プレスリリースの投げ込みとは?大切にすべき3つのポイントと注意点

プレスリリースの配信方法のひとつである「投げ込み」。一般的にはプレスリリースの配信サービスなどを用いてメディアへ情報発信するところを、記者クラブへ直接情報を届ける方法です。この記事では、投げ込みを行う際に大切な3つのポイントと注意点を解説します。

※新型コロナウイルス感染拡大の影響で、会見や投げ込みが一部制限されている場合があります。投げ込みを行う前に必ず記者クラブに問い合わせ、指定された対応に従ってください。

プレスリリースの「投げ込み」とは?

「投げ込み」は、広報の業界用語です。企業や行政、団体・個人などのプレスリリースの作り手から、記者クラブへ直接プレスリリースを持ち込むこと意味しています。

投げ込みを行えば、プレスリリースの配信サービスなどで不特定多数に情報をばら撒いた場合よりも、メディアに取り上げてもらえる確率が高まる可能性があります。また、一度の投げ込みで複数の新聞社・テレビ局の担当者にプレスリリースを届けられることもメリットです。

ただし、プレスリリースの配信サービスやメールを用いてリリース情報を送る場合とは情報提供の方法が異なるため、注意が必要です。

投げ込みをする先の「記者クラブ」とは?

記者クラブとは、新聞社や放送局などの記者によって構成される任意的な組織のこと。各省庁・政党・行政機関、警察や消防などの公的機関、東京証券取引所や商工会議所などの業界団体内に設置されています。設置された団体の継続的な取材と、各所に関連する情報の収集、報道記事の執筆を担当しています。

記者クラブの種類

記者クラブは、官公庁や政党、業界・経済団体に紐づく形で設置されています。

・官公庁関連の記者クラブ
→国会記者会館内の「衆議院記者クラブ」、総理大臣官邸内の「永田クラブ」、日本銀行内の「日銀クラブ」、裁判所の「司法記者クラブ」など

・政党関連の記者クラブ
→自民党本部内および衆議院内にあり自民党や公明党を取材する「平河クラブ」、国会議事堂の衆議院内にあり立憲民主党や日本共産党を取材する「野党クラブ」など

・業界・経済団体関連の記者クラブ
→日本鉄鋼連盟内にある「重工業研究会(重工クラブ)」、繊維・製紙業界に特化した「本石繊維会」など

記者クラブの一覧および連絡先は、日本パブリック・リレーションズ協会が出版する『広報・マスコミハンドブック』などで確認しましょう。

都会と地方の記者クラブの違い

官公庁などが集中する大都市の記者クラブに目が行きがちですが、記者クラブは大都市か地方かを問わず全国に存在します。記者クラブの基本的な役割も大都市と地方で違いはなく、ほぼ同じだと考えて良いでしょう。

ただ、記者クラブが得られる情報の量は、その所在地によって差がありす。イベントなどの開催地やビジネスのメインステージはどうしても大都市に偏ってしまうもの。地方の記者クラブに届くプレスリリースの量は、大都市よりも少なくなりがちです。逆に言えば、大都市よりも地方の記者クラブの方が、プレスリリースが記者の目に留まる確率は高いかもしれません。

プレスリリースの投げ込みするメリット

プレスリリースの投げ込みには、2つのメリットがあります。1つ目は、普段なら関わりが持てない報道陣と接点が持てること。そして、2つ目は記者が取材する情報の分野が定まっているため広報担当者がアプローチしやすいことです。

通常の広報活動で接点を持つ記者の多くは、「政治」「旅行」などの広いカテゴリで取材のネタを集めています。一方、記者クラブに所属する記者は、「政治」「旅行」などのカテゴリからもう一歩踏み込んで、自身の記者クラブが配置されている機関や関連する社会の動きに特化した情報を取材しています。

そのため、記者クラブへアプローチすることは、すなわち通常では接点を持てない記者ともリレーションを構築できることを意味します。また、記者が求める情報が所属する記者クラブによって分かるため、広報担当者としては記者の興味関心に合わせたアプローチがしやすくなります。

記者クラブに投げ込みをするのに向いているプレスリリース

記者クラブへの投げ込みで効果を出したいなら、社会的・地域的な意義がある、あるいは公共性が高いプレスリリースがおすすめです。

ここまでの説明の通り、記者クラブは官公庁などに紐づく組織です。世の中に必要な情報を届けることが記者のミッションなので、営利目的で自社の新製品・サービス等のプレスリリースを投げ込みしても大きな効果は望めないでしょう。また、そもそも投げ込みを受け付けてもらえない場合もあるので、注意してください。

