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【広報担当者向け】クラウドファンディングの進め方5ステップ&4つの広報施策

日々、ニュースやSNSなどで自然と目にする機会も増えた「クラウドファンディング」という言葉。自分たちが実行者となってプロジェクト実施を検討される人も多くいるのではないでしょうか。

本記事では、クラウドファンディング実施を検討する上で具体的にどのように進めていくのか、どのような広報施策を行うと良いかについてご紹介します。

なお、本記事では国内で主流となっている「購入型」のクラウドファンディング実施にあたってのやり方についてご紹介していきます。本記事内の「クラウドファンディング」という言葉は「購入型クラウドファンディング」のことを意味しています。

クラウドファンディングの種類については、以下の記事からご確認ください。

クラウドファンディングのやり方は?プロジェクト開始に向けての準備から終了するまでの5ステップ

ではさっそく、クラウドファンディングをする際の流れを確認してきましょう。今回は、5つのステップにわけて詳細を解説します。

STEP1.利用するクラウドファンディングサービスを決める

クラウドファンディングは、プロジェクト起案者が「実行者」となり、お金を出して応援してくれる「支援者」にリターンとよばれるお返しを送るという仕組みです。その仕組みを使いやすくプラットフォーム化したクラウドファンディングサービスが国内にはいくつか存在しています。

それぞれのサービスによって、登録している会員や掲載されている多くのプロジェクトのジャンル、手数料、サポート体制が異なります。

まずは、自分たちに適したサービスはどこなのか、比較検討して掲載するプラットフォームを決めましょう。

STEP2.プロジェクトページづくり

利用するクラウドファンディングへの申込み手続きを済ませたら、実際にプロジェクトページを作成していきます。プロジェクトページは、支援者候補の人たちに対してプレゼンを行う場です。テキストに落とし込む前に、設定しなければならない項目と伝えたいことを整理し、それぞれ内容決めをした上で書き進めていくとよいでしょう。

設定が必要な項目としては「目標金額」「支援者へのリターン内容」「プロジェクト期間」があります。クラウドファンディングのプロジェクトを実施する目的によって、目標にすべき金額は変わってきます。支援者へのリターン内容を考える際には、支援者にとってどんなリターンが魅力的かを考えることはもちろん、そのリターンを用意するために必要な原価や送料などの経費を計算した上でリターン内容を決めることが大切です。

プロジェクト期間については、自分たちのスケジュールに合わせて決めれば問題ありませんが、だいたい2〜3ヵ月の期間で行われることが多いです。

それぞれの項目を整理した上で、伝えたいストーリーや想いを伝えるためのテキストを書いていきましょう。このテキストを読んだ人に、共感や応援の気持ちを持ってもらうことがとても大切です。広報担当や社内で文章を書くのが得意な人がテキストを作成できれば良いですが、社内に適任者がいない場合は、外部ライターに委託することも選択肢のひとつとしておすすめです。

STEP3.プロジェクト開始時のスタートダッシュに向けた準備

クラウドファンディングのプロジェクトが成功するかどうかは、プロジェクト開始前に決まっていると言っても過言ではないほど、開始前の準備がとても大事です。一般的に、プロジェクト公開後24時間以内に目標金額の30%を調達することができると、目標金額達成率が90%以上になるとも言われています

知り合いや既存顧客への事前告知を行っておくことで、プロジェクト開始前に目標金額の30%を調達できるように準備をしておきましょう。ここ最近、クラウドファンディングが一般化してきたことで、多数のプロジェクトが進行しています。その中で、新規の人にも興味を持ってもらえるようにするために、まずはもともと自分たちのことを知ってくれている人たちに地道に準備活動を行い、開始時のスタートダッシュをつくれるようにしましょう。

STEP4.プロジェクト期間中:活動レポートのアップ

支援者とは、お金を払うという形をとってプロジェクトに参加してくれている人たち、いわばプロジェクトメンバーです。その人達に対してプロジェクト期間中に全く音沙汰がないと、せっかく「応援したい!」と思って参加してくれていても、実行者の誠意熱量が感じられず、支援者の心は離れていってしまいます。

プロジェクト期間中、こまめにプロジェクトの進捗を活動レポートにアップすることにより、ひとりでも多くの支援者にプロジェクトに参加してよかったと思ってもらえるよう誠心誠意対応しましょう。

STEP5.プロジェクト終了後:お礼・リターンのお届け準備

クラウドファンディングは、プロジェクト期間が終了したらおわり、ではありません。参加してくれた支援者に対して、活動レポートなどを通じてしっかりとお礼を伝え、予定していた期限までにリターンが届けられるように準備をすすめましょう。

開発が遅れたり開店準備が遅れて、それに伴うリターンが遅れる場合もあるかと思います。その時は支援者に対して、なぜ遅延が発生してしまったのか、改めてお届けがいつ頃になるのか、遅延がわかった段階で誠意を持って説明しましょう。

ミーティング風景

国内の代表的なクラウドファンディングサービス3選

国内のクラウドファンディングサービスは複数ありますが、ここでは代表的なクラウドファンディングサービス3つをご紹介いたします。

1.Makuake(マクアケ)

サイバーエージェントグループにより2013年8月にリリースされた「Makuake(マクアケ)」。「アタラシイものや体験を応援購入しよう。」とうたっているように、新しいもの好きな登録ユーザーが多いため、テストマーケティングツールとして活用する実行者も多くいることが特徴です。

手数料は、集まった金額の20%(決済手数料5%込み)。キュレーターとよばれる専任の担当者がつき、プロジェクト実施にむけて準備から開始後までサポートすることはもちろん、プロジェクトPRを専任に担当する広報チームと連携しサポートしてくれることが特徴です。

2.READYFOR(レディフォー)

