「プレスリリースの配信に力を入れているけれど、なかなかメディアに取り上げてもらえない」という悩みを抱えていませんか。
メディア関係者に「取り上げたい」と思ってもらえるプレスリリースに仕上げるためには、動画や画像の使い方がカギになります。
本記事では、2023年5月24日に開催された「映像・画像素材のメディア活用」をレポート。メディア視点での画像・映像素材の活用方法や広報素材としての重要性などをお伝えします。
自治体のプレスリリース活用を知る
まずは、自治体におけるプレスリリースの重要性と現状について見ていきましょう。
自治体のブランディング戦略のひとつとして、シティプロモーションが注目されています。自治体によっては専門部署ができるほど力を入れているところもあり、シティプロモーションは自治体経済活性化の重要な切り札にもなっています。
最近では、広報誌のリニューアルやYouTubeチャンネルの運営、SNSの活用など、さまざまな方法で情報発信に取り組む自治体が増えていますが、より効果的なシティプロモーションを目指すのなら、プレスリリースは外せないツールのひとつだといえるでしょう。
自治体にとってプレスリリースはなぜ必要か
プレスリリースがなぜ自治体にとって必要なのかというと、より多くの人に効率的に情報を届けることができるからです。
自治体が発信する情報は、イベントの告知、新施設や新事業の案内、観光名所のPRなど多岐にわたります。これらを広報誌などで発信しても、地域住民だけにしか情報は伝わりません。一方、自治体が発表したプレスリリースをもとにして、メディアが記事を発信した場合は、その情報を地域住民だけでなく全国に届けることができます。メディアを介して情報発信することでより大きな効果を生み出すことができ、結果的にシティプロモーションにもつながっていくのです。
自治体における広報PR活動をより効果的・効率的に展開していくためには、まずはメディアに対してプレスリリースを届けることが大切でしょう。
プレスリリースの作成から配信までのステップについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
プレスリリースの現状について
近年のプレスリリースの傾向として、動画や画像を使ってプレスリリースを作成するケースが増えています。
上のグラフからもわかるように、動画や画像が埋め込まれたプレスリリースの配信数は右肩上がりに増えており、動画や画像がプレスリリースを効果的に活用していくうえでの大切な要素のひとつとなっています。
では、なぜ動画と画像の埋め込みが大切なのでしょうか。メディアがニュースを作るためには、テキストでの情報だけでなく動画や画像などのビジュアル情報も必要になります。メディアによってはテキストだけで記事にする媒体もありますが、基本的には雑誌やWebメディア、テレビ番組などは特にビジュアル情報が重要です。
このビジュアル情報を自治体が自分たちでメディアに発信していくことが、ニュースを作ってもらううえでの大切なアクションになってきます。
自治体広報が使える動画・画像にするための知識
プレスリリースを配信するもっとも大きな目的は、メディアに取り上げてもらうこと。そのためには、動画や画像を上手に活用することが大切です。ここからは、自治体広報のプレスリリースで効果的に動画や画像を取り入れるためのポイントを詳しく見ていきましょう。
有効な動画・画像について理解する
自治体広報が配信するプレスリリースに使う最適な動画・画像というのは、届けたいターゲットがメディアであることが大前提です。
例えば、地域の魅力を発信するプロモーション動画といわれるジャンルのものは、見てほしいターゲットはあくまでも一般の人です。つまり、対象がメディアでない時点で、この動画をプレスリリースとして活用するのは効果的ではないということになります。
プレスリリースに使うべき動画や画像というのは、「内容を動画や画像で補完するもの」であることが重要なポイントなのです。
メディアの理想の素材を理解する
では、どのような動画や画像がメディアにとって理想的な素材となるのでしょうか。
ポイントは、取材前に撮影内容をイメージできるということです。「いい映像が撮れるかどうか」というのはメディア側の最重要事項のひとつです。特に地方への取材にはコストも時間もかかるため、プレスリリースに動画や画像があることで、取材時にどのような映像が撮れるのか見当がつくことは、メディアにとっても大きなメリットとなります。
また、「貴重な映像かどうか」ということも、メディアにとって大切なポイントです。例えば、数年に一度しか開催されない神事などのイベントや、限られた関係者しか立ち入れない場所の撮影など、撮影のチャンスが限られているものや、撮れないリスクがある映像は、プロが撮影したものよりも重宝される可能性があります。
撮影素材の価値を理解する
撮影素材というのは、カメラで撮影した未編集の動画や画像のこと。編集済みの動画はプレスリリースやYouTube配信で活用している自治体も多いと思いますが、撮影素材についてはいかがでしょうか。編集が終わったら捨ててしまったり、そもそもどこにいったのかわからなかったりと粗末にされてしまっているケースも少なくありません。
しかし、撮影素材はメディアにとって取材の保険になりますし、場合によっては撮影素材だけで番組を作ることも可能です。自治体広報の担当者にとっても、撮影素材の提出だけで済めば、立ち合いの調整など物理的な業務も軽減できます。なによりも、撮影素材は、メディアと良好な関係を構築するためのツールになりますので、その価値を正しく理解しておくことが大切です。
自治体広報が自ら動画・画像を制作するポイント
