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年間テレビ露出数237回!サンコー広報“ekky”に学ぶテレビ取材獲得と対応の極意

東京・秋葉原に店舗をかまえ、便利な生活用品やオモシロ家電などを開発・販売しているサンコー株式会社の広報部長・﨏さんは、蝶ネクタイにオーバーオール姿で“ekky(エッキー)”という愛称を持ち、数多くのテレビ番組に出演されています。

『とくダネ!』(フジテレビ)『ヒルナンデス』(日本テレビ)『王様のブランチ』(TBS)『タモリ倶楽部』(テレビ朝日)『今ちゃんの「実は…」』(朝日放送)『ちちんぷいぷい』(毎日放送)など、全国放送から地方放送の番組までさまざまな番組に出演し、自ら会社や商品をアピールしています。

2020年の年間テレビ露出数は237回。そのうち36回に出演している﨏さんに、テレビ取材獲得のために工夫していることやメディア対応における極意などを聞いてきました。

サンコー株式会社の最新のプレスリリースはこちら:サンコー株式会社のプレスリリース

サンコー株式会社 広報部長 

﨏 晋介(Eki Shinsuke)

大学を卒業後、輸入家電メーカーの営業としてテレビショッピングなどを担当し、自ら出演し商品紹介を行う。その後、家電事業を新規で行う会社に入社し、リリース作成を覚える。
2015年1月に営業としてサンコーに入社。2015年3月より広報業務も兼務。2017年6月より広報部を設立。リリース作成、メディア対応など広報業務を一人ですべて担当。
現在ekkyというキャラクターでテレビ出演をこなす。現在は番組企画段階から相談を受けることが多い。

他社にはない商品だからこそ、パッと見てわかることにこだわる

ー まず、サンコーについて教えてください。

﨏さん(以下、敬称略):弊社は秋葉原を拠点に、便利な生活用品やオモシロ家電などを開発・販売しているメーカーです。「面白くて役に立つ商品を社会に提供する」をミッションに掲げ、秋葉原の実店舗とオンラインショップを展開し、自社オリジナル開発アイテムと海外から調達したアイテムを販売しています。弊社は、ほかのメーカーであれば開発・販売しない独特な商品ラインナップが特徴です。たとえば、「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」や「断面が美しいコードレス電動包丁「エレクトリックナイフ Slim」」などがあります。

お一人様小型炊飯器
SNSでもバズった、最短14分で炊きあがるお一人様小型炊飯器

おかげさまで、多数のメディアに弊社をお取り上げていただく機会が増えています。2020年の露出実績は、Web記事は掲載数が多すぎてカウントしきれないのですが、テレビ237回、ラジオ26回、雑誌157回、新聞14回でした

ー さまざまなメディアで数多く取り上げられているんですね!広報部の体制はどのようになっているのですか?

﨏:現在は僕含めて2名体制ですが、昨年7月に入社したメンバーにはSNSや動画作成を担当してもらっているので、実際にメディア関係者の対応やリリース作成などは僕ひとりで担当しています。

僕自身は、2015年1月にサンコー株式会社に広報担当ではなく、営業として入社しているんです。入社当時、広報に力を入れている会社ではなかったので、独特でとてもおもしろい商品がたくさんあるのにもったいないと思っていました。前職時代、あくまで営業活動の一環としてリリース作成やメディアキャラバンをしたことがあったので、自分が役に立てるのではないかと思い、入社して2カ月後に広報業務もやらせてくださいと手を挙げました。

その後、営業と兼務するかたちでリリース作成業務からスタート。それまではページ制作のスタッフがリリース作成業務を行っており、決まったフォーマットやノウハウが社内にたまらず、広報視点をもったリリースをメディアに届けられていませんでした

サンコー広報さん

僕が広報業務を取りまとめるようになってからは、他社にはない独自性の高い商品を「パッと見てわかる」ように、写真を多く使用したリリースを作成しました。また、わかりやすい言葉を使い、一言で言い切るようにしていましたね。その時のリリース作成の極意は今も変わりません。

営業と兼務するかたちではありましたが、2015年にはテレビ露出数5回だったのが、翌2016年には94回に。雑誌での紹介もほぼ0回だったのが翌2016年には73回も紹介いただく機会を得ることができ、一気に露出数を増やすことに成功し、2017年6月に専任の広報担当を任され、広報部を立ち上げるに至りました。

大切なのは番組制作者視点に立つこと。制作会社240社に送った「ネタ帳」

ー 広報部を立ち上げられてからは、具体的にどんな広報戦略をとられたのですか?

