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書籍の広報PR方法7選!事例と成功させる3つのポイントを解説

企業としてはもちろん、社員が書籍を発売したら、多くの人に手に取ってほしいもの。そのためには書籍の存在を幅広く認知してもらう必要があります。とはいえ、いったいどんなことをすれば効果があるのかよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、書籍の広報PRにおすすめしたい7つの方法や、それらをうまく取り入れた成功事例、そして成功のためのポイントについて解説していきます。

書籍の広報PR方法7選

書籍の広報PRを行う場合、どのような方法が効果的なのでしょうか。さまざまなものがありますが、ここでは一般的によく行われている方法を7つご紹介します。発売される書籍の特徴や目的に合わせて、最適なものを実施しましょう。

プレスリリースを作成しているイメージ

1.プレスリリース

書籍の発売に関する情報のプレスリリースを配信しましょう。各メディアへ情報提供を行うことで、掲載につながるコミュニケーションをとりやすくなります。新聞、雑誌、Web媒体など幅広いメディアには、書評や新刊紹介といった書籍に関するコーナーが存在します。それらの担当者へ書籍の情報を伝え、掲載の検討を依頼するツールとなるのが、プレスリリースです。

プレスリリースは、発売予定日や予約開始などに合わせた露出を狙うために有効な手段。発売後に時間が経過してからでは、PR効果を見込むのが難しくなることもあります。必ず書籍の発売情報が解禁されるタイミングで配信しましょう。

発売に関する情報が解禁されるタイミング以外でプレスリリースを検討する場合は、書籍に関連する新しいネタを扱うようにしましょう。例えば、書籍関連のイベント情報や前著の販売実績(例:100万部突破、増刷・増刷)などが考えられます。

2.献本

書籍を第三者へ提供して実際に読んでもらう機会を設けるために、献本を行う場合があります。メディアへの掲載を望むのであれば、プレスリリースと同時に担当者へ献本するようにしましょう。他にも、インフルエンサーへ献本をすることで、SNSでのUGC(ユーザー生成コンテンツ)、クチコミなどの情報拡散を狙うこともできます。

献本できる冊数やルールなどは、出版社によって決まっている場合があります。事前に確認して、PR戦略を立てるようにしましょう。

3.イベント

出版イベントを行い、生活者との接点を作ることもおすすめです。出版イベントには決まった形式があるわけではなく、目的や予算によってさまざま。トークイベントのようなかたちの場合もあれば、ポップアップストアのように専用のスペースを設けて販売をする場合も考えられます。開催場所も、書店の店頭、イベント会場、オンラインなどの可能性があるので、PR戦略に基づいて最適な方法を検討してください。

書店の店頭を利用する場合は、事前に書店との交渉や相談を行う必要があります。イベント会場やオンラインのように、企画したらすぐに実施できるとは限りません。書店でのイベントを実施したい場合は、長めのリードタイムを設けて早めにコミュニケーションをとるようにしましょう。

トークイベントは、書籍の内容をさらに深掘りする限定セミナーや、類似テーマの書籍の筆者との対談イベントなどが考えられます。書籍の情報の拡散を狙うのであれば、ゲストを呼んだ対談形式をとると、アプローチできる範囲が広がるのでおすすめです。

4.プレゼントキャンペーン

書籍に関連したプレゼントキャンペーンも効果が期待できます。プレゼント内容は、書籍そのものはもちろん、関連するアイテムやサービスも考えられるでしょう。

書籍の発売情報の拡散を狙うのであれば、SNSを活用したキャンペーンがおすすめ。キャンペーン情報が拡散されることで、多くの認知を獲得することにつながります。販売数を増やすことを目的として、購入者を対象としたプレゼントキャンペーンを行う場合もあります。購入者向けのキャンペーンは、購入するというハードルがある分、プレゼント内容はより高価なものになる傾向があります。

5.SNS運用

書籍の発売前から筆者がSNSアカウントを運用することで、書籍発売までの期間に自分のファンを増やします。定期的に書籍内容に関連する投稿を行い、書籍のターゲット層にあたる生活者を集めることが可能です。

