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プレスリリース情報解禁日の取り扱いについて|書き方と注意点、情報解禁日前に出たときの対処法

広報PR活動における情報解禁日とは、企業や組織内の公開前の情報を、公に発表する日のことです。多くの場合、プレスリリースはこの情報解禁日に配信します。ほかにも自社の公式サイトや公式SNS、メディア報道も、原則としてすべて情報解禁日以降に公開されます。

つまり、情報解禁日はまだ世の中に出ていない情報を初めて世に出す重要な期日なのです。ただし関連する部署が複数ある場合、全員が情報解禁日の重要性を認識しているとは限りません

本記事では、情報解禁日を扱ううえで、広報PR担当者が理解しておきたいポイントを紹介します。

情報解禁日前に情報がメディアに出てしまうデメリットとは?

広報戦略における重要な期日として設定する情報解禁日。思わぬ要因で予定より先に情報が世の中に出てしまった場合のデメリットを確認していきましょう。

情報解禁日前に情報が出てしまうデメリットとは

1.企業としての信用を喪失する

情報解禁日前に情報が出てしまうことでもっとも大きな影響は、信用の喪失でしょう。ひとたび信用を失えば、経営悪化につながる可能性もあります。特に自社内で完結するものではなく、業界全体に影響する内容、関係する企業が多い場合は大変です。

信用の喪失までには至らなかったとしても、広報戦略や全体スケジュールが崩れます。段取りが水の泡となり、広報PR担当者にとって悪い状況になることは避けられません。

2.社内や現場が混乱する

社内の担当部署や情報提供先のメディアなど、1件のプレスリリースにはさまざまな人や組織が関わります。情報解禁日に向けてそれぞれが準備しているため、予定と異なる日時に情報が出ると、各現場は混乱します。

万が一先にメディアで掲載された場合、一度公に公開された情報を完全になかったことにすることはできませんし、取引先や協力会社、タレントへの迷惑、契約不履行、今後の信用問題など思わぬ二次被害につながる場合があります。

情報解禁日を共有していないメンバーがSNS投稿する可能性などを考慮し、重要な情報は限られた人で扱い、また、関係しているメンバーの情報の管理は徹底しましょう。

3.メディアとの信頼関係を棄損する

メディアは「いち早くニュースを届けたい」という思いを持っていることが少なくありません。特定のメディアにだけ先に情報がわたることは、そのほかのメディアにとって不公平な状況を生み出します。

記事掲載のリードタイムはメディアによって異なるので、戦略的にメディアに合わせたタイミングで情報提供するケースもあるでしょう。そのようにメディアや読者を慮って意図的にコントロールする場合はともかく、思わぬアクシデントにより情報の提供機会に格差が生じる状況は回避する必要があります。

特に速報性を重視するメディアは、先にほかのメディアで情報が出ている内容は情報鮮度がないと判断し、掲載を見送ることもあります。メディアとの信頼関係を築いていくためにも、情報を公平に提供することが重要です。

情報解禁日前にプレスリリースを出すときの書き方と注意点

情報解禁日より前の期間であっても、プレスリリースの準備段階で関係各所へ確認をとったり、関連のメディアに事前に相談や情報提供をしたり、一部の関係者にプレスリリースの内容が伝わることは避けられません。

情報解禁日前にプレスリリースの情報を扱う際の書き方や気を付けたいポイントを確認してみましょう。

プレスリリースへの情報解禁日の書き方

情報解禁日前にプレスリリースを送るケースとしては、関係者、記者が主だと思いますが、口頭で解禁前の情報であることを説明するだけでなく、一目で「〇年〇月〇日〇時」が情報解禁日であるということがプレスリリースと送る際のメール文面の両方でわかるようにしておきましょう。事情の説明をまだ受けていない人がそのプレスリリースを見て、情報解禁を控えた大事な内容であると認識できるようにすることが重要です。

プレスリリース記載イメージ
プレスリリース記載イメージ

情報解禁日前にプレスリリースを出すときの3つの注意点

1.メディアのフライング公開に注意する

プレスリリースの配信に先行し、メディアに情報提供をした際、何らかのミスコミュニケーションによって、メディアが情報解禁日前にフライングして記事を掲載してしまう場合があります。

メディアでの報道内容は、メディア自身が各運営方針に基づいて判断するものですが、情報解禁日は基本的に守って掲載されることがほとんどです。その前提で、メディアへ情報解禁日前に情報提供する際は、解禁日時を広報PR担当者から確実に伝え、認識の食い違いが起きないようにしましょう

2.複数部署が関係する場合に注意する

プレスリリースを配信する場合、複数の部署や担当者が関係することが多いのではないでしょうか。前述のとおり、広報PR担当者にとっては重要な期日として入念に確認する情報解禁日ですが、そのほかの担当者にとってはその認識が十分でない場合もあるものです。

