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なでしこ銘柄とは?選定基準・メリット・広報PRに活かす方法【選定企業事例あり】

なでしこ銘柄とは?選定基準・メリット・広報PRに活かす方法【選定企業事例あり】

企業価値の評価軸として「人的資本」やESGへの関心が高まる中、女性活躍の取り組みは単なる社内施策ではなく、資本市場からの評価にも直結する要素となっています。その象徴的な指標の一つが「なでしこ銘柄」です。一方で、「将来的に選定を目指したいが、何から手をつければいいかわからない」と悩む広報PRや人事の担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、なでしこ銘柄の基本概要や選定基準、他制度との違いを整理。単なる制度対応にとどまらず、取り組みをどのように言語化し、伝えることで採用力や企業価値向上につなげられるのか、広報PRの視点から解説します。

なでしこ銘柄とは

なでしこ銘柄とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施し、中長期的な企業価値向上の視点から、女性活躍推進に優れた上場企業を選定・発表する制度です。投資家にとっては企業の成長性を見極める指標となり、求職者やさまざまなステークホルダーにとっても、企業の信頼性や「働きやすく、将来的に成長し続ける優良企業」を判断する指標となっています。

なでしこ銘柄とは

なでしこ銘柄の概要

経済産業省と東京証券取引所が共同で実施し、中長期の成長を重視する投資家に向けて、女性活躍に優れた上場企業を紹介する仕組みです。投資家だけでなく求職者やさまざまなステークホルダーにとっても、「働きやすく、将来的に成長し続ける優良企業」を見極めるための信頼できる指標となっています。

主な基本概要は以下のとおりです。

■制度の基本概要
・管轄・運営: 経済産業省と東京証券取引所による共同実施
・制度の目的: 女性活躍推進に優れた上場企業を、国と市場が公式に選定・発表すること
・対象企業: 国内の全上場企業(東証プライム、スタンダード、グロース)
・評価の視点: ESG投資の観点から、中長期的に業績が伸びるポテンシャルがあるか
・スケジュール: 例年秋頃(9~10月頃)に申請を受け付け、翌年3月頃に選定・発表

制度が誕生した背景と目的

制度の背景には、少子高齢化による労働力不足と、人的資本の重要性の高まりがあります。かつて女性活躍支援はCSRの一環として捉えられていましたが、現在では企業の持続的成長に欠かせない「成長戦略」へと位置づけが変化しました。

なでしこ銘柄は、女性活躍を推進する企業を「将来的に収益を生み出す力がある企業」と定義し、その価値を資本市場に対して客観的に示す指標となっています。

【政府の成長戦略としての経済効果】
制度の背景には、深刻な少子高齢化と労働力不足があります。かつて女性活躍支援は企業の「社会貢献(CSR)」の一環として捉えられていましたが、現在では企業の成長戦略(経営課題)へと位置づけが変化しました。

政府は2013年以降、女性活躍を国の成長戦略に位置づけており、内閣府の調査(2023年)でも女性役員比率が高い企業ほどROE(自己資本利益率)が高い傾向が示されています。ゴールドマン・サックスによる2019年のレポートでは、男女の雇用格差解消によるGDP押し上げ効果は最大15%に達する可能性があると試算しています。

こうしたデータが示すとおり、女性活躍推進はもはや社会貢献ではなく、企業の収益性と持続的成長を左右する経営課題です。なでしこ銘柄は、その取り組みの質を資本市場に対して客観的に示す指標といえます。

【資本市場からの評価と資金調達の円滑化】
多様な人材を活用する「ダイバーシティ経営」を実践する企業は、環境変化への適応力が高いと評価されます 。なでしこ銘柄は、資本市場(投資家)に対して、女性活躍を進める企業=将来的に収益を生み出す力がある企業としてアピールし、その事実を客観的に示す仕組みです 。

なでしこ銘柄とえるぼし認定・健康経営優良法人の違い

なでしこ銘柄は「投資家向けの上場企業価値評価」であるのに対し、えるぼし認定は「女性活躍推進法に基づく労働環境の整備状況の評価」、そして健康経営優良法人は「従業員の健康管理を経営的視点で捉えた評価」という、明確な目的の違いがあります。