﨏:広報部を立ち上げて広報業務に専念できるようになり、テレビ露出に注力しようと考えました。弊社の場合、独特な商品が多いため、言葉で説明するよりも実際に商品を動かした映像を通してもらった方が理解してもらいやすいんですよね。

また、我々メーカーの重要な取引先である卸先からの反響が大きいというのもテレビ露出をしたかった理由なんです。卸先は、売れる商品を仕入れたいと思っています。利用シーンやセールスポイントを具体的にイメージでき、テレビで取り上げられたというお墨付きが安心材料となることで「その商品を取り扱いたい」というお問い合わせにつながりやすくなります。直販のみならず、販路拡大もメーカーには売上げアップにつながる大事なことなので、卸先が反応しやすいテレビ露出に注力しました

テレビ露出を増やすにあたって、まず徹底的に番組のエンドロールやネットから制作会社を調べ上げ、合計240社に対して「ネタ帳」を送付しました。

「ネタ帳」とは、サンコー商品を1年間のタイムライン上にならべ、それぞれの時期にテレビ制作の方々が報道ネタとして使ってもらえるように整理した資料です

﨏さんが作成した「ネタ帳」の一部
﨏さんが作成した「ネタ帳」の一部

そしてそのネタ帳は必ず2部ずつ送っていました。番組制作担当者宛に1部と、代表者宛に1部。テレビの制作スタッフは契約先のテレビ局にいることが多いと考えたので、オフィスにいるであろう代表者の方にはバイネームで送り、誰かしらに確実に届くようにしました。開封率を上げるため、封筒に「テレビに取り上げられる会社の秘密」と印刷してアピールもしましたね。

「ネタ帳」を送付してから少しずつ担当者から連絡をいただけるようになりました。困った時にネタを提供してくれる会社だという印象付けられたのがよかったと思います。すぐに連絡がなかった方でも、時間が経ってからご連絡いただくこともあります。

番組制作者側の視点で考えてみると、おもしろく取り上げられる情報を得たいと思っているはずで、常にネタを探している状態だと思うんですよね。なので、こちらから積極的にネタを提供し続けることが、自社を認知してもらう確率を上げることにつながると思います。

ー 番組制作者視点に立った情報発信手段をとられているのですね。「ネタ帳」送付以外にも工夫していることはありますか?

﨏:「ネタ帳」とは別に、プレスリリースにも力を入れています。テレビ関係者がネタ探しのためにWebメディアをチェックしているという話はよく聞くので、テレビ露出に注力しているからこそWebメディアにもプレスリリースを送り、Web上で掲載してもらえるようにしています

さきほどお伝えしたように「パッと見てわかる」ことを意識して画像をたくさん入れ込むことに加え、資料自体にQRコードを付けて、YouTubeの動画に遷移できるようにしています。印刷したプレスリリースを手渡しする機会もあるので、そんな時でもすぐに実際の商品映像をみていただいて理解しやすくしています。

また、商品の情報だけではなく、会社の情報もたくさん盛り込んだプレスリリースにしています。やはり会社自体を認知してほしいので、商品情報だけで終わらないようにしています。

プレスリリースの企業紹介ページ サンコー
プレスリリースの企業紹介ページ

最近はメディアリストも豊富になったので、Webメディアの記者やライターも含むと、1回のプレスリリースでの送付数は1000通ほどになりますね。

弊社では月に10アイテムほど新商品が登場するので、その情報はもちろん、新商品を使用した企画ネタも考えて送るようにしています。たとえば、外出自粛期間中であれば、おうち時間を充実させるオモシログッズ特集みたいな切り口で、ほかの商品もかけ合わせた企画を提案しています。

企画のタネは日々の情報収集で見つけます。ニュースやSNSで話題になっている事柄に対して、うちの商品を絡められる要素がないかなと思いながら情報収集するようにしていますね

サンコー広報さん

累計テレビ出演回数130回!“ekky”として自らをキャラクター化しスピード対応を徹底

ー テレビ取材時、対応面で工夫していることはありますか?

﨏:とにかくスピード対応を重視していますね。

テレビの関係者は忙しくて時間がありません。次から次に、取り上げる企画を考えて、撮影して、編集して……という日々を送られています。なので、取材基準として、すぐに対応してくれる企業かという点は重視されているはず。その点については最低限クリアできるようにしていますね。

ー スピード対応するために具体的にどんなことをしているんですか?