例えば何らかのルートで自社へメディアから取材の電話連絡が入った場合に、対応した担当者が情報解禁日を認識しておらず、対応の一環で公開前の情報を話してしまう可能性もゼロではありません。

情報解禁日の重要性を社内に共有することも広報の仕事のひとつです。「何月何日」の「何時」に「何の」情報を発信するのか、そして解禁前の取り扱いについて、広報PR担当者として責任をもって周知していきましょう。

【あわせて確認】

3.広報PR担当者自身の確認に注意する

メディアによるフライング公開、部署間の連携ミスだけでなく、広報PR担当者自身の確認ミスで情報が先行して公開されてしまうケースもあります。例えば、配信直前に配信時間を変更するような突発的な変更が発生したときは特に注意が必要です。

突発的な変更が発生しても慌てることのないように、情報発信時の手順やチェック項目をあらかじめまとめておくと効果的です。また、リリース予約、SNS予約、関係性のあるメディアの連絡先や関連部署の連絡先などを事前にリスト化しておくとよいでしょう(ほかの人もメディアリストを呼び出せるようにしましょう)。

ヒューマンエラーを予防するため、配信前にダブルチェックをする体制を整えておくことも効果的です。

プレスリリースの情報が解禁日前に出てしまったらどうする?解禁日前に出たときの対処法

これまで確認してきたように、プレスリリースを配信する際に情報解禁日を設定していたとしても、さまざまな事情で設定した日時より前に公開されてしまうことがあります。

万が一情報解禁日前に情報が出てしまったら、関係者への迅速な連絡や対応が必要です。

解禁日前に出たときの対処法

プレスリリースを予定よりも先に配信してしまった場合

プレスリリースの発表日時を誤って配信した場合、①一時的に取り下げて非公開にする、②そのまま公開する、という2つのケースが考えられます。予定配信日から大幅に先行した場合は取り下げて非公開にし、配信日は合っていて配信時間のみ誤ってしまった場合はそのまま公開する場合が多いですが、どのくらい先行してしまった場合は取り下げる、など事前に準備を決めておくとよいでしょう。

PR TIMESで配信したプレスリリースを取り下げる場合、下記記事で手続き方法や確認事項をご紹介しています。

メディアに先に公開されてしまった場合

自社側で情報解禁日を伝えた認識でいても、メディアが先に情報を公開してしまうことがあります。万が一メディアが誤って公開してしまった場合、取り下げや一時的に非公開にする対応を求めます。該当メディアに連絡し、解禁日時より先行している事実を伝え、一時的に非公開として解禁日に再掲できるかを相談しましょう。

ただし、紙媒体やテレビ・ラジオ等の放送や一部のデジタルメディア、SNSでは取り下げが物理的に難しいケースもあります。

覆水盆に返らずという言葉もあるように、一度世の中に出してしまった情報を完全になかったことにするのは難しいものです。そんな状況にならないよう、情報解禁日前のプレスリリースは心して取り扱いましょう。

特に、該当の情報発表に対して複数の部署が横断的に関わっている場合には、解禁日について各所と合意形成をとることが必要です。ほかにも、メディア関係者へ連絡する際に解禁日時を明記するルールを設定しておくとよいでしょう。

情報解禁日前にメディアに出てしまうことを回避しよう

本記事では、プレスリリースの情報解禁日前の取り扱いについて解説しました。

情報解禁日前に情報がメディアに出てしまうことの最たるデメリットは、信用の喪失です。上場企業であれば、株価に影響が出て経営悪化につながりかねません。

情報解禁日の取り扱いについて関係者に認識してもらうため、広報PR担当者自身がリスクをあらためて認識し、周囲に周知徹底することが大切です。情報解禁日前にプレスリリースを出すときは、口頭だけでなく、プレスリリース自体にも情報解禁日が一目でわかるように記載し、送る際のメールにも冒頭部分など目に留まる場所に記載します。

また、メディアとの関係性構築だけでなく、社内関係者に情報解禁日の取り扱いについて教育を実施するなど、周囲に対しての周知も広報PR担当者の仕事です。

しかし、どれだけ気をつけていてもリスクはつきもの。解禁日前に情報が出たときを想定した対処法も検討しておくことが大切です。

広報PR担当者はリスクを再認識し、事前の十分な準備を行い、情報解禁日の重要性を周知徹底して、解禁日前に情報がメディアに出てしまうことを回避しましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

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この記事のライター

根本 智帆

根本 智帆

2016年にPR TIMES入社。化粧品・グルメ・美術館など様々な業界のPRパートナーとして、企画を立てたり、実行したり、イベントを開催したりしています。手探りで挑戦する広報さんや自分自身と向き合ってきたからこそ伝えたい、広報・PRやPR TIMESに関する情報をPR TIMES MAGAZINEで発信していきます。お茶とワインが好きです。

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