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新規事業立案・アイデアを出すためのフレームワーク25選|有効に活用するポイントも解説

新規事業を作るときにはあらゆる意思決定が必要です。そのためには、さまざまな情報を整理したり、自社を取り巻くあらゆる環境を分析・検討したりしなくてはなりません。情報を明確にし、意思決定のスピードを速めるために効果的なのが、フレームワークの活用です。

今回は、新規事業を成功させるために活用したいフレームワークをたっぷり25個ご用意しました。検討内容やフェーズによって分けているので、自分が必要な部分を参考にしてみてください。

目次
  1. 新規事業の検討時にフレームワークを活用する4つのメリット

  2. 新規事業のアイデアを出すためのフレームワーク

  3. 新規事業のアイデアを整理するときのフレームワーク

  4. 新規事業の市場分析・マーケット調査のためのフレームワーク

  5. 新規事業の事業内容・ビジネスモデルを計画するためのフレームワーク

  6. 新規事業のマーケティング戦略を立案するときのフレームワーク

  7. 新規事業の検討時にフレームワークを有効に使うときのポイント

  8. フレームワークは思考の地図!たくさん活用しよう

  9. 新規事業立案とアイデア発想のためのフレームワークに関するQ&A

新規事業の検討時にフレームワークを活用する4つのメリット

フレームワーク(framework)」は、枠組みや構造といった意味の言葉です。ビジネスにおいては、意思決定や問題解決のための情報整理・分析に使用する思考の枠組みとして活用されます。特に新規事業を検討するときには、課題抽出やアイデア出しなどの大量の情報を扱うことが必要です。それらの情報を扱うときには、フレームワークを活用することで多くのメリットがあります。その中でも特に期待できる4つのメリットについて紹介していきます。

検討イメージ

メリット1.時間を節約できる

フレームワークを利用することで、新規事業検討にかける時間を節約することができます。フレームワークは思考の枠組みを提供し、その枠組みに従って思考や検討を進めることで、無駄を削ぎ落とすことができるためです。例えば、アイデアを発散させるなどの発散系の作業を無秩序に行うと、思考が迷子になり混乱してしまうことがあります。しかし、フレームワークがあれば思考の順序が明確になり、混乱を防いでくれるのです。

検討の時間を節約できれば、その分サービスの作り込みやPoC(Proof of Concept:概念実証)に時間を割くことができます。結果、クオリティの高い新規事業を生み出す可能性が高まります。フレームワークは思考の地図であり、意思決定や戦略策定に重要な役割を果たします。

メリット2.効率的に思考を整理できる

発散したアイデアを整理するときにも、フレームワークを使いましょう。無駄な要素を排除し効率的に整理することができます。フレームワークに当てはめることで、検討すべき視点や要素が明確になり、効果的なアプローチを選択できるようになるからです。

これにより、アイデアを短時間で洗練させることが可能です。新規事業の立案は、ゼロからイチを作るための思考の時間がクオリティに関わります。しかし、決められた時間の中で、すべてにたっぷり時間をかけることはできません。新規事業検討の時間を節約し、事業プランのクオリティを向上させるためにもフレームワークで効率化することがポイントです。

メリット3.抜け漏れが少なくなる

フレームワークは、思考の抜け漏れを防ぐためにも重要です。検討中に都合のいいことばかりを考えてしまったり、必要な要素を見落としてしまったりすることがあります。特に新規事業検討では、これらの抜け漏れが事業の出来不出来に直結することもあるため、重大事項なのです。

実際のサービスの開発や運用に入ってから見落としていた要素が明らかになると、そのリカバリーは難しく、多くの時間や労力が必要になります。抜け漏れを防ぐためには、検討段階でフレームワークを使うこと。1つの事柄を多角的に考えられるため、考慮すべき要素を網羅的に捉えることができます。検討すべきポイントを見逃すことなく、効果的かつ効率的な事業づくりが可能となるのです。

メリット4.チーム内で情報共有がしやすくなる

フレームワークは、共通の型を提供することでチーム内での情報共有を円滑にします。情報の共有が不明瞭な場合、チーム内で方向性や目標が一致せず、混乱が生まれてしまう場合も。特に新規事業開発では、ゼロからイチを作り出す作業の連続。同じ会議に参加していたとしても、前提となる情報や共通の認識が曖昧で議論が進まないことも頻繁に起こります。

