【消費者のLINE公式アカウント利用実態調査2025】60代以上のLINEの利用率が約7割に到達、5年間で1割増加。全年代の6割超がチャットで企業への問い合わせを希望、20代〜30代では7割に。
~LINEを活用したマーケティング戦略の重要性がアクティブシニア訴求でも高まる。“つながり続ける”カギは双方向性にあり~
コンタクトセンター向けCXソリューションを開発・提供するモビルス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石井智宏、以下、モビルス)は、CX(顧客体験)向上を支援するテクノロジーの調査・普及を行う「CX-Branding Tech. Lab」の取り組みとして、「LINE公式アカウント」を友だち追加している全国の男女655人を対象に、利用動向に関する実態調査を行った結果を発表します。
本調査では、60代以上のLINEの利用率が過去5年で10%増加し約7割に達していることが明らかになり、アクティブシニア層のSNS活用が進んでいる実態が明らかになりました。また、20代ではチャットによる問い合わせやID連携を活用した手続き利用が進んでおり、LINEは「情報を受け取る」だけでなく「操作を完結できるツール」としての側面が強まっています。一方で、全体の7割がLINE公式アカウントを「ブロックした経験がある」と回答し、その理由は「情報配信頻度の多さ」「アカウント整理」が上位を占めていました。ユーザーとの持続的な関係性を築くには、一方通行の情報配信ではなく、ニーズに寄り添った双方向コミュニケーションの重要性が高まっていることが伺えます。
■ 調査サマリ
(1)60代以上のLINEの利用は5年で1割増。アクティブシニアの利用が伸び、約7割のシニアが利用。全年代でもLINEが最多で約7割
(2)友だち追加したLINE公式アカウントの業種は「ショッピング」が最多で6割。友だち追加後は5割がクーポン利用の経験あり。若年層は、チャット問い合わせやID連携を積極的に利用
(3)9割が有人チャット、チャットボットを「便利」と回答。チャットボットは3年間で84%から94%へ1割向上
(4)約6割以上がLINE公式アカウントのチャットで相談や質問を希望。20代、30代は7割に上る
(5)7割が「ブロック経験あり」と回答、若年層ほどブロック経験が高い傾向
(6)4人に1人が「情報配信頻度の多さ」「アカウント整理」を理由にブロック。60代は「情報配信頻度の多さ」を重視
(7)6割以上がブロックせず使い続けたいLINE公式アカウントに条件あり。「定期的・継続的なクーポン配布」「情報配信の適切さ」「実用性・利便性」が鍵
(8)直近1年間で友だち追加した業種は、ショッピング・飲食・サービスが上位で3割超。20代は他年代に比べ、サービス、インフラ、職業紹介のLINE公式アカウントを友だち追加する人が高い傾向
(9)友だち追加の目的は約5割がLINEスタンプ・クーポンの入手。40代が6割で最多。20代はチャット問い合わせも高い傾向
(10)8割が企業やお店とのコミュニケーション手段として、LINE公式アカウントが「便利」と回答
■ 年代別など詳細データを含む調査レポートを無料配布中

調査結果の詳細は、下記よりダウンロードが可能です。
■ 調査背景
通信利用動向調査※1によると、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)※2の利用率は全体の8割に上ります。特に、13〜49歳では9割、50〜69歳では約8割が利用しており、いずれの年代も利用率は前年より増加傾向にあり、SNSは「知人とのコミュニケーション」だけでなく「情報収集」にも活用されています。
国内ではLINE、X、InstagramなどのSNSがよく利用されています。中でもLINEは9,800万人※3が利用する主要SNSであり、企業や店舗は、情報を発信できるビジネスツールとして「LINE公式アカウント」をマーケティングやインフラに幅広く活用しています。LINE公式アカウントの活用方法は多岐にわたり、スタンプやクーポンの配布、情報配信、問い合わせ対応など、双方向のコミュニケーション手段として幅広く活用されています。
こうした背景から、消費者のLINE公式アカウントの利用動向を明らかにすることで、今後の顧客サポートの在り方を検証する目的で調査を実施しました。2022年に続き3回目の調査となります。
※1:令和6年の通信利用動向調査の結果|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/250530_1.pdf
※2:Facebook、X(旧Twitter)、LINE、Instagramなどを指す
※3:LINEヤフー株式会社 LINEヤフー 媒体資料 2025年6月23日更新版
https://www.lycbiz.com/sites/default/files/media/jp/download/LY_Corporation_MediaGuide.pdf
2025年の調査結果の詳細(抜粋)
(1)60代以上のLINEの利用は5年で1割増。アクティブシニアの利用が伸び、約7割のシニアが利用。全年代でもLINEが最多で約7割

