記者クラブとはどんな組織?活用方法や投げ込みの仕組みを解説

記者クラブという組織を聞いたことがあるでしょうか。「なんとなく言葉は知っているけれど……」という方は多いかと思います。詳しくどんな組織なのか、その仕組みまで知っているという方は少ないかもしれませんね。

そこで本記事では、記者クラブとはどんな組織なのか、その種類や活用方法、投げ込みの仕組みなどについてまとめてご紹介します。

記者クラブとはどんな組織なの?

記者クラブとは、公的機関や業界団体などの各組織を継続して取材することを目的として、大手メディアが中心となって構成されている任意組織のことです。

新聞社や放送局などの記者によって構成されており、各省庁・政党・行政機関、警察や消防などの公的機関、東京証券取引所や商工会議所などの業界団体内に設置されています。

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記者クラブの種類

では、記者クラブには具体的にどのような種類があるのでしょうか。

1. 官公庁関連の記者クラブ

まず1つ大きく分類されるのは、官公庁関連の記者クラブが挙げられます。

【官公庁関連の記者クラブ例】

  • 国会記者会館内の「衆議院記者クラブ」
  • 総理大臣官邸内の「永田クラブ」
  • 日本銀行内の「日銀クラブ」
  • 裁判所の「司法記者クラブ」
  • 経済関連記者の「経済研究会」など

2. 政党関連の記者クラブ

2つ目は、政党関連の記者クラブです。

【政党関連の記者クラブ例】

  • 自民党本部内および衆議院内にあり自民党や公明党を取材する「平河クラブ」
  • 国会議事堂の衆議院内にあり立憲民主党や日本共産党を取材する「野党クラブ」
  • 国会議事堂の衆議院内にある、在京テレビ局6社、ニュース映画社5社が加盟している「映放クラブ」など

3. 業界・経済団体関連の記者クラブ

3つ目は、業界・経済団体関連の記者クラブです。

【業界・経済団体関連の記者クラブ例】

  • 日本鉄鋼連盟内にある「重工業研究会(重工クラブ)」
  • 繊維・製紙業界に特化した「本石繊維会」
  • 東京証券取引所内に設置された「兜倶楽部」など

記者クラブの特徴・メリット

では、記者クラブにはどのような特徴やメリットがあるのでしょうか。

そもそも、これまでの歴史の上で、情報発表に消極的な公的機関に対して、記者クラブが記者会見を求めることで実現させてきたという事例があります。つまり、「言論・報道の自由」と、国民の知る権利のために培われてきた仕組みであると言えるでしょう

加盟しているニュース・メディアにとっては、公権力や政治家の取材拒否に対しても、個人ではなく、団体として当たれるというメリットがあります。また、組織としての取材機能を備えており、情報源からのレクチャーや資料配布の窓口となることで、ニュースやメディアにとっても迅速に報道ができる効率的なシステムだと言えるでしょう。

記者クラブは、公的組織と国民をつなぐ「コミュニケーション回路」としての役割を担う組織であるともいえます。

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記者クラブの歴史

では、現在の記者クラブのような形に至るまで、どのような歴史があったのでしょうか。

日本の記者クラブの歴史は、明治時代にまで遡ります。1890年に第1回帝国議会が開催されましたが、議会側は新聞記者取材禁止の方針を示しました。それに対し、「時事新報」も記者は在京各社の議会担当に呼びかけ「議会出入記者団」を結成し、取材用傍聴席の確保や議事筆記の作成で協力を図ったのが始まりです。大正時代に入ると本格的な記者クラブがつくられ、昭和初期までに取材の自由を勝ち取っていきました。

1997年には、日本新聞協会は記者クラブを「公的機関が保有する情報へのアクセスを容易にする『取材のための拠点』」と改め、2009年、政権交代が起きて以降、記者会見オープン化が徐々に行われています。

記者クラブへの「投げ込み」とは

プレスリリースの「投げ込み」という言葉を聞いたことはないでしょうか。「投げ込み」は、広報の業界用語で、企業や行政、団体・個人などのプレスリリースの作り手から、記者クラブへ直接プレスリリースを持ち込むこと意味しています

