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テレビが取材したいプレスリリースに共通する3つの付加価値|PR TIMES主催セミナー

近年は視聴者のテレビ離れがささやかれるものの、やはりその影響力は絶大です。テレビをはじめとする「マスコミに取り上げられる」ことを目標のひとつとしてプレスリリースを作る広報PR担当者も多いのではないでしょうか。

PR TIMESでは、2023年12月5日に元アナウンサーで、キャムコムグループの現役広報の竹村りゑさんを招いて「メディア目線でのプレスリリース作り」を学ぶ勉強会を開催。

第一部では、「テレビに対する訴求力あるプレスリリース」をテーマに、番組制作者の取材先の選び方をはじめ、テレビ局員の経験に基づいてお話いただきました。

第二部では、竹村さんとPR TIMES営業本部小暮桃子さんとが語らいながら、マスコミ掲載実績のあるプレスリリースを取り上げ、掲載につながったポイントについて解説も行いました。

キャムコムグループ コーポレート部門 広報/IR

竹村りゑ(Takemura Rie)

大学時代にウェザーニュースでお天気キャスターを務めてマスコミデビュー。その後、3つのテレビ局(テレビ金沢、NHK名古屋放送局、北陸放送)で勤務し、アナウンサーやディレクターとして番組制作に10年以上携わる。現在は自らの情報収集・発信能力を活かし、グループの広報担当として広報戦略の策定やメディアリレーションの構築などを行っている。

PR TIMES 営業本部副本部長

小暮桃子(Kogure Momoko)

東京生まれ、埼玉、香港育ち。2016年PR TIMES入社。営業本部にてアカウントプランナー、マネージャーを経験後、2019年よりサポート部門責任者に。2021年から「PR TIMES STORY」営業責任者兼開発本部PMとしてSTORYの営業推進全般や各プロダクトの開発に関わる役割を担当。2022年9月から営業本部に戻り、現在は副部長として営業活動を統括しながら、サービス利用の提案や利活用の促進に励む。

第一部:テレビ局が取材したくなる情報提供の仕方

第一部では、オンライン・オフライン合わせて200名を超える広報PR担当者(視聴者)を前に、竹村さんが3つのアジェンダ「取材フロー」「ニュースの価値」「メディア目線」を用意。テレビ局が取材したくなるポイントを解説しました。

テレビ局の取材フローを知ろう

テレビ取材を受けるには、まずはテレビ局側がどうやって取材先を選んでいるかを知っておくことが大切です。元テレビ局員だった竹村さん自身の経験をもとに、テレビ局側がどうやって情報収集をして、企業の広報PR担当者に取材依頼を出すかの大筋のフローを紹介します。

  1. デスク(番組制作責任者)から番組やコーナーの制作の指示を受ける
  2. 新聞や雑誌、SNS、他局の番組をチェックして情報収集とキャッチアップ
  3. 番組テーマを考える
  4. テーマや方向性が決まった時点で、企業広報PR担当者に打診
  5. 現場の絞り込みと取材日時の確定

上記の流れを見ると、企業に取材依頼を行うのは4つめのフローになっていますが、実際には番組テーマが決まる前の2、3の段階でも企業広報PR担当者に連絡して「業界について広くお話を聞かせてください」「下調べしているんですが」と打診することがあると説明しました。

このとき、テレビ局側は「伝えたいテーマにマッチしているか」「あえてこの企業を現場にする(取り上げる)理由があるか」「テーマが伝わる絵(映像)は撮れそうか」を探っている状態とのこと。広報PR担当者とのやり取りを経て、ディレクターが「番組で設定したテーマにふさわしい『説得力のある画』が撮れそうだ」と判断できる情報提供が鍵となります。

広報PR担当者としては、企業側の伝えたいことを一方的にアピールするのではなく、テレビ局が取り上げたいテーマの補足を目指すとよいでしょう。

キャムコムグループ×PR TIMES01

取材したくなる「3つの価値」を提供しよう

テレビで流れる情報(ニュース)には、次の3つの価値が存在します。

時事性:「今伝える意味がある」こと。まさに今伝える理由があれば、取材する価値がある
社会性:「知りたがっている人がいる」こと。誰かの(社会の)役に立つ情報であれば、取材する価値がある
独自性:「この企業でしか伝えられない」こと。他の企業では伝えられないような話題があれば、その企業に取材する価値がある