最も利用されているSNSは「LINE」(67.9%)で、次いで「X」(45.1%)、「Instagram」(40.7%)、「TikTok」(22.3%)でした。「LINE」は幅広い層で利用されていますが、特に60代以上での利用が2020年から5年間で57.9%から69.0%へと10%増加し、アクティブシニア層での利用拡大が顕著であることがわかります。
20・30代では「LINE」の利用率がやや低下傾向にある一方で、「X」「Instagram」、特に「TikTok」の利用が大きく伸びています。2020年と比較すると、20代では「TikTok」が16.9%から37.6%へ、30代では9.3%から27.3%へと拡大し、若年層を中心に急速に広がっています。このことから、SNSの利用は年代によって多様化しており、使い分けが進んでいる様子が伺えます。
(2)友だち追加したLINE公式アカウントの業種はショッピングが最多で6割。友だち追加後は5割がクーポン利用の経験あり。若年層は、チャット問い合わせやID連携を積極的に利用

友だち追加をしているLINE公式アカウントの業種を聞いたところ、最多はショッピング(58.6%)、次いで飲食(50.5%)でした。ショッピングについて年代別※にみると、20代では43.3%と全体平均より低い一方で、30代から60代以上ではいずれも6割前後に達しており、特に中高年層での利用が目立つ結果となりました [図2-1]。※年代別数値は未記載。

LINE公式アカウントを友だち追加した後の行動で、最多は「クーポンやキャンペーン情報を利用し(52.4%)でした。続いて「メッセージを読んだ」でしたが、これは60代以上が56.1%と最も高く、20代(44.4%)、30代(42.0%)、40代(42.0%)は全体平均を下回り、年代※によって利用傾向に差が見られました。
また、「チャット(テキスト)でオペレーターに質問や問い合わせをした」は、20代で24.8%、30代で21.4%といずれも5人に1人以上にのぼっています。「チャットボット(自動応答)に質問や問い合わせをした」では、20代で25.6%、30代で26.0%と4人に1人以上が活用しており、「ID連携をして会員情報の変更など本人確認を伴う手続きをした」は20代で21.8%、30代で26.7%と5人に1人以上という結果で、一定数に達しました。
これらの結果から、デジタルネイティブである若年層は、クーポン取得やメッセージ閲覧といった使い方だけでなく、問い合わせ手続きといった“能動的な活用”も積極的であることが分かります [図2-2]。※年代別数値は未記載。
(3)9割が有人チャット、チャットボットを「便利」と回答。チャットボットは3年間で84%から94%へ1割向上

LINE公式アカウント上でオペレーター(有人チャット)やチャットボットに質問や問い合わせをした経験のある人に対して、便利だと思うかを聞いたところ、有人チャットでは95%が「便利」と回答しました。これは、2022年の調査の92%と比べて3%増加しています。また、チャットボットに関しても、94%が「便利」と回答しました。2022年の調査では84%で、この3年間で10%増加しています。生成AIの進化や、即時に応答が得られる利便性が評価され、チャット対応は世代を問わず実用的な手段として浸透しつつある様子が伺えます [図3]。
(4)約6割以上がLINE公式アカウントのチャットで相談や質問を希望。20代、30代の希望は7割に上る

「LINE公式アカウント」上で、チャットを通じて質問や相談ができたら利用したいかを聞いたところ、約6割(57%)が利用したいと回答しました。年代別で見ると、20代は75.2%、30代は70.2%と特に高く、若年層を中心にLINE公式アカウント上での問い合わせニーズが強いことが明らかになりました [図4]。
(5)7割が「ブロック経験あり」と回答、若年層ほどブロック経験が高い傾向

LINE公式アカウントをブロックしたことが「ある」と回答した人は、7割(70%)でした。年代別に見ると、最多は20代で85.0%、30代は74.8%と若年層で高い傾向がありますが、全体として年代問わず多くの人にブロック経験がありました[図5]。
(6)4人に1人が「情報配信頻度の多さ」「アカウント整理」を理由にブロック。60代は「情報配信頻度の多さ」を重視

LINE公式アカウントをブロックした理由は、「情報配信の頻度が多すぎるから」(26.5%)が最多で、次いで「アカウント整理のため」(25.2%)でした。
また、60代以上では「情報配信の頻度が多すぎるから」が30.9%と最も高く、高齢層ほど「適切な配信頻度」への期待が大きいことが伺えます。その他、20代では「問い合わせできないから」(8.0%)、40代では「キャンペーンやLINEスタンプ配信期間が終了したから」(20.7%)、50代では「有益な情報は来ないから」(23.3%)といった理由も挙がっており、世代ごとに重視する内容に違いが見られました[図6]。
(7)6割以上がブロックせず使い続けたいLINE公式アカウントに条件あり。「定期的・継続的なクーポン配布」「情報配信の適切さ」「実用性・利便性」が鍵

LINE公式アカウントをブロックせずに使い続けたいと思う条件があるか、という質問に対し、6割以上が「ある」と回答しました。調査結果から分析すると、ポイントは主に3つで「継続的なクーポン配布やキャンペーン」「情報配信の適切さ」「実用性・利便性」でした[図7]。このことから、LINE公式アカウントに求められていることは、一方的な情報発信ではなく、自分にとって価値のある情報が、ちょうどよいタイミングと頻度で届くことだと考えられます。
(8)直近1年間で友だち追加した業種は、ショッピング・飲食・サービスが上位で3割超。20代は他年代に比べ、サービス、インフラ、職業紹介のLINE公式アカウントを友だち追加する人が高い傾向

