10/1(木)企業のカスタマーハラスメント対策義務化の開始に合わせ、BIZTELが専門家・対策実施企業を招いて、カスハラ対策勉強会を開催
『なぜカスハラは起きるのか?~する側・される側の心理から紐解く、現場と組織が取るべき対策とは~』
9年連続 国内シェア第1位(※1)のクラウド型CTI/コールセンターシステム「BIZTEL(ビズテル)」を展開する株式会社リンク(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡田 元治、以下 リンク)は、労働施策総合推進法の改正により企業のカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)対策が義務化された2026年10月1日(木)、カスハラ対策に向けた勉強会を開催しました。


※1 デロイト トーマツ ミック経済研究所『マーテック市場の現状と展望2025年度版 クラウド型CRM市場編(第9 版)』による
当日は、以下5名が登壇。
・東洋大学 大学院 社会心理専攻長・教授/㈳ココロバランス研究所 理事 桐生 正幸氏
・「ムヒシリーズ」を展開する株式会社池田模範堂 高橋 亜貴子氏・小幡 珠紀氏
(同社では、2025年11月に「カスハラ対策宣言」を公表)
・株式会社リンク 取締役BIZTEL事業部長 坂元 剛
・ブライシス株式会社 shouin事業部 佐藤 綾氏
問い合わせ業務に従事する方を対象とした最新の「カスハラ実態調査」の結果をもとに、カスハラが発生する要因と現場への影響、「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引き、具体的な対策、管理者に求められる役割について、多角的に議論しました。
■勉強会レポート
① 法改正で何が変わる?企業に求められる対策と、調査からみる現場の実態
初めに佐藤氏が「顧客等の言動のうち、社会通念上許容される範囲を超え、従業員の就業環境が害されるもの」がカスハラに該当すると解説しました。10月1日から事業主に義務付けられた雇用管理上の措置と、対策を講じない場合に行政の指導・勧告や企業名公表の対象となり得るリスクを説明しました。桐生氏は、この法律は「従業員を守る」ためのもので行為者を罰するものではなく、カスハラに該当するかどうかの線引きは各企業が苦労するポイントになると指摘。労災認定も増えており、企業が知恵を出し合う必要があると述べました。
続いて、坂元が実態調査を紹介しました。カスハラを「経験したことがある」は47.0%と約2人に1人にのぼる一方、「判断がつかない」も11.2%あり、グレーゾーンの多さが対応方針を定める難しさにつながっていると指摘。経験したチャネルは電話(61.5%)が対面(56.0%)を上回りました。また、カスハラ経験後に意欲低下や不安・憂鬱感を覚える人も多いことから、組織的なフォロー体制が必要だと述べました。
池田模範堂の高橋氏は、一部の暴言や過度な要求により対応者が疲弊していたことを受け、日本OTC医薬品協会での業界マニュアル作成を経て、2025年11月には同社としての「カスハラ対策宣言」を公表。2026年8月には法務グループと協働で全社用マニュアルを作成したと語りました。
② カスハラはなぜ起きるのか?発生要因と現場への影響
桐生氏は、顧客の期待が満たされないと不満が生じ、そこに企業側の失敗が重なると苦情になると解説しました。さらに、苦情を言う人の特質(自尊感情の高さなど)と企業側の特質(誠意のない画一的な対応など)が相互に作用すると、カスハラにエスカレートすると指摘。未然防止が重要であるとともに、土下座の強要や脅迫には法的対応が必要だと述べました。
池田模範堂の小幡氏は、パッケージ表示の工夫やFAQの充実、ロールプレイによる応対力向上など、企業起因の発生を未然に防ぐ取り組みを紹介。一方で、悪意のある顧客は少数でも、ボタンのかけ違いから揚げ足取りに発展し、対応者が疲弊するケースがあると語りました。