爆発的な効果が見込めるものではありませんが、地道に継続すれば確実にファンを増やすことができます。発売後も発信を続けることで、だんだんとファンが増えていき、さらなる購入者増加へつなげていくことも期待できます。

6.関係者を増やす書籍作り

書籍を制作する段階から、幅広い人々に関わってもらうことで書籍の関係者を増やすことも、書籍の広報PRには効果があります。インタビューコンテンツや対談コンテンツなどを作る、表紙デザインを生活者への投票で決める、生活者のアンケートデータを収集して掲載する、関連する商品やサービスを紹介する、などの方法が考えられます。

関係者を増やせば、発売のタイミングでクチコミやPRをしてくれる人が増えるため、情報が拡散する土台を作ることにつながっていきます。

7.先行販売・先読みキャンペーン

一般販売に先行して、限られた生活者だけの先行販売など発売前に内容を読むことができる機会を作ると、PRにつなげることができます。先行販売は、生活者に対して特別感を作り出すことで、買う理由を創出します。先読みキャンペーンを実施すると発売前から生活者の感想を集められるので、プレスリリースや発売時に発信するさまざまな情報に、読者の生の声を使うことができるようになります。広報PRの強みとして活用し、次のPR施策につなげることが可能です。

書籍発売のプレスリリースに盛り込む内容

書籍発売のプレスリリースに盛り込む内容には、一定の型があります。必要最低限、以下の情報は掲載するようにしましょう。

  • 書籍のタイトル
  • 書籍の画像
  • 刊行日
  • 発行元
  • 書籍の体裁
  • ISBNコード
  • 発売・予約情報
  • 目次
  • 内容の紹介
  • 筆者プロフィール

これらの情報に加えて、書籍の特徴やターゲット、配信先のメディアなどに応じて必要な情報を追加するようにしてください。例えば、発売記念の企画を行う場合はイベントやキャンペーンの情報、事前に感想が集まっている場合は読者の声としてまとめたものを付け加えるのもいいでしょう。

書籍の発売に関するプレスリリースの配信タイミング

書籍の発売に関するプレスリリースは、発売日が決定したタイミングで配信する場合が多いです。書店への営業開始と同時にプレスリリースの配信を行うことで、より多くの書店に入荷してもらうことを目的としています。最近では、Amazonなどの通販サイトで生活者も事前に予約が可能になっています。そのため、予約が開始されるタイミングでプレスリリースを配信し、予約数の増加を狙うケースも増えています。発売のタイミングでイベントを企画している場合は、そのイベントを軸に配信してもいいでしょう。

書籍の発売情報のプレスリリースに決まったタイミングはありませんが、目的やその後のPR戦略に基づいて適切なタイミングを決定することが必要です。

書籍の広報PRのGOOD事例3選

これまでに書籍を出版してきた先輩たちは、どのような方法でPR施策を実施しているのでしょうか。書籍の広報PRの事例をご紹介します。

1.制作段階から関係者を巻き込み、PR力を最大化

広報コミュニティ「ハッシン会議」を運営されている、井上千絵さんの『ひとり広報の教科書(日本実業出版社)』は、コミュニティの活用で多くの関係者を巻き込んだ書籍のPRを行っています。

書籍の中には、実際の広報担当者に対する取材を行った事例コンテンツを掲載。制作段階から関係者を巻き込み、宣伝者を増やしています。さらに、出版イベントでは事例として紹介した広報担当者によるトークも開催しました。リアルとオンラインのハイブリッドで開催したイベントには、多くの広報担当者が参加。効率よく幅広いターゲットへのアプローチを成功させています。

参考:企業の事業成長につなげる『ひとり広報の教科書』11月25日発売。

2.コミュニティに対してプレミアムな購入理由を作る

プロバスケットボールチーム・川崎ブレイブサンダースのマーケティング責任者・藤掛直人さんが執筆している『ファンをつくる力(日経BP)』は、先行販売によるPR活動を行っています。

ホームゲームの会場限定でファンに向けた先行販売を実施。すでにあるコミュニティに対してプレミア感を醸成しています。先行販売による購入者へは、チームのファンへ向けたWebサービスで使えるNFTの特典をつけ、先行販売で購入する理由づけをしっかりと行っています。

