過去のPR TIMES上で配信されたプレスリリースの動向を振り返り、紐解いていく月間PR TIMESプレスリリースウォッチ総評のコーナーです。
今回は、昨年の2019年3月に配信されたプレスリリースをもとに2020年3月のプレスリリース配信に役立つ情報やノウハウを見つけていきたいと思います。春先に向けてプレスリリースの配信を検討している方も話題のきっかけを探している方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2019年3月のトレンド振り返り総評
2月の厳しい寒さも過ぎ、少しずつ暖かな春の兆しが見えてくる3月。卒業や入学、入社など環境の変化が出てくるタイミングでもあります。気温の上昇とともに市場の景色も華やぎ、企業の動きも活発になりやすい時期といえるでしょう。
また、春休みも重なり、イベントや催事など生活者にかかわりの深いプレスリリースがグッと増えてくる月でもありますね。昨年の2019年3月でも、2月からの変化としてお花見や春のイベントに関するプレスリリースが増えていました。
今年は新型コロナウイルスの影響拡大が心配されますが、本格的な春の到来に向けて催事以外にも新体制・新生活を発表するような他社のプレスリリースの配信も増えていきますので、配信のタイミングや内容を十分に検討していくのがポイントと言えそうです。
(PR TIMES編集部)
1年前のPR TIMESにみる3月のプレスリリース配信タイミング
2019年のプレスリリース配信数の推移から、2020年同月の配信タイミングのヒントとなりそうな動向をピックアップし、考察していきます。プレスリリース配信数に関する2019年3月の注目ポイントは以下の5点でした。
デイリー最多は月初の1日(金)で、生活者に向けた新商品発売や企業の新たな動向など市場が動くタイミングにあわせてプレスリリースの配信も多くなっていました。
PR TIMESでは年間を通じて、月初だけでなく月末も配信数が伸びるのですが、2019年3月の月末(31日)は日曜日。通常の土日の平均配信数よりも多く、また前週の28日(木)や29日(金)の配信数にも若干の伸びが見られました。これは、メディアや生活者の動きに合わせて、配信を早めた各社の動きもあったのかもしれません。
祝日の多い月は配信数をチェック
2019年3月21日(木)は祝日のため配信本数が大きく減少しました。祝日と土曜日に挟まれる形となった22日(金)は同月内の他金曜日に比べても配信数がやや抑えられています。その影響もあってか、祝前日の20日(水)はデイリーの次点で配信本数が多くなりました。
祝日がある月のプレスリリース配信は、前後の日程も加味してタイミングを決定できると良いですね。
特に3月は翌月に向けたプレスリリースが増加
プレスリリースの分類にも注目してみると、デイリー最多となった3月1日のプレスリリースのうち、4本に1本は「発売」や「開始」など新たな商材やサービスに関する内容でした。
さらに、最終週となる25日~29日に配信されたプレスリリースの約10本に1本はタイトルに「4月」というワードが含まれている結果に。これは3月に配信されたプレスリリースの40%を割合的に占めていることになります。
月末には翌月の情報が多く含まれてくる傾向にありますが、特に3月のラスト1週間は4月を見越したプレスリリースが多い傾向がうかがえますね。
2019年3月に注目を集めたプレスリリースピックアップ
2019年3月当時、パソコンもしくはスマートフォンでPV数が上位だったプレスリリースの中から、PR TIMES MAGAZINE編集部が独自にPick Up!プレスリリース事例から見る一言ノウハウについて、解説していきます。
ベネリック株式会社のプレスリリース事例
「NHKで大人気放送中の「チコちゃんに叱られる!」物販イベント「チコちゃんフェスティバル」続報!3月15日(金)より東京駅一番街いちばんプラザにて」
まずは「ボーっと生きてんじゃねーよ!」の台詞でおなじみの「チコちゃん」が出演するNHK番組「チコちゃんに叱られる!」に関連した期間限定の物販イベント開催告知のプレスリリースです。
こちらはパソコン、スマートフォンともに高いPV数を獲得していたためピックアップ。内容が簡潔にまとめられ、イベントのメインであるグッズの画像もしっかりと揃えられており、情報が整理された見やすいプレスリリース例です。
<事例から見る一言ノウハウ>
キャラクターグッズの期間限定販売は似たような企画も多く、キャラクター自体の認知度も重要ではありますが、このプレスリリースはキーワードが豊富に登録されていたのがポイントと言えるでしょう。
キャラクター名はもちろん「イベント」「期間限定」などメディア関係者が探していそうなワードもしっかり押さえられています。メイン画像がテキストを除外した横長サイズだとより良いですね。
いちから株式会社のプレスリリース事例
