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社会起点で価値を編集する。自社から「業界」を主語にした広報PRで共感と賛同を|株式会社ウエディングパーク

社会起点で価値を編集する。自社から「業界」を主語にした広報PRで共感と賛同を|株式会社ウエディングパーク

結婚や結婚式に対する考え方の多様化、またコロナ禍を経て、ウエディング業界を取り巻く環境は大きく変化しています。

本記事では、1999年の創業以来「デジタル×ウエディング」に特化して事業を展開してきた株式会社ウエディングパークで広報PRを担う飛田剛志さんにインタビュー。「Wedding Park 2100 ミライケッコンシキ構想(以下、Wedding Park 2100)」プロジェクトをはじめ、自社ではなく「業界を主語にする広報」へと舵を切った広報PR活動について伺いました。

株式会社ウエディングパーク:最新のプレスリリースはこちら

株式会社ウエディングパーク コーポレートデザイン本部

飛田 剛志(Tobita Tsuyoshi)

2016年ウエディングパークに新卒入社。1年目は広告営業、2年目からは広報・宣伝担当に。「結婚を、もっと幸せにしよう。」という経営理念の体現を目的に、他企業やエンタメ作品とのコラボレーション企画からビジネスカンファレンスまで、幅広い企画を手掛ける。2021年からは「Wedding Park 2100 –ミライケッコンシキ構想–」プロジェクトを担当し、現在は責任者として全体企画・運営をおこなう。

社会視点で価値を編集。経営機能としての広報PR

──本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、ウエディングパークさんの広報PRの体制について教えてください。

よろしくお願いします。当社では、コーポレートデザイン本部という部門が広報PRを担っていて、経理や人事などいわゆるバックオフィスのセクションの中に内包されています。また、幅広い事業を展開しているため、事業領域ごとに広報PRを行う担当者も設置しており、私たち広報チームでは事業領域の担当者たちと密に連携を図りながら「この情報は世の中に発信するべきものか」「より伝わりやすくするにはどうすればよいのか」と全社横断的に企画段階から関わって進めています

──全社横断で広報PRが企画段階から関わるのは、どのような狙いがあるのでしょうか。

上流から広報が介入するほうが企業価値を高めやすくなるという観点から、企画段階で「どんなトピックを作るべきか」「どんな事業成長を見据えるのか」ということを、事業責任者と議論・連携しています。

当社で展開している企画は、ウエディング業界としては価値が高く、成果にも結びつきやすいものの、そのままでは社会的な意義やインパクトが伝わりにくいものが多数あります。そういったものに対して、「社会にとってどのような意味を持つのか」「どのような社会的価値や貢献につながるのか」を広報チームが整理して、編集することで、サービスとしての価値を高めると同時に、社会から見ても魅力が伝わりやすいアウトプットへとつなげていく。そのような発信がここ最近になって増えてきたのを手応えとして実感しています。

──現在の体制になって手応えを感じているのですね。ウエディングパークさんにとって、広報PRはどのような役割を持っているのでしょうか。

「経営機能のひとつ」として捉えて広報PR活動を行っています。特にコロナ禍以降の約5年間は「事業成長に寄与する広報」を強く意識してきました。

いわゆる「広報」の枠に自分たちの活動をはめるのではなく、事業成長そのものにも向き合い、各事業部と同じKPIを目指すこともあります。その中で、広報チームとして事業成長にどう貢献できるのかを常に考えるようにしてきました。

──経営機能のひとつとして事業成長に寄与できるように活動する中で、どのような情報発信の方針を置いていますか。

情報発信の方針としては、広報チーム内で共通の「心得」8つを設定し、日々の判断や行動の軸としています。

  • スピード!クオリティ!タイミング!
  • 攻めと守りでビジネスをグロース
  • 200%視点(ブランド愛100%、社会100%)
  • 言葉と編集、プロデュース力で勝負
  • クリエイティブで未来を変える
  • 何事にももっとも誇れる態度を
  • 信頼と成果で、経営の右腕に
  • 関わる人すべてにリスペクトとハッピーを