投げ込みを行うことで、プレスリリースの配信サービスなどで不特定多数に情報をばら撒くよりも、メディアに取り上げてもらえる可能性が高まるというメリットがあります。また、一度の投げ込みで複数の新聞社・テレビ局の担当者にプレスリリースを届けられることもメリットです。

投げ込みの方法

投げ込みは、プレスリリースの配信サービスやメールを用いてリリース情報を送る場合とは情報提供の方法が異なります。

投げ込みを行う際には、まず記者クラブへ電話連絡をし、投げ込み方法や日時を確認しましょう。ただし、全てのプレスリリースを投げ込み出来るわけではありません。ただの宣伝のためのプレスリリースは、投げ込みを受け付けてもらえない可能性もあります。電話口ではプレスリリースの内容について、社会性や公共性といったポイントを押さえて簡潔に内容を説明できるようにしておくと良いでしょう。

投げ込みの方法は所属機関によってさまざまで、記者クラブ内の専用ポストに投函する場合もあれば、受付で事務員に渡す場合もあります。また、投げ込み方法と併せてプレスリリースの必要部数も確認しましょう。

その後は、確認した方法と日時に則って、記者クラブにプレスリリースを持参します。

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投げ込みの注意点

プレスリリースであればなんでも投げ込めるわけではありません。官公庁との共催プロジェクトなら官公庁の記者クラブに、業界に関する取り組みなら業界団体に、といったように、プレスリリースの内容と投げ込み先を一致させる必要があります。また、記者クラブによって雰囲気や方法も異なるため、訪問先のルールに従い投げ込みを行いましょう。

記者クラブの活用方法

最後に、記者クラブの活用方法についてご紹介します。

1.  社会的意義のあるプレスリリースを投げ込む

記者クラブへの投げ込みで効果を出したい場合、社会的意義がある、あるいは公共性が高いプレスリリースがおすすめです

そもそも記者クラブは、その大半が公的な情報発信の機能を担う組織です。そのため、社会性や公共性が高いプレスリリースやその機関と関連した情報を扱うことが前提の組織。だからこそ、営利目的のプレスリリースの投げ込みでは大きな効果が期待できず、そもそも投げ込みを受け付けてもらえない場合もあります。

記者クラブをうまく活用するのであれば、社会的意義のあるプレスリリースの投げ込みを行いましょう。

プレスリリースイメージ

2.該当機関に関連するプレスリリースを投げ込む

上述の記者クラブの種類で述べたように、記者クラブにはそれぞれの担当部門があります。

例えば、株価に関連する上場企業の取り組みなら「兜クラブ」、都庁との取り組みであれば都庁の記者クラブに持っていくなどが考えられます。

記者クラブにプレスリリースの投げ込みを行うのであれば、内容に即した記者クラブ持っていくことが重要です。

3.地域活性に関連するプレスリリースを投げ込む

先ほども少し触れましたが、ただの商品やサービスのお知らせのプレスリリースは、記者クラブでは受け付けてもらいにくい傾向にあります。営利企業の宣伝を、記者はとても嫌うためです。

記者クラブにプレスリリースを投げ込むのであれば、例えば社会貢献性のあるイベント、地域活動のお知らせ、地域の特産品を用いた商品開発というような、地域活性に関連する内容であることが望ましいでしょう。

記者クラブを通じて世の中に伝わる情報は多い

本記事では、記者クラブとはどんな組織なのか、その種類や活用方法、投げ込みの仕組みなどについてまとめてご紹介しました。

現代は、誰もが情報を発信できるインターネット時代になりましたが、それでもニュースリリースや共同会見など、記者クラブを通じて世の中に伝わる情報は多くあります。

だからこそ、記者クラブの仕組みや特徴を理解した上で、うまく活用し、記者クラブへの投げ込みを利用してみましょう。

この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE編集部

日本最大級のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営すること12年。営業、カスタマーサクセス、パートナー事業に携わるメンバーが在籍しています。広報PR担当者さまからのお問い合わせやご相談の経験を活かし、広報PR担当者さまの気づきや行動につなげられる記事を執筆しています。

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