項目 なでしこ銘柄 えるぼし認定 健康経営優良法人
管轄省庁 経済産業省・東京証券取引所 厚生労働省 経済産業省・日本健康会議
主な目的 投資家向けの市場評価・企業価値向上 求職者・従業員向けの労働環境認定 経営戦略としての健康維持・生産性向上
対象企業 国内の全上場企業 一般事業主(規模不問) 大企業・中小企業等の法人
評価のポイント 経営戦略としての女性活躍(収益性) 採用、継続就業、労働時間等の実績 健康課題の把握、実践、評価の仕組み

えるぼし認定、健康経営優良法人の詳細は下記の記事をご覧ください。

広報PRでは、以下のような視点を意識することが重要です。

  • なでしこ銘柄:投資家・資本市場への訴求(成長性・経営戦略)
  • えるぼし認定:採用市場への訴求(働きやすさ・制度)
  • 健康経営優良法人:従業員・社内外への信頼醸成(健康・生産性)

また、子育て支援に特化した「くるみん」認定も、えるぼし銘柄と同様に厚生労働省が管轄する、主に労働環境を評価するための指標です。

「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」とは

「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」は、2023年度から新設された枠組みです。男女問わず、育児と仕事の両立を支援する体制が整っている企業を評価する制度として位置づけられています。

共働き・共育て支援の観点から企業を評価することで、女性活躍推進の取り組みの広がりを補完する役割を担っています。広報PRの観点では、両立支援制度の整備状況だけでなく、その活用実績や社員の具体的な働き方をあわせて発信することで、採用広報や企業ブランド向上にもつなげることができます。また選定実績のない段階でも、エントリーのプロセスや改善への姿勢を情報発信の起点として生かせます。

では、どのような観点で評価されるのでしょうか。次章では、なでしこ銘柄の具体的な選定基準と評価ポイントについて解説します。

なでしこ銘柄の選定基準と評価ポイント

なでしこ銘柄に選ばれるためには、企業としての具体的な実績と、経営層のコミットメントの両方が求められます。定量評価と定性評価の二段階で審査が行われ、どちらかが高ければ選ばれるという仕組みではありません。ここでは、経産省のガイドラインをもとに、選定対象企業の条件と審査内容を整理します。

選定対象企業の条件と審査項目

まず、選定に参加するための必須条件として、東京証券取引所の全上場企業であることが前提です。加えて、「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」の策定と届出が事前に必要となります。

選定は、定量評価によるスクリーニングを行ったのち、定性評価へ進みます。

【定量評価】
女性管理職比率や役員比率、男性育休取得率など、客観的な数値データによるスクリーニングが行われます。一定の水準を満たした企業が次の定性評価の対象となります。

【定性評価】
経済産業省が実施する「女性活躍度調査」への回答を通じ、経営層のコミットメントや独自の支援施策の実行状況が総合的に評価されます。制度があるだけでなく、実態として機能しているかが問われます。

評価に含まれる取り組み内容

評価項目は多岐にわたりますが、主な内容は以下のとおりです。

  • 経営層のコミットメント(女性活躍推進を経営戦略として位置づけているか)
  • 女性管理職比率の目標設定と実績(単なる数値ではなく、達成に向けた具体的なプロセスが問われます)
  • キャリア形成支援(女性社員のキャリアパスの明確化、研修制度の整備など)
  • ワークライフバランスの推進(柔軟な働き方の制度整備と活用実績)
  • 男性の育児休業取得率(共働き・共育ての文化が根付いているかを示す指標)
  • コーポレートガバナンスへの組み込み(情報開示や女性活躍推進の経営戦略との連動)

肝要なのは、制度を整えているかどうかだけでなく、企業文化として定着しているかが問われる点です。数値目標の達成を追うだけでは評価につながりにくく、事業成長や企業価値向上にどのように結びついているか、経営との連動性までが求められます。

そのため広報PRの観点では、評価項目を単なる実績として羅列するのではなく、「なぜ取り組み、どのような変化が生まれたのか」というストーリーとして構成し、数値と施策の両面から発信することが重要です。

