Zendesk、カスタマーエクスペリエンス(CX)に関する年次トレンドレポートを発表 日本の組織の73%が現在使用中のツールを見直していることが明らかに
インテリジェントなCXの時代が到来 業界に変革をもたらすAIのメリットとは
Zendeskの最高技術責任者(CTO)のエイドリアン・マクダーモット(Adrian McDermott)は、「急速な進化を遂げる最新のAIによって、CXはこれまでにない大きな転換点を迎えようとしています。企業は、技術スタックからチーム編成、サポートの提供方法まで、すべてのあり方を見直す必要性に迫られています。よりインテリジェントなCX戦略に移行すると、AIを活用して顧客ベースを大規模に管理しつつ、コストを削減できます。サービス品質の向上の結果、高い顧客満足度を維持できれば、これからの時代の成長企業になれるはずです」と述べています。
本年のCXトレンドレポートでは、日本のCXリーダーの半数以上(56%)が、生成AIのようなツールを活用してカスタマージャーニーを再構築していることが明らかになりました。世界的に見るとこの割合は70%であり、日本における生成AIを採用する動きが世界レベルに迫りつつあることが分かります。サポート担当者が生成AIツールを使い始めてからプラスのROIが見られたと報告するCXリーダーの割合は、75%にものぼります。この事実は、AIの導入がCXを成功させる新たな基準となることを裏付けているといえるでしょう。本レポートはまた、インテリジェントなCX時代を定義するいくつかの要素にも焦点を当てています。
人間のサポート担当者の対応に近いやり取りを実現する「デジタルエージェント」としてのチャットボット
生成AIと進化したチャットボットを組み合わせることで、企業はインタラクティブな体験を、遅延なく、パーソナライズしながら提供することができます。この新たな手法が企業と消費者の関わり方を一新させます。
顧客体験を再定義する、スマートでスピード感のあるインタラクション
より魅力的でインタラクティブな体験を期待する消費者のニーズに応えるため、CXリーダーは対話型コマース、ライブストリーミング、音声通話などのツールを充実させる必要があります。
データプライバシーの保護強化というCXリーダーの新たな役割
データプライバシーへの取り組みは、IT部門ではなくCXリーダーが主導で推進する必要があります。便利な体験を損なうことなく強固なセキュリティ機能をカスタマージャーニー全体にシームレスに組み込むことが不可欠です。
同社の日本法人である株式会社Zendesk社長の冨永 健は、「日本企業は、激化する市場競争への対応に追われていますが、デジタル革命を加速する必要性も認識しています。当社の分析によると、日本企業はAIに対して、それがビジネス、特に企業が提供する顧客体験の質の向上に役立つと認識してはいるものの、その導入に向けた具体的な投資やコミットメントには十分に至っていません。今回の調査対象となったCXリーダーの半数以上(56%)が、『生成AIの登場によって自社の顧客体験全体を見直すきっかけになった』と回答しています。生成AIには、顧客とのあらゆるやり取りを効率化する力があります。これらの企業の半数は、カスタマージャーニーで生成AIを試験的に導入していたり、すでに導入済みであったりしますが、採用が加速するにはまだ少し時間がかかりそうです」と述べています。
チャットボットは真のデジタルエージェントに進化する
調査対象となったCXリーダーの半数以上(53%)が「チャットボットは顧客とのより深い感情的なつながりを構築できると思う」と回答しています。これは主に、AIチャットボットが熟練のサポート担当者に近い対応を実現する「デジタルエージェント」へと進化し、カスタマーサービスと顧客体験の全体で重要な役割を果たすためです。ブランド哲学を表現し、顧客の感情を分析して要望を汲み取るAIチャットボットの能力によって、顧客一人ひとりに合わせた的確な対応が可能になります。
加えて、57%もの消費者が「チャットボットは熟練の人間のサポート担当者と同レベルの専門知識と対応品質を持つべき」と回答しています。デジタルエージェントへと進化を遂げるチャットボットは、消費者の高まる期待に合致しているといえます。また、消費者の半数以上が、高度なボット機能によってスピーディに回答を得られることを期待しています。企業はチャットボットの機能をデジタルエージェントのレベルにまで高めることを重要視しており、それをできるだけ早い段階で実現できるようにAIへの投資計画を強化しています。