【投げ込みに向いているプレスリリースの例】

  • 社会貢献性のあるイベント
  • 地域活性に役立つ活動
  • 地域の特産品を用いた商品開発
  • 社会の課題解決になる活動

参考:
https://ca-news.biz/3938
https://frontier-pr.jp/7627.html

プレスリリースを投げ込みする具体的な3つのステップ

では、プレスリリースの投げ込みはどんな手順で進めるのでしょうか。ここでは、投げ込みまでの3つのステップをご紹介します。

STEP1.記者クラブに連絡をする

1つ目のステップは、記者クラブへの電話連絡。中には事前連絡なしで投げ込みを受け付けている記者クラブもありますが、投げ込み方法や日時の確認のためにも、まずは電話を一本入れておくと確実です。

電話連絡には、(1)記者クラブに直接架電する方法、(2)記者クラブの幹事機関の代表電話に架電する方法があります。(2)の場合は、プレスリリースの投げ込みのために電話を記者クラブに回してもらうよう依頼してください。電話応対は所属記者が持ち回りで担当していることもあります。多忙な中で電話を取っているので、用件は端的に伝えることを意識してください。

先にもご説明したように、全てのプレスリリースを投げ込み出来るわけではありません。ただの宣伝のためのプレスリリースは、投げ込みを受け付けてもらえない可能性もあります。電話口でプレスリリースの内容について尋ねられる場合に備え、社会性や公共性といったポイントを押さえて簡潔に内容を説明できるようにしておくのも良いでしょう。

STEP2.投げ込み方法・必要な部数を確認する

2つ目のステップでは、具体的な投げ込みの方法と必要なプレスリリースの部数を確認します。電話口でヒアリングした方法に従って、ルールを守って投げ込みを行いましょう。

投げ込みの方法は所属機関によって様々で、記者クラブ内の専用ポストに投函する場合もあれば、受付で事務員に渡す場合もあります。そして、投げ込み方法と併せてプレスリリースの必要部数も確認してください。所属記者の人数分なのか、一部のみで良いのかは記者クラブによって異なります。

また、投げ込みの受付時間も必ず確認しておきたいポイントです。受付時間外に訪問して徒労に終わる可能性もあるので、注意してください。

STEP3.プレスリリースを記者クラブに持参する

最後に、STEP2で確認した方法と日時に則って、記者クラブにプレスリリースを持参します。

当日は投げ込みだけを行って帰ることも出来ます。しかし、せっかく記者クラブに出向くのであれば記者の方々に挨拶まわりをしたり、名刺交換をしてみるのもリレーション構築のための手です。

ただし、挨拶まわりを禁止している記者クラブもあるので、事前の電話か当日の受付で許可を取ってから行動してください

プレスリリースを投げ込みするときの2つのポイント

記者クラブへのプレスリリースの投げ込みには、ポイントが2つあります。投げ込みは、配信サービスやメールを用いた配信とは異なる特殊な配信方法です。投げ込みの前に、必ず次にご紹介するポイントを確認しましょう。

1.社会性・公共性が高く、投げ込み先に関連する情報のみを届ける

記者クラブは、その大半が公的な情報発信の機能を担う組織です。官公庁、政党、業界・経済団体に設置されていることからも分かるように、社会性や公共性が高いプレスリリースやその機関と関連した情報を扱うことが前提の組織なのです。

営利目的のプレスリリースの投げ込みでは大きな効果が期待できないことが多いですし、そもそも投げ込みを受け付けてもらえない場合もあります。

投げ込みには、社会的・地域的な意義がある、公共性が高い、所属機関に関連する内容のプレスリリースを用意してください

2.名刺や企業情報などの補足資料もセットで投げ込むと親切

記者クラブでの投げ込みの際、必ずしも記者と面会できる機会があるとは限りません。指定のボックスに投函するだけで誰にも会えないこともしばしばあります。また、せっかくプレスリリースの内容に興味を持っても、企業情報が分からないため問い合わせづらいと感じる記者もいるかもしれません。

投げ込みの際、プレスリリースと合わせて会社案内や広報担当者の名刺などの補足資料もセットにすると親切でしょう。補足資料のボリュームはペラ1程度が適切です。

プレスリリースを投げ込みするときの3つの注意点

プレスリリースの投げ込みでは、ルールの遵守や情報格差の防止などの注意事項があります。最悪の場合にはブラックリスト入りしてしまう可能性もゼロではないので、次にご紹介する3つのルールは必ず守るようにしましょう。

1.間違った方法を取るとブラックリストに追加されることもある

記者クラブへのプレスリリースの投げ込みでは、従うべき手順や方法があります。誤った方法で投げ込みをすると、ブラックリストに追加されてしまう恐れもあります。細心の注意を払って投げ込みしてください。