竹村さん曰く、テレビが取り上げるニュースには、これら3つの価値が欠かせないとのこと。

逆を考えれば、プレスリリースを作る際にこの3点を押さえると、テレビ局が取材したくなる可能性は高まるとの見解を示しました。さらにビジュアルや動きを見せることで内容が理解しやすい情報であれば、なお良いとも。

現状で収益を上げているサービスや商品、企業には、すでに上記3点は備わっているもの。そのことをテレビに対してどう伝えるかが「広報PR担当者の腕の見せ所」と竹村さんは語りました。

メディア目線を鍛えよう

テレビ局が取材したくなるプレスリリース作りに欠かせないのが、メディア目線。どうすれば身につけられるのか、広報PR担当者は気になるところです。そこで、実際に流れた最新ニュースの原稿を例題に、メディア目線を感じ取るといったワークショップを実施しました。

  • 来年の干支「辰」が描かれた大絵馬がお目見え

テレビで流れるニュースには先述した「時事性」「社会性」「独自性」が含まれているもの。その3点を踏まえているのかを見る目を養えば、自身が作成するプレスリリースにも活かせるはずです。

例題に挙げたニュースは、「年末恒例の大絵馬の披露が、熊野速玉神社で行われた」というもの。

歳末感や干支の話題、毎年恒例の季節ネタである点に「時事性」、世界遺産である熊野速玉神社の宮司自ら絵馬を描いた点などは「独自性」があると竹村さんは話します。残る「社会性」については、会場にも質問しながら、「この時期になると〜」という切り口は時事性だけでなく、四季の移り変わりを感じられる点で「知りたい人がいる=社会性がある」と捉えられることを説明。また、宮司の「みんなのため」のコメントには、社会性が感じられると解説しました。

さらに「大きな絵馬」はインパクトがあって良い画が撮れると感じ取ることも、メディア目線の表れです。普段、見聞きするニュースの中からこの3つの価値観を見いだす訓練をするとメディア目線は鍛えられるという竹村さんの助言を締めの言葉にして、第一部は終了しました。

第二部:テレビに訴求できるプレスリリース~事例付き~

第二部では竹村さんとPR TIMESの小暮さんの会話形式で、実際にマスコミ掲載実績のあるプレスリリースを題材にして「テレビに対する訴求力」を解説。テレビ取材を意識した今後のプレスリリース作りに参考となるポイントがたくさん詰まった対談となりました。

キャムコムグループ×PR TIMES02

小暮:竹村さんもテレビ局員時代にはプレスリリースから情報収集されていたと思いますが、プレスリリースによって情報の出し方に「違い」はあると感じていましたか。

竹村さん(以下敬称略):明らかに違います。プレスリリースも含めて、広報PR担当者として情報の出し方が上手な方は、本当に上手です。こちらが聞きたいことをうまく投げかけてくれるんですよね。フックのうまい広報さんはありがたい存在です。

小暮:そうですよね。PR TIMESでも累計100万以上のプレスリリースを発信していて私もこれまでたくさんのプレスリリースを見ていますが、メディア掲載実績につながるプレスリリースはよく作り込まれているな、うまいなと感じます。その一例を挙げます。

事例1.認定NPO法人テラ・ルネッサンス

プレスリリース事例01

タイトルは、不要になったスマホの回収支援でゴリラの保全を呼びかけ、上野動物園など日本でゴリラを飼育する6園のうち4園で実施

2023年11月17日に配信されたプレスリリースですが、毎日新聞をはじめ、さまざまな掲載実績に加え先日はミヤネ屋でも紹介されました。番組で流れたテロップは「なぜ ゴリラのため 不要スマホ回収 “世界の紛争問題を知って”」。私たちは日頃気軽にスマホを使っているが、その背景に世界の紛争問題やゴリラの生息地を奪う問題があることに警鐘を鳴らす内容です。

プレスリリースでは、1998年以来、スマホをはじめとするIT機器製造に欠かせないレアメタルなどの天然素材を巡っての権益争いがコンゴで勃発していることを教唆。プレスリリース冒頭で、インパクトの強い写真を用いて紛争地コンゴの現状を一瞬で物語ってから、取り組み内容の紹介として実際に動物園でどのように回収ボックスが設置されているか丁寧に説明しています。

小暮:プレスリリース1枚で、ここまでの社会問題を想起させるのが秀逸ですよね。メディア目線で、このプレスリリースをどうご覧になりますか。

竹村:「スマホ」「ゴリラ」というすぐにはつながらない2つの言葉の組み合わせが気になりました。どういうことなんだろうというのが最初のフックになりますね。そこから読み進めていくと、スマホで使用されるレアメタルがゴリラの生息地を奪う問題や紛争問題に発展していることがわかって、世界各地で多発する紛争に世間の関心も高いので「時事性」や「社会性」があるな、と。