こうした情報の曖昧さを最小限に抑えるためにも、フレームワークが有効。共有すべき情報の粒度や方向性を統一することができるためです。チーム内でのコミュニケーションが促進されると、意思決定のスピードアップに繋がります。共通の型があることで、情報共有のミスを減らし、チーム全体がより一体となって新規事業の開発を進めることができるのです。

新規事業のアイデアを出すためのフレームワーク

新規事業の創出には、まずアイデアが必要です。数多くのアイデアの中から、ビジネスとして成り立つ可能性の高いものを選び出し、実際の新規事業として検討していきます。ただし、すべてのアイデアがビジネス性が高いわけではありません。より多くのアイデアがあればあるほど、選択肢も広がります。

アイデアを発想するためのフレームワークを紹介します。

スキャンパー法

スキャンパー(SCAMPER)法は、7つの要素の頭文字を取っています。それぞれの要素に対して回答を当てはめていくと、アイデアを量産することができるフレームワークです。何もないところからゼロベースで考え始めるのではなく、すでに世の中にあるものを再編集することで新しいアイデアを生み出していく手法です。既成概念にとらわれず、創造的なアイデアを生み出すことができます。

S(Substitute):代用する
世の中に存在するもの/サービス/仕組み/場所などを代替することで新しい価値を生み出せないか

C(Combine):組み合わせる
世の中に存在するもの/サービス/仕組み/場所などを2つ以上組み合わせることで新しい価値を生み出せないか

A(Adapt):適応させる
世の中にあるほかの業界のビジネスや過去のアイデアから、現在の自社のビジネスに応用できるものはないか

M(Modify):修正する
世の中に存在するもの/サービス/仕組み/場所などから、何かを修正したり変更したりすることで新しい価値を生み出せないか

P(Put to other use):ほかの用途を考える
世の中に存在するもの/サービス/仕組み/場所などを、現在のメインターゲットや利用者以外の人に使ってもらうことはできないか

E(Eliminate):削減する
世の中に存在するもの/サービス/仕組み/場所などから、何かを削除したり簡略化したりすることで新しい価値を生み出せないか

R(Reverse・Rearrange):逆転する、再構築する
世の中に存在するもの/サービス/仕組み/場所などの順序、裏表、左右などを逆転したり、並べ替えたりすることで新しい価値を生み出せないか

マンダラート

マンダラートは、アイデアを広げるためのフレームワーク。テーマを深掘りし細分化することで、構造化されたアイデアが生まれ、新しい視点や解決策を見つけることができます。

3マス×3マスの計9マスを1枠として、3枠×3枠の計9枠が1シートです。合計81個のマス目にアイデアを記入していきます。シートの中心には、ビジネスの中心となるテーマや解決したい社会課題を記入します。その中心を囲む8つのマスには、中心のテーマに関連する現状の課題を書き込みます。そして、それらの課題を囲むマスに解決策やアイデアを書き込んでいきます。

ブレインストーミング

会議に参加する複数人で可能な限りアイデアを出し合う方法です。参加者同士のアイデアから発想を生み出すことができるため、クリエイティブなアイデアが生まれやすいフレームワーク。自分だけでは発想できない斬新な発想が生まれやすくなります。

ポイントは、質にこだわり過ぎずにとにかく数を出すこと。決めつけたり、すぐに結論を出すのではなく、とにかく自由に発想することが重要です。最終的には出てきたアイデアをひとつにまとめましょう。

マインドマップ

マインドマップは、ひとつのメインテーマを決定し、そこから分岐させるようにアイデアを出していく方法です。1人で行う場合はノートなどを使いますが、複数人で行うときには全体像が把握できるように、ホワイトボードなどを利用するとよいでしょう。

中心となるテーマを深掘りするようにアイデアを発想していくため、関連性や階層を視覚化しやすく、発展的にアイデアを生み出すことができます。一方で、ブレインストーミングと比較すると斬新な発想は出てきづらいともいえる方法です。

6W2H

5W1Hから派生したフレームワークです。WhomとHow muchが加わることで、不足しているリソースなどを明確にできるほか、運用フェーズまで見据えたより具体的なアイデアを発想するのに役立ちます。状況を整理することでアイデアを発想する手助けになってくれる方法です。