参考:川崎ブレイブサンダースのデジタル戦略、ファン獲得のマーケティング戦略を詳らかにするビジネス書「ファンをつくる力(仮題)」を5/12に発売

3.プレスリリースに書籍の関連情報を掲載し、興味・関心の幅を広げる

書体デザイナー・高田裕美さんの著書『奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って ―UDデジタル教科書体 開発物語(時事通信社)』は、書籍情報だけでなく、関連情報を掲載したプレスリリースを配信しています。

書籍そのものの情報だけでなく、イベントやプレゼントキャンペーンなどの情報も掲載することで、興味を持つ人を増やし、認知拡大につなげることが期待できます。

参考:モリサワが提供する書体の開発担当者の著書『奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って―UDデジタル教科書体 開発物語』を抽選でプレゼント!

書籍の広報PRを成功させる3つのポイント

書籍の広報PRを成功させるために、特に重要な3つのポイントについてご紹介します。どんな施策を行う場合も、成功のポイントは同じです。ぜひ参考にしてみてください。

ポイント

ポイント1.書籍の発売前から広報PR活動をスタートする

書籍の広報PR活動は、書籍が発売される前から行いましょう。発売後に動き出すのではタイミングが遅いです。発行元や書店などステークホルダーも複数関わってくると、調整にリードタイムが必要になる場合もあります。なるべく早いタイミングで動き出すようにしましょう。

制作段階から関係者を巻き込み、発売のタイミングで情報の拡散を最大化できるように関係を構築しておくことも大切。可能な限り情報共有を行い、広報PR活動へ協力をお願いできる関係性を育てておきたいですね。

ポイント2.生活者の購入理由を作る施策を行う

書籍の広報PR活動の目的は、最終的な購入数を増やすことが一般的です。どのような方法の場合も、生活者の目線で購入理由を作ることができるかどうかを基準に、検討するようにしましょう。

より多くの人の認知を獲得する、筆者のファンを増やす、プレゼントその他の購入理由を作るなど、方法はさまざまです。大切なのは、どんな方法を取り入れるのかということ。むやみに施策を行っても効果は見込めないため、書籍の特徴やターゲットに対してマッチするものを実施しましょう。

ポイント3.次につなげられる施策設計にする

単発で終了するのではなく、次の施策につなげることができる広報PR戦略を考えましょう。広報PRは継続的なコミュニケーションによって効果を発揮するものです。プレスリリースを配信したり、イベントを開催したり、単発で終わらせるのではなく、その次にどんなコミュニケーションをとるべきなのかまで見据えた設計が必要です。例えば、プレスリリースを活用して書店でのPR活動のための営業を行う、イベントでアンケートを実施し読者や購入者の生の声を店頭POPとして活用する、などが考えられるでしょう。

書籍の広報PRは事前の仕込みが大切!

書籍の広報PRの方法についてお話ししてきました。書籍の広報PRで大切なのは、発売のタイミングよりも前に、なるべく早い段階で事前の仕込みを行うこと。関係者を増やすためのコミュニケーションはもちろん、発行元や書店といったステークホルダーとの調整にも、可能な限りリードタイムを確保しておくことがポイントです。

自社に関連する書籍そのものが、広報PRにおける強みとして活用できるものです。それをさらに強いものとするために、その書籍の認知を広め、より多くの人に手に取ってもらえるようにしたいですね。

書籍の広報PR方法に関するQ&A

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この記事のライター

長瀬 みなみ

長瀬 みなみ

ITベンチャーにて広報PRを担当したのち、ヘルスケアベンチャーにて広報PR部門の立ち上げ、ブランド責任者として取締役就任。YouTubeチャンネル運営など、さまざまなメディアを活用した分ランディングや広報活動を行う。独立後は、広報PR・ブランディング・コミュニティ運営など幅広く活動している。これまでの経験から広報・ブランディングに関する戦略立案からプレスリリース執筆まで幅広くカバーしたコンテンツを作っています。

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