業種ごとに選出枠が設けられている理由

なでしこ銘柄は、業種ごとに選出枠が設けられています。これは各業種の特有の課題を考慮し、業種内での公平な横比較を行うためです。建設業や製造業など歴史的に女性比率が低い業界と、すでに女性比率が高いサービス業や金融業では同じ基準で評価することが難しいという実情があります。

業種内での相対評価を行い、ロールモデルを示すことで、業界全体への波及効果を生む設計になっています。令和6年度は18業種から計23社が選定されました。

令和7年度からは、2025年7月末時点で上場企業数が300社以上の大規模業種(情報・通信業、サービス業など)については、選定枠が最大3社まで拡充されています。こうした選出枠の見直しにより、企業の数や多様な働き方に応じた、より実態に即した評価が進んでいます。

なでしこ銘柄に選定されるメリット

厳しい基準をクリアして選定されることで、企業はどのような実益を得られるのでしょうか。単なる名誉にとどまらない、経営上の3つのメリットを解説します。

メリット

メリット1.投資家からのESG評価と資本市場での信頼の向上 

なでしこ銘柄の選定実績は、女性活躍推進を経営戦略としても機能させていることを示す指標となり、国内外の投資家からのESG評価向上につながります。中長期的な株価の安定や資金調達の優位性も期待でき、IRコミュニケーションにおいても強力なメッセージになります。

2023年3月期以降、上場企業には有価証券報告書での人的資本情報の開示が義務化されており、なでしこ銘柄の選定実績は人的資本開示の文脈でも取り組みの質を示す根拠として機能します。統合報告書やサステナビリティレポートへの明記で、投資家への訴求力がさらに高まります。

メリット2.採用力の強化と優秀な人材の確保

なでしこ銘柄に選定されることは、求職者に対して「性別に関わらず多様な人材が活躍できる企業である」という客観的な証明になります。口コミではなく、国が選定した第三者評価として伝えられる点が説得力を高めます。

採用ブランディングにおいて競合他社との明確な差別化要因となり、選定実績を採用サイトや求人票への明記に加え、社員インタビューや制度の実態とあわせて発信することで、企業が求める採用が進み、コスト削減も期待できます。また、「働きやすい企業」という認知が広がることで、リファラル採用も促進されます。

メリット3.企業ブランディングと従業員エンゲージメントの向上

なでしこ銘柄の選定は、社会的な信頼度が高まり、顧客や取引先に対する企業ブランディングにも寄与します。特に、女性顧客を主要ターゲットとするBtoC企業では、ブランドイメージへの好影響も期待できます。

また従業員にとっても、自社が対外的に評価されたことは誇りにもなり、エンゲージメント向上や離職率の低下にも直結。経営コストの削減に寄与する可能性が高まります。

なでしこ銘柄はすべての企業が目指すべきか

すべての企業がなでしこ銘柄を目指すべきかといえば、必ずしもそうではありません。上場企業として、IRの観点で高いメリットがある一方で、実態が伴わないまま数値目標だけを追うと、組織の疲弊や広報PRの観点でもリスクを招く可能性があります。

ここでは、自社が目指すべきフェーズにあるのかを判断するための基準を整理します。判断の目安としては、経営戦略に組み込まれているか、定量指標が一定水準に達しているか、対外発信に耐えうる実態があるか、の3点が重要です。

なでしこ銘柄が向いている企業

以下のような状況にある企業は、なでしこ銘柄の選定を積極的に目指す価値があります。

【経営トップの強いコミットメントがある企業】
ダイバーシティ推進を人事部の仕事としてではなく、経営課題として捉え、トップ自ら推進・発信できている企業。

【すでに定量データが一定水準にある企業】
女性管理職比率などの数値目標が一定基準に達しており、投資家からの評価や資本市場での評価の向上を次のステップとして目指す企業。

【採用市場での差別化が必要な企業】
競合他社に競り勝ち、優秀な人材を確保するために、国が認めた第三者評価を採用ブランディングの武器として活用したい企業。

自社の状況と照らし合わせながら、目指すべきタイミングを見極めることが大切です。

選定を目指す際の課題と注意点(実態との乖離リスク)