When:いつ
Where:どこで
Who:誰が
Whom:誰に
What:何を
Why:なぜ
How:どのように
How much:いくらで

新規事業のアイデアを整理するときのフレームワーク

アイデアを出すときには、質よりも量がポイントです。しかし、実際にアイデアを新規事業として検討するときには、アイデアを評価して整理する必要があります。より質の高いアイデアを採用できるように、アイデア出しを実施したあとは必ず整理する時間を設けましょう。アイデアを整理するときに役立つフレームワークが以下の5つです。

マトリクス法

マトリクス法は、アイデアを評価するときにおすすめのフレームワークです。2つの評価軸を設定し、縦軸・横軸で分類することで相関関係やポジショニングを明確にできます。例えば、効果と導入までのコスト、開発にかかる時間と競合の数など、異なる2つの評価軸を使います。

マトリクス法にもさまざまな種類がありますが、4象限マトリクス(時間管理のマトリクス)が有名。そのほかにも、マッピングや表としてまとめる場合もあります。

リーンキャンバス

リーンキャンバス(Lean Canvas)は、アメリカの連続起業家であるアッシュ・マウリャが提唱したフレームワークです。このフレームワークは、アイデアを9つの要素に分析して整理することを目的としています。整理する要素が多岐にわたるため、1人で実施するのではなく各要素に関して詳しい担当者にサポートしてもらいながら進めるのがよいでしょう。

顧客セグメント:誰が金を払うのか
顧客の課題:顧客が抱えている課題は何か
UVP(ユニーク・バリュー・プロポジション):自社サービスが提供する独自の価値は何か
ソリューション:顧客が抱えている課題の解決方法は何か
チャネル:顧客に対してどのようなメディアを利用してリーチするのか
収益の流れ:サービスの価格
コスト構造:サービスリリースまでにかかる費用
主要指標:そのサービスを評価するための指標
圧倒的な優位性:競合が自社サービスに勝てないもの

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバス(Business Model Canvas)は、起業家のアレックス・オスターワルダーと経営学者のイヴ・ピニュールによって提唱されたビジネスモデルのフレームワークです。リーンキャンバスと同様に、アイデアを9つの要素に分析して整理する手法として広く使用されていますが、内容が少し異なります。

顧客セグメント:誰が金を払うのか
価値提案:顧客は何に価値を感じるか
チャネル:販売チャンネルは何か
顧客との関係:顧客のファン化、LTV(顧客生涯価値)向上のためにはどんなコミュニケーションを取ればいいか
収益の流れ:どのような経路で収益が生まれるか
主なリソース:リリース・運用にどのようなリソース(ヒト・モノ・カネ)が必要か
主な活動:事業を展開するために必要なタスクは何か
主なパートナー:協業パートナーは誰か
コスト構造:事業運営でかかるコストはどんなものか

KJ法

KJ法は、アイデアの関連性を構造化するために有効なフレームワークです。ブレインストーミングなどでたくさんのアイデアが出た場合に活用されます。アイデアをグルーピングしたりマッピングしたりすることで、関連するアイデア同士を結び付けながら整理していくことが可能です。グルーピングを繰り返すと、散在しているアイデアをまとめることができます。これによって、問題解決や意思決定をするときに、アイデアの整理や把握を効率的に行えます。

ロジックツリー

問題点の要素を木の枝(ツリー状)のように書き出し、解決法を見つける課題解決フレームワーク。まずひとつのテーマを設定し、それを幹としてアイデアを木の枝のように分岐させていくことから、ロジックツリーと呼ばれています。各分岐はさらに要素分解されて分岐していき、細かい部分まで分類されていきます。

ロジックツリーでは、アイデアを深掘りしていくことで、解決すべき課題を浮き彫りにすることができます。ロジックを以って整理することができるため、解決すべき課題の優先度や重要度まで可視化されます。

新規事業の市場分析・マーケット調査のためのフレームワーク

新規事業を成功させるためには、どのように生活者に対してマーケティングを行うかも大切。有効なマーケティング戦略を立てるために、市場分析やマーケット調査は欠かすことができません。おすすめの5つのフレームワークが以下です。

