ソーシャルネットワークの時代の新しいマーケティング手法として企業に注目されつつあるPinterest。Pinterestは「Pinterest Business」というビジネスアカウントを最大限に活用できる機能を揃えています。
本記事では、Pinterestとはなんなのか、その特徴から活用するメリット、運用する際のポイントなどを、実際にPinterestを活用している企業の7つの事例とともにご紹介します。
そもそも、Pinterestとは?
Pinterest(ピンタレスト)というサービスをご存知でしょうか。個人ユーザーやデザイナーが多く使っているイメージを持っている人も多いかもしれませんが、近年は企業のマーケティングでも活用されてきています。ここでは、Pinterestの簡単な特徴と活用している企業について紹介します。
画像をブックマーク(ピン)するストック型のWebサービス
「Pinterest(ピンタレスト)」は、Webサイト上にある画像を集めてブックマーク(ピン)するWebサービスのことです。タイムラインが流れるフロー型のSNSに対して、Pinterestはストック型のプラットフォームであり情報がストックされるため、あとからでも見返しやすいという特徴があります。
好きな写真やイラストなどを自由に貼り付けられる「ピンボード」からヒントを得ているサービスで、特に「ビジュアル的であること」と「柔軟性が高いこと」を重視しています。
Web上で気になった写真をピンすると、ユーザーそれぞれに割り振られたピンボードというフォルダに画像がストックされます。ピンをすると画像自体が保存されるのではなく、画像のサイトURLが自動で紐づく設計になっています。
Pinteretは「画像の保存」ではなく、あくまで「ウェブサイトのブックマーク」を行うサービスなので、著作権的にも問題はありません。
Best Global Brands Top100のうち90社が利用
日本企業でPinterestを活用しているところはまだあまり多くはありませんが、実は海外ではPinterestを活用している企業が多くあります。例えば、世界最大のブランディング会社であるインターブランド社が発表した「Best Global Brands Top100」のうち、90社がPinterestを活用しています。私たちにも親しみのある、Google、Apple、Amazonなどの企業はほどんど使っているということです。
というのも、世界中で月間アクティブユーザーは4億人を突破(2020年7月時点)。海外では認知度も利用率も高いPinterestを企業が重宝していることがわかります。
企業がPinterestを活用する3つのメリット
日本でPinterestを活用している企業はまだ少ないですが、企業がPinterestを活用するメリットは多くあります。ここでは、「クリエイティブやブランドイメージの共有ができる」「Webサイトへのアクセスに繋がる」「活用している日本企業は少ない」ことの3点についてお伝えします。
メリット1.クリエイティブやブランドイメージの共有ができる
Pinterestを企業で活用すると、個人ユーザーに自社プロダクトを届けやすくなるだけでなく、ビジネスシーンにもメリットがあります。
Pinterestには、画像を使って視覚的に自社のコンセプトを共有できる強みがあります。
自社のクリエイティブやブランドイメージをまとめてPinterestに掲載しておくことで、クライアントや社外との共同プロジェクトにも自社のコンセプトを伝えやすくなります。言葉にするのが難しいクリエイティブやブランドイメージを共有する手間が省けるだけでなく、言葉や文字だけで伝えた時に生じるイメージの行き違いを防ぐことができます。
メリット2.Webサイトへのアクセスに繋がる
先述した通り、Pinterestは「画像ごとウェブサイトをブックマークする」サービスです。
ユーザーがピンした画像にWebサイトの外部リンクを紐づけることができるため、ピンした画像から直接Webサイトへ飛ぶことができます。
検索からWebサイトに直接たどり着くことが少なかったとしても、Pinterest上で画像がピンされれば、そこから自社のWebサイトに流入する可能性が増えるということです。
Pinterest上では、ユーザーがピンした画像に似た画像が「似ているピン」として表示されます。自社の商材を直接調べていなくても、似た画像を集めている人にも自社のWebサイトへの導線をつくれるのがポイントです。
メリット3.活用している日本企業は少ない
先述したように、海外でPinterestを活用している企業はとても多いですが、日本ではまだあまり広まっていません。
活用している日本企業が少ないということは、競合他社がまだPinterestを利用していないということです。検索では同じようなサイトがヒットしてしまう場合でも、Pinterestでは上位に表示されるかもしれません。
活用している日本企業が少ない今、マーケティング手法として他社と差別化がはかれるのも、メリットの一つです。
企業のPinterestの活用事例7選
日本では企業の活用事例がまだ多くはないPinterestですが、すでにうまく活用している企業もあります。ここでは、実際にPinterestをうまく活用している企業の事例を7つ紹介します。
1.H.I.S Japan
H.I.S.のPinterestは「Canada」「China」といった国別のボードに加え、「学生旅行」「一人旅」などのテーマ別のボードが設定されているのが特徴的です。また「his_blue」や「his_orange」といった色別のボードは、ユーザーが提供した写真を集めて掲載しています。このように、閲覧するだけでなく、ユーザーも参加できるコンテンツをつくっているのが、H.I.S.のPinterestです。
2.Tasty Japan
「Tasty Japan」はアメリカのウェブメディア『BuzzFeed(バズフィード)』が運営する「Tasty」というサイトの日本版。FacebookやX(旧 Twitter)など、多くのSNSを活用しているTastyですが、Pinterestもうまく活用しています。
