「煌葉-kiraha-」発売から1周年　“転写顔料箔”の可能性を拡げていただけるパートナー募集

京都

2023年6月12日 17時00分関西巻取箔工業株式会社

「煌葉-kiraha-」発売から1周年

“転写顔料箔”の可能性を拡げていただけるパートナー募集

関西巻取箔工業株式会社(本社：京都市左京区、代表取締役社長：久保武久、以下KANMAKI)が製造・販売するボールペンで描ける箔「煌葉-kiraha-」が、2023年6月10日に発売開始1周年を迎えました。これまでは特殊な加工であった箔押しを「誰でもできる箔押し」にすることで、「煌葉-kiraha-」は箔の新市場を開拓しました。発売1年間でのべ15,000人以上が「煌葉-kiraha-」での箔押しを体験したことに加え、アート作品のキーマテリアルとしても数多く採用され、国内外のアートイベントでも高い評価を得ています。

発売1周年を記念し、「煌葉-kiraha-」によって解放された新たな箔の魅力を更に広げ、KANMAKIの誇る「転写顔料箔」技術のまだ見ぬ可能性を拓くことを目指し、パートナーとなっていただける企業やアーティスト・デザイナーを募集いたします。

■「煌葉-kiraha-」1年目の成長

今まで専用機械や職人技が必要だった“箔押し“加工を、シートの上からボールペンで書くだけで簡単に楽しむことができる「煌葉-kiraha-」。2022年6月の販売開始に先駆けて、デザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌であるグラフィック社「デザインのひきだし Vol.46」の付録に採用されたことをキッカケに、多くの文具好き・印刷好き・アーティスト・クリエイターやイラストレーターからの好評を得ての販売スタートとなりました。想定以上の反響もあり販売休止する期間もありましたが、多くのユーザーの皆様に支えられ、1周年を迎えることができました。日頃ご愛顧いただいている皆様へ、改めて感謝申し上げます。

「煌葉-kiraha-」を通じて、この1年間でのべ15,000人以上の方に、“大人から子どもまで誰でもできる”の新感覚の箔押し体験をしていただきました。活版印刷機での箔押しも可能にし、手帳デコのアクセントとしても利用いただいています。

また、アート作品のキーマテリアルとして、『KYOTO GRAPHI京都国際写真祭の次世代プロジェクトKG＋』にて写真家・横山隆平氏と、京都市・京都中央信用金庫が取り組む「IOK～Inspiration Of KYOTO～」にてフランス人デザイナーともコラボ作品の発表を行いました。さらに、京都芸術大学にて開催された「TED×KUA」、絶滅危惧動植物をテーマにした展覧会「あしもとにゆらぐ展」(京都府立植物園)とのコラボをはじめ、積極的にワークショップも開催し、この1年の間にあらゆる分野でボーダーレスに成長を続けております。

写真家・横山隆平氏の作品展「CITY from the WIND/Rebellion and Freedom」

ワークショップでの作品例①　「TED×KUA」

ワークショップでの作品例②　「大箔覧会＠SUPER PAPER MARKET」

画材の一部として絵画に「煌葉-kiraha-」を使用 (C)一色真由美

「あしもとにゆらぐ Vol.4展示作品より」

【TED×KUA】

　　https://www.tedxkua.com/

【あしもとにゆらぐ（常花の苑実行委員会）】

　　https://tokohana.info/index.html

【KG＋2023:横山隆平】

　　https://kgplus.kyotographie.jp/exhibitions/2023/ryuheiyokoyama/

【Inspiration of KYOTO】

　　https://i-o-k.jp/

■「煌葉-kiraha-」の開発に至る経緯

「煌葉-kiraha-」は、KANMAKIの原点から生まれました。KANMAKIの技術は、西陣織の金糸の材料となる金箔紙の加工をルーツとし、真鍮のメタリック顔料を使った日本で初めての「熱で転写する顔料箔＝ブロッキングホイル」を開発したのが、創業当初のKANMAKIでした。それから70年の時を経て、一度は役目を終えかけていた当時の機械設備やレシピを復刻し、改良を重ねて、「煌葉-kiraha-」は生まれました。これまで職人技や専用の機械設備がなければできなかった「箔押し」加工を、誰でも気軽に楽しむことができて、ひとりひとりの想いをカタチにできる箔をつくりたい。その想いをKANMAKIならではの「転写顔料箔」製法によって表現したのが「煌葉-kiraha-」です。

「煌葉-kiraha-」は金糸材料の金箔紙の製法がルーツ

「煌葉-kiraha-」によって、特殊な加工だった「箔押し」が“誰でもできる”カタチに！

■KANMAKIが訴える印刷・塗装業界の“環境負荷低減”ゲームチェンジ

KANMAKIの転写顔料箔は、開発以後、繊維業界を飛び出し、ベストセラー本の表紙や酒ラベルにも採用され、食品包装の賞味期限等を印字するインクリボン等にも姿を変え、人々の暮らしの中に浸透していきました。その後、時代が変化し、事業継続の危機もありましたが、2012年頃からプラスチックの工業製品への装飾分野の製品開発に舵を切ることで、再び勢いを取り戻しました。自動車のスピードメーター指針やエンブレム、ナンバープレートなど様々な部品への採用が進みました。その要因は、転写顔料箔が「VOC(揮発性有機化合物)」を使わずに装飾加工ができるという点が評価されたからです。

