（写真：中村年孝）

フジッコ株式会社（本社：神戸市中央区/代表取締役社長執行役員：福井正一）（以下「フジッコ」）は、2023年3月、業界初となる、大豆まるごとを使用し、「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌ＦＣ株）」で発酵させたヨーグルト「まるごとＳＯＹカスピ海ヨーグルト400g」をリニューアル新発売します。

▼プレスリリースはこちらから

この商品は、フジッコの「まるごと大豆のヨーグルト」と「カスピ海ヨーグルト」の素晴らしさを融合させ、進化させたともいえる商品です。

フジッコのヨーグルト事業の「これまで」のおさらいと、「まるごとＳＯＹカスピ海ヨーグルト400g」がリニューアル新発売するまでの開発ストーリーを、ヨーグルト・デザート事業部のマーケティング担当の敷田加寿美さんに、技術上のブレイクスルーポイントを、開発担当の森脇鏡后さんに伺いました。

■フジッコのヨーグルト事業 の「これまで」

はじめに、フジッコのヨーグルト事業の「これまで」をおさらいです。

（写真・編集：重松伸）

ヨーグルト・デザート事業部　敷田加寿美さん

2007年フジッコ入社。業務用営業に従事した後、マーケティング部門に配属。「おかず畑 おばんざい小鉢」の商品化や、「カスピ海ヨーグルト」シリーズのマーケティング、大豆のヨーグルトの立ち上げなどに携わってきました。

フジッコと“カスピ海ヨーグルト”との出会いは、1992年に遡ります。

▼「カスピ海ヨーグルト」ヒストリーはこちらから

https://www.caspia.jp/cywhat/history/

フジッコで「カスピ海ヨーグルト」が市販用商品として発売されたのは、2005年のことです。

独特のとろ～りとしたねばり強さと、酸味の少ないまろやかな味わいで、出会い以来15年で14倍の急成長を遂げてまいりました（当社実績）。

ちなみに、意外に思われるかもしれませんが、プレーンヨーグルトの売り上げランキングを見ると乳業メーカー以外でトップ10※に入っているのはフジッコだけなんです。

※KSP-POS「プレーンヨーグルト」カテゴリー 2022年販売金額 TOP10）

さて現在、フジッコでは、豆事業部が『体がよろこぶEveryday Beans！』という活動を展開しています。

記事の中にもあるように、豆は、食物繊維、たんぱく質、大豆イソフラボンなど、様々な栄養素を含む上、調理の手間なく様々なシーンに手軽に取り入れることができる“スーパー食材”です。フジッコは1976年に「おまめさん」を発売して以来、約半世紀にわたって豆と向き合い、豆を日々の食生活に取り入れるための技術やアイデアを蓄積してきました。

そして、お客様の食に関する健康志向の高まりや、サステナブルな社会を目指す潮流の中における、SDGsの実現に取り組む動きの加速などにより、植物性たんぱく源として「大豆」が、今、改めて注目されています。

大豆製品というと、納豆、豆腐、煮豆などが思い浮かぶと思うのですが、お客様の食生活の変化に伴い、毎日和食を召し上がる方が少なくなっているという現状から、これらの食品を毎日継続して摂取することが難しくなってきているのではないかと思いました。

そこで私の所属するヨーグルト・デザート事業部は、納豆、豆腐、煮豆に次ぐ大豆食品の「新定番」を「ヨーグルト」の分野で生み出せないかを考えました。原料に「大豆」を用いたヨーグルトなら、毎日の生活に、無理なく取り入れていただくことができると考えたんです。

■「大豆」素材の植物性ヨーグルト誕生！

フジッコは、大豆をより手軽に摂取していただける大豆素材の植物性ヨーグルトとして、2020年3月に「大豆で作ったヨーグルト」（後に「まるごと大豆のヨーグルト」に改名）を発売しました。

この商品は、開発の段階でお客様から、「こういうものをまっていた」という熱心な声をいただいていたこともあり、私自身が「 世の中に役立つことができる商品だ」という想いをもって開発に携わってきました。そして、おまめのリーディングカンパニーであるフジッコだからこそできる・開発すべき商品でもあると、ある種「使命」にも近い感覚を持っていました。

発売以降、大豆をふんだんに使用した独自製法による“まるごと大豆”ならではの大豆の風味・栄養の濃さや、乳成分不使用・コレステロールゼロという植物性ならではのヘルシーさから健康や美容に関心の高い女性を中心にご好評をいただいてきました。

しかし、大豆特有の後味やヨーグルトの酸味については、まだまだ改良の余地があると思い、発売以降も、おいしさを向上させるため、製法の見直しを続けてきました。最終的に「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」を使用するなど、新製法の採用によって、よりまろやかクリーミーで自然な大豆の風味を実現するに至りました。

そしてついに、企業理念である「おいしさ」と「けんこう」がぎっしり詰まった「まるごとＳＯＹカスピ海ヨーグルト400g」として、この度リニューアル新発売！この商品が、納豆、豆腐、煮豆に次ぐ、大豆食品の「新定番」として、皆さまの食卓に当たり前のように登場してお役に立てる商品に育てていきたいと思います。

▼ブランドサイトはこちらから

https://www.fujicco.co.jp/daizuyogurt/

ふくよかな大豆のうま味と、とろ～りクリーミーな食感が特長の

「まるごとＳＯＹカスピ海ヨーグルト400g」

■若手開発者の「思い付き」が、悩めるチームを救う！

実は、社内で、「大豆」に「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」を組み合わせてヨーグルトを作ることを、諦めかけた時期もあったんです。

