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広報活動における「リーク」とは?メリット・方法・知っておきたい注意点

広報担当者は、どうすればメディアに自社のトピックを大きくそして、好意的に取り上げてもらえるかということを常に意識し、日ごろからどのメディアとも分け隔てなく、良好な関係を維持しておくことが大切だとされています。

そのため、広報が行うメディア関係者への情報公開の方法は、プレスリリースや記者発表・記者会見など公式に同じタイミングで複数メディアに一斉に発表する方法が一般ですが、特定のメディアにのみ情報を開示する、いわゆる「リーク」という方法が取られることもあります。

本記事では、広報活動における「リーク」をするメリットから、具体的なやり方、「リーク」を行う際に知っておきたい注意点をご紹介します。

広報活動における「リーク」とは?

「リーク」は、さまざまな場面で用いられる言葉ですが、広報活動における「リーク」とはどのようなことを意味するのでしょうか。

広報活動における「リーク」とは、一斉発表をする前に特定のメディアに限定して情報提供し、取材依頼をする方法のことを指します。

メディアは他社メディアとの差別化のため、まだ表に出ていない情報を求めています。一斉に発表された情報や、各社横並びのネタよりも、独自の情報スクープ報道の場合に大きく取り扱われることが多い点も、他社が掴んでいないネタだからだといえるでしょう。

こうしたメディアのニーズを踏まえて、報道として大きく取り上げてもらうために、特定のメディアにのみ情報を「リーク」する方法が取られることもあります。特に新聞や週刊誌など経済ネタを担当する記者に対して行うことが多いと言われています。

広報戦略としてマスコミにリークするメリット

広報において「リーク」を行うということは、どのようなメリットがあるのでしょうか。主な3つのメリットを紹介します。

メリット1.報道される可能性が高まる

広報活動を行って、報道されるかされないかというのは、最終的にはメディアの判断によります。メディアは、自社だけの独占報道、つまり特ダネを報道することが重要と捉えているため、「リーク」で得た情報に価値を見出してもらえ、報道される可能性が高まることは大きなメリットだといえるでしょう。

メリット2.大きく取り上げてもらえる可能性が高まる

「リーク」は、情報の開示にとどまらず、そこから取材の機会を獲得するための手法です。そのため一斉発表の場合だと、プレスリリース情報を元に記事化される、いわゆる「ベタ記事」と呼ばれる露出の獲得しか見込めないケースでも、「リーク」をして取材をしてもらえた場合、大きく取り扱ってもらえる可能性が広がることもメリットのひとつです。

メリット3.記者との信頼関係を深められる

「リーク」を行うことは企業にとってメリットがあるだけではなく、記者にとっても特ダネ報道ができるという価値を感じてもらえるため、記者との信頼関係を深めることができます

「リーク」では発表前の情報を開示するため、情報の取り扱いに注意してもらえる記者や、信頼関係の築けている記者に対して行うように心がけましょう。

広報戦略としてリークが適しているネタとは?

報道として大きく取り扱ってもらえる可能性が広がる「リーク」。だからといって、すべての情報が「リーク」に適しているとは限りません。

広報戦略として「リーク」が適しているネタは、特にビジネスに関するもの。具体的には以下のような情報です。

<リークに適した情報>
・新規事業・サービス・商品に関する情報
・業務提携情報
・経営トップ人事情報
・中期経営計画・事業戦略
・市場シェア情報

広報が「リーク」をする3つのステップ

ではいざ「リーク」をしようとなると、まず何から始めればいいのでしょうか。「リーク」を行うための3つの方法を手順にそってご紹介します。

STEP1.「リーク」先メディア・記者を決める

まずは、どのメディア・記者にアタックをするのか決めましょう。取り扱ってもらいたいメディアがどこか、「リーク」するネタと親和性の高いメディアであるか、すでに信頼関係の築けている記者であるかをポイントに選定します。

もし、取り扱ってもらいたいメディアがあるものの、関係性のある記者がいない場合は、署名記事などを読み込み自社のネタに関心を持ってもらえそうな記者を見つけ、アタックするといいでしょう。

STEP2.電話で情報のさわりを伝え感触を確かめる

アタックするメディア・記者の選定が終わったら、まずは電話で情報のさわりを伝え、記者の反応を確かめるようにしましょう。

ここで気を付けたいのは、情報をすべて電話で伝えないことです。電話で伝えてしまった情報が、そのまま記事化してしまう可能性があることを念頭に置き、コンタクトするようにしましょう。

