SNSやブログなどさまざまな形で情報が発信されるようになった昨今では、生活者が気になる情報をインターネットで気軽に調べられるようになりました。事実(ファクト)や新規情報だけではなく、サービスの背景や企業・団体が持つ想いへの共感が消費行動につながることも少なくありません。
PR TIMESでは、そんなサービスの背景や企業・団体が持つ想いなど秘められた「ストーリー」に注目し、当事者自ら公式発表できる「PR TIMES STORY」を公開しました。本記事は、いま広報PRにおいてなぜストーリーが大切なのか、ストーリーを伝える効果は何なのかを掘り下げていきます。
当事者のストーリーが注目されている理由
新商品の発売や企業の組織発表など、プレスリリースで発表されるような事実に基づく情報は、人々にとって必要かつ場合によっては待ち望む情報でしょう。これらは、プレスリリースにまとめられ、メディアを通して発信されるか、直接プレスリリースを目にする形で生活者に届けられてきました。
プレスリリース内でも、担当者コメントやサービスの背景といった情報を記載する企業は増加しており、独自の創意工夫によってプレスリリースの可能性は進化し続けています。その一方で、発表の裏側や、商品・サービスの開発に携わった人々の思いは、企業主体で発表するプレスリリースとは別で、当事者本人が語るストーリーとして発信することで、本来の可能性が発揮されるともいえます。
情報があふれる現代だからこそ、その企業の独自性や共感を得るストーリーが注目されています。
企業のストーリーを発信する効果・メリットとは
企業が自社の人々や想いを伝えることに対し「自社内の話に興味を持つ人はいるのだろうか」「人々にとって特に役立つ情報でもないのでは」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、企業や企業の代表ではなく、開発者やプロジェクトメンバーといった当事者本人だからこそ語れるストーリーを発信することで、心を揺さぶられる生活者は少なくありません。この項目では、企業の持つストーリーを発信する効果やメリットを3つピックアップして紹介します。
効果1.共感により顧客やファンが獲得できる
企業内の人々のストーリーを発信することで、何気なく商品やサービスを購入・認知していた人は「こんな想いがあったんだ」と知ることができます。生み出される経過や背景を知ることで、作っている人々の姿が見えるのです。
また、生活者がストーリーを知ることでその企業や商品を認知し、好きになる人々も増えます。このようにストーリー発信では、新たな顧客やファンを獲得していくことができるのです。
効果2.企業らしさを伝え、他企業との差別化になる
ストーリーの発信は企業らしさを伝えられます。企業にいる人々ならではのナレッジや考え、想いを伝えることで提供商品やサービス、取り組み以外の企業のカルチャーが生活者に届くのです。
何かを購入する際、特に思い入れもないものよりも、好きなものや生産者の顔が見えるものを選ぶ人は多いのではないでしょうか。企業の持つストーリーを伝えることで、生活者にとっては共感や特別感が増し、他企業との差別化になります。
効果3.プレスリリースを掛け合わせることで相乗効果を発揮
企業の持つストーリーは、プレスリリースと掛け合わせることで相乗効果を発揮します。生活者や求職者、株主・投資家、取引先などさまざまなステークホルダーは、自分が応援したり、関わりを持ったりしている企業が発信する情報を求めています。事実や根拠をもとにプレスリリースを発表し、当事者の想いや経験、学びをストーリーとして投稿することで、企業の理解に厚みが生まれます。また、そのような情報は、メディアも求めています。
企業が持つストーリーを発信することは、プレスリリースと同様に、パブリックリレーションズの形成においても非常に重要なのです。
共感を呼ぶストーリーの伝え方
では、実際にストーリーを伝えたいと思った場合、どのような点に気をつければよいのでしょうか。生活者に共感してもらえるストーリーの共通点から、ポイントを紹介します。
ポイント1.「なぜ」を語る
現代は、商品の機能的価値に大きな差が生まれづらく、あらゆるものがコモディティ化しやすい時代です。そのような社会の中で、人は商品スペックだけでなく、「そのブランドやサービスに共感できるか」をこれまで以上に重要視し、心が動くものを選択するようにシフトしつつあります。
ストーリーの重要なポイントのひとつは、ユーザーが一番知りたい「なぜ」が素直な言葉で書かれていることです。なぜ、その商品は生まれたのか。なぜ、そのサービスは途中で改良したのか。なぜ、その人は、そのプロジェクトに賭けたのか。
そのような「なぜ」が具体的に語られているかどうかが共感に大きく寄与します。
ポイント2.「経験者」だからこそできる情報を共有する
1つの事業をゼロから立ち上げた人と、その様子を傍で見守っていた人とでは、発せられる言葉の重みは大きく異なるものです。
そのとき何が起こり、どう感じたのか。そしてどのように行動し、結果はどうだったのか。経験者の言葉以上に、後進の学びとなる情報共有はありません。
逆に言えば、経験なくして読者と対話的に情報を共有するナラティブは叶いません。自分にとってはどんなに些細なことでも、周囲と比較すると気恥ずかしくなってしまうようなことでも、想いを持ち臨み、地道な行動を積み重ねてきた事実こそがストーリーです。
自信を持って自らの経験を伝えることも、大切な要素となります。
ポイント3.次の誰かにつなぐ「学び」を提供する
ストーリーは公式発表でありながら、組織の中の個人による圧倒的主観でよいことをここまでご紹介してきましたが、「誰のための情報か」を常に忘れないことが重要です。
自らの活躍を誇り顔で自画自賛してしまえば、それは社会の共有資産にはなりません。
自尊感情に向かないよう、常に視点を外に向けることが重要です。ときには、広く大勢の人たちに届くことよりも、あなたの経験から生まれたストーリーが「学び」となるたった一人に届き、彼ら彼女が次の行動を起こす後押しになることのほうが、パブリック・リレーションズとして大きな意味を持ちます。
あなたが経験し心で感じたことが、誰かの学びになる
企業内のストーリーを発信することの効果や、共感を生むストーリーの伝え方のポイントについてご紹介しました。
自分にとっては些細なことであっても、改めて言語化し、社会の共有資産にしようと取り組むことで、自分自身にも新たな気付きがあるかもしれません。是非あなたが経験し心で感じたことを、唯一無二のストーリーとして発信してみてくださいね。
PR TIMES STORYの活用については「ストーリーから始まる新時代の広報PR」よりご覧ください。
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