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プレスリリースで「日本初」はOK?最大級の表現をするときに確認する3つのこと

毎日多くの企業が配信するプレスリリース。差別化をはかるため、広報担当者は一語一語に工夫を凝らしていますよね。中には、目を引くプレスリリースにするために「日本初」などの表記をしてしまう人もいるかもしれません。しかし、事実を書くことが重要なプレスリリースで「日本初」などの最上級表現は使ってもいいものなのでしょうか。

今回の記事では、プレスリリースで使わない方がいい表現とその理由、正しく使える表現について紹介します。

インパクトを与えるために「日本初」「No.1」などの最上級表現を使っていませんか?

毎日多くの企業が出すプレスリリースは、差別化のためにも言葉選びのインパクトが重要です。「日本初」「No.1」といった表記はインパクトがあり一見目を引くいいキーワードにみえます。しかし、これらの表現は軽率に使っていい表現ではありません

プレスリリースのタイトルを考えている

「日本初」「世界初」などの表現を使うには客観的な裏付け・根拠が必要

「日本初」「世界初」などといった表現のことを、最上級表現といいます。これらの表現を使う際には客観的な裏づけや社会的根拠が必要です

裏づけや根拠がないまま最上級表現を使ってしまうと、社会的信頼を失うだけでなく、後に説明するように法律にも触れてしまう恐れがあります。最上級表現を使う際には根拠も一緒にプレスリリースに掲載しましょう

不当な表現は「景品表示法違反」の「優良誤認表示」に抵触する

もし客観的な根拠がないままプレスリリースに最上級表現を載せてしまった場合、景品表示法違反」「優良誤認表示」に抵触する場合があります

景品表示法とは、「不当表示」や「不当景品」を規制する法律のことです。消費者が良い商品やサービスを享受できるようにするために、誇張表現をした商品や過大な景品類の提供を禁止しています。

優良誤認表示とは、サービス・商品の品質や規格などの「不当な表示」にあたる行為です。「実際よりも良いものであると示す」「競合他社のサービス・商品よりも優れていると示す」などが該当します。

景品表示法について、こちらの記事で詳しく紹介しているので合わせて確認してみてください。
景品やプレゼント配布時には注意!広報が「景品表示法」について知っておきたい7つのこと

プレスリリースで「日本初」「No.1」などの表現を使いたいときに確認すべき内容

では、プレスリリースでは具体的にはどのような表現に注意すればいいのでしょうか。押さえておきたい3つの内容を紹介します。

1.最大級表現にはどのような種類があるかを把握

最大級表現には主に以下の3つがあります。

  • 比較系
  • 最上系
  • 保証系

これらを掲載するためには客観的な根拠裏付けが必要です。それぞれ具体的なワードを確認していきましょう。

A.比較系

比較系は、「日本初」「No.1」といった、他と比較した表現のことです。基本的にはNG表現とされていますが、例えば「日本一高い山、富士山」などといった、事実に基づいたものは表記しても問題ありません。

しかし、根拠のない「人気No.1」などの表記は誇張表現とされてしまうため、プレスリリースでは使用が禁止されています。

例)日本初、世界初、唯一、No.1、1位……など

B.最上系

「最高」「もっとも」といった最上表現も、根拠がない場合は使えません。しかしこれも比較系と同様、根拠を明確に提示できる場合は使用できます。しかし根拠が明示できない場合は、会社の信用のためにも使用しないようにしましょう。

例)最高、最大、最強、もっとも〇〇…など

C.保証系

保証系は、「絶対」「必ず」などの言葉を含む表現のことです。「絶対」を保証するものは基本的に世の中にほぼ存在しないとされているので、プレスリリースにはふさわしくない表現とされています。

例)絶対、必ず、100%、完璧、全く…など

2.医療法、薬機法に準ずる

医療関係、医薬品、化粧品関係については、原則的に最上級表現は使えません。最上級表現を使うことで、医療関係や医薬品の適正な価格や品質が保たれなくなってしまう可能性があるからです。これらは医療法薬機法で定められています。

薬機法を確認する

ただし化粧品については、「客観的事実に基づく具体的な数値」と「根拠のある場合」は最上級表現を使用してもいいということになっています。この場合も、必ず根拠が必要になるので掲載する場合は注意してください。

3.客観的根拠の提示を推奨

メディアはプレスリリースの社会的根拠を重要視しています。メディアに掲載されるプレスリリースにするためにも、最上級表現と根拠の明示には気をつけたいものです。PR TIMESでも、プレスリリースを掲載する際に客観的な根拠を記載することを推奨しています

では、客観的根拠とは何か、具体的にどのようにして獲得するのかを見ていきましょう。

試験・調査による客観的結果

「客観的根拠」の1つとして、まずは「試験・調査による客観的結果」があげられます。

この場合の試験や調査は、関連する学術界や産業界で認められた方法や、複数の専門家が認めた方法で実施する必要があります。

専門家、専門家団体・専門機関の見解または学術文献

専門家や専門機関の見解や学術文献があれば、客観的根拠として認められます。見解、学術文献の基準は「専門家等が客観的に評価した見解または学術文献で、その専門分野に一般的に認められているもの」とされています。

参考:事例でわかる景品表示法(平成28年7月改訂)[PDF:20MB](消費者庁)

