「広報大使」の役割とは?選定方法や具体的な活動内容・事例を紹介

「広報大使」という言葉をご存知でしょうか。広報大使は、政府や自治体が広報のために任命するイメージキャラクターのことです。地方の広報に有名人やゆるキャラなどが携わっているのを目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。

この記事では、広報大使の役割や選び方、活動内容などを事例とともにご紹介します。

そもそも「広報大使」とは?

広報大使とは、政府や地方公共団体などが、広報を目的として任命するイメージキャラクターのことです。PR大使と呼ばれることもあります。また、類似した役職の総称として用いられることもあります。

芸能人や文化人が任命されることが多いですが、少し前からはゆるキャラなども増えてきました。

広報大使の例としては、和歌山県高野町のゆるキャラである「こうや君」や、大府市の広報大使を務める元レスリング選手の吉田沙保里さんが挙げられます。

地方のPRに使われているイメージがある広報大使ですが、活用しているのは地方だけではありません。行政の場では、環境省が環境特別広報大使に女優・歌手の柴咲コウさん、総務省住宅・土地統計調査の広報大使にアナウンサーの加藤綾子さんを任命したことなどが有名です。

イベントに参加する広報大使

広報大使(PR大使)に似た役職

「広報大使」と検索すると、類似の言葉がいくつか出てきます。広報大使自体がこういった類似の役職の総称として用いられることもありますが、各役職によって少しずつ役割に違いがあります。本項では、そのうちのいくつかをご紹介します。

観光大使

観光大使とは、観光地の認知度向上や観光客の増加、地域の振興を目的として広報活動を行う人や役職です。地域振興を目的としていることもあり、その地域にゆかりのある芸能人や有名人が多く選出されるのが特徴です。

広報大使が行政や公益法人の広報活動も含む幅広い定義となっているのに対して、観光大使の活動はあくまで観光地の振興が目的となっています。

名誉大使

名誉大使は、国家や国際機関、地方公共団体に国際親善や国際支援活動などにおいて寄与している場合に与えられる称号のことです。

国家から名誉大使を贈呈された場合、その待遇は外交官と同じ特権を手に入れることができるというとても名誉な称号です。また地方公共団体では、各都道府県に在住している海外の方で、国際親善に寄与している人に名誉大使の称号を贈呈する場合が多くあります。

親善大使

親善大使とは、国家間や地域間などの文化交流の促進のために任命される役職のことです。

国際機関から任命されることも多い親善大使ですが、外交官とは異なり外交特権も持っていない象徴的、広報的な役職です。ジャーナリストや作家、芸能人などの民間人からも選出されることがあります。

ふるさと大使

地域振興のためにその地域に住む一般市民や地元以外の人に広報を委嘱するのが、ふるさと大使です。

観光大使と混同されがちですが、有名人やコンテストの優勝者から選ばれる観光大使に対して、一般市民から選出されるのがふるさと大使の特徴です。ふるさと大使のうち多くは報酬がなく、その代わりにふるさと大使の名刺や地産品の贈呈を受け、任意で自由な広報活動を行っています。

広報大使に求められている役割とは?

目的に合った人選びをするためにも、その自治体で広報大使に求める役割をはっきりさせておくことは重要です。広報大使を設置している地方自治体を参考にして、広報大使に求められている役割を3つに整理しました。

自治体の情報発信

1.任命される自治体の広報活動・情報発信

まず広報大使の役割として一番わかりやすいのが、自治体の広報活動・情報発信です。発信する情報や広報活動の詳細は各自治体によって異なります。

今の時代、SNSは世代や地域を問わず広く普及しているため、地域の人たちに向けてのみならず、全国的な広報が可能になりました。自治体も地域の認知度向上や観光客の増加のため、情報発信による広報活動には重きをおきたいところです。SNSは著名人であれば影響力が大きいため、広報大使による情報発信は重宝されるでしょう。

2.任命される自治体主催の催しなどへの協力

催しの規模や広報大使の認知度にもよりますが、地域のイベントに参加するのも広報大使の役割の一つです。

なかには広報大使である歌手をメインにしたコンサートを開催するなど、その広報大使ならではのイベントを行う自治体もあります。広報大使にとっても地域にとってもメリットとなるWin-Winな関係を築き、効果的な広報活動ができるといいですね。

3.任命される自治体のイメージアップ推進

上記のような決まった仕事以外で重要な役割が、自治体のイメージアップを積極的に行うことです。地域の広報として、時には情報提供に協力したり自治体の広報活動に対して提言を求められたりすることがあります。その他にも、自治体の関係づくりなどの広報活動に積極的に参加するなどしてイメージアップを図るのも広報大使の重要な役割です。

広報活動に参加する

広報大使の選び方・選定方法とは?