ボードの数も113件と多く、料理別やシーン別に分かれていて、ついつい足をとめてしまう設計になっています。
3.UNIQLO
ユニクロのPinterestは、プロフィール文やボードのタイトルが英語で書かれていて、グローバルマーケティングとして運用されているのが特徴です。主に自社の商品単体の写真、商品を着たモデルの広告的写真、商品のイメージに合った写真を掲載しています。
閲覧数は月330万にものぼるなど、人気アカウントとなっています。
4.北欧、暮らしの道具店
北欧のライフスタイルを生活に取り入れることをコンセプトに、インテリアなどを取り扱うネットショップ及びECメディアを運営する、「北欧、暮らしの道具店」。
他のSNS運用も活発にしている「北欧、暮らしの道具店」ですが、Pinterestも上手に活用しています。統一感のあるボードは「food」や「fashion」だけでなく「idea」といった「北欧、暮らしの道具店」ならではのコンテンツも提供しています。
5.ROOMIE(ルーミー)
メディアジーンが運営するインドア系ライフスタイルメディア「ROOMIE」は、雑貨、レシピ、写真、アート、映画やミュージックなど多くのテーマをPinterestに掲載しています。
「様々な暮らしを文化的に探求する」ことをコンセプトとして、カテゴリー別にボードを設定。アイテムだけでなく「Bath Room」「Dining」などの場所ごとに分けられたカテゴリーはわかりやすく、ボードごとのフォロワーも多い人気アカウントです。
6.ゼクシィ
結婚情報誌としてブライダル業界を牽引している「ゼクシィ」も、Pinterestを活用しています。ドレスやウェディングケーキ、ウェルカムボードなどの結婚式に関する情報を多く掲載しています。結婚に関する情報を華やかな写真とともに掲載することで、結婚式の雰囲気まで感じることができます。
7.VOGUE JAPAN
ファッション誌「VOGUE JAPAN」のPinterestはフォロワー数が25万人を超える、人気アカウントです。VOGUE JAPANは自社のWebメディアを持っているため、記事をピンすることで自社メディアへの流入を促しています。ファッションやメイクなどのジャンルに分けられたボードは、自社メディアを知らない人にもVOGUEの記事への導線となっています。
企業がPinterestの運用を始めるときの3つのポイント
ここまでで、Pinterestの活用に興味を持った方もいるのではないでしょうか。そんな方に向けてここではPinterestを運用を始めるときのポイントについて「運用する目的を決める」「運用する目的を決める」「Pinterestの機能を知る」の3つの観点から紹介します。
ポイント1.運用する目的を決める
Pinterestの企業アカウント運用で大切なのは、運用する目的を明らかにしておくことです。「企業がPinterestを活用する3つのメリット」であげたように、Pinterestの運用するメリットは主に以下の3つです。
- クリエイティブやブランドイメージの共有ができる
- Webサイトへのアクセスに繋がる
- 活用している日本企業が少ないため他のSNSマーケティングとの差別化が図れる
もちろん他にもPinterestのメリットはあります。自社がなんのためにPinterestを使うのか、その目的やそのためにどんな機能を使えばいいのかをはっきりさせておくことが大切です。
ポイント2.運用の方向性を決める
運用の目的が決まったら、次に決めたいのが運用の方向性です。先ほどの目的に基づいて、「誰に届けるのか」「なにを届けるのか」「そのためにはどのような機能を活用すればいいのか」を決めておくことが大切です。
Pinterestはビジュアルの統一感にこだわったプラットフォームです。これらを明らかにしてからPinterestの機能を使うことで、統一感のあるPinterestアカウントができるでしょう。
ポイント3.Pinterestの機能を知る
Pinterestには企業が宣伝に使える便利な機能が多く備わっています。画像をストックするだけでなくその画像に写っている商材により興味を持ってもらえるように、Pinterestの機能を使いこなしましょう。ここでは、Pinterestの機能であるいくつかのピンの種類を説明します。それぞれのピンの作成方法はこちらから確認してください。
リーディングピン
リーディングピンは、記事やブログの見出し、タイトル、説明や著者を付け加えることができる機能です。ユーザーが画像をピンした際に表示されます。
プロダクトピン
プロダクトピンでは、商品の最新の価格や在庫状況、商品説明などのデータが表示されるピンです。実際にその商品を購入できるサイトからのみ、プロダクトピンが追加できる仕組みになっています。商品販売を行なっている企業にとっては積極的に活用したい機能です。
レシピピン
レシピピンは、料理のレシピ向けのピンです。ピンに料理レシピ(料理名、レシピの評価、レシピの分量、調理時間、材料など)を表示することができます。
自社でのPinterestの使い方を検討してみよう
今回は、Pinterestの特徴や企業での活用方法について紹介しました。
Pinterestはビジネスアカウントの活用方法について、PR TIMESでプレスリリースを掲載しているので、合わせて確認してみてください。
「ピンタレストのビジネスアカウントを最大限に活用する5つの最新機能」
Pinterestはまだ企業の活用例も少なく、難しさを感じている人もいるかもしれませんが、うまく活用できれば自社製品の売上獲得や企業の認知度向上に繋がります。運用の方針を考えて、ぜひ活用してみてください。
企業がPinterestを活用する際のメリットやポイントに関するQ&A
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