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文化の由来に立ち戻り柔軟な発想を。12月に使える「お歳暮」プレスリリース事例

一年間お世話になった方々へ感謝を込めて贈る「お歳暮」。お中元とともに日本発祥の古くからある贈り物の文化で、年末の時期が近づくと百貨店などでもお歳暮のギフト提案やフェアが開催されます。

お歳暮は配送手配や予約を要することから、PR TIMESでも10〜12月に関連プレスリリースが配信されています。

プレスリリースの内容としてはお歳暮商戦に向けた新商品や特別ギフトセットなどの紹介が多いなか、PR TIMES MAGAZINEでは2019年11月29日に配信された、一般財団法人 神戸観光局さんの「シュトレン」に関するプレスリリースをピックアップし、紐解いていきます。

◆一般財団法人 神戸観光局さんのプレスリリースはこちら
今年も、神戸の本格的なクリスマス期間到来。県外からも注文増加!神戸に根付く、シュトレン文化盛り上がる/「HYOGOシュトレン・フェスト2019」12月1日(日)から神戸市などで開催

シュトレン文化を発展させる、一般財団法人 神戸観光局の「お歳暮」プレスリリース事例

一般財団法人 神戸観光局のお歳暮プレスリリース事例01

今回編集部がピックアップしたお歳暮関連プレスリリースは、一般財団法人 神戸観光局が、主に神戸市のパン製造・販売店などで構成される「HYOGOシュトレンの会」と「HYOGOシュトレン・フェスト2019」を共催するといった内容です。

シュトレンとはバターやドライフルーツがたっぷり練り込まれたドイツの伝統菓子で、クリスマスを祝う準備期間から食べ始める文化があります。その由来から日本でもシュトレンと聞くとクリスマスをイメージする方がほとんどで、「シュトレンとお歳暮にどういった関係が?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

PR TIMES MAGAZINEが本プレスリリースを紐解いたところ、シュトレンとお歳暮をうまく結びつけてイベントを提案している3つのポイントが見えてきました。

  • 文化の由来や本質に立ち戻る
  • タイトルや注釈の細やかな配慮
  • 一貫性のある継続的な情報発信

GOODポイント1:文化の由来や本質に立ち戻る

こちらのプレスリリースでは、「日頃の感謝の気持を込めて家族や友達に贈る」シュトレン発祥地の文化を紹介し、日本におけるお歳暮のようなものだと説明しています。

「フロインドリーブ」の説明箇所
一般財団法人 神戸観光局のお歳暮プレスリリース事例02
YOGOシュトレンの会 代表 上原氏のコメント

一般的に誕生の由来から、シュトレンはクリスマスの文化と捉えられがちです。しかし「家族や友人たちと贈り合い、すこしずつ切り分けながら食べ進めていく」という一面に目を向けると、大切な人どうしで年末の時期に贈り合う、日本文化におけるお歳暮の風習とも共通していることがわかります。

このように、外国の文化で日本とは無関係に思われたり、一見最近発生した流行と捉えられたりするモノやサービスも、実は古くからある文化と親和性が高いケースがあります。視点を変えたり文化の由来や背景を紐解いたりすることで、自社の活動や製品が活きる可能性を拡げる提案のかたちは見習いたいポイントですね。

GOODポイント2:タイトルや注釈の細やかな配慮

「HYOGOシュトレンの会」は2018年に発足し、同年には「HYOGOシュトレン・フェスト」に関するプレスリリースを配信しています。

シュトレンの文化を守り育て、兵庫県におけるシュトレン文化のさらなる発展と熟成を目的とするうえで、継続的に自身の活動を発信することはとても大切です。2018年と2019年に配信されたプレスリリースでは少しずつ伝え方に変化が見られます。

一般財団法人 神戸観光局のお歳暮プレスリリース事例03
2018年配信のプレスリリースタイトル
一般財団法人 神戸観光局のお歳暮プレスリリース事例04
2019年配信のプレスリリースタイトル

具体的には、プレスリリースのタイトルで「神戸に根付く、シュトレン文化」を伝えるための文言が両年に共通して含まれています。一方で細かい点ではそれぞれに違いが見られ、2018年はサブタイトルに「神戸に根付く、シュトレン文化」が入れられているものの、2019年はタイトルに含められており、より読み手に率直に届きやすくなるような変化が見られます。

また、イベント開始日を決める「アドベント」という単語については、注釈を入れて説明を添えています。

一般財団法人 神戸観光局のお歳暮プレスリリース事例05

こうした専門用語の補足や説明は、文化や施策の認知拡大を目指すうえで必要不可欠な配慮です。業界内では頻繁に使われる用語も、広く一般では実はあまり認知されていないこともあるもの。

プレスリリース全体にいえるポイントにはなりますが、タイトルや注釈など細やかな配慮が行き届いているか都度振り返って見直しましょう。

GOODポイント3:一貫性のある継続的な情報発信

先述の通り2018年から開始され、開催2度目にあたる2019年の本プレスリリースにおいては、「注文が増加している」という情報もタイトルに盛り込まれています。

一般財団法人 神戸観光局のお歳暮プレスリリース事例06

こうした経過を継続的に報告することは、イベントやシュトレン文化が発展傾向にあることを読み手に伝えられます。また、盛り上がりが年々高まっている過程を見せることは、メディア関係者の注目を集めるキッカケにもつながります。

一般財団法人 神戸観光局のお歳暮プレスリリース事例07
2019年配信の画像キャプション部分

さらに、2019年に配信された本プレスリリースには前年開催時の様子が画像として挿し込まれ、キャプションに「2018年の様子」と説明も補足されています。

このようにイベントや企画を継続して行うからこそ得られる実績や変化は、活動の一貫性を読み手に伝える大切な情報です。情報をアップデートしながら、欠かさずプレスリリース配信を続けていく点は参考になりますね。

文化の本来の目的や由来に着目し、柔軟な発想を

近年は若者のお中元やお歳暮離れがささやかれるなか、百貨店をはじめ関係企業もお歳暮のさらなる市場拡大や若年層への定着を課題としているのではないでしょうか。「お歳暮」と聞くとまずハムや高級食材が思い浮かぶものですが、街のパン屋などで購入できるシュトレンもお歳暮になると提案されると、幅広い世代にとって「お歳暮」がより身近に感じられるでしょう。

今回ご紹介したプレスリリースのように、自社の製品やサービスそのものが持つ由来や背景について、視点を変えると日本古来の文化や誰でも知っている風習と通じていた、ということもあるもの。「お歳暮」においても大切な人々へ一年間の感謝を届ける、という本質に焦点をあてれば、その文化は改めて幅広い世代の人々にとって「自分ごと」として感じられるのではないでしょうか。

遠隔でも想いを届けられる機会はコロナ禍によって需要も高まっています。この機会に、自社製品やサービスをお歳暮として新たに提案できるかを考えてみることや、お歳暮文化をより幅広い層に定着させるようなチャレンジを行ってみるのはいかがでしょうか。

<編集/平 理沙子>

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この記事のライター

大森 美野

大森 美野

2015年にPR TIMES入社。主にPR活動レポート作成をしていましたが、もっとお客様の声が聞きたくて2019年よりカスタマーリレーションズ本部に異動。情報を欲していた広報担当時代を思い出しながら、PR TIMES MAGAZINEではたくさんのアレコレを届けていきたいと思います。石橋は叩きすぎて壊すタイプ。でもたまにスキップで渡っちゃいます。

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