ここまでで広報大使の役割などを確認してきました。各自治体が広報大使に求める役割に基づいて選ぶのが最適ですが、実際にはどのような人が選ばれているのでしょうか。

本項では、実際に広報大使を設置している様々な地方自治体の「広報大使設置要綱」を参考に、広報大使を選ぶポイントを3つ挙げました。

1.任命される地方自治体出身・ゆかりのある者

広報大使を利用している団体のうち、多くは地方公共団体です。そのため、広報大使はその地方の出身者やゆかりのある者に限定して任命している場合が多いです

その地域の出身者にするか、ゆかりのある者も含めるかは各自治体によって異なります。ご自身の運営する自治体ではどのような人に広報を行って欲しいか考えて定めてみてください。

2.特定の分野で活躍している者

広報大使として任命するからには、特定の分野で活躍していて、ある程度知名度がある人がいいですよね。

この辺りの指定は自治体により異なりますが、特に「芸能、文化、芸術、スポーツの分野」で活躍している人物を任命している自治体が多いです。この他にも「教育分野」に絞っている自治体や、「町外で活躍している人物」と活躍の幅は指定していない自治体もあります。

こちらも広報大使にどのような役割を任せたいかを定めてから、決めることをおすすめします。

3.任命される地方自治体のイメージアップに繋がる者

上記以外でも、特別に地方自治体のイメージアップに繋がるような人物は、広報大使として任命されることがあります。こちらは特定の条件などはなく、「首長が認めた場合」などと表記されていることが多いです。しかし上の2つと同様、地域の広報を任せることになるので、その地域との関連や特別な功労がある、ふさわしい人を選ぶようにしましょう。

詳しくは、各自治体が出している「広報大使設置要綱」に記載されているので、参考にしてみてください。

参考:
松川町広報大使設置要綱
とよあけ広報大使設置要綱
ふるさとかわじまPR大使設置要綱

広報大使の具体的な活動内容とは?

広報大使の具体的な活動は、各自治体が広報大使を設置した目的によって異るため、自治体にあった広報大使の活動を定める必要があります。

例えば、地域の住民にとってよりよい暮らしを提供することが目的なのであれば、広報大使の役割は地域の人に喜ばれるような活動が求められます。地域の広報の例でいうと、地元住民のためにイベントやお祭りに参加したり、地元新聞を盛り上げたりするなどの活動があります。

全国的に地域の知名度をあげたい、といった目的だとしたら、地域外の人にアプローチする広報活動が求められます。SNSで地域の良さを発信したり、自分の活躍をその地域に結びつけたりする活動を行う必要があります。

具体的な活動はその自治体が求める広報のやり方によって大きく変わります。自分の自治体の広報戦略にあった活動内容を考えましょう。

広報大使の気になる事例

実際に広報大使を活用している地方自治体は多くあります。では、他の地方自治体と差がつく広報をするにはどのようにしたらいいのでしょうか。

ここでは、数ある広報大使の中でも注目したい活用事例を見ていきます。

1.広島県のバーチャル広報大使

広島県のバーチャル広報大使

多くの地方自治体が広報大使を設ける中、一風変わったアプローチで話題となったのが、広島県の「バーチャル広報大使プロジェクトin Hiroshima」です

仮想ライブ空間「SHOWROOM」を運営するSHOWROOM株式会社が、広島テレビ放送株式会社の公式バーチャルタレント発掘オーディションを開催するというこのプロジェクト。

ここでのバーチャル広報大使の仕事は、ご当地VTuberとして広島の魅力をライブ配信など新たな形で配信していくことです。さらに注目すべきなのは、「広島が好き」な一般人から公募をして、オーディションを行っている点です。

ライブ配信のプロであるSHOWROOMと大々的にコラボし、VTuberを広報大使にするというこのプロジェクト。今までの広報大使のイメージを打破する企画として話題になりました。

2.観光特使の名刺で施設入場料が無料

高知県の観光特使

もう一つご紹介したいのが、高知県の観光特使の例です。高知県では、県の認知度向上や観光客増加を目的に、県の観光情報の発信やPRを行う「高知県観光特使」を任命しています。

一見他の広報大使と違いがないように思えますが、注目すべき点は観光特使の名刺制度です。高知県の観光特使は、名刺を県から渡されています。その名刺の裏は、なんと高知県の施設が20箇所ほど入場無料になる特別券となっているのです。中には「高知県立坂本龍馬記念館」などの観光名所なども含まれており、県外からも観光客を巻き込める仕組みになっています。

様々な人に渡すことになるだろう名刺に目をつけた、広報大使のいい活用例です。

広報大使は自治体の広報を促進させる1つの方法

今回は、広報大使の仕事や役割、具体的な事例についてご紹介しました。

より良い組織づくりや地域づくりには欠かせない広報。広報大使は自治体の広報を促進させる一つの方法です。

大切なことは、目的に沿った広報大使の活用です。自治体がなんのために、誰のために広報をやっているのかを明確にすると、自ずと広報大使の役割も見えてきます。これを機に広報大使を一つの戦略として活用してみてはいかがでしょうか。

この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE編集部

日本最大級のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営すること12年。営業、カスタマーサクセス、パートナー事業に携わるメンバーが在籍しています。広報PR担当者さまからのお問い合わせやご相談の経験を活かし、広報PR担当者さまの気づきや行動につなげられる記事を執筆しています。

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