選定を目指すうえで見落としがちなのが、実態との乖離リスクです。数値目標の達成を優先するあまり、現場の女性社員に過度な負担が集中したり、制度が形骸化したりするケースがあります。

社外に向けて女性活躍を発信する一方で、社内では働きやすさが改善されていないという状況は、いわゆる「ピンクウォッシュ※」として批判を招くリスクがあります。広報PRの担当者としては、社内サーベイや1on1などを通じて実態を把握し、社内の声を拾い上げた上での社外発信の設計が欠かせません。

なでしこ銘柄の申請方法

申請は年に1回行われます。例年、夏から秋にかけて「女性活躍度調査」の募集・調査が実施され、期間内に回答することでエントリーとなります。選定結果は翌年3月頃に公表されるスケジュールです。

申請にあたっては、社内データの収集と各部署の連携が不可欠です。人事・IR・広報の3部門が早期から協力し、必要なデータを整理しておくことが求められます。

詳細は、経済産業省の「なでしこ銘柄」特設ページで案内される最新の情報を、必ず確認してください。

なでしこ銘柄に選ばれたときに向けた広報PR戦略

なでしこ銘柄の選定は、企業のダイバーシティ推進の姿勢を社会にアピールする絶好の機会です。「選ばれました」という事実の報告にとどまらず、プレスリリース・オウンドメディア・インナーコミュニケーションを掛け合わせた多角的な広報PR戦略を展開することが、企業価値の最大化につながります。

プレスリリースで公式発信を強化する

プレスリリースを活用する意義と狙い

プレスリリースは、投資家・顧客・求職者といったステークホルダーに対し、第三者評価を得た優良企業であることを公式に周知できる手段です。速報性と公式性の両立が、ほかの情報発信手段にはない強みです。また、「女性活躍」「ダイバーシティ経営」などメディアからの関心が高いテーマに対しての一次情報として活用されやすいでしょう。

配信後にはWeb上に情報が蓄積されることで、検索を通じた企業理解の促進にもつながります。加えて、公開情報として整理されたコンテンツは、生成AIが回答を生成する際の参照情報として扱われる可能性もあります。

プレスリリースに盛り込むべき要素

プレスリリースを作成する際には、以下の要素を盛り込むことで、情報の厚みと説得力が増します。

  • 選定された事実と連続選定の回数
  • 評価された具体的な理由・ポイント
  • 女性管理職比率などの実績データ
  • 経営トップやなでしこ銘柄の選定までを推進した担当者のコメント
  • 関連ページへのリンク

数値だけを切り取って打ち出すのではなく、取り組みの背景やプロセスとセットで伝えることで、実態との乖離を防ぐことができるでしょう。

女性活躍推進コンテンツを作成する

プレスリリースだけでなく、オウンドメディアや採用サイトでより深いストーリーを語ることも有効です。実際に制度を利用して活躍する女性社員のインタビュー記事や、男性社員の育休体験談など、現場のリアルな声を掲載することで、制度の温度感が伝わります。

動画やインフォグラフィックを活用した視覚的なコンテンツも、伝達力を高める手段です。制度ではなく「人」と「変化の過程」で語ることが、ダイバーシティ推進を自分ごととして受け取ってもらうための鍵となります。

インナーコミュニケーションによる社内浸透と「実態との乖離」の防止を図る

社外へのアピールと並行して、社内向けの広報PR活動も欠かせません。イントラネットや社内報を通じて、選定の意義や評価された取り組みの背景を丁寧に伝えることで、従業員の理解と共感の促進に努めます。

社内での理解と共感が土台にあることが、社外への説得力ある発信の前提条件です。

広報PRにおいて、社内外の温度差を把握しながらコミュニケーション設計を行うことは、なでしこ銘柄の取り組みに限らず、あらゆる活動に共通する基本姿勢です。

選定に至らなかった場合でも「プロセス」を広報PR資産に変える

仮に選定に至らなかった場合でも、そのプロセスは広報PRの資産になります。

「女性管理職比率の目標未達を受け育成施策を見直した」「男性育休取得率向上に向け制度改善を行った」といった変化を発信することで、企業の誠実さや改善姿勢を示すことができます。完璧な結果だけを伝えようとするより、課題と向き合う過程を開示し続けることが、ステークホルダーからの長期的な信頼につながります。

