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プレスリリースとは?意味、配信する目的と使い方を広報担当者が解説

広報PR活動に欠かせないプレスリリース。プレスリリースは、企業が自社の情報をステークホルダーに届ける重要な手段です。

本記事では、プレスリリースの定義や、配信する目的、企業にとって配信する効果やメリット、配信するときの注意点やポイントなど、プレスリリースに関する基礎知識を解説します。

目次
  1. プレスリリースとは?

  2. プレスリリースを配信する目的とは?

  3. プレスリリースと似た「ニューリリース」「広告」との違い

  4. 企業にとってプレスリリースを配信する5つの効果・メリット

  5. プレスリリースを配信するときに知っておきたい3つの注意点

  6. プレスリリースを配信するときの内容は?作成時の5つのポイント

  7. プレスリリースの効果的な使い方

  8. プレスリリースは企業活動を正しく発信する手段

  9. プレスリリース配信の意味や目的に関するQ&A

プレスリリースとは?

プレスリリースとは、企業・組織が発表する公式文書のこと

主にメディア関係者に向けて、コンテンツ制作しやすいように、一次情報や画像・動画などの素材をまとめたものです。

プレスリリースは「プレス(press/報道機関)」と「リリース(release/発表・公開)」の2つの言葉を組み合わせた造語が語源といわれています。この言葉の通り、本来はマスコミなどの報道機関に向けて企業から新しい情報を発表する「行為」を意味していましたが、現在は企業からの情報が記載された文書そのものを「プレスリリース(press release)」と呼んでいます。

「リリース(release/発表・公開)」という言葉の通り、今まで発表・公開がされていなかった新規の情報を届けることが前提です。新規の情報には、新製品・新サービス、新しいイベントやキャンペーンなどの取り組みはもちろん、新規事業や人事など企業の経営情報・組織に関する情報の発表も含まれます。

プレスリリース手元

プレスリリースを配信する目的とは?

プレスリリースを配信する主な目的は、メディア掲載につなげ、自社の認知度や信頼を向上させることです。

また、インターネットを通じメディア関係者以外もプレスリリースを自由に閲覧できるようになった現在、プレスリリースはメディア関係者だけではなく生活者に企業発の情報を伝えるツールでもあります。顧客や取引先・投資家・就職活動をしている人など、さまざまなステークホルダーへ情報を届け、購入や支援、採用につなげたり、反響をマーケティング活動に活かしたりする目的もあります。

プレスリリースと似た「ニューリリース」「広告」との違い

プレスリリースとよく混同されるものに、「ニュースリリース」や「広告」があります。この2つはプレスリリースと比べてどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの意味とプレスリリースとの違いについて簡単に紹介します。

プレスリリースとニュースリリースの違い

プレスリリースと同じような文脈で使用される「ニュースリリース」という言葉があります。

本来の言葉の意味から考えると、「プレスリリース」が文字通りプレス(=報道関係者)向けの資料であるのに対し、「ニュースリリース」は対象を絞らず広く世の中に情報発信する際に用いられるといえます。

しかし、現在では「プレスリリース」と「ニュースリリース」の内容に大きな違いはないと考えられています。詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

プレスリリースと広告の違い

プレスリリースを配信する目的のひとつは「メディアに掲載してもらうこと」ですが、メディアにお金を払って掲載してもらうわけではありません。メディアの掲載枠を購入してメッセージを発信する「広告」とは大きく異なるのです。

プレスリリースと広告の違いとして、費用、目的、関与するメディア関係者の属性、掲載内容の決定権、信頼性などが挙げられます。

以下の記事では、「広報」と「広告」の違いについて詳しく解説しています。

企業にとってプレスリリースを配信する5つの効果・メリット

ここまで、プレスリリースとは何かという基礎を解説してきました。ここからは、企業がプレスリリースを配信することで得られる5つの効果・メリットについて説明します。

下記に紹介している以外のメリットや、プレスリリース配信で実際に得られた効果の事例については、こちらの記事を参考にしてみてください。

メリット1.メディア掲載を通じ、自社や商品・サービスへの信頼性が高まる

プレスリリースを配信することで、自社の情報がメディアに掲載してもらえる可能性が高まります。メディアという第三者の客観的な視点から情報が発信されると、自社で広告を出稿するよりも信頼性の高い情報として生活者に伝わります。また、メディアに取り上げられたという実績も、自社や商品・サービスへの信頼の証となるでしょう。

メディア独自の見解や関連する情報も一緒に掲載してもらえれば、これまでアプローチできていなかったステークホルダーの関心も喚起できるかもしれません。

メリット2.ステークホルダーに企業自らの言葉で情報を届けられる

機能面だけではなく、背景の想いやストーリーといった情緒面で商品・サービスが評価されることも多い現在、企業が自らの言葉で情報を伝えることの重要性が高まっています

近年ではSNSの普及やプレスリリース配信サービスなどの活用によって、生活者が直接プレスリリースを目にすることができるようになりました。

企業にとって、メディアを介して広く情報を届けることに加え、プレスリリースで一次情報をダイレクトに発信することは、自社のファンを獲得するという点でも必要なことといえるでしょう。