小暮:竹村さんのおっしゃる通り、ミヤネ屋でも同様にテーマを深く掘り下げていく流れで取り組みを紹介していました。掘り下げる深さも、ディレクターや番組の作り手としては意識されるのですか。

竹村:そうですね。「スマホ」と「ゴリラ」がどう結びつくのかピンと来ないので、フリップを用いて「実は」「実は」と問題の背景にまで順を追って掘り下げて説明していく必要がありますね。この問題のように、切り口がイメージしやすいものはテレビも取り上げやすくなります。

小暮:竹村さんのおっしゃる「時事性」「独自性」「社会性」の3軸で、このプレスリリースを分析するとどうなりますか。

竹村:問題の中身としては「社会性」にコミットしていると思いますね。その「社会性」を伝えるキーとして「スマホ」「ゴリラ」を使用している点が「独自性」につながっています。今、実施中の取り組みであり、紛争の関心度が高まっている点を踏まえて「時事性」も捉えている。3軸すべて詰まっている事例ですね。

小暮:なるほど、実際にミヤネ屋でも長尺を使って丁寧に解説していました。深掘りしたくなる要素、切り口というのもテレビ取材の重要なポイントになるのかな、と。もう一つのポイントとして、ミヤネ屋のフリップにも記載があった「自然と平和に関心を持つきっかけになれば」という担当者のコメント。このコメントの有無も、テレビ取材のフックになりますか。

竹村:そうですね。「社会性」を強く打ち出すプロジェクトなのであれば、それに取り組む担当者の想いは重要になります。コメントを出すことで「社会性」だけでなく「独自性」を表しやすくなるので、どういう想いでプロジェクトに取り組んでいるのか、なぜ自分たちの会社で行っているのかは語るべきですね。今回はフリップでしたが、取材に行って担当者のコメントが取れるのであれば番組構成もしやすいと思います。

小暮:ありがとうございます。次のプレスリリースを見ていきましょう。

事例2.石川鋳造株式会社

プレスリリース事例02

タイトルは【新製品】目指したのはいつでも変わらない極上の焼き加減。ドウシシャ×鋳物メーカー石川鋳造で「おもいのフライパン スクエア 電気卓上コンロセット」を共同開発

「鋳物の町発のメーカー」「町工場」というキーワードや「世界で一番お肉をおいしく焼ける」というキャッチーなワードをもとに、地元愛知をはじめ、複数テレビに取材されたニュースリリース。10月27日には『ガイアの夜明け』に出演したことをきっかけに、CBCテレビやテレビ愛知など、テレビ取材がまた次のテレビ取材を呼び、どんどん新商品が周知されていった経緯があります。

画像が豊富で、横並びにしてたくさん盛り込むことで、利用中、食事中などいろんなシーンが想像できます。商品の特徴を事細かく、開発ストーリーもしっかり記載されていて、どんな想いで誕生した商品なのか、もよく伝わります。情報量の多いプレスリリースですが、すっきりとまとまった印象を受けます。

小暮:地元テレビに紹介されたのが大きかったのかな、と感じます。「地元の情報を地元メディアが追う」のは基本中の基本でしょうか。

竹村:そうですね、地方局はご当地ネタ、その土地ならではの話題を取り上げたい欲求がすごいんです。私は石川県でしたが、例えば、金箔や北陸新幹線、工芸など、地元ならではの話題を取り上げることに対してとても積極的です。愛知県は地場産業の鋳物に関する感度が高いですし、注目されやすいでしょう。

小暮:ありがとうございます。地元でアピールすることが大事ですね。

まとめ|テレビ取材を目指すプレスリリース作りのポイント

第一部、第二部で語られた内容の要点をまとめます。

  • 放送時の画が想起できる画像を多めに
  • 広報担当者の名前、携帯番号は明記
  • キーワードで検索したときのわかりやすさ
    →冒頭10文字ほどでポイントがわかる
  • 担当者のコメント、顔写真、背景情報はあるとうれしい
  • スタジオ提供情報はあるとうれしい

学びの多いセミナーで、広報PR担当者が明日からでもすぐに実践できるポイントを厳選してピックアップしましたが、いかがでしょうか。テレビに対する訴求力の高いプレスリリースは作成して発信した際の「瞬発力」だけでなく、プレスリリースをフックとした「メディアと継続した関係づくりの構築」にも欠かせないものですので、ぜひお役立てください。

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