また先ほどお伝えした、その情報が社会にどのような価値や影響を持つのかを重視する。自分たちが伝えたいことを一方的に発信しないことも意識している軸です。

──社内の情報も積極的に発信されていますが、そうした情報発信を通じてどのようなことを期待されているのでしょうか。

ひとつは、ウエディングパークの企業姿勢に対する「共感づくり」です。

広報PR活動によって「共感のベース」をつくることで、働く環境としての興味や関心が高まることも期待しています。

株式会社ウエディングパークさま01

「自社」から「業界」の未来をつくる広報PRへ

──ウエディング業界を取り巻く環境はこれまで大きく変わってきたかと思いますが、広報PR活動のターニングポイントになった出来事についてお聞きしたいです。

やはりコロナ禍ですね。2019年頃までは、「自社がどのように世の中に伝わるか」「自社サービスの価値をどう届けるか」という視点を軸に、広報PR活動を行ってきました。しかし、コロナ禍で状況は一変。ウエディング業界は大きな打撃を受け、結婚式の延期やキャンセル、さらには事業撤退が相次ぐ深刻な状況でした。考え方を大きく転換する必要があると感じたのです。

「自社を軸にした広報ではなく、ウエディング業界全体の広報を担うべきではないか」。

当社はもともと、業界とともに成長することを使命としてきたこともあり、このようなときだからこそ業界全体を支え、前向きなメッセージを発信する役割を果たそうと考えました。そこで立ち上げたのが「Wedding Park 2100」です。西暦2100年を意味する「2100」は、目の前の苦しい現実だけを見るのではなく、はるか先の未来を業界全体で考えていくために象徴的な数字として掲げました。

また、このプロジェクトの一環として2021年からイベントを開催しており、2024年からは一貫して「wedding march ―まちを、もっと幸せにしよう。」というテーマで実施。まちの中で結婚式のような場をつくり、多数の人が自然とお祝いに参加する。そうした「祝福の共有体験」を届ける、まちを巻き込んだパブリックイベントとして、毎年3月に開催を続けています。

──パブリックイベントということは、一般の生活者の方も対象のイベントということでしょうか。

はい、すべての生活者が対象です。ウエディングパークのサービスは、20代、30代のいわゆる「結婚適齢期」といわれるカップルがターゲットとなっています。一方、「wedding march」に関しては、「結婚をしている・していない」「結婚式を考えている・考えていない」を取っ払って、オープンでパブリックなイベントであることを大切にしています。

──たくさんの企業の賛同を得られているようですね。

現時点で約570社もの企業が賛同してくださっていて、広く共感の渦が広がっていることを感じます。

──このイベントのどのような点が多くの共感を集めていると思いますか。

一番賛同いただいているポイントは、「ウエディングをもっとオープンでパブリックなものにしていこう」という考え方だと思っています。

「結婚式」という体験は、実際に挙げるおふたりや、招かれた家族・友人でなければ触れる機会がほとんどありません。最近では、いわゆる「ナシ婚」を選択する方も増え、ウエディングに一度も触れないという方も多くなっています。実際に結婚式を挙げた方の多くが「やってよかった」と感じているこの「体験をしないと得られない価値」を、どう社会に届けていけるのかという課題がありました。

ウエディング業界の事業者1社でウエディングの価値を社会に届けていくには限界がある。だからこそ、「wedding march」のような取り組みに期待していただいているのだと感じています。

結婚を予定しているかどうかに関係なく、「結婚っていいよね」「結婚式っていいよね」という意識を社会に育てていく。その未来の土壌づくりに対する期待が、賛同につながっているのではないでしょうか。

共感を起点に、変化する市場の価値をひらく

──ここからは、プレスリリースについてお聞きしたいと思います。毎月多数のプレスリリースを配信されていますが、心がけていることはありますか。

6月の「ジューンブライド」や11月22日の「いい夫婦の日」などのように時流と掛け合わせたり、式場探しの需要期や結婚式実施の需要期などユーザー動向に合わせた情報発信を行ったりすることで、世の中に届きやすい状態をつくることを心がけています。

特に、「情報が届く」ことよりも「共感の渦を広げていく」こと。プレスリリースを単なる「ニュース」としてではなく、興味関心を高める情報として受け取ってもらえるように、メイン画像のクリエイティブには特に力を入れています。

