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10メディアの編集長・プロデューサーたちが語る制作と広報PRに対するリアル|2024年公開まとめレポート~メディアが語る編~

『PR TIMES MAGAZINE』では、多くの広報PRパーソンに取材をしてきました。また同時に、メディア関係者からの声も聞いています。

本記事では、2024年にPR TIMES主催のイベントやセミナーにご登壇いただいたメディア関係者の記事をまとめて紹介します。時間の関係でご登壇時には聞ききれなかったことを、事前インタビュー、事後インタビューしている回も。広報PRを担う方々にとって参考になるお話が多数ありますので、一度ご覧いただいた方も振り返ってご覧ください。

※取材内容は公開当時のものです

『月刊食堂』編集長 通山 茂之さん

株式会社柴田書店 雑誌編集部部長 兼 月刊食堂 編集長 通山 茂之さん

広報PRは「自社を広く発信したい」、メディアは「面白い活動を発信したい」。両者ともよい情報を世の中に発信したいという点は同じで、お互いにメリットは一致しているはずなんですよね。一方、広報PRが「自社の都合のいい情報を流してほしい」と思っているとすると、メディアは「都合のいい話だけでは困る」ので、ここでは相反しているわけですよ。

ここが、自社の都合ばかりを押し付けないことに関連してくるわけです。広報としてはあまり知られたくない情報であったとしても、メディアが知りたい場合、社内で調整して、妥協点を見つけ、メディアと交渉をすることが求められてきますね。企業として長い目で見たときに、自社の情報をどう取り扱うのか、先々まで考えられるかが大切になってくる気がします。

僕たちがお店を選ぶとき、理屈は決めないですよね。では何で決めるかというと、「おいしそう」「行ってみたい」と思うかどうか。そういう意味で、スマートフォンの画角に合っているというのは、飲食店の大きなアドバンテージだと思います。ですから、プレスリリースも、ビジュアルを中心にして見せていくのがいいでしょうね。

『地球の歩き方』宮田 崇さん×『千原ジュニアの愛知あたりまえワールド☆』藤城 辰也さん

株式会社地球の歩き方 取締役 コンテンツ事業部 部長 宮田 崇さん

佐渡のガイドブックを制作したとき、いきつけの回転寿司屋に取材をお願いしたところ「うちなんて、築地に出荷していないようなその辺で獲れたマグロを、東京には送られないような地元のお米でちゃちゃっと握って出してるだけだから」と言うんです。(中略)当人は「うちなんて」と言うけれど、旅人側にとってはすごく有益な情報だったりするんです。ですから、自分の価値を周りの人に教えてもらうことも大切だと思います。

テレビ愛知株式会社 報道制作局制作グループ プロデューサー 藤城 辰也さん

僕は別に新しいものがいいとは思っていなくて、古いものでもいいと思っています。大切なのはそれをどのように見せるのか。

例えば、鉄板で料理を出す喫茶店を番組で取り上げたことがありますが、その隣には行列ができるうなぎ屋さんがありました。そこで、「行列のできるうなぎ屋の隣にある店はどれだけ流行っているのか」という視点で取材をしました。何かひとつをかけ合わせてみたり、ランキングで見せ方を変えてみたり、そのほうが楽しく魅力を伝えられるのではないでしょうか。

『MAQUIA』『MEN’S NON-NO WEB』『yoi』編集長鼎談

株式会社集英社 『MAQUIA』編集長 清田 恵美子さん

企画づくりで大切にしているのは、創刊からぶれることなく「自分のための美容」という視点。好評だったテーマを振り返り、「『自分を起点に考える』が今の美容のトレンド」とあらためて実感している。

株式会社集英社 『MEN’S NON-NO WEB』編集長 丸山 真人さん

ルースパウダーやファンデーションや色つきリップなどを、男性の「新しい武器」として紹介した記事は、いずれも予想を超える反響を呼んでいる。「特定の人のための企画」にならないこと、「自分も使っていいんだ」と自分ごと化できることが大切。

株式会社集英社 『yoi』編集長  高井 佳子さん

『yoi』の読者は新しい価値観を持ち、商品の背景にある理念やメッセージ、ブランドストーリーなどを大切している方が多い。企業から送られてくるプレスリリースやメール、製品などは基本的にすべて確認するが、情報収集の際に読者の視点を生かし、「肌に優しい」「環境に優しい」といったキーワードや開発秘話などのストーリーを重視している。

