11月3日は国民の祝日「文化の日」です。「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」として1948年に制定されました。
この日は美術館が入館無料になるなど、多様な文化を感じられる企画が開催されています。しかし馴染み深い祝日である一方、2019年にPR TIMESで配信された「文化の日」に関連するプレスリリースは30件ほどにとどまっています。
PR TIMES MAGAZINEでは「文化の日」を広報トピックスとしてもっと活用できるのではと考え、2019年9月8日に配信された一般社団法人日本カレーパン協会さんのプレスリリースをピックアップし、紐解いていきます。
◆一般社団法人日本カレーパン協会さんのプレスリリースはこちら
世界最大級!カレーパン博覧会 寺ックス(デラックス)開催のお知らせ
新鮮な発想と細やかなテクニック。日本カレーパン協会の「文化の日」プレスリリース事例
一般社団法人日本カレーパン協会さんは、カレーパンを通じて地球に住むすべての人を笑顔にするために発足されました。争いや貧困など、あらゆる問題をカレーパンに包み込み、日本をはじめ世界中の人々とカレーパンを通じて連帯して笑顔あふれる世の中を創造するために活動されています。
そんな同協会が文化の日にカレーパンの祝典を開催するイベントプレスリリースの魅力を紐解いたところ
- 新鮮な発想を”必然的”に伝達
- ユーモアを効かせつつ丁寧に伝える熱意
- テキスト部分の細やかなテクニック
の3つのポイントが見えてきました。
GOODポイント1:新鮮な発想を”必然的”に伝達
まず、「文化の日」×「カレーパン」という組み合わせに意外性を感じた人も多いのではないでしょうか。文化といえば古く歴史のある重厚なものを想像し、身構えてしまう人も中にはいるかもしれません。
しかし同協会は「文化の日」を食文化という身近な切り口で祝い、日本人に馴染み深いカレーパンをカルチャーと捉えて発信しています。
「カレーパン=日本の食文化=文化の日に祝おう」という新鮮な発想。しかしただ新鮮なだけでなく、プレスリリース内で「文化の日」の由来に丁寧に触れ、なぜこの日にイベントを行うのかという必然性をわかりやすく伝えています。
GOODポイント2:ユーモアを効かせつつ丁寧に伝える熱意
本プレスリリースは画像1枚、段落4つとシンプルな構成である一方、他にはないユニークな印象を与えています。
まずイベント名称が「カレーパン博覧会 寺(デラ)ックス」とユーモアに富んだ命名です。アイキャッチ画像もお寺で開催されることが強調された、インパクトのあるデザインです。
しかし同企画は、単なるユーモアを効かせた話題作りや言葉遊びだけではなさそうです。本文内4つの段落のうち2つ分のボリュームを割き、「なぜお寺で、なぜ宋雲院で」開催されるのかが入念に説明されています。
ときに拡張解釈を交えながらもしっかりと企画の意図や背景を伝えることにより、読み手のイベント開催地とカレーパンへの理解が深まります。
GOODポイント1で紹介した箇所にも当てはまりますが、同イベントの意図や背景の解説からは、自然と同協会のカレーパンへの熱意と愛情が垣間見えます。
運営者のコンテンツへの強い想いは、ときに読み手の共感を呼び起こすもの。ユーモアと熱意が込められたプレスリリースを通じてイベントへの期待が高まることで、集客にも繋がるのではないでしょうか。
GOODポイント3:テキスト部分の細やかなテクニック
GOODポイント1・2では「新鮮さと必然性」「ユーモアと熱意」といった同プレスリリースの大胆な伝達力について紐解きましたが、細やかなテクニックも随所に施されています。
タイトル・サブタイトル
タイトルには「世界最大級」、サブタイトルには「令和元年を代表する」など、フックとなる表現が盛り込まれています。
イベントの規模がイメージしやすい表現やその年ならではの称号をつけることで、メディアが話題性を見出し、情報を取り上げるキッカケとなるかもしれません。
見出し
同プレスリリースでは本文が読みやすくなるよう、見出し部分に[カッコ]を巧みに使っています。
PR TIMESではプレスリリースがメディアに転載された際に書式が崩れることを防ぐため、文字の大きさやフォントを変える機能はありません。しかしこうしたひと手間を加えることで、見出しとテキストにメリハリがついてわかりやすくなっています。
スペースや改行などと同様に多用しすぎると表示崩れの原因となるため、さじ加減も重要です。
位置情報
プレスリリース末尾の位置情報についても、イベント会場と本社の2カ所がしっかりと登録されています。
地域情報を扱うメディアや、地域ごとに担当者が分かれている経済メディアなど、プレスリリースを受信しているメディアユーザーが位置情報を活用しているケースは多くあります。
今回取り上げた「タイトル(サブタイトル)」「見出し」「位置情報」の工夫は、一見気付かれにくい細かな点です。
しかし、自社の情報を適切に届けるため、またできるだけ多くの人にプレスリリースに目を留めてもらうため細部まで気を配ることは、プレスリリースの重要なポイントの一つと言えそうです。
あなたの身近にある文化を発信するチャンス
「文化」というスケールの大きな名称もあいまって、自社には関係がないように思われてしまいがちな「文化の日」。しかし、今回ご紹介した事例のように、身近に存在するカルチャーを世の中に改めて伝えることのできる機会でもあります。
グルメやファッションなど身近なところにも、「日本らしさ」や「自社らしさ」は存在するものです。文化とは、発信と伝達を積み重ねていくことで育まれていくもの。そのキッカケとなるようなイベントや企画を、「文化の日」を通して発信してみてはいかがでしょうか。
<編集/平 理沙子>
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