そして、「VOCフリー」という強みをアピールする為に、2016年より様々なピッチコンテストやビジネスプランコンペに参加し、2019年には経済産業省「始動 Next Innovator」最優秀賞を受賞しました。そこから採用分野の拡大を図りましたが、コロナ禍の影響で既存事業の需要が急激に冷え込み、再び事業継続の危機に晒されました。そんな中、コロナワクチンの注射針の目盛り装飾にKANMAKIの転写顔料箔が数多く採用され、従来の印刷方法と比較し、VOCを使用しないだけでなく、印刷塗装時の乾燥工程を省略させることで生産性を向上させ、ワクチンの普及に一定の貢献をすることができました。

折しも産業界ではCo2排出削減を核に「サプライチェーン全体での環境負荷低減」が叫ばれるようになり、転写顔料箔が「生産性の向上」「環境負荷低減」の両方に効果があることが評価され、2023年近畿経済産業局「持続可能な会社や社会につながるVOC対策」にも選出されました。

ICC KYOTO 2021 「リアルテック・カタパルト」ピッチ登壇時

参考：「VOC(揮発性有機化合物)」…主に印刷・塗装に使用されるインクや接着剤等に含まれるアルコールやシンナー等の有機溶剤と言われる揮発性有機化合物。2015年中国天津の大爆発事故の原因とされ、発ガン性やシックハウス症候群の原因となり人体にも環境にも影響が大きい。

参考：近畿経済産業局「持続可能な会社と社会につながるVOC対策集」　

　　https://www.kansai.meti.go.jp/3-6kankyo/R4fy/jirei_VOC20230125.html

■「ボールペンで描ける」から広がっていく“転写顔料箔”の表現可動域

1年前「必要なのは“ペン”と“伝えたい想い”だけ」のメッセージと共に、簡単に箔表現を楽しんでいただけるツールとして発売しました。今ではSNSを中心に、ユーザーによる様々な“実証実験”が日々行われています。個人の趣味表現としてだけでなく、自作の手動機械で表現の再現性に挑む方や、中には自動化で量産化を図る方も。材料の真鍮粉を機能性金属に置換することで新たな用途を生み出そうとする学術分野からのニーズもあります。半世紀以上の間、産業資材の黒子的存在だった転写顔料箔が、今はオープンリソースとして成長を続けています。既存事業の需要が回復しない中で、「煌葉-kiraha-」が切り拓いたこれらの表現可動域こそ、転写顔料箔がこれから創り出す世界です。

薄い特殊な和紙への転写 (C)Shimpei Yoshida

「煌葉-kiraha-」を使ったカリグラフィー (C)Risa KADONO Calligraphy

革タグへの箔押しもカンタンに！ (C)eiko

印刷・塗装業界における“環境負荷低減ソリューション”としてはもちろん、メッセージカードや手帳などへ、ひとりひとりが伝えたい想いに箔をつける“文具”として、創造性を刺激するアート作品のキーマテリアルになりうる“画材”として、壁紙やテキスタイル、木材等に新たな表情を加える“建材”として、大人から子どもまで、つくり手にもサプライズがあるワークショップの“コミュニケーションコンテンツ”として、陶器における「金継ぎ」のように、気に入った衣服や家具のキズや汚れをアイコンに変える“補修材”として等...

BtoB、Btocの枠を超え、私たちは転写顔料箔でひとりひとりの想いに“箔をつける”選択肢でありたい。

「煌葉-kiraha-」発売から1周年を機に、KANMAKIでは、転写顔料箔の可能性を共に拡げていただけるパートナーを募集いたします。

転写顔料箔の魅力を伝えるセミナーやワークショップも積極的に実施

商品のコラボレーションやワークショップの共同企画・運営をしていただける方、新しい意匠表現を模索するデザイナーやアーティストの方、新しい用途の共同開発を希望される企業様、そして転写顔料箔の魅力を伝えていただけるメディアの方など、法人・個人を問わず、ご興味があおりの方は、是非下記の問い合わせ先にご連絡ください。

■関西巻取箔工業株式会社(KANMAKI Co.,Ltd.)について

1952年京都にて創業。西陣織の金糸材料の製箔技術をルーツとする転写顔料箔の製造を行っています。

2019年経済産業省「始動 Next Innovator」において最優秀賞を受賞。2020年中小企業庁「JAPAN BRAND育成事業(特別枠)」採択、2021年経済産業省「はばたく中小企業300」では、環境負荷低減の取組みや労働環境の安全性向上を評価され認定、2022年京都市より持続可能な社会の構築に貢献し、ソーシャルイノベーションに取り組む企業として、「これからの1000年を紡ぐ企業」認定、2023年近畿経済産業局「持続可能な会社や社会につながるVOC対策」に選出など。

2020年6月より週休3日制の導入や、外部人材を活用した“KANMAKI MASTERS LEAGUE”等の仕組みなどの組織づくりにも注力。風光明媚な京都大原の地から世界と戦えるものづくりに挑戦しています。