『トラベル Watch』『グルメ Watch』×『Web担当者Forum』編集長対談

株式会社インプレス『トラベル Watch』編集長 兼 『グルメ Watch』編集長 湯野 康隆さん

一日、1000通以上の届いたメールに目を通していますが、プレスリリースはタイトルと画像、冒頭の文章といったファーストビューで記事の候補になるかどうかを判断していて、1通あたりにかける時間は2~3秒ですね。

株式会社インプレス『Web担当者Forum』編集長 四谷 志穂さん

Web担は速報性をさほど重要視していないので、1日のリリースが出そろう16~17時に毎日1回チェックしています。メールが多すぎて1時間でチェックするのが大変なので、最初に「PR TIMES」のサイト上でプレスリリースを確認することが多いです。湯野さんと同じくらいのスピードで、タイトルとその横に表示される小さい画像を見ていく感じですね。

株式会社インプレス『トラベル Watch』編集長 兼 『グルメ Watch』編集長 湯野 康隆さん

自分たちの会社が外からどう評価されているのか、また反対にどのようにネガティブな反応を持たれているのかをきちんと把握し、自社の課題をきちんと理解できている方ではないでしょうか。広報PRは社内外のさまざまな情報が集まる場所なので、それを自分なりに解釈してどのように外に出していくのか考えなくてはいけません。

株式会社インプレス『Web担当者Forum』編集長 四谷 志穂さん

メディアの特性をきちんと理解してプレスリリースや企画書を送ってくださる企業の広報PR担当者はその企画の精度がとても高い印象です。(中略)精度の高い企画を出される広報PR担当の方は、自社のことも顧客のことも良い点だけでなく悪い点もよく理解されていますよね。なおかつ、コミュニケーションを取りながら、どのような情報を提供するとメディアが喜ぶのかも探っていて、「こういう企画はどうですか」「どういうことに興味がありますか」と積極的に質問しながら知ろうとしてくださるんです。

千鳥「相席食堂」プロデューサー髙木 伸也さん

朝日放送テレビ株式会社 コンテンツプロデュース局 制作部 プロデューサー 髙木 伸也さん

コンプライアンスを守ることは、もちろんとても大切なことですが、気にしだすとどんどん窮屈になって、何も発信できなくなってしまいます。人に言われたから発信することをあきらめてしまうと、後々自分の首を絞めることになりかねません。そういうときに、よりどころとなるのが番組の制作における「信念」です。(中略)視聴率を取れる番組ではなく、世の中のためになる番組を私たちはつくっている。これを信念として持っていれば、迷ったときの指針になります。

さいごに:2024年公開まとめレポート~メディアが語る編~

広報PR活動の中でも多くの方が注力しているひとつ、メディアリレーションズ。メディアが企画やコンテンツづくりにおいて大切にしている観点、普段の業務の進め方を知ることで、これまでの広報PR活動を振り返ったり見直したりする機会となったのではないでしょうか。また、明日からすぐにでも実施したい多くの取り組みを想起したのではないでしょうか。

メディア関係者は、読者や視聴者のことを思い企画し、コンテンツづくりを行っています。「プレスリリースは“これが正解”はない、一番反応してもらいたいステークホルダーを意識することだけでも、プレスリリースの印象はだいぶ変わってくる」というメッセージをされた回もありました。自社が届けたいメディアやその先にいる生活者のことを常に考え、日々のコミュニケーションを図ることこそが、自社のファンづくりやブランディングにもっとも必要なことかもしれません。

この本質を忘れず、客観的に情報を届けるメディアとの関係を構築を図っていきましょう。

本記事では、2024年にPR TIMES主催のイベントやセミナーにご登壇いただいたメディア関係者の記事をまとめて紹介しました。広報PR担当者の皆さまのお話についてもレポートしておりますので、合わせてご覧ください。

【2024年公開まとめレポート】
最前線で活躍するPRパーソンが語った「わたしにとっての広報PR」|2024年公開まとめレポート~第1弾~
事業を支える広報PR。価値を高めるためのひと工夫|2024年公開まとめレポート~第2弾~

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この記事のライター

丸花 由加里

丸花 由加里

PR TIMES MAGAZINE編集長。2021年、PR TIMESに入社し、「PR TIMES MAGAZINE」、ご利用企業向けのコミュニティイベント「PR TIMESカレッジ」の企画・運営を行う。2009年に新卒入社した大手インターネットサービス運営会社では法人営業、営業マネージャーとして9年半、その後オウンドメディアの立ち上げに参画。Webコンテンツの企画や調査設計に携わる。メディアリレーションズを主とした広報を経て、現職。

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