家族や恋人、サークルや仕事のチームでの予定共有が簡単にできるカレンダーシェア アプリ「TimeTree」。2015年にリリースされ、2021年5月には登録ユーザー数が3,000万を突破。海外でも多数のユーザーに利用されています。
今や世界中にファンがいるアプリを生んだ株式会社TimeTreeは、社長もインターンの学生も立場に関係なくニックネームで呼び合い、フルフレックスでフルリモートワーク可能という、ユニークなカルチャーが特徴の会社です。
そんなカルチャーは、メンバーひとり一人が最大限のパフォーマンスを発揮できるようにという思いから生まれました。また独自のカルチャーを事前に理解してもらうため、代表の深川さんはメンバーと一緒に採用・広報活動を実施。
会社の「等身大の姿」を伝える発信が、ミスマッチのない採用につながっていきました。今回は深川さんに、現在の発信スタイルが生まれた経緯について伺いました。
株式会社TimeTreeの最新のプレスリリースはこちら:株式会社TimeTreeのプレスリリース
個人としての発信と、会社としての発信の違い
── まず、現在深川さん自身はどのような発信をされているか教えてください。
深川さん(以下敬称略):大きく分けると、個人と企業、2つの発信に分かれます。
個人での発信は、X(旧Twitter)とLinkedInの2つです。こちらは、あえて深いことは考えずに深川個人としての発信をしています。そのほうが「TimeTree」という企業に興味をもってくれた方に人柄が伝わるので、入社を検討する参考になるかなと思っています。
また企業ブログやラジオは、コンテンツ制作に長けているメンバーが企画しています。
弊社ではコアバリューのひとつに「Why:なぜやるのか、にこだわる」を掲げています。だから企画が思い浮かんだ段階で社内に共有して、その「Why」に納得感があればすぐにでもチャレンジできる環境なんです。
── 広報・採用担当に発信を一任するのではなく、深川さんもメンバーと一緒に発信をはじめたきっかけは何だったのでしょうか?
深川:実はもともと「みんなと一緒に発信をしよう!」と思っていたわけではありませんでした。設立時に、広報担当者がいなかったことで必然的に私自身が広報活動をしていたんです。自社を立ち上げた2014年頃はアプリ開発に必死で、広報活動まで気が回っていませんでした。しかし、創業から2年経った頃に広報活動の必要性を感じて、私自身が動きはじめました。
はじめの頃は何からやっていいのかわからず手探りでしたね。雑誌の編集部やその他メディアに直接電話していた時期もあります。ひとりでも多くの方にTimeTreeのことを知ってもらいたい一心でした。結果的に、広報担当メンバーを採用するまでの間は1人で広報活動をしていましたね。
そのため、「一緒に発信をしている」というよりも「重要性は知っていて、もともと自分でやっていた」その結果というほうが正しいかもしれません。
あらためて振り返ると、今は一緒に発信をしてくれる仲間がいて本当にありがたいです。
等身大の姿を伝えることによる、採用面での効果とは
── TimeTreeさまでは、独自の選考フローなどを設けているのでしょうか?
深川:基本的に、書類選考後に面接を数回行います。特別変わった選考フローはないですね。
ただ選考においては、弊社が一方的に採用可否を判断するのではなく、お互いの「お見合い」のような場であることを意識しています。
これまでの経験を活かしていただけそうか?弊社のカルチャーに合いそうか?はもちろん考えますが、それは入社希望の方も同じ。経験を活かして、独自のカルチャーの中で働くイメージが持てるかを考えます。
実は、自社のカルチャーを中心に発信しているラジオは、もともと社内向けだったんです。コロナ禍でメンバー間のコミュニケーションが減ったことをきっかけにはじめました。
社内で発信していく中で「これは社外に公開してもいいのでは?」という声が上がり、今に至ります。
結果的に、テキストだけでなく声も含めて、現在進行形でカルチャーを作るメンバーの等身大の姿を伝えられていると感じています。
── 採用面において、等身大の姿を伝える発信をされている理由を教えてください。
深川:カルチャーや働き方の「癖」が強いので、入社後のミスマッチを出来るだけ減らしたいというのが大きな理由です。
たとえば、弊社ではひとり一人が最高のパフォーマンスを発揮できるように、次のような社内制度があります。
- フラットな関係性・組織を作るために、年齢や役職に関係なくメンバー同士ニックネームで呼び合う 例:Fred(フレッド)、JEDI(ジェダイ)など
- メンバーの主体性や創造性につながるように、業務に必要な機材や備品、メンバー同士のコミュニケーション時に活用できる飲食物など、3万円までは決裁不要で購入可能
例えば弊社では、役職や年齢などに関係なくフラットなコミュニケーションを生み出すために、メンバー同士ニックネームで呼び合っています。はじめは慣れないメンバーが多いですが「社長これはいかがですか?」と聞くより「Fred(深川代表)これはどうですか?」と聞けるほうが、コミュニケーションがスムーズになります。
ただこのようなカルチャーが合う人もいれば、合わない人ももちろんいます。そのため、入社後のギャップを埋めるためにも発信していますね。
またTimeTreeでは、日々「こうしたらユーザーに喜んでもらえるのでは?使いやすいのでは?」と考え、より良いサービスになるよう努めています。改善点や新しい機能を考えていくためには、メンバーひとり一人の「気づき」が大切です。
その気づきを養い活かしていくためにはメンバーが「自律」している必要がありますし、自律を促していくためには「自由」も必要です。
── 等身大の姿を伝える発信活動を通して、採用面ではどのような効果がありましたか?