坂元は、判断に迷うグレーゾーンについて「バカ」「無能」といった暴言・人格否定でさえ、19.2%が「どちらとも言えない」と回答している状況を踏まえ、企業ごとの基準づくりが課題だと報告しました。佐藤氏は、かつてコールセンターでスーパーバイザーを務めていた経験を振り返り「こちらから電話を切らない」という慣習があったため、強い言葉を受けても電話を切れず、正当な内容でも長時間の繰り返しでオペレーターが疲弊していたと語りました。桐生氏は「これまでの常識はもう常識ではない」と述べ、企業・業界として腹をくくる必要があると強調。「誠意を見せろ」と言われた場合も「なぜそう言われるのか」を問うこと、「上の者に代われ」と言われた場合の交代フローを用意しておくといった対策を示しました。
③ カスハラと正当なクレームの判断基準策定のポイント
池田模範堂の高橋氏は、「どんなお客さまもファンに」という姿勢のもと、1回の対応だけではカスハラと認定せず、対応者を変えたり折り返し対応をしたりしても同じ内容の繰り返しが続く場合に初めてカスハラと判断するという線引きを紹介しました。対応者の疲弊を防ぐため、切電まで進めてよいマニュアルに整えたといいます。
これに対して桐生氏は、「お客さまをやっつける」のではなく、「お客さまがカスハラをしないようにするには」を考えることが「良いお客さま」に変わってもらえるかの分かれ目だとし、そのためには経営層の理解が重要だと述べました。
④ 具体的なカスハラ対策 ~「心理面」「テクノロジー」「教育研修」の3つの切り口から~
池田模範堂の小幡氏は、通話前に「通話を録音しています」とガイダンスを流す設定を導入して以来、セクシュアルハラスメントなどを目的とした電話はほぼなくなったと実感しているといいます。また、カスハラ対策宣言を公表したことで「会社が守ってくれる」という安心感が対応者に生まれたことも大きな成果だと語りました。
心理面について桐生氏は、ストレスは、カスハラを受けた瞬間・誰も助けてくれなかった時・帰宅後に自分を責める時の3段階で生じると指摘し、対応者の心を守る必要があると述べました。個人でできる対処法として、ジャーナリング(自分の感情を書き出す)・悩む時間の制限・セルフコンパッション(自己への思いやり)に加え、対応中でも「少々お待ちください」と伝えて深呼吸するといった手軽な方法を紹介しました。
テクノロジー面では坂元が、ガイダンスや通話録音の活用に加え、AIがカスハラかどうかを平準的に判断する機能を紹介しました。
教育研修について佐藤氏は、ルールを作るだけでなく、実際にできる状態にするための研修が重要だと述べ、リンクとブライシスが共同で提供するクラウド型コールセンター向け教育管理システム「BIZTEL shouin」のカスハラタイプ別の対処法やメンタルケアのコンテンツを紹介しました。
⑤ 個人に背負わせない!管理者に求められる役割
坂元は、対処ルールが明確になっていない現場が58.4%にのぼり、上司や組織のフォロー体制に「満足している」人は29.6%にとどまるという調査結果を示し、ルールや基準づくりとあわせて、「守ってほしい」という従業員の思いに応えることが不可欠だと強調しました。佐藤は、強い言葉を受けると研修で学んだ対応がとっさに出てこなくなるため、管理者がすぐにモニタリングし、「聴いているから大丈夫」「1人で対応しなくていい」という姿勢を示すことが重要だと語りました。
池田模範堂の高橋氏は、難しい対応ではSVや管理者がシステムでモニタリングし、「今はお客さまに気持ちを吐き出してもらおう」「このタイミングで言葉を挟もう」と具体的にアドバイスする運用を紹介。管理者が不在の時も電話で連絡できる体制を整え、対応者の判断にズレがあっても責めずに「次に活かそう」とする風土があると語りました。桐生氏は、優秀で頼られる人ほど自覚のないままストレスを抱え、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るリスクがあると指摘し、管理者や経営層は「上手くやってくれる人」ほどフォローすべきだと注意を促しました。
■登壇者コメント
桐生 正幸 氏(東洋大学 大学院 社会心理専攻長・教授/㈳ココロバランス研究所 理事)