スピード感のあるスマートなインタラクションがCXを再定義する
いまや消費者が求めるのは、従来の「サポート」を超えた「真の体験」です。「企業との関わり方は2年以内に一変すると思う」と回答した消費者の割合は、全体の半数以上にのぼります。
そこで注目を浴び始めたのが、チャットで会話をしながら商品を販売する「対話型コマース」です。消費者がライブストリーミングセッションを通じてリアルタイムのアドバイスを受けながら購入できる「ライブコマース」の需要も高まりつつあります。このニーズに応えるため、世界のCXリーダーの72%が「対話型コマースを実装するために外部のベンダーや専門家と提携している」と回答しています。一方、日本で同様の回答をしたCXリーダーの割合は54%に留まり、改善の余地があるといえそうです。企業は同様に、SNSや実店舗におけるインフルエンサーを活用した販売にも力を入れています。これは新規顧客の獲得や、自宅で買い物をしたい消費者に有効なアプローチです。
データプライバシーの保護強化というCXリーダーの新たな役割
AIによるパーソナライゼーションが求められると同時に、プライバシーへの懸念も高まってきています。今後、データプライバシーへの取り組みにおいては、CXリーダーが中心的な役割を果たすようになるでしょう。実際、CXリーダーの約3人に2人(67%)が、「顧客データの安全性の確保には自らが責任を負っていると思う」と回答しています。また「データ保護とサイバーセキュリティ対策はカスタマーサービス戦略の最優先事項である」と回答したCXリーダーも、同じ割合です。
今日のCXリーダーは、データプライバシーの意思決定プロセスで積極的な役割を果たしています。AIを導入しながらデータを保護するソリューションを提供することで、顧客一人ひとりにパーソナライズされた体験を安全に届けることができます。「オンライン不正行為の脅威に常にさらされていると思う」と回答した消費者の割合は、全体の半数以上にのぼります。企業がデータセキュリティへの取り組みに積極的であることが認識されれば、消費者は安心して個人情報を提供できるようになるため、信頼関係が強まり、顧客ロイヤルティも向上します。
CXは今後どう変わるのか
CXの将来に向けて、リーダーたちは単に様子をうかがうのではなく、確信を持って準備を行っています。すでに多くのリーダーがスマートな顧客体験の実現に舵を切っていることから、2024年は最新テクノロジーがCXを変革する画期的な年になるかもしれません。
「カスタマーエクスペリエンス(CX)に関する年次トレンドレポート(2024年版)」の詳細は、以下のURLをご覧ください。インテリジェントなCXでビジネスの未来を切り拓くための10のトレンドを、詳しく解説しています。
https://cxtrends.zendesk.com/jp/reports
調査方法
「カスタマーエクスペリエンス(CX)に関する年次トレンドレポート(2024年版)」は、世界20か国2,818人の消費者を対象とした調査と、小規模企業から大規模企業まで世界のさまざまな組織でカスタマーサービスとCXに携わる計4,441人のリーダー、サポート担当者、テクノロジーバイヤーを対象とした2023年7月から8月にかけての調査の結果をまとめたものです。調査サンプルの偏りを避けるため、各調査の結果は加重平均されています。
Zendesk(ゼンデスク) について
Zendeskのミッションは、ビジネスの複雑なプロセスをシンプルにし、企業と顧客が簡単につながるためのサポートをすることです。何十億もの顧客とのやり取りをベースとして構築されたZendeskのカスタマーエクスペリエンスソフトウェアは、企業が顧客との間に豊かで意味のある関係を築くことを可能にします。デンマークのコペンハーゲンで設立されたZendeskは、現在、世界20か国以上で事業を展開しています。
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