企業の理念や想いをもっとわかりやすく伝えたい、と考えている広報PR担当者も多いのではないでしょうか。
PR TIMESは、4月1日を「エイプリルフール=ウソをついても許される日」から、「April Dream(エイプリルドリーム)=叶えたい夢を語る日」に変えようと、2020年から新たな発信文化の創造に取り組んでいます。
企業が「叶えたい夢」を発信することで、企業の理念や想いをよりわかりやすく伝えられます。あらためて従業員に行動指針を示せるほか、「夢」に共感した仲間やビジネスパートナーが現れる可能性にもつながるのです。
本記事では、April Dreamの概要、企業がApril Dreamを活用してPR TIMESやその他の場所で夢を発信するメリット、夢の発信方法やポイント・事例を紹介します。
April Dream(エイプリルドリーム)とは?
「April Dream(エイプリルドリーム)」とは、PR TIMESが2020年より開始した、新たな発信文化を日本に根付かせることを目指す取り組みです。
April Dreamは、4月1日に「叶えたい夢を語る場」をつくることを目的としています。
本気で叶えたい夢を発信することで、共感した仲間が集まったり、手助けしてくれる人が現れたりと、実現へ一歩近づくもの。
一見不可能にすら思われるような夢であったとしても、「未来への約束」として、高らかに宣言してほしい。4月1日を、夢を持つ人たちがあふれ、その実現に近づくための1日にしたい。
そのためにPR TIMESは、4月1日にさまざまな取り組みを行っています。
その一環として、「企業は4月1日に『夢』に関するプレスリリースを無料で配信できる」というものがあります(詳細は後述します)。
企業の「夢」とは?ビジョン・ミッションとの違い
企業にとっての「夢」とは何かを説明するうえで、まずはビジョン・ミッションとの違いを整理しましょう。
多くの企業は、目指す世界や行動指針をビジョンやミッションとして言語化しています。ビジョンとミッションは企業活動の指針であり、共感した人がメンバーやパートナー、ユーザーになってくれる重要なものです。
一方、「夢」は、「難しいかもしれないけれど実現したい出来事」です。ビジョンやミッションと比べると自由度が高いと言えるでしょう。より自由な発信だからこそ、思わぬところから「面白そう」「実現させたい」と「夢」に共感してくれる仲間が現れる可能性があるのです。
説明や理解がなかなか難しいビジョン・ミッションに比べ、「夢」には聞いただけでワクワクさせる力があると言えます。
企業がApril Dreamで「夢」を発信するメリット・効果
ここからは、企業がApril Dreamを活用して「夢」を発信する具体的なメリット・効果について解説します。
メリット1.「夢」への共感を通じて企業への認知・応援につながる
企業が「夢」を発信するメリットの1つ目は「この夢に向かって頑張って欲しい」という企業への共感・応援につながることです。
たとえば、2021年に「WWFが、ついに絶滅危惧種ゼロを発表」という夢を発信した公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)には、SNS等で「この夢に向かって頑張って欲しい」「これが嘘ではなかったら良いのに」といった声が寄せられました。
(参考:Made in April Dream|April Dream公式サイト)
商品・サービスを軸にしたアプローチでは自社と縁がなかった人たちが、夢を通じて自社の存在を知るとともに、共感しファンになってくれる可能性があります。
メリット2.実現に向けて協力してくれるパートナーが現れる
企業が「夢」を発信するメリットの2つ目は、夢に共感し、実現に向けて協力してくれるパートナー企業との出会いにつながることです。
発信を通じて同じ夢を目指す仲間と出会い、製品開発などの共同プロジェクトが立ち上げられ、実際に取り組みが始まっていくケースもあります。
たとえば、2020年に「”セルフヘアカラーのための美容院”を全国に設立します。」という夢を発信した一般社団法人日本セルフカラー協会は、その想いに共感した美容メーカーと出会い、セルフヘアカラーのための製品を共同開発。クラウドファンディングを経て2021年に販売開始に至りました。
(参考:Made in April Dream|April Dream公式サイト)
さらに、出会うのは企業だけにとどまりません。企業が掲げる夢に共感した生活者が、同じ未来を目指したいと入社を希望してくれる可能性もあります。
メリット3.メンバーが企業の目指す未来について目線を合わせられる
企業が「夢」を発信するメリットの3つ目は、従業員をはじめとする各メンバーが、自分たちの目指す未来について目線を合わせられることです。
企業として発信する夢は、企業が目指す世界や未来について、より具体的にわかりやすく表現したものです。その夢を対外的に発信することにより、社内のメンバー一人ひとりが実現に向けた行動を踏み出すエネルギーが生まれるでしょう。
たとえば、「全国すべての小学校・中学校・高校にマインドフルネスを導入。日本を世界幸福度ランキングで世界1位にします。」という夢を発信した株式会社Melonでは、「社内でも高い理想を掲げることでMelonが目指す世界の解像度が高くなり、エンゲージメントが高まった」という変化がありました。
(参考:Made in April Dream|April Dream公式サイト)
April Dreamで「夢」を発信する主な方法
April Dreamの概要や目的、企業がApril Dreamを通じて「夢」を発信するメリットがわかったところで、ここからは「夢をどのように発信するのか」について具体的に説明します。
まずは、PR TIMESを通じてプレスリリースとして発信しましょう。通常は事実情報を発表することが前提となるプレスリリースですが、4月1日に限り「夢のプレスリリース」を通常のプレスリリース同様にPR TIMESのサイトで配信・公開することが可能です。
なお、夢のプレスリリースには、以下のように「このプレスリリースは、April Dreamプロジェクトに共感し、4月1日を夢があふれる日にしようとする事業者が、やがて叶えるために発信した夢です。」という注釈をタイトル・サブタイトルの下部に記載する必要があります。