一方、イベント実施後に配信するレポートリリースは写真中心に構成し、当日の臨場感を伝えることも大切にしているポイントのひとつです。

プレスリリース

参考:延べ4万人以上が体験!誰でも参加できる「結婚式」をテーマにしたイベント「wedding march ―まちを、もっと幸せにしよう。」【奈良・新潟会場開催レポート】

──先ほど、「ウエディングをもっとオープンでパブリックなものに」というお話がありましたが、結婚式を終えた方や結婚のご予定がない方には、どのようなコミュニケーションを図りたいと考えていますか。

私たちが届けたいのは、結婚生活や家族の時間がより豊かになる体験です。

例えば、「ウエディングフォトの日」に合わせてプロのフォトグラファーによる写真撮影が体験できる「─いい日に撮ろう─ ウエディングフォトの日2025 無料撮影イベント」を実施しました。また、「wedding march」でも「フォト体験ブース」を設け、まちに遊びに来た方が気軽に立ち寄れるようにしています。

ウエディングのコンテンツは、体験して初めてその価値を実感できるものが多いものです。実際に「フォト体験ブース」でも、あまり乗り気ではなかった方が「意外とよかった」「また写真を撮りたい」とおっしゃることも少なくありませんでした。そうした体験を通じて、結婚生活や家族の時間が少しでも豊かになることを目指しています。

──思いがけない体験の場を提供しているのですね。飛田さんにとってもっとも印象的だった企画や取り組みを伺えますか。

2023年に渋谷の宮下公園で行った屋外イベントは特に印象に残っています。

「コロナ禍」や「多様性」といった社会背景を踏まえたテーマで開催していたのですが、2023年に初めて「宮下公園」という公共性の高い場所で実施したことによって、本当に多くの方が偶発的にイベントに参加する様子を目の当たりにしました。

結婚や結婚式を挙げることを選択した人たちの体験価値はもっと最大化できるし、それが「幸せな選択肢のひとつ」であることを社会に届ける意義があると、強く実感した出来事です。そこから「公共性の最上級は何か」と考えて、「まちをもっと幸せにする」というテーマにたどり着いています。

──最後に、これからどのようなことに取り組んでいきたいですか。

やはり、社会起点でものごとを捉えて、そこに価値があるものを事業・サービスとして提供していくことはこれからも大切にしていきたいですね。

また、当社はこれまで「デジタル×ウエディング」を基軸にしてきましたが、今後はそこに生成AIを活用することを強みにしていきたいと思っています。ウエディング業界には、一見すると煩わしかったり、面倒に感じられる部分が、実は価値になっている側面があります。ホスピタリティが求められるからこそ、あえてアナログであることや、人が集うこと自体に意味がある。そうした価値は、これからも大切にしていきたいと考えています。その一方で、本来は感じなくてもいい情報収集の煩わしさなどについては、AIなどを活用して解決していく。その両立を、ウエディングパークが先陣を切って示していきたいと思っています。

私たちが目指しているのは、結婚や結婚式の価値をより良い形で社会に届けていくことです。生活者にとっても、業界で働く方にとっても、ウエディングパークの従業員にとっても、そして社会全体から見ても、「いいよね」「幸せだよね」と感じられる状態をつくっていきたいですし、そうした想いを情報発信を通じて丁寧に伝え続けていきたいと考えています。

株式会社ウエディングパークさま02

まとめ:社会との接点を創出し業界の価値向上を目指す

コロナ禍という大きな転換点を経て、自社を軸にした情報発信から業界全体を主語にした発信へと広報PRのあり方を見直してきた、株式会社ウエディングパーク。結婚や結婚式という体験者が限られがちな領域だからこそ、業界の現場で生まれている価値や思いを社会の視点で編み直し、誰もが触れられる共感として届けていく。公共性を意識したイベントや取り組みを通じて、業界の価値を高めていくその姿勢は、ウエディング業界に限らずさまざまな業界にとって参考になるのではないでしょうか。

広報PRを単なる「伝える役割」にとどめず、社会との接点を設計し、共感の土壌を耕していく経営機能として捉える。その実践を積み重ねてきたウエディングパークの取り組みは、企業が社会とどう向き合い、価値をひらいていくのかを考えるうえで、多くの示唆を含んでいます。

2026年は、「wedding march 2026」として静岡県浜松市と茨城県水戸市での開催が発表されました。開催までの広報PR活動、開催後のレポートにも注目です。

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

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『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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