﨏:具体的には大きく3つあります。

1つは、提供素材となる画像や動画を充実させていること。会社の内装や外装、商品開発の会議風景や、オフィスで働く社員の様子など会社自体の素材を充実させています。最近はコロナでロケがしづらくなっていることもあり、こういった素材を喜んでいただくことが増えましたね。地方局の場合は遠方でのロケがしづらいので活用いただくことが多いですし、実際に僕が提供した動画素材だけを使って編集されて放送いただいたこともあります。

会議風景動画のキャプチャ
﨏さんがテレビ局に提供した社内の会議風景動画のキャプチャ

もう1つは、商品撮影できる場所をすぐに提供すること。オフィス内に撮影しやすい広いスペースを設けており、そこを使ってもらうことが多いです。ただ、少し前までは別のオフィスに入っていて撮影スペースを確保できなかったため、オフィスの隣のマンションを借りてすぐに撮影対応できるようにしていましたね。忙しい番組制作者の場所探しの手間をできるだけ省けるようにしています。

最後は、僕自身が演者として出演することですね。

ー 「ekky」という愛称でテレビ取材に応えられていますよね。対応スピードを上げるためにご自身をキャラクター化したんですか?

﨏:対応スピードを上げるためだけではないですが、理由のひとつとして挙げられます。僕以外にも社長や社員の都合を合わせるとなると、その時点で、取材対応できる時間帯の選択肢が狭まります。一人の時間調整で済めば都合がつけやすいので、基本的には僕だけで対応できるようにしていきました。

サンコー広報“ekky”さん

自分自身をキャラクターとして立たせようと思った理由はもう一つあります。どこかの企業のいち広報担当というだけだと印象に残りづらいですよね。会社自体の認知を高めたいと考えた時に、キャラクター化してメディア関係者の方に覚えてもらえるようにしようと思いました

ー ご自身が出演するテレビ取材時に気をつけていることはありますか?

﨏:まず、編集する方への気遣いです。カメラワークへの配慮としては、タレントさんや芸人さんにかぶらない位置取りを心がけています。話すタイミングにも気をつけていて、基本的にカメラが自分に向いていない時は話さないようにしています。あとで編集する時に、映像と話がセットになっていないと使いづらいので。こうした観点だと他にも、できるだけ短い言葉で言い切って、時間調整しやすくなるようにしていますね

つぎに、オンラインで出演する時に限りますが、ちゃんとカメラ目線になるよう、カメラの奥に話す相手が映るディスプレイを置いています。オンラインMTGを思い浮かべるとわかりやすいですが、通常のパソコンで対応すると目線がやや下になってしまいますよね。自信が無さそうに見え、あまり良い映りではなくなるので、それを解消しているんです。ほかにも、性能の高いWebカメラやマイクも常備しています。

そして実は、僕への印象が会社の印象に直結するので、できる限り清潔感があるよう、テレビ出演時は軽く化粧をしています。もちろんスタイリストさんがつくわけではないので、マイ化粧ポーチを持ち、自分でパフやコンシーラーで化粧をしています。照明が強いと、どんなに汗をかいていなくてもギトギトみえてしまうんですよね。

ー 最後に、他社広報担当者にアドバイスをするとしたら?

﨏:うちの会社がテレビ取材なんて…と考えている方も多いようですが、テレビ制作の方もネタを探して困っている状態なんですよね。そのことを理解した上で、アプローチをし続けることが大事です。

いろんな番組を見ていると、自社商品がどのコーナーに合うかが掴めてくるはずなので、似たような商品が取り上げられていたらエンドロールなどからその番組担当者を調べて電話やメール、資料を郵送することでアプローチしてみること。目に留まれば企画を組んでくれる可能性が高いので、諦めず、地道に提案し続けていきましょう。

サンコー広報“ekky”さん

今回のPR事例ポイント

  • メディア関係者の視点に立ち「パッとみてわかる」資料づくりを
  • テレビ番組の制作者は、日々取り上げるネタ探しをしている。そのことを理解してネタを提供しつづける
  • テレビ露出を狙うには、スピード対応できる準備が大事。提供素材の準備や撮影場所の柔軟な対応を

蝶ネクタイにオーバーオール姿がトレードマークの“ekky”こと﨏さん。実は自社商品を使用し、6カ月で-20kgもの減量に成功。テレビで取り上げてもらえるネタを増やすため、また、その商品を取り上げてもらった時の実例として紹介してもらえるようにダイエットに取り組んだといいます。

ストイックに自分のできることを徹底的にやり通す﨏さんの行動力が、テレビ露出につながっているのかもしれません。

本記事でのお話から取り組める部分をヒントに、広報活動に活かしてみてはいかがでしょう。

(撮影:原 哲也、取材はリモートで実施しました)

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この記事のライター

林 優

林 優

サイバーエージェント新卒入社、Makuake配属。イベント企画・運営を担当するとともに、ガジェット・ファッション・飲食店・日本酒…など、毎月数百件開始するプロジェクトの広報業務を担当していました。多岐にわたるジャンルのプロジェクトPRを担当する中で積んできた広報業務経験を活かしたコンテンツづくりに取り組んでいます。

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