では、実際にプレスリリースに使う動画や画像をどのようにして準備すればよいのでしょうか。動画・画像制作というと、素人には難しいと思われがちですが、撮影素材を作るだけであれば、難易度は決して高くないはずです。
ここからは、自治体広報が自分たちで動画や画像を制作する際の3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
撮影方法
1.「横向き」で撮影する
撮影の際には、テレビ画面の比率16:9に合わせて、横向きで撮影をします。
2.高画質で撮る
撮影時の画質は、4KまたはHDで。
3.動かさない・ブラさない
撮影時に最も重要なのが、動かさない・ブラさないということ。アングルが変わったり手ブレのある動画というのは、使われない可能性が高くなります。どのように撮影したら良いのか分からないときには、手振れが起きないようにガッチリと固定して、動かないということが原則です。
保管場所
プレスリリースに使う動画や画像で意外と盲点になっているのが、素材の保管場所です。撮影素材が個人のパソコンで保管されていたり、パソコン内のどのフォルダにあるのかわからないという状態では、メディアから問合せがあった際にスピーディーに対応することができません。
動画や画像などの素材を保管する際には、保管場所が決まっていること、関係職員なら誰でもいつでも取り出しができること、該当する素材をすぐに特定できる状態にしておくことが大切です。クラウド上で保存できるものを活用すれば、メディアから急な素材提供の依頼があった場合でも、URLを共有するだけでより簡単に提供することができます。
PickUp!メディアに撮影素材を渡すタイミング
動画や画像などの素材は、メディアから依頼されたときにすぐに渡せることが大切です。特に、ニュース番組などでは、撮影してから放送までの時間が短いことも多く、イベントの前日に問い合わせがあって、次の日の夕方のニュースで放送するケースも珍しくありません。限られた時間の中で、短時間で素材を渡すことができなければ、取材につながらなかったり使われなかったりしてしまうことも。そのような事態を避けるためには、次のポイントを意識するとよいでしょう。
- イベント取材の案内をメディアに出す際に「素材あり」と明記する
- どんな機材で撮影したのか(スマホやドローンなど)を記載する
- 素材のスクリーンショットを貼る
- 当日都合がつかないメディアにも配布する
どのような撮影素材があるのかを事前に把握できることで、メディアは撮影ボリュームや、どんな映像に仕上げるのかの想定が事前にできるため、取り上げてもらえる可能性が高くなります。
自治体プレスリリースの動画・画像事例
ここからは、動画と画像を活用したプレスリリースが役立った自治体の例を見ていきましょう。
事例1.長野県松本市
松本市のイルミネーションイベントのプレスリリースです。イベント概要や登壇者コメントなどのテキスト情報に加えて、動画でライトアップの様子やイベント担当者のコメント、画像で街のイルミネーションスポットなどの情報を載せています。
動画や画像などのビジュアル情報を補完することによって、テキストだけでは伝えきれないようなイルミネーションの迫力や規模、主催者のモチベーションを伝えることに成功した事例です。
プレスリリース:〈イベントレポート〉国宝松本城が彩られた!!「松本城~氷晶きらめく水鏡~」点灯式を行いました。
PR TIMES TV:「松本市イルミネーション2021-2022」開催記念 国宝・松本城へ初のレーザーマッピング「松本城~氷晶きらめく水鏡~」12月1日(水)より開催
事例2.石川県
石川県和倉温泉協会が配信した青林寺のライトアップ企画のプレスリリースです。見応えのある美しい映像や画像を使うことで、「お寺でライトアップ」という一見すると地味に聞こえてしまいがちなフレーズを、魅力的に伝えることに成功しています。
動画と画像をプレスリリースに埋め込んで配信することが、メディアに対してより多くのニュース材料を届けることができるというよい事例になっています。
なお、和倉温泉協会では、プレスリリース配信の4ヵ月後に東京のキー局から取材依頼があり、素材提供を提供。東京から片道5時間という距離があるのにもかかわらず、現地での撮影なしで翌日にニュース番組の放送につなげることができました。
撮影素材を適切に保管していたことが、放送につながった好事例のひとつです。
プレスリリース:国登録有形文化財「御便殿」を幻想的にライトアップ 石川県・和倉温泉「青林寺ライトアップ&贅沢ティータイム」1月より開始
PR TIMES TV:石川県・和倉温泉「青林寺ライトアップ&贅沢ティータイム」昨年よりパワーアップし2022年1月8日(土)より毎週土曜日に開催!
自治体広報にとっての動画・画像活用の心得
プレスリリースに動画と画像を活用することの効果、メディアにとって価値のある撮影素材について、大切なポイントがよくわかるセミナーでした。
セミナーのポイントは以下の通りです。
- プレスリリースには動画や画像などビジュアル情報を自分たちから発信することが大切
- 撮影素材はお宝! メディアとのコミュニケーションに積極的に活用しましょう
- 外部に発注だけではなく、自分たちでも撮影しておくことに素材の価値がある
- 撮影素材は渡すタイミングも重要。イベント案内時に素材があることを伝えよう
プレスリリース用の画像の編集方法や、写真撮影の基礎知識の記事も参考にしてみてくださいね。
プレスリリースのデザインを考える際には、以下の記事もお役立てください。
メディアにひびくプレスリリースのルールについておさらいしたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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