これらのような客観的根拠を用いている例として、シロカ株式会社さんのプレスリリース「世界初の除菌ができる加圧式衣類用ハンディスチーマーLaurastar の「IGGI(イギー)」を発売」では「世界初※1」、「除菌ができる※2」というワードに対し、以下のような説明が述べられています。どちらも客観的根拠に基づく記述のため、信ぴょう性の高い情報であると受け取ることができますね。

シロカ株式会社 のプレスリリース文面より
シロカ株式会社 のプレスリリース文面より

また、他社や他団体等の調査では最適なデータがなく、自社で独自に調査したものを根拠にする場合もありますよね。その場合は「自社調べ」である旨を表記し、さらにどのように調べたか(調査内容や手段、対象、期間等)をも詳細に書くことで、調査に信ぴょう性を持たせることができます。

株式会社資生堂さんのプレスリリース「資生堂、世界初の成分アプローチ※1 粉末の特性を最大限に引き出す新技術を開発 -メイクアップ製品を中心に広く活用 第一弾はマキアージュのBBクリームへ-」では、「世界初の成分アプローチ※1」に対し以下のような説明がなされています。自社の調査でありながら、何が世界初であるか詳細に記述し、いつ・どのように行われた調査であるかを明確にしているため、非常に信頼性の高い調査だと受け取ることができます。

株式会社資生堂 のプレスリリース文面より
株式会社資生堂 のプレスリリース文面より

プレスリリースのタイトルで正しくもインパクトのある情報を出す3つの方法

ここまでで、プレスリリースでは使わない方がいい表現とその理由を説明してきました。それでは、魅力的なプレスリリースにするためにはどのような手法を用いればいいのでしょうか。正しくもインパクトのあるタイトルにするために、工夫できる3つのポイントを紹介します。

1.具体的な数字を入れる

具体的な数字を入れると、分かりやすく信頼感のある文章になります。例えば以下の2つの文章だと、数字を入れた文章の方が具体的で興味を持ちやすいのではないでしょうか。

  • 駅近、広々マンション。来春オープン!
  • 駅から5分、3LDKマンション。2021年4月オープン!

注意点として、プレスリリースは後からの修正、変更、消去ができません。具体的な数字を使う際には必ず正確かつ最新の数字を使うようにしましょう。自社の信頼を保つためにも、最後のチェックは複数回、複数人で行うことをおすすめします。

2.トレンドのキーワードを入れる

注目されやすいプレスリリースは、「ニュースバリュー」があります。世の中のトレンドと関連していることを示す「時事性」は、ニュースバリューを演出するポイントの1つ。

他のプレスリリースと差別化をはかる1つの手法が、トレンドのキーワードを入れること。その時々のトレンドをチェックして、興味を持ってもらえるようなプレスリリースにしましょう。

2020年7月に配信された株式会社hashoutさんのプレスリリース「#ダルゴナコーヒー のInstagram投稿は4月に前月比14倍と激増し #タピオカ の1.5倍を記録。投稿者数も2.6倍で2020年上半期のヒットを象徴。SNS効果測定ツール展開のhashout調べ」は、2020年トレンドの「ダルゴナコーヒー」を、2019年の流行の代名詞である「タピオカ」と比較したタイトリングで、タイトルから時事性の高いプレスリリースであると分かります。さらに、実際の調査や数値に基づいた比較・考察を行っているため、時事性だけでなく信ぴょう性も非常に高いプレスリリースとなっています。

株式会社hashoutのプレスリリース01
株式会社hashoutさんのプレスリリース02
株式会社hashoutさんのプレスリリース「 #ダルゴナコーヒー のInstagram投稿は4月に前月比14倍と激増し #タピオカ の1.5倍を記録。投稿者数も2.6倍で2020年上半期のヒットを象徴。SNS効果測定ツール展開のhashout調べ 」の調査より引用

3.いたずらに長くせず30文字程度でまとめる

プレスリリースのタイトルは、30文字程度でまとめると読みやすいとされています。長すぎる文章は煩雑になってしまったり、改行してしまうと次の行を見失ったりする恐れがあります。

特にタイトルは忙しい読者やメディア関係者のために、分かりやすい文章で引きつける必要があります。そのためには、必要な情報を過不足なくまとめることがポイント。30文字程度が最適な文字数になるでしょう。もし30文字で収まらない場合は、サブタイトルを活用しましょう。

プレスリリースは信頼が重要。インパクトを与えるための安易な最大級表現は慎もう

この記事では、プレスリリースで使用してはいけない表現やその理由、他に工夫できる方法などについて説明しました。

インパクトを持たせるためについ使ってしまいたくなる最上級表現ですが、根拠のない最上級表現を使ってしまった場合、法律に抵触してしまうだけでなく企業の社会的信頼も損なうことになります。一つひとつの言葉にこだわることで、読者に与える印象をよくも悪くも変えることができるのです。

最上級表現を使わなくても、読者を引き付けるための方法はたくさんあります。正しい表現で工夫を凝らして、魅力的なプレスリリースをつくりましょう。

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE編集部

日本最大級のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営すること12年。営業、カスタマーサクセス、パートナー事業に携わるメンバーが在籍しています。広報PR担当者さまからのお問い合わせやご相談の経験を活かし、広報PR担当者さまの気づきや行動につなげられる記事を執筆しています。

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