企業ページのプレスリリースの一覧画面では、「#April Dream」というタグが表示されるようになっています。

また、夢のプレスリリースはApril Dreamのサイトにも掲載されます。
後述しますが、コーポレートサイトへの掲載やSNSでのシェアも、夢をより多くの人に知ってもらううえで有効な手段です。
April Dreamで発信する「夢」を検討する際の4つのポイント
ここからは、企業がApril Dreamを通じて発信する「夢」の内容を検討する際に押さえておきたいポイントを4つ紹介します。
自社の理念や想いをしっかりと伝播させていく夢になるよう、丁寧に考えていきましょう。
ポイント1.ミッションやビジョン、企業としての資産を整理する
「夢」を検討する際の1つ目のポイントは、自社のミッションやビジョン、資産を整理することです。
自社の企業理念や歴史を振り返るとともに、社会の「どのような問題を解決するために」「どのような取り組みを行ってきたか」を棚卸しします。
自社が築いてきた実績やブランドイメージなどの資産も含め、まずは現状を正確に理解しましょう。
考えが煮詰まってしまったときは、社内外のさまざまな人と話してみてください。思いもかけなかった観点に気づけるかもしれません。
ポイント2.「社会全体」「業界」など、広い視野で課題を考える
「夢」を検討する際の2つ目のポイントは、社会全体や業界など、広い視野で課題を考えることです。
一企業として解決したい課題につい目を向けてしまうものですが、外部へ発信する夢である以上、自社への共感や応援を醸成できる内容にしたいところ。
社会全体や業界全体における課題など、多くの人が直面している課題になるよう、視野を広げて考えるようにしましょう。
April Dreamは「夢を語る日」なので、「自社だけでは解決できないかも……」と思うような壮大な内容でもいいのです。せっかくの機会を生かし、大風呂敷を広げて世の中をわくわくさせてください。
ポイント3.企業として取り組んでいる課題を、過去・現在・未来の時間軸で整理する
「夢」を検討する際の3つ目のポイントは、企業として取り組んでいる課題を、過去・現在・未来の時間軸で整理することです。
企業として現在、どのような課題に着目しているか。過去にどのような取り組みを行ってきて、未来においてはどのような課題に取り組んでいきたいと考えているか。
3つの時間軸で整理してみると、企業が取り組む課題に説得力やストーリー性が生まれます。
ポイント4.具体的で実現可能性を感じさせるものにする
「夢」を検討する際の4つ目のポイントは、具体的で実現可能性を感じさせるものにすることです。
「夢」と「ウソ」の違いは、「本気で実現を目指しているかどうか」。一見、壮大すぎるように思える夢でも、具体的にどのような行動につなげられるかを考えて言葉にすることで、一気に現実味を帯びてきます。
たとえば「20年後までに、日本で宇宙旅行へ行きたいと思う人が行ける社会にします」など、【①いつまでに、②どの領域・範囲で、③どのような状態を】目指すのかを明確にすることを意識して言語化してみてください。
自社についてよく知らない社外のステークホルダーであってもイメージがしやすくなり、「応援したい!」という気持ちや共感を喚起しやすくなるでしょう。
April Dreamで発信した夢をより多くの人に届けるための3つのポイント
April Dreamを通じて言語化した企業の「夢」。プレスリリースでの発信に加え、できる限り多くの人に知ってもらいたいところです。
ここからは、April Dreamを通じて発信した夢をより多くの人に届けるためのポイントを3つ紹介します。
ポイント1.コーポレートサイトに掲載する
企業の「夢」をより多くの人に届けるための1つ目のポイントは、コーポレートサイトに掲載することです。
コーポレートサイトは、日々さまざまなステークホルダーが訪れる場所。すでにミッション・ビジョンや理念が掲載されている場合も多いですが、夢というわかりやすい形で表現することで、自社への理解をより深めてもらえるでしょう。
採用広報との親和性も高いので、関連ページに掲載するのもよいかもしれません。
ポイント2.SNSでシェアする
企業の「夢」をより多くの人に届けるための2つ目のポイントは、SNSでシェアすることです。
SNSを通じて発信することで、生活者がより身近に企業の夢を捉え、共感や応援してくれる可能性が高まります。
企業の公式SNSだけでなく、社内のメンバーに呼びかけて各個人のアカウントでも発信してもらえるとより情報が広がりやすくなるでしょう。
ポイント3.継続的に発信する
企業の「夢」をより多くの人に届けるための3つ目のポイントは、継続的に発信することです。
April Dreamで発信した夢の実現に向けてどのように動いているのか、その進捗を継続的に発信することで、企業の熱意が伝わり、一度触れただけでは共感につながらなかった相手の心を動かせる場合もあります。
発信する方法はプレスリリースでも、コーポレートサイトやSNSでも構いません。言ったきりで終わってはいないことをしっかりと伝えていきましょう。
また、PR TIMESは2020年以来、毎年April Dreamの取り組みを行っています。前年と同じ夢でも構いませんし、前年に発信した夢が新たな夢に引き継がれた場合には、それを社内外のステークホルダーに伝えるためにもぜひ活用してみてください。
April Dreamで発信した「夢」と、その後の反響事例
最後に、実際にApril Dreamを通じて発信された「夢」の事例と、その後各社にどのような反響が寄せられたかをご紹介します。ぜひ、自社の発信する夢を検討するうえで参考にしてみてください。
株式会社ラコルの夢「47都道府県でドライブインシアター」