メリット3.採用や協業・支援につながる

プレスリリースを通じて、自社の商品・サービスだけではないさまざまな活動や、自社の商品・サービスづくりにかける想い、今後の展望など、幅広い情報について発信できます。そのように多面的な情報を発信する中で、読み手が企業についての理解を深め、企業自体に興味を持ってくれるようになる可能性があります。

生活者が「こんな素敵な想いを持ってさまざまな取り組みをしている企業で働きたい」と思ってくれれば採用につながりますし、企業や団体が「こんな素晴らしい企業と一緒に取り組みを行いたい」と思ってくれれば協業や連携につながるでしょう。また、投資家などの目に留まり、企業や事業を支援してもらえる可能性もあります。

さまざまなステークホルダーがプレスリリースを見てくれていることを意識し、想いが伝わる誠実なプレスリリースの作成を心がけましょう。

メリット4.反響をマーケティング活動に生かせる

配信したプレスリリースがどのようなメディアにどれぐらい取り上げられたか、SNSでどのようなコメントが寄せられたか、プレスリリース配信サービス上の数値はどうであったかなど、プレスリリースの反響を確かめることで自社のマーケティング活動の参考にすることができます

例えば、「大人向けの商品のプレスリリースが、思いがけずSNS上でZ世代を中心に話題になっている」といった結果を受けて、Z世代向けの商品を新たに企画・開発するといった流れが考えられます。

プレスリリースは、重要な情報を端的に発表するための公式資料であるからこそ、メディアや生活者からストレートな反応が寄せられやすいもの。プレスリリース配信は、自社から情報を発信することであると同時に、ステークホルダーからの反応を受信する好機でもあるのです。

メリット5.広報PR活動のコストを抑えられる

プレスリリースは代表的な広報PR活動の手段ですが、必要なコストは広告やほかの広報PR施策に比べて高くありません。プレスリリースを作成し配信作業を行うリソースと、プレスリリース配信サービスを利用する場合はその料金のみ必要となります。

プレスリリースの配信後、メディアからの取材や掲載依頼が入れば、追加費用なしで大きな反響が期待できる点もメリットです。もちろん取材や掲載につながらないこともありますが、その場合もSNSや検索エンジンからプレスリリースを閲覧した生活者の間で情報は広がっていきます。

プレスリリースは、低コストで多方面への情報拡散が期待できる広報PRの手段であるといえるでしょう。

プレスリリースを配信するときに知っておきたい3つの注意点

企業や商品・サービスの認知拡大や信頼度の向上が期待できることから、プレスリリースの配信は広報PR活動において重要な役割を果たします。一方で、配信にあたって注意すべき点を押さえておくことも重要です。

注意点1.プレスリリースはただ配信すればいいわけではない

プレスリリースは配信したら終わりではありません。メディア掲載の実現に向けて、さまざまな工夫や活動を併せて行う必要があります。プレスリリースを配信するだけでも生活者やメディア関係者との接点を増やす効果がありますが、メディアに取り上げてもらえるとより多くの人に自社の情報を周知でき、大きな反響が期待できるためです。

日頃から多くのプレスリリースを受け取っているメディアの目に留まるためには、社会性や独自性など「取り上げたい」と感じてもらえる要素や、それを裏付けるデータなどを盛り込んだプレスリリースでなければなりません。

メディアがニュースとして取り上げたくなる「情報の価値(メディアフック)」を知るために、メディアフックとは?大きな2つの要素や、プレスリリースに取り入れるコツを解説を参考にしてみてください。

また、以下の記事では、配信後のプレスリリースをより効果的に活用する方法を紹介しています。プレスリリースを配信するだけで終わらせない活用方法も検討してみましょう。

注意点2.報道内容はコントロールできない

配信したプレスリリースを見たメディアが自社について取り上げてくれたとしても、それが自社の望む掲載・報道の仕方ではないこともあります。

メディアに掲載・報道される内容は、企業がお金を払って掲載権を得る広告と異なり、基本的にメディア側の判断に一任されます。企業・団体側からリクエストを伝えることはできず、メディアの解釈次第では、意図していない報道につながる可能性があるのです。プレスリリースを作成する際は、意図しない掲載・報道につながるリスクを理解したうえで、できる限り誤解を生まないような内容にすることを意識しましょう。

注意点3.各種対応が急増する可能性がある

配信したプレスリリースが多くのメディア関係者や生活者の目に留まった場合、各種対応に追われる可能性があるため、あらかじめ企業側の体制を整えておく必要があります。

例えば、以下のような事態が考えられます。

  • 問い合わせが急増する
  • 自社サイトへアクセスが集中し、サーバーがダウンする
  • 商品の生産が追い付かなくなる

問い合わせについては、社員全員が対応できるよう、マニュアルを作成したり、プレスリリースを全社に共有したりしておくとよいかもしれません。

問い合わせが埋もれてしまわないよう、メディア向けの問い合わせ窓口と顧客向けの問い合わせ窓口を分けておくことも重要です。詳しくは下記の記事を参照してください。

プレスリリースを配信するときの内容は?作成時の5つのポイント

プレスリリースを配信するときの内容には、どんな要素を盛り込み、どんなことに気を付ければよいのでしょうか。プレスリリースに記載する内容や作成時に意識すべきポイントについて説明します。