国内初の購入型クラウドファンディングサイトとして、2011年3月にリリースされた「READYFOR(レディフォー)」。社会貢献を目的としたプロジェクトが中心となっていることが特徴です。

プロジェクトを実施するにあたって、「シンプルプラン」と「フルサポートプラン」2種類のプランが用意されています。

「シンプルプラン」の手数料は、12%(決済手数料込み)です。プラットフォーム機能一式と担当者によるメールサポートを揃えた、ベーシックなプランです。「フルサポートプラン」の手数料は、17%(サポート料12%+決済手数料5%)です。キュレーターが専任担当者としてつき、プロジェクト準備から終了までをサポートしてくれるプランです。複数のプランがあることで、自分たちの状況に合わせたプラン選択ができることも特徴です。

3.CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

連続起業家として有名な家入一真氏が代表を務める、マイクロ・パトロン・プラットフォーム「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」。自分のやりたいことを実現するために、お金と仲間を集めたいという実行者が多いことが特徴です。

手数料は、集まった金額の17%(決済手数料5%込み)。プロジェクト公開前の審査を必要最低限なものに絞っているため、スピーディーに公開することが可能です。

クラウドファンディングを実施するときに知っておきたい税金・手数料のこと

先ほど、クラウドファンディングの利用手数料を紹介したように、クラウドファンディングで調達した資金は、すべて自由に使えるわけではないということに注意が必要です。

多くのクラウドファンディングサービスでは、調達した金額から手数料というかたちでサービス使用料やサポート料を支払います。調達したお金が振り込まれる際に、最終的に調達した金額から手数料を差し引いた金額が振り込まれます。

購入型クラウドファンディングの場合は、支援者に対して商品やサービスなどのリターンを提供します。そのため、基本的に通常の事業で得た資金や経費と同じように計上し、所得税や法人税が発生するので、こちらも注意が必要です。

企業がクラウドファンディングをするときに実施したい4つの広報施策

クラウドファンディングは、集めた資金がすべてそのまま懐に入るのではなく、サービスの利用料や、税金などもかかることがわかりました。広報施策として実施する際には、資金集めだけが目的ではないこともあるかもしれませんが、どの程度のリターンが得られるのかを計算するためにも知っておきましょう。

広報施策としてクラウドファンディングを実施する際には、ただクラウドファンディングページを立ち上げるのではなく、随時広報施策を絡めることで、より効果が期待できます。

では最後に、クラウドファンディングを実施することが決まった際に、どのような広報施策が考えられるか検討してみましょう。

1. プロジェクト開始時のプレスリリース発信

クラウドファンディングはプロジェクト開始直後のスタートダッシュをつくれるかどうかが非常に重要になってきます。そこで、より多くの支援者を募るためにも、プロジェクトをスタートしたことをプレスリリースを配信してお知らせしましょう。

プレスリリースをみたメディア関係者の目にとまり、プロジェクト期間中にメディアで取り上げられることがあれば、さらに支援者が人が増える可能性があります。

2.プロジェクト期間中のメディアプロモート実施

メディア関係者のもとへ自ら情報提供をすること(メディアプロモート)も重要です。

直接お会いするのが難しい場合は、オンライン会議でもいいので、広報担当として今回のプロジェクトの内容や想いを伝えましょう。プロジェクト開始してからの調達金額や、支援者の属性、どのリターンが人気なのかなどもお伝えすると、メディア関係者としても盛り上がっているプロジェクトだと確信することができ、掲載にむけて検討してくれる可能性が上がります。

3.一般ユーザー向けの体験会や試食会などのイベント実施

実際に支援者になってくれた人たちや、支援するかどうか迷っている人に向けての体験会や試食会などのイベントを実施することで、ページ上では伝えられなかったプロジェクトの魅力を伝えることができます。

ユーザーと実際にコミュニケーションをとることができる場を用意することで、ユーザーとの距離を縮めることができるとともに、プロジェクトへのヒントを得ることもできる可能性があります。

イベントにメディア関係者やインフルエンサーにも声をかけることで、そのイベントをきっかけに掲載に結びつく可能性もあるため、広報施策としておすすめです。

4.SNSでのこまめな発信

SNSでもこまめにプロジェクト進捗などを発信することによって、プロジェクトが盛り上がっていることを伝えることができ、さらに多くの人に興味も持ってもらうきっかけをつくることができます。

クラウドファンディングは、実行者の熱量によっても調達できる金額が変わってきます。自分たちのプロジェクトにかける想いをあらゆる手段を使って発信していきましょう。

クラウドファンディングのやり方を理解し、プロジェクト成功に向けた広報サポートをしていきましょう

より身近な存在になった「クラウドファンディング」。いざ自分たちも挑戦してみようと思ったときに、具体的にどのような流れで進めていくのか理解して、しっかり準備をしてからプロジェクトをスタートさせることが重要です。

プロジェクト開始前に広報施策としてどのようなことができるか洗い出して、スケジュールに落とし込むとよいでしょう。クラウドファンディングは、開始前の準備が肝です。本記事の内容と合わせて、実際にクラウドファンディングに挑戦した人や、クラウドファンディングサービスの担当者からの情報を集め、やり方や進め方を理解し、プロジェクト成功に向けた広報サポートを実施してみてください。

クラウドファンディングの進め方に関するQ&A

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この記事のライター

林 優

林 優

サイバーエージェント新卒入社、Makuake配属。イベント企画・運営を担当するとともに、ガジェット・ファッション・飲食店・日本酒…など、毎月数百件開始するプロジェクトの広報業務を担当していました。多岐にわたるジャンルのプロジェクトPRを担当する中で積んできた広報業務経験を活かしたコンテンツづくりに取り組んでいます。

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