SWOT分析

SWOTも、分析要素の頭文字を取っています。4つの要素を分析することで、事業を取り巻く社内の内部環境と、時流や政策などの外部環境から自社のポジショニングを明らかにすることができます。戦略の方向性や、施策の優先順位をつけるためにも有効なフレームワークです。

Strengths(強み):社内リソース機能の優位性
Weaknesses(弱み):社内の制約・欠点
Opportunities(機会):有利に働く時流や政策
Threats(脅威):不利に働く時流や政策

クロスSWOT分析

クロスSWOT分析は、SWOT分析の手法のひとつです。通常のSWOT分析で出てきた、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)をクロスさせて相互の関係性や影響を評価していきます。クロスSWOT分析まで行うことで、業界全体のトレンドや市場環境の変化に対応するための戦略を見つけることが可能になります。

強み・機会:積極的戦略
自社の強みを活かせば急成長できる可能性がある

弱み・機会:改善戦略
自社の弱みを改善し市場にフィットさせることで成長の可能性がある

強み・脅威:差異化戦略
自社の強みによって脅威を乗り越え、他社と差異化できる可能性がある

弱み・脅威:致命傷回避戦略
致命傷とならないように、撤退や縮小を検討する

ポジショニングマップ

ポジショニングマップは、4象限マトリクスを使ったフレームワークのひとつ

自社の事業と競合事業との位置関係を明らかにすることが可能です。異なる2つの評価軸を利用して、自社と競合のポジションを可視化します。例えば、価格と品質、革新と伝統、高級感と手軽さなどの指標で検討してみるとわかりやすいかもしれません。自社の競合優位性や、市場のニーズとプロダクトの提供価値などを分析するのにもおすすめですよ。

3C分析

事業の競争力を評価するために、新規事業づくりにとどまらず幅広い領域で活用されるのが3C分析です。Cから始まる3つの要素、Company(企業)、Competitors(競合他社)、Customers(顧客)をそれぞれ分析します。競合が存在する環境の中で、自社が成功するために必要な要素を明らかにできるフレームワークです。自社の競争上の優位性や差異化のポイントを把握することができます。

Company(企業):組織の内部要因
組織の強みや弱み、資源や能力、戦略的な位置づけなど

Competitors(競合他社):競合他社の施策や状況
競合他社の戦略、製品やサービスの提供状況、市場シェア、強みや弱みなど

Customers(顧客):事業の顧客は誰か
顧客のニーズ、要求、購買行動、嗜好など

VRIO分析

VRIO分析は、事業の競合環境における優位性を評価するフレームワークです。Value(価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣性)、Organization(組織化)の頭文字を取って名付けられています。自分たちのリソースや能力などの優位性から、戦略策定や意思決定に活用することができます。ただし、市場環境は常に変化しています。新規事業検討時だけ実施するのではなく、定期的に実施して更新していくのがおすすめ。

Value(価値):事業が提供できる顧客価値
Rarity(希少性):事業が競合他社に比べて希少であるか
Imitability(模倣性):競合他社が自社の事業を容易に模倣できるかどうか
Organization(組織化):事業の開発・運用チームの能力、文化、意思決定プロセスなどは適切か

新規事業の事業内容・ビジネスモデルを計画するためのフレームワーク

新しいサービスを作っても、ビジネスである以上は売り上げや利益を生み出さなければ事業としては成立しません。マネタイズポイントやビジネスモデルを計画するときも、フレームワークを活用しましょう。

4C分析

4C分析は、マーケティング戦略を策定するときに使用されることが多いフレームワークです。3C分析と似ている名前ですが、4CはCustomer(顧客)、Cost(コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字を取ったもの。3Cが自社視点で分析を行うのに対して、4Cは顧客の視点から分析を行います。顧客のニーズに沿った価格設定や利便性を提供することで、競争優位性を獲得できます。

Customer(顧客):顧客のニーズ、要求、行動パターン、購買意欲など
Cost(コスト):顧客が事業に対して支払うコスト、自社のコスト構造
Convenience(利便性):事業の利便性やアクセシビリティ
Communication(コミュニケーション):顧客との効果的なコミュニケーション方法

