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決算発表の日時は平日の日中?金曜の夕方?広報PR担当者がすべき3つのこと

上場企業なら必ず実施する決算発表。社会に向けて自社の現状と展望を発表するための、IRの中でも特に重要なイベントです。この記事では、決算発表に最適なタイミングに加えて、広報PR担当者の3つの役割をご紹介します。

そもそも決算発表とは誰に向けて、何のために行うもの?

決算発表は、上場企業の情報公開制度のひとつです。会社で承認された決算案を証券取引所の記者クラブで発表し、メディアでの報道や広報活動を経て世に情報が拡散されます。この決算発表をまとめた資料を「決算短信」と呼び、投資判断を行ううえで最重要な資料としてメディアや投資家から注目を集めます。

決算発表のサイクルは3ヵ月に一度。会社の現状に関するファクトやトピックス、その背景を投資家(機関投資家・個人投資家)やメディアに向けて説明します。また、現状をもとに将来の取り組みを説明することも、決算発表の重要な役割です。

参考:決算短信│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

一般的に企業の決算発表の時期・日時は?

「3ヵ月に一度」と定められている決算発表ですが、具体的にはどんな時期・日時で実施されているのでしょうか。東京証券取引所が定めるルールとともに、証券会社がまとめた情報も活用しながら各社のスケジュールを確認してみましょう。

期末から45日以内に発表が必要 

東京証券取引所(東証)は、決算短信の開示を「決算期末から45日以内」に実施するよう企業に求めており、これを俗に「45日ルール」と言います

東証が「45日ルール」を推奨する理由のひとつは、投資家の投資判断のため。特に巨額の資金を動かす機関投資家やファンドにとっては、決算情報はビジネスの先行きを決めるとても重要なものです。また、決算情報に速報性を持たせて市場を活性化することも、東証が各社に「速くて正確」な決算発表を求める理由です。

証券会社のサイトからスケジュールを確認できる 

各社の決算発表のスケジュールは、証券会社のサイトから確認できます。

例えば「SBI証券」の決算発表スケジュール(国内株式)には、日付ごとに決算発表を実施する企業数が明示されています。各社とも「45日ルール」に則って決算発表を実施しますが、具体的にいつ発表するかは各社の判断に委ねられているので、発表日は企業によってまちまちです。企業数の中には四半期決算の企業も本決算の企業も全て含まれているため、必ず決算種別を確認しましょう。

決算発表の日時はいつが最適?

ここまで、決算発表には「45日ルール」があることを確認してきました。言い換えれば「45日以内ならいつでもよい」ということですね。では、具体的にいつ発表すればよいのでしょうか。ここでは、決算発表に最適な日時をご紹介します。

発表

決算発表と決算発表会は同時でなくてもOK

まず確認しておきたいのが、「決算発表と決算発表会は同時でなくてもよい」ということ。

実際に決算発表が行われた日時を確認すると、昼頃から夕方にかけて決算発表を出して翌日の午前に決算発表会を行う企業が多いようです。そのほか、決算発表を「45日ルール」のギリギリで実施し、決算日から45日を過ぎて決算発表会を実施するケースもあります。ただ、同日に実施する場合、決算の発表と同時にその意図や背景を包括的に説明できるというメリットもあることは把握しておくとよいでしょう。

また、東証が発出している「コーポレートガバナンス・コード」では決算発表会の実施を推奨しているものの、義務ではありません

誰向けに行うかを明確にして目的や日時を決めると良い

前述のとおり、決算発表は投資家の投資判断のために実施するものです。決算発表会を実施する際は、会社の現状や決算情報の開示スケジュール、そして何より投資家に対する有益性をどう担保するのかを材料にタイミングをはかる必要があります。また、決算発表は自社の取引先も重要視する情報です。取引先がどのように感じるかも配慮したうえで、決算発表の内容を決められると良いですね。

決算発表のあとに広報PR担当がすべき3つのこと

いざ決算発表が実施されたら、その情報はメディアや投資家の情報網を土台に社会へ拡散されていきます。そうした中で、広報PR担当者がすべきことは何でしょうか。ここからは、決算発表における広報担当者の役割を解説します。

1.社内向け決算説明会

社外に向けて発信される決算情報を社内のメンバーが把握していないケースは、意外にも多くあります。そこで、社内向けの決算説明会を実施するのが広報PR担当者のひとつの役割になります。

こちらの記事でも解説しているとおり、社内のメンバーに経営情報を知ってもらうことは「社内広報」の仕事です。会社の規模が大きくなればなるほど、経営に直結する情報は見えにくくなってしまうもの。決算発表会の内容を噛み砕き、社内の誰もが会社の現在地と将来の展望を理解するための機会を設けられると良いですね。

説明会

2.SNS発信のディレクション

繰り返し説明しているとおり、決算発表はメディアや投資家に向けてオープンに実施するものなので社内のメンバーも入手できますし、入手した情報をSNSで拡散することも可能です。

決算発表には「速くて正確」だけでなく、「適時適切」であることも求められるので、広報が主体となってSNSでの発信方法をガイドラインにまとめてディレクションすると良いでしょう。発信タイミングや内容のディレクションによって「適時適切」な開示を担保することでトラブルを防げるだけでなく、社員が自社の経営に関する情報を理解し、多くの人たちに届けようとしている姿勢をアピールすることにも繋がります

3.メディア対応の対策

決算発表はメディアから大きな注目を集める情報です。当然、メディアからさまざまな質問が寄せられますね。

スピーディかつ正確な返答で決算発表の情報を肉付けできるよう、決算発表前に想定文言集を整備しておくのがおすすめです。ただし、場合によっては広報が証券部の対応を行うケースもあるので、決算発表の内容を詳細まで理解しておきましょう。

IRの管掌部門は会社やフェーズで異なる

全社員が一体となって取り組むべきIRですが、一般的に「財務活動」の一部と位置づけられるため、広報担当者の関わり方は企業によって異なります。

例えば上場から間もない企業であれば、まず投資家に認知してもらうための広報戦略が重要です。一方で、すでに広く認知されており資金調達やM&Aを多く実施している企業なら、株価の変動を意識しながらニュースを出すことが必要です。そのためには、ファイナンスを理解している財務担当者が主体となって動くほうが効果的です。

このように、財務担当者と広報担当者のどちらが情報をコントロールすべきかは、各企業やフェーズによって異なるIRの状況に合わせて判断できるとよいでしょう

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

決算発表に適した日時に関するQ&A

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この記事のライター

三寳 里菜

三寳 里菜

ライター・編集者。2013年、大学在学中に旅行系ITベンチャーに入社し、現在まで約6年にわたりコンテンツ責任者・広報・PR・組織開発を担当。それぞれのフィールドでの経験を活かして、「読みやすく、分かりやすく、伝わりやすいコンテンツ」づくりに取り組んでいます。ハウツーからイベントレポート・インタビューまで、様々なコンテンツ制作が得意です。

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