エンターテイメント系スタートアップ企業が運営し、多種多様なインフルエンサーが所属するバーチャルライバーグループ『にじさんじ』。グッズ販売に関する情報や新メンバーのデビューリリースまで豊富な話題を定期的にプレスリリースで読み手に届け、毎回高い注目を集めています。
特に2019年3月に配信された新メンバーデビューのプレスリリースは、ファンからも驚きを持って受け止められたニュース。動きがない2月から、3月に入り立て続けに2本のプレスリリースが配信されたため、SNSで話題を多く集めたと推測されます。
<事例から見る一言ノウハウ>
話題の波を作りたいタイミングがある場合は、自社サービスのファン層が強く反応しそうな内容を近い時期に連続して発表するというやり方がありそうです。
様々な取り組みを定期的に都度配信しつつ、ここぞというタイミングではしっかりと配信タイミングを見計らうことで、複数のプレスリリースを活用したより大きな影響力が生み出せるでしょう。
定期的な情報配信を欠かさず、様々な企画が展開されていることが伝われば「PRが活発だから注目してみようかな」と考えるメディア関係者もいるかもしれません。都度定期的に配信されるプレスリリースも内容がすっきりと整理され、簡潔に情報が伝わるものとなっていることで、どのプレスリリースに目を通しても全貌がしっかりと伝わるのがポイント。
継続的にプレスリリースを配信することが重要だといえる好事例ですね。
一般社団法人 日本損害保険協会 のプレスリリース事例
こちらは日本損害保険協会が「アウトドアフェス」に出展した事後レポートのプレスリリースです。一見すると関連性のなさそうな「地震」と「謎解き」のキーワードが並べられることで、つい目を留めて意味を考えてしまうようなフレーズになっています。
プレスリリースのタイトルは「読んでみたい!」と思わせることが大切です。今回のプレスリリースは、端的ですがユニークなタイトルの例ではないでしょうか。
このような事後レポートは、時間が経過してからプレスリリースとして情報を配信することもあるので、開催中からイベントの様子を撮影するなど素材を確保しておくことも大切ですね。
<事例から見る一言ノウハウ>
タイトルのインパクトもさながら、PV数の高さの要因として考えられる一要素に配信タイミングが良かったというものがあります。イベント自体は土日開催でしたが、このプレスリリースは週明け月曜でなく、中1日開けた火曜日に配信されました。
これは週末分の対応によって記者や編集者のネタ収集・記事執筆の動きが重くなりやすい月曜日を外し、火曜日を配信日とした好例です。
2019年3月はPR TIMESのデイリーPV数が約4ヶ月ぶりに更新されました
2019年3月19日(火)はPR TIMESでデイリーのPV数が過去最高を更新した日でもありました。この要因としては、年度スタートである4月に向け、新生活や新環境に関連した情報が徐々に増えてくるタイミングだったことが挙げられます。
加えて、昨年は新年号の発表といった特別なトピックスもあり、「平成最後」や「新元号予想」などに関連したプレスリリースも非常に盛んでした。
デイリーPVが更新されたのは3月ですが、PR TIMES上のプレスリリースは検索からの流入で過去のものもよく読まれています。「時代の節目」を迎えようとしている社会全体の機運も後押しとなり、企業の一次情報である様々なプレスリリースが注目された時期でした。
2020年3月のトレンド予測
3月は出会いと別れの季節。春を象徴する卒業や入学、引越し、新生活などわたしたちの生活にも大きく影響するようなプレスリリースが例年にならって増えるでしょう。
しかしながら、拡大が懸念される新型コロナウイルスの影響で、平時通りにイベントを行うことは難しくなりました。多くのイベントが中止や延期の対応を余儀なくされ、外食産業や、レジャー産業は大きな打撃を受けています。
これから盛んになるはずの春休みに開催するイベント情報や、お花見、イースターなどは縮小傾向にあるかもしれません。このような社会情勢下では、準備してきたプレスリリースも、適切な発信になるかどうかを改めて見直す必要があるといえます。
一方で、いち早くこの経済不安を抜け出そうと、多くの企業が事業を通じて社会全体のためにできることを思案し、その取り組みに関する発表をおこなっています。社会が上向きに変化するタイミングを誰も予測できないからこそ、政府からの発表、そして社会の動向にアンテナを高く立て、自社の経営判断をいち早く、適切に発信するための「機動力」が重要となりそうです。
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【2020年3月版】広報PRトレンドウォッチ!春へと続く生活者の需要をキャッチ
<編集/鈴木 碩子>
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