4P分析

マーケティング戦略の要素を分析するときには、4P分析もおすすめです。4PはProduct(製品)、Price(価格)、Place(販売チャネル)、Promotion(プロモーション)の頭文字を取ったものです。マーケティング戦略を策定するために、必要となる要素を評価して強化すべき部分を明らかにします。

Product(製品):事業の特徴や品質
Price(価格):事業の価格設定
Place(販売チャネル):事業の流通経路
Promotion(プロモーション):事業の広告宣伝、販売促進活動

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は、アメリカの経営学者マイケル・ポーターによって提案された競争力分析のためのフレームワークです。競合環境を分析し、5つの強み(five forces.)から自社の優位性を確保するための戦略を構築できます。

競争相手の脅威(Threat of New Entrants):新規参入業者の存在や参入障壁の有無
代替品の脅威(Threat of Substitutes):代替製品やサービスの有無
顧客の交渉力(Bargaining Power of Customers):顧客の数や事業の希少性
供給業者の交渉力(Bargaining Power of Suppliers):事業のスペック
業界内の競争(Intensity of Competitive Rivalry):競合の数や競争の激しさ

9セルフレームワーク

9つのマス目を利用して検討を行うフレームワークです。ビジネスにおける3つの要素を3つの軸から検討していく3マス×3マスのシートを使います。ビジネスの要素とは、顧客価値・利益・プロセスのこと。それに対して、Who(誰が)・What(何を)・How(どのように)という3つの軸から検討していきます。

それぞれに整合性があるかを明らかにできるのが特徴。課題が見つかったら、ほかのフレームワークを活用して課題の深掘りを行いましょう。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、企業の活動をサービスや商品の生産から消費までに関わる「主活動」と、主活動には直接的に関わらない「副次活動」の2つに分けて分析を行います。これらのコストと付加価値から、自社の強みと弱みを分析していくフレームワークです。提供価値のブラッシュアップすべきポイントを見つけ、競合との差異化を検討するときに活用しましょう。

バリューチェーン分析についてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事もチェック。

新規事業のマーケティング戦略を立案するときのフレームワーク

新規事業をどのように生活者に届けるのかも、重要な検討事項。事業は作るだけでは利用してもらえません。どのようなマーケティングによって、多くの人に愛される事業へ成長させていくのか。戦略立案にもフレームワークを利用しましょう。

ペルソナ分析

ペルソナ分析は、事業の顧客がどんな生活者なのかを理解するためのフレームワークです。ペルソナとは、理想の顧客像のこと。具体的な人物像やキャラクターまで情報を深掘りします。これにより、顧客をより具体的に把握し、彼らのニーズや要求に合わせた戦略を立てることができます。

ペルソナ分析を行うときは、事業内容や特徴によって分析要素は千差万別です。今回は、どんな事業でも共通して考えたい要素をご紹介します。

顧客の基本的な属性情報:性別、年齢、所得、職業など
顧客の心理的特徴:興味、価値観、モチベーションなど
顧客の行動パターン:購買行動、情報収集方法、意思決定プロセスなど
顧客の課題:日常でどんなことに不便を感じているのか、面倒ごとは何かなど

STP分析

STP分析は、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲット(Targeting)、ポジショニング(Positioning)という3つの要素を組み合わせてマーケティング戦略を検討します。自社の事業がどのような市場環境にあるのかを明確にすることで、効率的な戦略設計が可能になるのです。セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲットとなる市場を特定。ポジショニングによって自社の独自性や競合優位性を把握できるため、より効果的なマーケティングメッセージを発信できます。

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップは、生活者が製品やサービスと接するプロセスや体験を可視化したもの。一連の購買行動を可視化することで、効果的なマーケティング施策の検討ができます。顧客体験を向上させるためにも活用できるツールなので、運用フェーズに入ってからも定期的に見直しをしていくとよいでしょう。

これにより、企業は顧客の視点を把握し、より良い顧客体験を提供するための改善点を見つけることができます。

カスタマージャーニーマップについてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事もチェック。

AIDMA

​​AIDMAは、カスタマージャーニーマップの基礎となっている理論です。カスタマージャーニーマップが認知、購入、リピートなど広範囲のタイムラインで考えられるのに対して、AIDMAは認知から購入までのプロセスだけを分析します。Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲望)、Memory(記憶)、Action(行動)というそれぞれのフェーズにおいて、適切なアプローチを検討することができます。

