「次世代型コンタクトセンタープロジェクト」成果進捗のお知らせ
~生成AIと人の協働で業務効率化とCX向上を実現~
株式会社NTTマーケティングアクトProCX(本社:大阪市都島区、代表取締役社長:長徳 慎二郎、以下、NTTマーケティングアクトProCX)とUSEN&U-NEXT GROUPの株式会社USEN NETWORKS(本社:東京都品川区、代表取締役社長:神田 一樹、以下、USEN NETWORKS)は、2023年5月30日に生成AIを活用した「次世代型コンタクトセンタープロジェクト」(以下、本プロジェクト)を始動し、取り組んでまいりました。※1※2このたび、USEN NETWORKSのコンタクトセンターにおけるチャットボットにて、お客さまから届いたお問い合わせに対し、AIが自動で応答する「お客さま向け自動応答AI」の運用を開始したことをお知らせします。
なお、本内容は2025年9月25日にNTTマーケティングアクトProCXが公表した『次世代型コンタクトセンターへの革新に向けた生成AI活用支援ソリューション』における「ProCXの2つの生成AIを活用したBPOソリューション」を実践し、「生成AI活用の9つのユースケース」を具現化した事例となります。
※1 次世代型コンタクトセンター構想:プロジェクト始動に関するリリースはこちら
※2 次世代型コンタクトセンタープロジェクト成果進捗に関するリリースはこちら

1.本プロジェクトの背景
労働人口不足が深刻化する中、コンタクトセンター業界においては、優秀なオペレーターを採用・育成し、顧客満足度の高いサービスを継続的に提供することが求められています。この課題解決に向けたコンタクトセンター業界の変革をめざし、本プロジェクトでは、生成AIを活用した「生産性向上」、「マネジメント高度化」、「チャネル最適化」という3つのテーマに取り組んでいます。
このたびは3つのテーマのうち「チャネル最適化」において、WEB・チャットでのカスタマーセルフ化(お客さまご自身によるお問い合わせなどの課題解決)を実現する手段のひとつとして生成AIを活用したチャットボットでの自動応答について具体化しました。
2.本プロジェクトの概要
USEN NETWORKSのコンタクトセンターでは、お客さまご自身でいつでも課題やお問い合わせを自己解決いただけるよう、FAQの充実やHP上でチャットボット提供などを実施してまいりましたが、チャットボット利用率の低迷や離脱率が高いといった課題があり、お客さまが自己解決に至らないケースが散見されるなど、良質な顧客体験(CX)の提供や自己解決率の向上に結びつけることができていませんでした。
そこでNTTマーケティングアクトProCXは、「AI・CXコンサルティングソリューション」、「文脈をとらえた自動回答」、「生成AI精度向上ソリューション」を提供し、「チャネル最適化」を実現しました。
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ポイント1: AI・CXコンサルティングソリューション
コンタクトセンターにおける既存チャネル全体の分析を行い、導線の見直しおよび既存コンテンツの改善・追加によりチャネル全体の最適化を実現。 -
ポイント2:文脈をとらえた自動回答(テキスト)
人と会話をするように簡易な情報でお問い合わせ背景を理解し(自然言語対応)、直前の応対を踏まえた(文脈理解)適切な回答を提供。
これまでのシナリオ型では対応できなかったインターネット接続やWi-Fi機器接続などに対する簡易なテクニカルサポート領域の対応範囲も拡大。 -
ポイント3:生成AI精度向上ソリューション
お客さま向けチャットボットのため、回答対象サービスを限定して過度な回答をしないように制限を行い(ハルシネーション回避)、生成AIチャットボットの悪用によるブランドイメージ保護のため不適切な発言防止(インジェクション対策)を強化。

3.取り組みの成果
本プロジェクトを通して、各有人対応チャネルから無人チャネルへの導線を見直し、お客さまご自身で問題解決できるお問い合わせについては、無人チャネルへと適切に誘導しました。既存のシナリオ型チャットボットで利用しているQAを追加・修正することで、離脱率を約1/3に減少することに成功。さらに、生成AI型チャットボットの追加により、ユーザーの多様な質問に柔軟に対応できるよう、より実用的な情報提供を強化しました。
これにより、有人対応に依存せず、チャットボットやFAQなどの無人チャネルでスムーズに問題を解決できるようになりました。無人チャネルの対応割合は約1.5倍(32%から44%)に飛躍的に向上し、お客さまによる自己解決を促進することで、いつでもどこでもお客さまがスムーズに問題解決できる環境を実現しました。また、これによりオペレーターの業務負担を軽減することで、お客さまとの対応に集中し、有人チャネルにおける顧客満足度の向上にも寄与しました。

4.今後の展望
USEN NETWORKSは、「お客さま向け自動応答AI」の対応範囲拡大および精度向上に継続して取り組み、更なるカスタマーセルフ化を促進し、お客さまがいつでもどこでも困ったときすぐに課題を自己解決できるようなカスタマーサービスの提供をめざしてまいります。
また、NTTマーケティングアクトProCXは、本プロジェクトで得られた技術や知見を活用し、単なる業務効率化やコスト削減にとどまらないAI活用を推進します。AIによって、顧客接点を量的・質的に維持・拡充・サポートしつつ、重要な顧客接点においてはオペレーターが「人ならではの価値」を提供する「テクノロジー×人」の“ハイブリッドCX”を実現することで、良質な顧客体験(CX)を提供します。さらに、「お客さまの声」という重要な経営資源を企業全体に還元し、商品・サービス改善、顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントの向上の実現に資する、生成AIを基盤としたコンタクトセンター改革の推進に貢献してまいります。
5.本件に関するお問い合わせ先
NTTマーケティングアクトProCX CXソリューション部 DCX推進担当
Mail:cc_info@nttactprocx.com
*AI(Artificial Intelligence):人工知能
*BPO(Business Process Outsourcing):企業の業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託すること
*CX(Customer Experience):顧客体験
*FAQ(Frequently Asked Questions):よくある質問とその回答をまとめ
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