎釣り体験プログラムあったら参加したい」「名人のアドバイスで鮎が次々と釣れて嬉しかった」「他の参加者の方と鮎釣りや釣れた時の嬉しさが共有できて、とても充実した時間だった」といった声が寄せられ、すぐに来年の申込をしたいという声も聞かれるほどでした。
実際にリピーターの参加者もいらっしゃって、ふるさと納税からの地域のファンづくりを進めている私たちにとっても、大変嬉しかったです。
──釣り名人をふるさと納税の返礼品として「レンタル」するというユニークな取り組みや、「おっちゃんレンタル」という言葉選びが審査員からも好評でした。受賞プレスリリースを作成するにあたり、そのほかに工夫された点はありますか。

「おっちゃんレンタル」のプレスリリースは毎年出していますが、これまでは事実を正しく伝えるだけの内容でした。しかし今回は、タイトルやリード文で関心をもってもらい、「おっちゃん」の室田正さんの表情や思い、人柄が伝わるように工夫をしました。全国的にも体験ものの返礼品が増加傾向のなかで、「おっちゃん」をレンタルするという意外性と興味をひくような魅せ方を意識してプレスリリースを作成しています。
また、寄附者が安心して参加できるように、体験の様子をしっかり伝えることも意識したポイントです。加えて、飛騨市のふるさと納税事業に取り組む姿勢や、関係人口創出になるデータなどを活用しながら、「ふるさと納税からの地域のファンづくり」の大切さを表現しました。
──飛騨市として、日ごろプレスリリースの発信後に意識的に行っていることがあれば教えてください。
飛騨市では「政策プロモーション」と銘打って、市内外への広報を強化しています。市民生活を軸に据えた政策そのものを市内外に発信することで、「必要な人に正確に届く広報」と、「飛騨市への関心や関わりを育む広報PR活動」の両立を目指しているところです。
プレスリリース配信後は、どのような反響があったのか、プレスリリースに関わった職員の意識に変化があったかなど振り返りの時間を確保。単にプレスリリースを配信することが目的にならないよう、情報発信により地域や受け取った人がどう変化しているのかを丁寧に観察・検証することを重視し、どんな小さな変化や反響でも事業担当者と共有しています。
こうした対話を市役所内で進めることで、広報部署は「より良い事業を進めるための仲間」であることを認識してもらえますし、発信の仕方に関する相談も増えてコミュニケーションにもつながっているのを感じています。
──配信して終わりにしない、大事ですね。
また私たちは、プレスリリースをオウンドメディアとして活用しています。飛騨市では、さまざまな政策や事業を行っていますので、普段から観光やまちづくりだけでなく、全世代の福祉、農業、林業、土木、教育、行政など全方位・全分野から発信を行っていますが、それぞれの活動や取り組みにおける背景や思い、現状をプレスリリースを活用して、その都度丁寧に発信することを意識しています。
市役所では異動があるので、職員が当時の状況を把握するのにも役立っていますし、アーカイブ機能もあるため、発信時は大きく反響がなくても、後日「このプレスリリースをみて」と問い合わせしてくださるメディアの方もいらっしゃいます。そういった意味でも、都度発信をしていく意味があると考えています。
──ありがとうございます。あらためて、「ローカル賞」受賞おめでとうございました。
まとめ:メンバーが変わっても地元の魅力を継続して伝え続ける
2021年から開催しているプレスリリースアワードは、今回で5回目。その中で48の企業・団体が受賞していますが、2年連続での受賞はヤッホーブルーイングに続き、2団体目です。
プレスリリース配信後に行っている反響の振り返りを行い、関わった職員の意識や地域の人々の変化に目に向け、活動を重ねている飛騨市だからこその受賞だったのではないでしょうか。活動や取り組みをすべてを取り入れることは難しいですが、プレスリリースを配信して終わりにしない、という点は参考にしたい点です。
3年連続の受賞なるか。今後も飛騨市の取り組みや発信に注目です。
昨年の受賞後のインタビューでは、受賞プレスリリースに関わらず、普段の広報PR活動についても伺っています。あわせてご覧ください。
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