ポイント

ポイント1.5つの要素で構成する

プレスリリースには、次の5つの要素が必須となります。

①タイトル
②リード文(内容の要約)
③本文
④画像
⑤問い合わせ先

プレスリリースの詳しい書き方やテンプレートについては、以下の記事で紹介しています。

ポイント2.事実を正確に伝える

広報PRでは、商品やサービスの情報をできる限りわかりやすく、正しく伝えていくことが大切です。プレスリリースの内容に説得力を持たせるために、関連する数値やデータ、調査結果を盛り込む場合も、必ず正確な情報を記載するように注意しましょう。

抽象的な言い回しや形容詞などを使うのは好ましくありません。人によって解釈にブレが生じるためです。例えば「多くの」や「数少ない」など、具体的な数量が曖昧になる表現は避けます。「90%の方が満足した」といった表現をする際も、何に対しての割合なのか、母数を明記しましょう。

「日本一」「世界初」などの最上級表現も、客観的根拠を提示できない場合はかえって自社の信頼を損なうおそれがあります。ニュースバリューを強調するために使いたくなる表現ですが、乱用するのは控えましょう。

PR TIMESをはじめとするプレスリリース配信サービスでは、プレスリリースの表現について独自の審査基準を設けていることがあります。

(2022/6/16新設)日本初や最安値等の最上級表現

ポイント3.「起承転結+展」の構成で作成する

「起承転結+展」の構成を意識してプレスリリースを作成しましょう。要素を押さえれば、「起承転結+展」の順番通りでなくても構いません。

例えば、新製品に関するプレスリリースを配信する場合、以下のような構成が考えられます。

  • 結:結論(プレスリリースを通じて伝えたい内容の要約)
  • 起:製品の基本情報、発売する背景
  • 承:関係部署の連携過程、当初予定からの変更など制作過程のエピソード
  • 転:制作過程の失敗や難航したエピソード
  • 展:企業や製品の今後の展開や展望

以下の記事で紹介しているテンプレートも参考にしてみてください。

ポイント4.社会性やトレンド性などを表現する

多くの人の目に留まるプレスリリースには、社会性やトレンド性が盛り込まれています。注意点1で伝えたように、読み手を引き込むための「フック」を意識しましょう。また、プレスリリースを書き始める前に、プレスリリースの中で一番重要なポイントや、生活者・社会にとっての価値などを明確にすることで、他社と差別化された情報として認知してもらえる可能性が高いプレスリリースを届けられます。

プレスリリースでは事実を正確に伝える必要がありますが、あまりに淡々とした文章では自社の魅力はなかなか伝わりません。トレンド性や社会性などに加え、インパクトのある表現を用いて情報発信することも大切です。ただし、ポイント2で伝えたように誇大な表現や冗長な言い回しは避けるように注意しましょう。

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ポイント5.画像や動画を使って理解しやすくする

プレスリリースにはできる限り画像を活用するようにしましょう。画像を挿入することで、ひと目でプレスリリースの内容を理解できるだけでなく、商品やサービスの世界観を示して読み手の関心を引きつけられます。

プレスリリース内に調査結果やデータなどを記載する際は、グラフや表なども添付するとよいでしょう。

メディアにとってもプレスリリースの画像は取材・掲載の可否を判断する材料となります。十分な量の画像を盛り込むとともに、メディア関係者が活用しやすい画像サイズ、解像度を意識しましょう。

また、プレスリリースに動画を埋め込むのも有効です。動画を活用することで、商品・サービス・イベントなどの様子についてわかりやすく説明したり、経営情報などの堅い内容をより身近に感じてもらえたりする効果が期待できます。

プレスリリースの効果的な使い方

プレスリリースは、配信するだけではなく二次活用する方法も豊富です。営業資料や商品案内として活用したり、過去実績としてアワードに応募しブランディングしたりなど、さまざまな活用方法があります。

プレスリリースの配信後の活用術については、以下の記事を参考にしてください。

プレスリリースは企業活動を正しく発信する手段

本記事では、広報PR活動に欠かせないプレスリリースについて解説しました。プレスリリースは、業種業態や企業規模、設立年数を問わず着手できる広報PR活動のひとつです。

商品やサービス、自社の取り組み、想いを、ステークホルダーに届けることで、以下のようなメリットがあります。

  • メディア掲載を通じ、自社や商品・サービスへの信頼性が高まる
  • ステークホルダーに企業自らの言葉で情報を届けられる
  • 人材の採用や協業・支援につながる
  • 反響をマーケティング活動に生かせる
  • 広報PR活動のコストを抑えられる

本記事でお伝えした注意点や作成のポイントを踏まえ、「起承転結+展」を意識したプレスリリースづくりを進めてみてください。商品やサービスの魅力をあらためて深掘りでき、自社のことを俯瞰的に見るよい機会になるのではないでしょうか。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

プレスリリース配信の意味や目的に関するQ&A

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