地方活性化の支援等を行う株式会社ラコルは、世界全体がコロナ禍に沈んだ2020年4月に「世の中を明るくしたい」と考え、「車から映画を鑑賞するドライブインシアターが復活!47都道府県で開催。Drive in Theater Japan Tour開始決定!」という夢を発信。
発信した直後から、実施できる場所に関する連絡など800件以上の問い合わせが集まりました。
周りの期待に答えようと駆け足でプロジェクトを進め、発信から約2ヵ月後には都内のテーマパークの駐車場でドライブインシアターを実施するにいたりました。夢に共感し一緒に盛り上げたいと集まってくれた花火師とのコラボも実現しています。
(参考:Made in April Dream|April Dream公式サイト)
有限会社観光荘の夢「オリジナルブランドうなぎを宇宙食に」

老舗うなぎ料理店を経営する有限会社観光荘は、2021年に「うなぎを宇宙へ!やなのうなぎ観光荘のオリジナルブランドうなぎを宇宙食にします!」という夢を発信しました。
同社は以前からうなぎを用いた宇宙食の開発に関心があり、実現に向け少しずつ動き始めてはいたものの、外部に対して発信はしてきませんでした。April Dreamの取り組みを知ったことを機に、「夢」として対外的に発信することを決意。
メディアからの関心を集め、夢の発信後もプロジェクトの進捗を知らせるプレスリリースを通じて継続的な取材依頼が寄せられたそうです。
夢の発信から5ヵ月後の2021年9月、ついにJAXAの日本宇宙食として、一次審査を突破しました。
(参考:Made in April Dream|April Dream公式サイト)
株式会社Melonの夢「日本を世界幸福度ランキングで世界1位にします。」

マインドフルネスに関する研修プログラムやスタジオ運営などを手がける株式会社Melonは、2020年に「全国すべての小学校・中学校・高校にマインドフルネスを導入。日本を世界幸福度ランキングで世界1位にします。」という夢を発信。
世界幸福度ランキングで日本の順位が年々下落するなか、マインドフルネスを子どもの頃から学び身につけることで状況を改善できるのではないかと考えての発信でした。
発信後、夢の実現に向けた行動として、小学校で実証実験を実施。実際にマインドフルネスにストレス低減効果があることが示され、小学校へプログラムを無償提供することを決定しました。
全国の小学校からの申し込みが入るとともに、メディアからの取材依頼も相次いでいるそうです。
(参考:Made in April Dream|April Dream公式サイト)
「夢」を発信し、ステークホルダーからの共感や応援につなげよう
PR TIMESが2020年から展開してきた、4月1日を「April Dream(エイプリルドリーム)=叶えたい夢を語る日」に変えようという取り組み。
企業がApril Dreamを活用してPR TIMESやその他の場所で「夢」を発信することで、ステークホルダーからの共感や応援につながったり、同じ夢を目指すパートナーに出会えたり、メンバー同士の目線のすり合わせができたりというメリットがあります。
紹介したポイントや事例を参考に、自社の想いを夢として言語化し、ぜひ発信してみてください。
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