深川:面接の際にお会いする方と「はじめまして」だけど、「完全なはじめましてではない」ことが大きいです。面接の場であらためて自社についての情報をすり合わせるのではなく、一歩踏み込んだ状態からお話ができます。
また「X(旧Twitter)を見ました」「ラジオを聴きました」という言葉を面接で聞けるのは嬉しいですね。
見たり聴いたりしてもらっている分、面接では自分がTimeTreeのカルチャーの中で働けるか?と深堀りしていってもらえるし、弊社も理解してもらったうえで経験を活かしてもらえるか考えられると感じています。
発信する必要性を感じる限り続けていく
── 日々変化が続いていく環境の中では、定期的な発信が不可欠だと思います。今日まで発信を継続できた理由はどのようにお考えでしょうか?
深川:弊社では、コアバリューとして「Why」なぜやるのか?という部分にこだわっています。
ただ業務を遂行するのではなく、どうしてやるべきなのかを考えて行動するのです。この行動指針がしっかりとメンバーに浸透していることで、それぞれが自律的に動くことができていると考えています。
だからこそ、例えば採用に関する情報発信が必要だと思ったら、「Why」なぜやるのか?を明確にした上で取り組む。そしてその情報は、すべてオープンにして社内共有するということを大切にしています。
弊社はシャイなメンバーが多いですが、明確な意思と理由を持って伝えることで「それなら自分も手伝えます」など、自然に自分ができることでサポートしてくれるメンバーが揃っています。
── 等身大の姿を発信したからこそ、協力しあえるメンバーが揃っているのだなと感じました。この自然な協力体制こそが、発信を継続できている理由なのでしょうか?
深川:そうですね。独自のカルチャーがあるので発信のネタはかなり多いです。
あらためてになりますが、もともと弊社がフラットな組織なのは、メンバーの主体性を大切にしたいからです。
TimeTreeというアプリを開発するにあたり、僕の中に設計図はありますがそれは正解ではないし、僕1人のアイデアだけが支持されるとは限りません。
そのため、自分の中にあるアイデアやコンセプトをメンバーにシェアし、お互いに意見を出し合い、120%の意見を掛け合わせてブラッシュアップを重ねてきました。
それは広報・採用活動においても同じだと感じています。
個人としての発信、また企業としての発信も「なぜやるのか?」を常に考え、メンバーの意見を掛け合わせて『TimeTreeの発信』を行っていこうと思います。
今回の事例のポイント
- 等身大の姿を伝える
- なぜやるのか?を徹底的に考える
「今のTimeTreeが完成とは思っていません」と語ってくださった深川さん。メンバー全員が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、独自のカルチャーを設定されています。そして採用面においてはミスマッチがないように、等身大の発信をされてきました。
また「こういうことを発信してほしい」と一任するのではなく、必要に感じたらメンバーが提案し、なぜやるべきかを共有する。
そしてやるべき理由を共有したうえで、全員が目標に向かって伴走できる環境を作っていくことがTimeTreeの強みであると感じました。このようなスタイルが、TimeTreeのカルチャーに適した人材を見つけることへつながってきたのだと思います。
その道のりは決して平坦ではなく時間がかかるものですが、丁寧かつ地道な積み上げが今後のTimeTreeを作り上げていくのでしょう。
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