RFM分析

「Recency (最近の購入日)」「Frequency(来店頻度)」「Monetary (購入金額ボリューム)」の3つの要素の頭文字を取ったのがRFM分析。自社の顧客分析に役立つフレームワークです。顧客データを集計し、それぞれの要素によってグルーピングを行います。例えば、「Recency(最近の購入日)」と「Frequency(来店頻度)」を掛け合わせると、その顧客が次はいつのタイミングでリピートするかを予測することができます。それぞれのグループに対して、どんな施策を・どんなタイミングで行うかを判断するための材料となります。

新規事業の検討時にフレームワークを有効に使うときのポイント

フレームワークは、新規事業検討時には絶対に利用すべきです。ただし、ただ要素を当てはめるだけでは不十分。フレームワークだけで新規事業が作れることはありません。検討の過程で思考を深掘りしたり、視野を広げたりしてくれる補助ツールとして活用しましょう。

フレームワークを有効活用するために、以下の3つのポイントを意識してみてください。

ポイント

ポイント1.複数のフレームワークを利用する

フレームワークを活用する際には、複数のフレームワークを利用してください。ひとつのフレームワークだけを使用して検討を進めることは危険。認知バイアスやフレームワーク自体の性質によって、検討に上がらない側面や見落とされてしまう事項が存在する可能性があるためです。

新規事業検討では、マクロ視点とミクロ視点の両方からの分析や整理を心掛けましょう。複数の視点を活用することで、本質に迫った検討が可能となります。異なるフレームワークを組み合わせることで、検討の幅が広がり、より網羅的な視点での分析や整理が可能に。より優れた新規事業を作り出すことができるでしょう。

ポイント2.新規事業の目的やゴールを明確にする

フレームワークを使用して検討を進める際には、新規事業における目的やゴールを明確にしましょう。特に注意しなければいけないのが、検討の過程でフレームワークを使用すること自体が目的になってしまうこと。フレームワークはあくまで検討を支援するためのツールであり、目的やゴールに向かって進むための手段でしかありません。目指すゴールがないのに検討を重ねても、いいアイデアは生まれません。何を明らかにしたいのか、何を達成したいのか、まずはゴールを設定しましょう。ゴールが明確であれば、それに基づいて検討を進めることができます。

ポイント3.客観的な視点を持つ

フレームワークを使用するときには、常に客観的な視点で検討することが重要です。新規事業の検討中には、誰でも思い込みや自分の好みに基づく考えが出てくるもの。しかし、生活者の課題や市場の環境は思う通りにはなりません。最終的には、社会や市場にフィットしていない事業は、成功しないのです。

生活者の視点や市場のニーズを理解し、それに基づいて検討を進めることで、より実現可能性の高い新規事業を創出することができます。フレームワークを利用する際には、客観的な視点を忘れないことを心掛けましょう。

フレームワークは思考の地図!たくさん活用しよう

新規事業を検討するときに使えるフレームワークを、検討の内容やフェーズごとに25個紹介しました。考えなくてはならない要素が多岐にわたる新規事業づくりでは、フレームワークを有効に活用することで効率的に検討を進めることができます。ただし、フレームワークを使うこと自体が目的になってしまうのはNG。また、万能なフレームワークというものは存在しないので、複数のフレームワークを使って見落としがないようにすることも大切です。

本記事でお伝えしたようにフレームワークは、情報を明確にし、意思決定のスピードを速めるために効果的です。新規事業立案・アイデアを出す際に、ぜひご活用ください。

新規事業立案とアイデア発想のためのフレームワークに関するQ&A

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この記事のライター

長瀬 みなみ

長瀬 みなみ

ITベンチャーにて広報PRを担当したのち、ヘルスケアベンチャーにて広報PR部門の立ち上げ、ブランド責任者として取締役就任。YouTubeチャンネル運営など、さまざまなメディアを活用した分ランディングや広報活動を行う。独立後は、広報PR・ブランディング・コミュニティ運営など幅広く活動している。これまでの経験から広報・ブランディングに関する戦略立案からプレスリリース執筆まで幅広くカバーしたコンテンツを作っています。

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