サービスのピボット、価格改定を乗り越え、新サービス立ち上げへ。SNS分析ツールMASAIの開発ストーリー

開発秘話

2020年10月1日 16時20分株式会社パスチャー

この度、プレスリリースで発表した通り、私たち株式会社パスチャーはSNS分析ツール「MASAI（マサイ）」の正式版をリリースいたしました。

国内5,000社が利用したInstagram分析ツールの最新版「MASAI（マサイ）」を正式リリース

MASAIは、自社アカウントのインサイト分析はもちろん、ベンチマークアカウントの分析、UGC投稿の管理ができるInstagramに特化した分析ツールです。

その他、ハッシュタグやタグ付け投稿、ストーリーズ投稿の分析、キャンペーン時にもお役立ていただけるコメント管理の機能など、アプリ上では見られない100以上のデータが確認できます。

またクリエイティブの色味によって反応が全く異なることから、機械学習で人間の色味の捉え方を分類して可視化ができる色分析、Power Point形式、 Excel形式、CSV形式、PDF形式でのレポート自動作成機能など、他ツールにはない機能を備えている点が特徴です。

2019年1月にベータ版リリース後、たくさんの企業様にご利用いただきました。SNS運用担当者様のリアルな声を反映しながらリニューアルを重ね、この度ついにリリースすることができました。

私たちの今までとMASAIリリースまでのストーリーを、ここに残したいと思います。

私たちのはじまり

株式会社パスチャーは現在創業5期目を迎えたベンチャー企業です。

スマートフォンの普及により生活者のライフスタイルや趣向は多様化している現代において、これまでテレビを1時間見るにしても家事をするにしても物事一つ一つにかける時間が大きかったですが、今や電車に乗っている時間や信号待ちの時間など、隙間時間で消費されるコンテンツがものすごく増え優先度が高まりました。さらに個々人が発信力を持ち、誰でも情報を届けられるようになったことで、SNSを通じた情報の伝播とそれに対して使われる時間が増えていきました。SNSは個々人が趣味で繋がることがベースだった当時、そこへ企業が存在することができればより顧客と近い距離で情報を届けられる、コミュニケーションの場へとなっていくのではないかという思いから、SNS事業へ参入したのが私たちのはじまりです。

Instagram分析ツールPONYの立ち上げ、そしてピボットを決断

Instagramが商品購入の入り口になっている一方で、ユーザーの熱量や成果を測れないために、企業によっては通常業務の片手間で回すものとして、予算が付けられずに軽視されている場合もあります。目に見えないInstagramでのアカウントの成長を客観的に分析し可視化できるツールがあればいいなという思いからPONYというInstagram分析ツールをリリースしました。

1万を超えるユーザーの皆さまにご利用いただき、Instagramへの関心の高さをご登録いただく方々を見ながらひしひしと感じる日々でしたが、無料での提供だった反面、サービスの整備にリソースが追いつかないという状況のため、苦渋の決断ではありましたがサービスをピボットすることに──。

コロナ禍による価格改定を乗り越え、MASAI正式版のリリースへ

PONYのピボット後、料金形態の変更や仕様のアップデートを重ね、新サービスMASAIとしてベータ版をリリース。

2020年6月には新規事業部として正式にMASAIチームを発足し、事業責任者の中島、エンジニアの金山、小澤、マーケティングの金澤を中心に新体制でスタート。8月以降には新たにマーケティングとして堀川、エンジニアに三島、中野西がジョインし、着々とメンバーも強化してきました。

その後も当社で運営しているInstagramメディアPetrelの運用、運用代行やコンサルティング業務の際にMASAIを活用し、運用担当当事者として必要な機能や指標をアウトプット、日々プロダクトへ落とし込みながら改善を重ねてきました。

MASAIを活用して分析を重視して運用することで、Petrelのフォロワー数は運用開始から1年8ヶ月で22万フォロワーを達成、また他社アカウントも著しく成長を遂げていくのを身近で感じ、分析ツールの重要性をより実感した時期でもあります。

当初は大企業のお得意様へ向けた20万のツールとして提供させていただいており、このまま正式版のリリースを考えていた矢先、新型コロナウイルスによる経済的打撃が訪れたのです。

日本全体の長期不況が避けられない状況となり、広告業界でも6割以上の企業が出稿費用やツール費などの予算削減、7割以上が「新しい広告手法に取り組んでいく必要性を感じている」と回答する事態に（※1）。

コロナ禍、そしてデジタル化の加速により、BASEやSTORES、Shopifyなどのサービスを活用し、ネットショップを作るオーナーが急増している一方で、その主要な集客チャネルであるInstagramをうまく使えていない、またCAMPFIREやMakuake、READYFORを活用しクラウドファンディングを実施するも、そもそもプロジェクトを認知させる手段がないなど、生活者と情報の接点づくりへ課題を感じているとの声も多くありました。

このコロナ禍で困っている方々に私たちができることはないのか、少しでも多くのサポートができないか──。

悩みに悩んだ結果、急遽プライシングを変更し、1万円から使えるプランの提供を行う決断に至りました。

MASAIの今後の展望

紆余曲折を経て、ついにMASAI正式版のリリースへ。

日本国内でのInstagramの利用者数は2019年6月時点で3300万人、現在ではさらに利用ユーザーは増加しているといわれています。

また多くの企業では、認知向上を目的として運用するケースが多くを占めていましたが、Instagramの仕様変更により、認知から購買までのプロセスを完結できるマーケティングプラットフォームとして成長し続けており、今後も認知に留まらず、購買などの成果を重視する企業が増えてくると考えられます。

一方で、Instagramの運用業務において、競合の調査や企画、クリエイティブの制作からアカウント運用、分析など、多岐に渡るため、運用に十分な時間を割くことができていない、また社内やクライアント企業様へ提出するレポート作成作業に時間がかかるなど、課題を感じている運用ご担当者様が多くいるのが現実です。

私たちはビジョン「価値との出会いにあふれる世界」、ミッション「次の一手をリードする」を掲げています。

企業が描く未来の実現への貢献の第一歩として、まずはInstagramにおける課題を解決するツールを目指すため、アカウント運用で培ったノウハウを最大限活かし、より運用担当者に寄り添ったプロダクト作りを行ってまいります。