STEP3.取材の場を設ける

電話で伝えた情報に、記者がポジティブな反応を示したら、取材の場を設けます。誰が取材に応じるのかスポークスパーソンを取材前に選定しましょう。取材に望む際はあらかじめFAQの作成や、スポークスパーソンのメディアトレーニングを行い、必要以上の情報を提供しずぎないようコントロールできるとベストです。

広報戦略としてマスコミに「リーク」する際に知っておきたい5つの注意点

広報戦略にとってメリットのある「リーク」ですが、実際に行う際には注意が必要です。「リーク」前に知っておきたい注意点を5つご紹介します。

注意点1.「リーク」に値するネタか確認する

「リーク」を行うことで、報道として大きく取り扱ってもらえる可能性が高まるからといって、すべての情報が適しているとは限りません。ニュースバリューのないネタで「リーク」したいと記者に打診してしまうと、かえってネガティブな印象を与えてしまいます。メディアに価値を感じてもらえる情報かどうか、確認するようにしましょう

注意点2.情報解禁日を記者と握り合う

広報戦略において、情報が世の中に公開されるタイミングは、コントロールすべき重要事項です。いつから露出してもよいのか、情報解禁日を記者と握り合うようにしましょう。また、いつプレスリリースなどで一斉発表するのかも伝え、いつまでに記事化してもらいたいのかも伝えるとGOODです。

注意点3.複数のメディアに「リーク」しない

「リーク」は特定のメディアや記者に絞って行うべき手法です。メディアや記者もその認識を持っているのが一般的であり、独占で取材ができるからこそ、報道として大きく取り扱うことを検討してもらえるのです

万が一、複数のメディアに「リーク」してしまうと、独占取材ではなくなるので、記者から「話が違う」と思われ、信頼関係が崩れてしまうこともありえるため注意が必要です。

1社へのアタックだけだと、取材まで実現するか不安……ということであれば、優先順位の高いメディアから声をかけ、希望の期限までに取材・露出が実現しなければ別のメディアにお声がけする旨を伝えるといいでしょう。

注意点4.「リーク」後は記者と密に連絡を取り合う

「リーク」を行った後は、必ず直接「記事になりそうか」「記事になる場合、いつどのような内容の記事になりそうか」など、記事の進捗を確認するようにしましょう。意図と違う露出を防ぐのにも有効です。

また、記事にならなそうな場合、「どのような情報があれば記事になるのか」「記事にできないのであれば、他の記者にリークを試みてもいいか」を確認し、次の行動に繋げましょう。

注意点5.正式発表の価値が薄れる可能性がある

「リーク」が成功した場合、正式発表より前、または同時に記事がでることになるため、正式発表をしても、そこから他のメディアで報道される可能性が薄れる場合があります。出したい情報が「リーク」として露出することが適しているのか、一斉発表が適しているのか、よく検討しましょう。

メディア露出の最大化に「リーク」は有効だが、リスクを把握しないと逆にデメリットになることに注意

今回は、広報活動における「リーク」のメリットから、具体的なやり方、「リーク」を行う際に知っておきたい注意点をご紹介しました。

「リーク」を行うことは、報道される可能性が高まったり、大きく取り扱ってもらえる可能性が高まるため、広報戦略において有効な手段です。しかし、リスクを把握しないと、これまで築いてきた記者との友好な関係性を壊してしまったり、情報解禁日前に情報が出てしまいビジネスにネガティブな影響を与えてしまったり、かえってデメリットになる可能性もあります。

本記事で紹介した注意点に気を付けて、適切な情報、適切なタイミングで上手に「リーク」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

広報活動における「リーク」に関するQ&A

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この記事のライター

野崎 有希

野崎 有希

PR Agency、HR TechにてPRとマーケティングを経験したのち、現在は通販会社(ショップジャパン)の広報部に所属。コーポレートPR、プロダクトPR、採用PRの戦略立案に従事。社会人キャリアはずっとコミュニケーションに関わる仕事をしています。人生のミッションは、「みんなの応援団」!周りの方が幸せになるきっかけをPRの力で作りたい。‟その人“の魅力を引き出すインタビュー記事は、読むのも書くのも好き。

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