メディア関係者の元には、日々大量のプレスリリースが届きます。広報担当者が一生懸命書いたプレスリリースであっても、多忙なメディア関係者にそれらすべてを読む時間はありません。とはいえ、見ずに捨ててしまうわけでもないのです。
2~3秒でプレスリリースのタイトルとリード文にざっと目を通し、全文を読むに値するかを判断しているのです。「リード文」はプレスリリース全体の要約であるとともに、プレスリリースの要ともいえるでしょう。本記事では、リード文の分量・文字数の目安や、読まれるリード文を書くための5つのポイントを紹介します。
プレスリリースでリード文はなぜ重要なの?
メディア関係者がタイトルを見てプレスリリースに関心を持った場合、タイトルの次に読まれるのがリード文です。リード文にはプレスリリース全体の要約が記載されているのに、全文を読む必要があるかどうかを判断するため、最初に読まれる箇所なのです。
リード文に書かれた内容がメディア関係者にとって面白いと感じるものであれば、取材先候補として記憶に留めてもらうことができるでしょう。一方、リード部分の1文目で興味を持ってもらえなければ、そのまま捨てられてしまうこともあります。
これはメディア関係者にとってのプレスリリースに限った話ではありません。皆さんがネットニュースなどを見る際も、まずはタイトルに誘われて記事をクリックし、その後リード文にざっと目を通してから全文を読むかどうか判断することが多いのではないでしょうか。それほどにリード文は、文章の導入として重要な役割を持ったパーツなのです。
プレスリリースのリード文の分量・文字数の目安は?
一般的に、プレスリリースのリード文の分量は1~3文が目安といわれています。2~3秒でざっと斜め読みできる分量を意識しましょう。また、リード文の理想の目安は250~300字程度、最大400字以内です。読み手が素早く情報を理解できる量に留めることがポイントです。以下の例では、リード文は2文で構成されており、333文字となっています。
なお、たどってほしいリンクがある場合は、リード文に挿入することも可能です。URLの挿入についてはこちらの記事で紹介しています。
プレスリリースのリード文を書くときの5つのポイント
ここからは、プレスリリースのリード文を書くときのポイント5つを詳しく解説していきます。
1.5W2H(+展望)を盛り込む
リード文の中には5W2Hの要素を漏れなく記載しましょう。加えて、「展望」を盛り込むと情報に深みが増します。
5W2Hは以下の項目で、これらが整理されている文章は、必要な情報が一目で把握できます。
【リード文の5W2H】
Who:誰が(主体・対象)
What:何を(取り組み内容)
Where:どこで(実施場所)
When:いつ(開始日や実施期間)
Why:どうして(背景や目的)
How:どのように(特徴など)
How much:どのくらい(金額や数量)
5W2Hを盛り込むことで、読み手が一目で理解しやすいプレスリリースとなるでしょう。中でも日付・金額・サイズなどの「数字」、サービス名・社名・地名などの「固有名詞」は、誤りがないように注意します。プレスリリース配信前に複数の担当者でダブルチェックするか、複数回確認しましょう。
2.具体的な数字を入れる
先述のようにプレスリリースのリード文に5W2Hを入れる過程で「When(いつ・開始日や実施期間)」「How much(どのくらい・金額や数量)」などの部分に具体的な数字を記載することが大切です。さらに、製品の性能などを裏付けるデータ、市場規模などの数字があるとプレスリリースは説得力がアップします。数字やデータは客観的な情報なので、できるだけふんだんに盛り込みましょう。
たとえ具体的な数字が提示できなかったとしても、表現の工夫次第でプレスリリースの印象は大きく変わります。読み手により説得力を持って伝わるよう、リード文を推敲しましょう。
【新製品のアピールポイントを明確にした書き方の例】
×「使いやすくなった〇〇(製品名)」
○「独自の〇〇技術で〇〇部分を改良した〇〇(製品名)」
3.リード文だけでプレスリリース概要が理解できるように書く
多忙なメディア関係者がパッと目を通すだけで、プレスリリースの概要が理解可能なリード文を作成しましょう。メディア関係者は、まずタイトルを見て興味を持ち、リード文をざっと斜め読みしてから、全文を読むべきプレスリリースかどうかを判断する傾向があります。
商品やサービスなどの詳細、創業からの熱い想いなどのストーリー的要素はリード文ではなく、本文に書けばよいものです。リード文には、客観的かつ具体的な情報のみを記載するという意識を持ちましょう。
4.形容詞や曖昧な表現・専門用語の使用を避ける
形容詞や曖昧な表現・専門用語の使用は避けましょう。
「新しい」「素晴らしい」「美しい」などの形容詞は、個人によって価値観や尺度が異なります。ある人にとっては「新しい」と感じるものが他の人にとっては古かったり、美しさの価値観もまちまちだったりします。こうした形容詞で製品・サービスを表現してしまう一番のリスクは、人によって受け止め方が異なることです。あらゆる人に公平に情報を伝えるプレスリリースでは、多様な解釈を許してしまう形容詞は避けましょう。
形容詞は避けて事実を、また「多い」「少ない」という表現を使うときは数値や比較対象を並べて書くことで、客観性を付与しましょう。プレスリリースをチェックしながら、より具体的な表現ができないか考えてみましょう。
【形容詞や曖昧な表現の書き換え例】
「多くの」→「〇万台」「〇億個」「〇千人」
「歴史ある」→「創業〇年の」
「使いやすい〇〇(製品名)」→「〇〇のしやすさ当社比〇%アップの〇〇(製品名)」
「大人気の〇〇(製品名)」→「〇万人のユーザーの意見を基に開発した〇〇(製品名)」
数字やデータを記載することでより説得力のあるプレスリリースになります。
次に、専門用語の使用についてです。業界内では多用されるものの一般的には認知度の低い単語=専門用語はなるべく使わないように注意しましょう。
プレスリリースのリード文にとって重要なのは、リード文だけを読んでプレスリリース全体の内容が把握できる簡潔さです。専門用語は、読み手が内容を理解するために時間を要します。どうしても代わる言葉がない場合を除き、極力使用しないようにしましょう。
5.1~3文かつ最大400字以内にまとまるよう削ぎ落とす
プレスリリースのリード文は、1~3文かつ、250~300字程度を理想の目安とし、最大400字以内にまとめるように工夫しましょう。例えば「〇〇することができます」を「〇〇が可能です」とすると、4文字少ない表現になります。最初から400字以内を目指すよりも、多めに肉付けした文章を削ぎ落とす作業を経ることで、内容の詰まった文章になりやすいです。簡潔なリード文にしましょう。
なお、プレスリリース全体の基本的な構成については、こちらの記事で解説しています。
簡潔で具体的なリード文で興味を引くプレスリリースにしよう
本記事では、プレスリリースのリード文の重要性と、リード文を書くときの5つのポイントを紹介しました。リード文はタイトルで興味を引いた後にまず読まれる箇所です。プレスリリース全文を読んでもらえるかどうかはリード文にかかっているといっても過言ではありません。
リード文だけで、プレスリリース全体の概要が理解できるように書くことがポイントです。自分一人で何度も読み返していると考えが凝り固まってしまいがちなため、他の人に読んでもらって、助言を仰いでもよいですね。
必要最低限の情報を具体的に記載し、余分な言い回しを削ぎ落とした簡潔な表現を意識して、わかりやすいリード文を書いてみましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
プレスリリースのリード文作成に関するQ&A
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