なでしこ銘柄選定企業の事例と広報PR活用

実際に選定された企業が、どのような取り組みを評価され、それをどう世の中に発信しているのか。広報PRの観点から参考になる3社のベンチマーク事例を紹介する。

事例1.株式会社丸井グループ

令和7年度なでしこ銘柄に9年連続選定された株式会社丸井グループは、男女間賃金格差の是正の注目企業にも同時に選定されています。

プレスリリースでは、独自指標「女性イキイキ指数」の設定と年度ごとの目標値が図表を用いてわかりやすく示されています。目標の上方修正を明記している点も、取り組みの着実な進展を伝えるうえで効果的です。

「男性の産休取得率、2021年度51%から2023年度97%へ」「男性育休取得率、2021年度2%から2023年度52%へ」など数値の推移を明記することで、継続的な改善のプロセスを示しています。

SDGsが定められる以前から「共創サステナビリティ経営」を掲げ、広報・IR・サステナビリティ部の3部門が連携して投資家対話と情報開示を一体で推進している点も参考になります。

参考:丸井グループが「なでしこ銘柄」で初の9年連続選定

事例2.味の素株式会社

令和6年度に食品業界から4年連続の選定となった味の素は、独自の経営方針「ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)」=「事業を通じた社会価値と経済価値の共創」を軸に女性活躍を推進しています。DE&Iを2020年から経営戦略のひとつに位置づけており、選定は単発の実績ではなく継続的な成果として発信されています。

プレスリリースでは「AjiPanna Academy」による延べ539名へのキャリア支援など具体的な施策と、従来男性のみだったポジションへの女性登用という成果を合わせて記載。

IR面では中期ASV経営2030ロードマップにて「2030年にグループ全体の女性管理職比率40%」という目標を開示し、選定実績を長期の経営目標と接続させている点が参考になります。

参考:味の素(株)、女性活躍推進企業として令和6年度「なでしこ」銘柄に選定

事例3.株式会社LIXIL

令和6年度なでしこ銘柄に3年連続・通算9回目の選定となったLIXILは、「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」の3分野からなる独自の「インパクト戦略」を経営方針として掲げており、女性活躍推進はそのうちの「多様性の尊重」として事業戦略に組み込まれています。

男女間賃金格差や女性管理職比率の低さといった自社課題をあえて認識・開示したうえでアクションプランを策定している点が特徴です。

プレスリリースでは、女性取締役・執行役比率31.3%、全世界の女性管理職17.1%(いずれも2024年3月末時点)といった重要な数値をリリース内で明記しつつ、詳細情報はD&Iの取り組みを特集した自社サイトへ誘導する構成になっています。

達成実績と残された課題を両方開示する姿勢が、発信全体の説得力を高めています。

参考:女性活躍推進に優れた企業として 令和6年度「なでしこ銘柄」に選定

まとめ:なでしこ銘柄選定を企業価値向上のスタートラインに

なでしこ銘柄への挑戦は、単に選定を目指す取り組みにとどまらず、社内環境や制度を整え、そのことを伝え続けるプロセスそのものが企業価値向上につながります。選定に届かなかった場合も、改善に向けて誠実に取り組み、課題特定や改善過程、その積み重ねを広報PRの資産に変えることができます。

広報PR担当者には、これらの取り組みを「単なる制度対応」ではなく、経営戦略や組織文化の文脈に連動させ、ストーリーとして語ることが、ステークホルダーから信頼を得ることにつながるのではないでしょうか。

なでしこ銘柄への挑戦を、女性活躍推進を経営の土台に据え直し、企業価値を高めていくための出発点として捉えていきましょう。

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この記事のライター

酒井 美和子

酒井 美和子

広報PR歴20年以上。映画や映画祭などの広報を経て、映像関連の上場企業にて12年間、広報担当として従事。某週刊誌報道を起点とする危機管理広報の実務経験あり。現在はプレスリリースの執筆(累計200本超)をはじめ、広報用ビジュアルのデザインやSNSアカウントの運営など、情報発信全般に携わっている。

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