直近1年間で友だち追加したLINE公式アカウントの業種を聞いたところ、最多はショッピング(36.2%)、次いで飲食(33.0%)、サービス(32.3%)でした。20代※が他の年代よりも多く追加していたのは、サービス(32.3%)、職業紹介(23.3%)、インフラサービス(18.8%)でした。このことから、20代は利便性や情報収集手段としてLINE公式アカウントを積極的に活用している様子が伺えます [図8]。※年代別数値は未記載。
(9)友だち追加の目的は約5割がLINEスタンプ・クーポンの入手。40代が6割で最多。20代はチャット問い合わせも高い傾向

LINE公式アカウントを友だち追加した目的は、「LINEスタンプ・クーポンが欲しかったから」が最多で約5割(49.8%)でした。特に40代では60.0%と他の年代に比べて高い割合でした※。一方で、20代では、「商品やサービスについてオペレーターにチャットで質問するため」が19.3%、「商品やサービスについてLINEでの電話をするため」が19.3%と、全体平均(11.2%、11.8%)を上回っており、LINEを“双方向の問い合わせツール”として活用したい意向が強いことが示されています [図9]。※年代別数値は未記載。
(10)8割が企業やお店などとのコミュニケーション手段として、LINE公式アカウントが「便利」と回答

企業やお店体などとのコミュニケーション手段として、LINE公式アカウントは便利だと思うかを聞いたところ、8割(80.2%)が「便利」と回答しました。年代別では、20代(83.5%)、30代(82.4%)、60代以上(80.3%)と、8割以上に上ります。全年代を通して、利便性が浸透していることが伺えます[図10]。
■ 調査結果の考察
若年層はLINEを「使う」から「活用する」へ:問い合わせ・本人確認まで積極的に利用
本調査では、特に20〜30代の若年層がLINE公式アカウントを活用して問い合わせや手続きなどに活用していることが明らかになりました。「オペレーターへのチャット問い合わせ」では、20代で24.8%、30代で21.4%と5人に1人以上、「チャットボット(自動応答)利用」では、20代で25.6%、30代で26.0%と4人に1人以上が利用していました。さらに「ID連携を通じた本人確認を伴う手続き」も20代で21.8%、30代で26.7%と高く、情報受信・閲覧にとどまらず、能動的にLINEを手段として使いこなしている層が広がっていることが伺えます。
ユーザーが求める「完結型」体験と全年代に広がるLINEの利便性
「ブロックせずに使い続けたい条件」や「あったら良いと思う機能」に関する回答からは、年代を問わずLINE内で、情報収集だけでなく予約や購入・変更など手続きや確認といったより多くの操作を完結できること、チャットでの双方向コミュニケーションが可能なサポート体制の充実を求めていることがわかりました。
8割が、企業等とのコミュニケーション手段としてLINE公式アカウントは便利だと回答しています。多くのユーザーは、クーポンやお得情報の入手、最新情報の収集、特にチャットでの問い合わせのしやすさに利便性を感じているようです。また、日常的によく使うSNSは全年代でLINEが最多の約7割であることから、LINEが日常的に使われる身近なツールであることも、その便利さを後押ししています。特にシニア層の利用率が過去5年間で1割増加し、2025年には約7割に達していることが注目されます。シニア層をターゲットとする企業は、LINEを活用したプロモーション戦略を検討する必要があると考えられます。
次なる進化:双方向コミュニケーションとAIが拓く顧客体験向上
一方で、配信頻度の多さや定型文によるコミュニケーションの限界などの課題も見えてきました。割引や情報配信だけでなく、予約・購入といった手続きや、問い合わせなど、ユーザー起点のやり取りや、双方向のコミュニケーション機能の充実化が、今後ますます重要になると考えられます。その実現には、生成AIやAIエージェントなどの技術を活用し、パーソナライズされたコミュニケーションを実現することが不可欠です。モビルスでは、こうした双方向かつシームレスな顧客体験(CX)の実現を、テクノロジーの力で支援してまいります。
■ 調査結果概要
調査名:消費者のLINE公式アカウントの利用実態調査2025
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年6月5日~6月11日
調査対象:全国の20歳~60歳以上の男女655名
調査方法:Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でインターネットアンケート調査を実施
有効回答数:655サンプル
調査企画:CX-Branding Tech. Lab(モビルス株式会社)
※事前調査(20歳~60歳以上の男女2,141名を対象)で、「LINE公式アカウントを友だち追加していますか?」の質問に「はい」と回答した方を対象に、本調査を行いました。
※引用などでご利用される場合や、調査についての質問等は、「pr@mobilus.co.jp」までご連絡ください。
※メディアの方向けにExcelの調査データをお渡しすることも可能です。広報までお問い合わせください。
■ モビルス株式会社について
会社名:モビルス株式会社
代表者:石井智宏
所在地:東京都港区芝浦一丁目1番1号 浜松町ビルディング15階
設立:2011年9月
上場市場:東京証券取引所 グロース(証券コード:4370)
事業内容:コンタクトセンター向けSaaSプロダクト(モビシリーズ)などのCXソリューションの提供
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