今回の法改正の要は、行為者を罰することではなく「従業員を守る」ことにあります。お客さまからの苦情は本来宝物です。毅然と線引きをしながら、良いお客さまになってもらうためのマインドが、これからの対策には欠かせません。また、これまでの常識を見直すことや、優秀な社員ほど溜め込みやすい隠れストレスへのフォローも重要です。組織全体の連携と経営陣の理解のもと、新しい時代のコミュニケーション文化を作っていってほしいですね。
高橋 亜貴子 氏(株式会社池田模範堂 研究開発部 医薬情報グループ)

現場を守るためには、人事や現場だけでなく経営陣を巻き込んだ全社的なバックアップ体制が不可欠です。弊社では業界の動きに合わせて経営陣へ直談判し、毎月の検討会で現場の生の声を伝え続けたことが「カスハラ対策宣言」の公表につながりました。経営層が現場に寄り添い「会社が守る」という明確な姿勢を示すことが、対応者の大きな安心感に変わります。トップダウンとボトムアップの両輪で、組織体制を考えることが重要だと実感しています。これからも現場と経営を繋ぐ役割として、従業員が安心して働ける環境づくりを推進してまいります。
小幡 珠紀 氏(株式会社池田模範堂 研究開発部 医薬情報グループ)

お客様相談窓口の対応は本来とても価値のある仕事です。カスハラを単に排除するのではなく、未然に防ぐ視点が大切だと考えています。録音ガイダンスの導入や具体的な判断基準によって、対応者の疲弊を防ぐことと、お客さまへの真摯な応対を両立できるようになりました。さらに、リアルタイムでのモニタリングや日々の振り返りを通じて、負の感情を一人で抱え込ませないフォロー体制も整えています。会社に守られている安心感を胸に、人ならではの丁寧なコミュニケーションで、お客さまとの良い関係を築いていきたいと考えています。AIには代えられない対話の価値を信じ、これからも現場のスキル向上と寄り添う対応に取り組んでいきます。
坂元 剛(株式会社リンク 取締役 BIZTEL事業部長)

カスハラ対策は、日本の生産性向上という大きな課題に直結する重要なテーマです。電話は、顔の見えないチャネルであり、カスハラが発生しやすい場です。だからこそ、AIなどのテクノロジーと組織の体制によって、現場をしっかり支えることが必要です。電話業界から「従業員を守る文化」を発信し、社会全体の意識改革と生産性向上の力になれればと考えております。
佐藤 綾(ブライシス株式会社 shouin事業部/日本コンタクトセンター協会 人材育成委員会 委員)

現場のオペレーターやSVが安心して働ける環境を整えることこそが、カスハラ対策の第一歩になります。どれだけ立派なルールを作っても、実際に使えなければ意味がありません。具体的なセリフ集や研修を通じて現場にしっかり落とし込むことが大切です。トラブル時には管理者が「聴いているから大丈夫」という姿勢を見せ、助け合える安心感を生むことが求められます。今後も研修や教育支援を通じて、現場で実践できる環境づくりを支えてまいります。
■開催概要
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テーマ:なぜ、カスハラは起きるのか?
~する側・される側の心理から紐解く、現場と組織が取るべき対策とは~
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日時 :2026年10月1日(木)11:00~12:00
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会場 :株式会社ベクトル本社 16F スタジオB(東京都港区赤坂4-15-1 ONE AOYAMA)
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登壇者:・桐生 正幸 氏(東洋大学 大学院 社会心理専攻長・教授/㈳ココロバランス研究所 理事)
・高橋 亜貴子 氏(株式会社池田模範堂 研究開発部 医薬情報グループ グループ長)
・小幡 珠紀 氏(株式会社池田模範堂 研究開発部 医薬情報グループ
くすり情報チームリーダー)
・坂元 剛(株式会社リンク 取締役 BIZTEL事業部長)
・佐藤 綾 氏(ブライシス株式会社 shouin事業部/
日本コンタクトセンター協会 人材育成委員会 委員)
BIZTEL(ビズテル)について
BIZTELは2006年のサービス提供開始以来、クラウド型テレフォニーサービスのパイオニアとして企業向け電話システムやコールセンターシステムを幅広く展開しています。小規模な問い合わせ窓口から 数百席以上の大規模コールセンターまで、幅広い利用規模に対応しており、高いセキュリティ基準が求められる金融・製薬をはじめ、さまざまな業界の2,000社以上で導入されています。デロイト トーマツ ミック経済研究所より発行された『マーテック市場の現状と展望2025年度版 クラウド型CRM市場編(第9版)』においては、クラウド型コールセンターシステム9年連続シェア第1位のサービスとしてリストアップされました。
サービスの詳細は、https://biztel.jp/ をご覧ください。
株式会社リンクについて
株式会社リンクは、業界最大級の稼動台数を持つ専用ホスティング「at+link」、クラウド型ホスティング「リンク・ベアメタルクラウド」を軸として、9年連続シェア第1位のクラウド型コールセンターシステム「BIZTEL」、セキュリティプラットフォームサービス「PCI DSS Ready Cloud」など、さまざまなサブスクリプション型サービスを提供しています。農系事業にも取り組んでおり、2010年2月からは岩手県岩泉町にある自然放牧酪農場「なかほら牧場」を運営しています。
事業の詳細は、https://www.link.co.jp/ をご覧ください。
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