でも、僕は、絶対できると思って、やり遂げました。

ヨーグルト・デザート事業部　森脇鏡后さん

2018年フジッコ入社。入社以来ヨーグルトなどの「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」を使用した商品開発に従事。現在はヨーグルトの開発を担当しています。

今回のリニューアル最大の焦点は、大豆風味との相性を考えて、酸味を抑えることでした。

そのためには、「大豆」に「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」を組み合わせるのが、一番いいということまではわかっていた。でも「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」は、大豆に含まれている糖だけでは、十分に活動することができない。そこで、「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」本来の働きを促すために、糖を加えてみたんです。

すると、「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」が予測どおり、活動してくれたんです！

ポイントは、糖の添加量を調製してあげることでした。

その結果、理想の酸味と、発酵した大豆の風味を保ち続けることに成功しました。糖は乳酸菌によって消化されるため、甘味は残りません。

ただ、ここまでは想定の範囲内の展開でした。

次の課題は「色味」だったんですけど、大豆に含まれているポリフェノールの影響で、どうしてもヨーグルトの色が変わってしまうという問題がありました。チーム内では、どうやって変色を抑えるかに執着している傾向がありました。僕も当初はその方向で試作を重ねていたんですが、この頃、見ず知らずの業者さんが、たまたま僕のところに飛び込み営業にやってきて、たまたま豆乳に使うとおいしくなるという素材を紹介してくれたんです。その業者さんから何故おいしくなるか、メカニズムを聞いたのですが、その話を聴いた瞬間、僕はピンときました。

「このメカニズム、おいしくするだけでなく色味を変えることにも使えるかも！」

早速、製造条件を変えてそのメカニズムを試作に生かすことにしました。

チームのみんなは、当初変色自体を抑えることを目指していたので、色味を変えた僕の試作品を見て、「わざわざ誰も望んでもいない色味を出してきた」と怪訝そうな顔をしていました。

でも、試作を重ねていくうちに、味が確実によくなって、見栄えの問題もクリアして、チーム内に「これならいけるかも！」という納得感が広がっていったんです。

たまたま紹介された素材のメカニズムにインスパイアを受けたことが、商品の見た目や、味、風味に、奥行きを醸し出すことに繋がった。これは、やってみて、わかったことで、本当に想定の範囲外の出来事です。

1日1試作を目標に、100回を超える試作を重ねた甲斐がありました。

■ブレイクスルーって、「偶然」をコントロールすることかもしれない。

上司からもいまだに「よく思い付いたよね」と言われるんですが、これって、ずっと「大豆」と「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」のことを考えているからこそだと思うんです。

「どうすれば現状の制約を乗り越えることができるか」「どの方法ならこの制約を解除しえるか」を考え、日々意図し、または意図せずもたらされる様々な提案や情報を、自身の中でマッチングさせ、アイデアを生み出し続けることこそが、ブレイクスルーの鍵だったように思います。

ナッツやドライフルーツとのペアリングでさらにおいしく。（写真：中村年孝）

今回がまさにそうでした。たまたま飛び込み営業にやってきた業者さんの情報が、パズルのピースのように僕の中で、ピタリとはまった。その素材のメカニズムも、そのメーカーだからわかっていたというたまたま続き。まさに、「偶然」の連鎖でした

で、僕が、諦めずに一生懸命努力して、その「偶然」を、最終的には、コントロールするに至った。もちろん、入社からこれまでの経験とか、上司からのアドバイスも、その背景にあるのは間違いありません。

よく官能評価で、「見た目」「味・風味」「テクスチャー」の基本3項目が問われますが、今回の商品開発で、まさにその3項目を突破することができた。僕は今、フジッコが保有する「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」を、自分自身の手でコントロールできたという事実に、身震いするような手応えを感じています。そういう次元に到達できたことが、素直に嬉しい。

これからも、もっともっと、この商品をおいしくできるという自信と確信を持つことができました。

だから、僕にとって、今回のリニューアル新発売は、終わりではなく、スタートラインなんです。これからも、「カスピ海乳酸菌（クレモリス菌FC株）」にねばり強く向き合い、誰にも負けない知識と技術を掴み取りたいと思います。

■「まるごとＳＯＹカスピ海ヨーグルト400g」

・商品特長

　✓　大豆まるごと*の栄養を余すところなく手軽に

　植物性たんぱく質や大豆イソフラボンはもちろん、豆乳では取り除かれる「おから」部　

　分の食物繊維も含まれています。　

　＊3段階の独自製法で大豆をなめらかに微細化。うす皮は取り除いています。

　✓　「カスピ海乳酸菌(クレモリス菌FC株)」*使用、新製法でさらにおいしく

　酸味控えめ＆とろ～りクリーミーな食感で、大豆のふくよかな風味を引き立たせまし

　た。

　＊生きて腸まで届くプロバイオティクス

　✓　乳・豆乳不使用・コレステロール 0

・商品規格

　商品名：まるごとＳＯＹカスピ海ヨーグルト400ｇ

　内容量：400ｇ

　標準小売価格：258 円（税込278円）

　商品サイズ：Φ100×高119 mm

　保存方法：要冷蔵

　賞味期間：27日

■発売日

2023年3月1日（水）

■発売エリア

全国の小売店

（編集：フジッコ株式会社　コア事業本部（PR担当）　豊田　麻衣子）