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広報担当者が知っておきたい開発ブログの広報的活用方法3選

多くのIT企業が開設している「開発ブログ」。

エンジニアに関する情報を公開しているため、専門的な内容がほとんどであり、広報として活用するのは難しい……と思われている方も多いのではないでしょうか。実は、採用広報や企業ブランディングにおいて、活用するメリットは非常に大きいのです。

この記事では、開発ブログを広報的観点から活用する3つの方法についてご紹介します。

そもそも開発ブログとは?

開発ブログとは、エンジニアを対象に自社のサービス開発や運用によって培った技術をオープンソースとして公開・共有するWebサイト。自社のエンジニアが中心となり運用されています。IT業界の変化は目まぐるしく、新たな情報やノウハウが次々と更新されている状況です。そのため、自社だけで知見を蓄積するのではなくシェアすることで、エンジニア全体のレベルアップやイノベーション推進のためにも多くの企業が開設しています。

開発ブログとは?

開発ブログを広報で活用する3つの方法

開発ブログは広報として活用できます。3つの活用方法をご紹介します。

1.エンジニア職を対象とした採用広報として

採用候補者を対象に自社の魅力を広める・認知を高めていくために行う「採用広報」は、専門性の高い職種であればあるほど、その方々に響く内容を発信する必要があります。特にIT業界の急成長により、エンジニアの有効求人倍率は高く、優秀なエンジニアの採用が年々難しくなっています。そこで、エンジニア職の採用広報においては、より専門的な情報を発信ができる開発ブログが一つの手段となります。

開発ブログで公開されている情報は様々です。技術的な内容に加えて、優れた開発環境やエンジニアの働き方について発信すれば、働く環境の魅力を伝えることができますし、チームの紹介やハッカソン等の社内イベントレポートを公開することで、企業の文化を伝えられます。採用候補者の母集団形成だけでなく、ミスマッチの減少にも寄与します。

2.企業および社員のブランディングとして

開発ブログを通して技術力の高さを伝えることは、企業のブランド価値向上に繋がります。また、開発ブログの多くは、社員が個人名を出して記事を執筆・公開しているため、社員個人のブランディングにも寄与します。

3.社員のモチベーション向上として

執筆した記事が社内外でシェアされたり、ポジティブな感想がもらえると、社員のモチベーションアップにも寄与します。開発ブログを通して採用に繋がったり、企業・サービス認知への貢献など、公開後に反応があった場合には、必ず記事を執筆した社員や社内にフィードバックしましょう。

開発ブログの開設方法

では、開発ブログを始めるにあたり、どのような準備が必要になるのでしょうか。開発ブログの開設方法についてご紹介します。

始めに、以下の6つの項目を決定していく必要があります。この6つがブレてしまうと、運用が疎かになり、広報やブランディングに寄与するどころか、反対にネガティブな影響を及ぼしかねません。

【開発ブログ開設前に決めるべき運用方針】

  1. コンセプトの決定
  2. 読者ターゲットと記事内容の決定
  3. 更新頻度・持ち回りの順番等の運用ルールの決定
  4. 執筆者へのインセンティブの検討
  5. KPIの検討
  6. ブログ公開場所の決定

上記が整理し終わったら、以下の6つの項目を決めていきましょう。

【開発ブログの基本項目】

  1. ブログタイトル
  2. ドメイン名
  3. ブログデザイン
  4. ブログカテゴリー
  5. ブログ公開時のSNS連携
  6. メールアドレスやフォームなどの問い合わせ手段

開発ブログを開設するときに気をつけたい3つの注意点

いざ開発ブログを開設したからと言って、執筆者であるエンジニアに丸投げしてしまうのは要注意です。気を付けたい3つのポイントをご紹介します

1.更新頻度のキープ

開発ブログに限ったことではありませんが、企業が発信するオウンドメディアは、情報が更新され続けていることが大切です。特にエンジニアの領域に関しては日々新たな技術・情報がアップデートされるため、情報鮮度が短いため気を付けなければなりません。

エンジニアの本業は記事を書くことではなく、自社プロダクトやシステムの開発。案件が忙しい時には、当然開発ブログへの優先度がどうしても下がってしまいます。少しでも負担を減らすためにも、記事ネタ探しや、執筆担当者のアサインなど運用面でカバーできるところは協力していきましょう

2.クオリティの確保

開発ブログは、自社の技術力の高さを発信していくべきもの。そのため、一定のクオリティの確保は必要不可欠です

記事を執筆するエンジニアが1人で公開まで完結するのではなく、責任者やディレクターを立てて公開前の記事の校正を行ったり、よく読まれているSEOキーワードをチェックし、コンテンツのコントロールを行うのも有効です。