配信サイトやメールによる配信では数多くあるプレスリリリースの中に埋もれてしまいがち。一方、投げ込みには記者の方々に届きやすく、目を通してもらえる確率が高いというメリットがあります。しかし、投げ込みの方法を誤ればメリットはデメリットに一転します。

むやみやたらに投げ込みするのではなく、プレスリリースの内容と投げ込み先の記者の親和性にも配慮しましょう

2.宣伝や広告の持ち込みはしない

こちらの記事でも解説しているように、「プレスリリリース」と「広告」は全く異なるものです。

最も大きな違いは、情報の露出可否と内容を誰がコントロールするか。広告の場合は広告主が露出可否も内容も自由にコントロールできるのに対して、プレスリリリースの場合は露出可否と内容をコントロールするのはメディア側です。そして、露出可否と内容のジャッジでは、メディア側が読者や視聴者にその情報を届ける意義があるかが重要な要素になります。

特に記者クラブに所属する記者であれば、社会性や公共性、所属機関との関連性を重視して情報を取捨選択するため、ただの営利目的の宣伝などは選ばれにくいのです。宣伝の類のプレスリリースは投げ込みしないよう注意してください

3.記者クラブやメディアによる情報格差

複数の記者クラブへ同一のプレスリリリースを投げ込む場合もあるでしょう。その場合には、プレスリリースに掲載する情報と発信するタイミングは統一することが基本です。記者クラブAに渡した情報を記者クラブBには渡さない、新聞社とテレビ局でタイミングを変えるなど、情報格差を生じさせないよう注意してください。

ただし、記者クラブや記者ごとにコミュニケーションの方法を変えたり、伝える情報の優先度を変えたりするのは自然なことです。広報担当者として、よりよいメディアリレーションを築けるよう積極的に工夫してみてください。

プレスリリースの投げ込み例

ここまで、プレスリリースの投げ込みのポイントや注意事項をご紹介してきました。では、いざ投げ込みを実行に移す時、他にどんな準備が必要でしょうか。スケジュールや費用など3つの準備を解説します。その時になって慌てることがないよう、十分に備えてくださいね。

投げ込みをするためのスケジュール

少しでも露出のチャンスを増やすため、投げ込みにおけるスケジュール設計はとても重要です。

例えば、新聞の紙面では「週に1回」「月に1回」程度のペースでしか設けられないコーナーも多くあります。入稿締め切りもあるので、あまりに直前に情報が届いても、掲載に間に合わない可能性もあります。イベントのお知らせなどは、開催の1ヶ月前には投げ込み完了していると良いでしょう。

また、投げ込みにはおすすめのタイミングと可能なら避けた方が良いタイミングがあります。相手の目線に立ち、都合の良さそうなタイミングを検討してみてください。

【おすすめのタイミング】新聞社の夕刊の締め切り後、ランチ後となる午後2〜3時頃
【避けた方が良いタイミング】官公庁の発表が多い金曜日

※投げ込みが出来る日時は記者クラブによって異なります。事前に必ず電話で確認してください。

参考:https://ca-news.biz/3938

投げ込みのために準備するもの

投げ込みするプレスリリースそのものはもちろんですが、補足資料を用意しても良いでしょう。補足資料は、プレスリリースに関連する写真や会社案内、広報担当者の名刺などです。その他、必要に応じてクリアファイルやクリップ、筆記用具などの備品も役に立つかもしれません。補足資料を用意する際には、当該の記者クラブの投げ込みルールに違反しないよう注意してください。

投げ込みするための費用

記者クラブへの投げ込みでは、大きな費用は生じないことがほとんとです。プレスリリースの印刷代と交通費があれば事足りると思って良いでしょう。

ただし、費用が掛からないのをいいことに意味のない投げ込みを行わないよう注意してください。記者が求めているのは、あくまで社会的に意義のあるニュースです

プレスリリースの内容に沿った機関に投げ込みを

広報担当になったら、記者クラブへの投げ込みは一度は経験してみたいもの。

ただ、ここまでお伝えしてきたように、どんなプレスリリースでも投げ込めるわけではありません。官公庁との共催プロジェクトなら官公庁の記者クラブに、業界に関する取り組みなら業界団体に、地域ネタはその地域の記者クラブに、といった形で、プレスリリースの内容と投げ込み先を一致させることを心掛けましょう

記者クラブによって雰囲気や方法は異なります。訪問先のルールに従い、準備を万全にした上で投げ込みに行ってみてくださいね。

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PR TIMES MAGAZINE編集部

株式会社PR TIMESのカスタマーサクセス、社内広報、社外広報、イベント運営など8年以上広報PRと向き合うメンバーが在籍しています。日本最大のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営すること12年。さまざまな広報担当者からのお問い合わせやPRのご相談への対応経験を活かし、すべての広報PRパーソンに捧げるノウハウ記事を執筆中

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