3.公開後の宣伝

記事が公開されたら、必ず宣伝をしましょう。自ら宣伝することに恥じらいを感じたり、リアクションに緊張してしまったり、発信することに慣れていない人もいるため、執筆者本人ではなく、運営メンバー全員が協力して行うことがとても重要です。

広報・PR

宣伝の方法は、自社の公式SNSアカウントからの発信はもちろん、社員個人のアカウントでのシェアなど、会社全体で盛り上げると、執筆者のモチベーションも高まります。社内へのシェアは、イントラやSlackなど多くの方が目にする情報共有ツールを使って行いましょう。

開発ブログで発信する内容・ネタ3選

開発ブログでどのような内容を発信すべきなのか、3つのネタと発信すべき理由をご紹介します。

1.プログラミング言語ごとのノウハウ

プログラミング言語を用いた記事は、言語に関心のあるエンジニアが検索して記事に辿り着く可能性があるため、読者を増やすためにも有効なネタです。プログラミング言語ごとに記事化し、読まれている記事の傾向を把握することで、今後のコンテンツ運用に活かせます

2.業界最新ニュース

WWDCやGoogle I/Oでの発表内容といった、業界の最新ニュースをネタにするのもよいでしょう。自社サービスとの関係性を組み合わせられると、発信内容により深みが増します。このようなニュース系のネタは、情報鮮度が短いので、公開するタイミングが重要です

3.プロジェクト独自の成果物

プロジェクトを通して培ったノウハウや、独自に作られる標準規約などの成果物は、自社の強みのアピールにも繋がるため積極的に発信しましょう。その際、外部公開にあたって知財的に問題がないかなどの確認を忘れずに。自社で開発したサービス・プロダクトの紹介にも繋がるため、サービス広報の役割も果たします。

参考にしたい開発ブログの事例3選

様々なIT企業が開発ブログを開発してますが、その中でもクオリティ・更新頻度ともに高い、3社のブログをご紹介します。是非、参考にしてみてください。

1.クックパッド開発者ブログ

クックパッド社が運用するクックパッド開発ブログは、実際に自社サービスで実装した技術の紹介など直接技術に関わる内容から、サービス開発で壁にぶつかった時に参考にした本の紹介などバラエティ豊かな内容で更新されています。また、2008年から開設されており、ノウハウの多さも特徴です。

2.Visional Engineering Blog

Visional社が運用するVisional Engineering Blogは、エンジニア職だけでなく、記事としての表現を洗練させるために、商業誌での編集経験を持つ採用広報と協働して運営しているのが特徴的です。また、「Visional Engineering らしさ」をコンセプト化し、その要素をブログ全体のデザインに落とし込むなど、ブランディングや世界観表現においても優れています。

3.mercari engineering

メルカリ社が運用するmercari engineeringは、メルカリのエンジニア情報ポータルサイトとして、技術に関する情報のみならず、エンジニアの組織作りやカルチャーなど企業の魅力もあわせて発信しているところが特徴的です

開発ブログはエンジニア組織のPRになるだけでなく、インナーにも好影響がある!

本記事では開発ブログが広報的に活用できる3つの方法についてご紹介しました。

BtoC中心の企業であれば、サービス広報により技術力の高さをアピールできるかもしれませんが、BtoB中心の企業はそうもいかないのが難しいところ。レベルの高いエンジニアが在籍していることや、開発環境が良いことなど、開発ブログを通してエンジニア組織のパブリック・リレーションズを実現していきましょう

さらに執筆した記事が、SNSでシェアされたり、採用や認知においてポジティブな結果を生み出すことでエンジニア自身のモチベーションにも繋がります。まだ開発ブログを開設していないIT企業の広報担当者は、社内で検討してみてください。

広報担当者が知っておきたい開発ブログの広報的活用方法に関するQ&A

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この記事のライター

野崎 有希

野崎 有希

PR Agency、HR TechにてPRとマーケティングを経験したのち、現在は通販会社(ショップジャパン)の広報部に所属。コーポレートPR、プロダクトPR、採用PRの戦略立案に従事。社会人キャリアはずっとコミュニケーションに関わる仕事をしています。人生のミッションは、「みんなの応援団」!周りの方が幸せになるきっかけをPRの力で作りたい。‟その人“の魅力を引き出すインタビュー記事は、読むのも書くのも好き。

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