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広報PRの職務経歴書の書き方4つのポイントとは?フォーマットとキーワードを解説

まだまだ求人数として少ない職種である広報。経験者を採用したい企業が多いこともあり、他職種からの挑戦は狭き門といえます。しかし、ほかの職種での経験にも広報業務に生かすことができることも多く、伝え方次第では門戸が開くこともあるでしょう。広報といってもその業務内容はさまざま。広報経験者の転職においても、希望のキャリア構築を可能にする職場につなげるためのアプローチは必要不可欠です。

本記事では広報PRの職務経歴書の書き方や、伝えるべきキーワードについて考えます。

広報PRの職務経歴書のフォーマットと見本

転職活動において、職務経歴書は企業に自分自身を知ってもらう「ファーストコンタクト」であることがほとんどです。第一印象を決める職務経歴書は、簡潔かつ自身をよく知ってもらえる内容にすることが大切です。これまでの経験や持っているスキルを正確に伝え、その企業で活かせる点を明確に記載しましょう。また、複数の企業を受ける場合は、企業ごとに内容をカスタマイズすることが重要です。

広報PRの職務経歴書の書き方4つのポイント

広報PRの職務経歴書の書き方・盛り込むポイントを見ていきましょう。ここでは以下の4つのポイントを紹介します。作成するときは、①すべてのキャリアの要約を150字程度で記載する、②直近の経験から記載する──を前提とします。

ポイント

ポイント1.業務内容ごとにわかりやすく記載する

広報PRの業務内容は多岐にわたります。広報業務全体に共通する経験とともに、社内広報・社外広報、サービス広報、コーポレート広報、IR広報など、業務内容を分けて記載しましょう。どのような層を対象とした業務なのか、何を目的とした業務なのかなどに分けて書くとわかりやすいでしょう。

ポイント2.実績や成果を伝える数値・データを記載する

業務の中で、数値やデータで伝えられることを記しましょう。例えば、プレスリリースの配信本数やメディアに取り上げられた数、対象となったイベントやキャンペーンへの集客数など、業務に付随する数値を記載します。また、通期目標の値に対する達成率・達成状況などでもよいでしょう。

ポイント3.業務に生かした資格や語学力を記載する

業務に活用した資格や語学力についても伝えましょう。広報PR業務には直接関係なくても、その業界特有の知識の裏付けとなる資格などを持っている場合は、業務に生かせる可能性があります。また、語学を駆使した広報経験などがある場合はその内容も含めて記載します。職務経歴書には業務に関連した、または生かせる資格だけを書くようにしましょう。関連のない資格は履歴書に記載するようにします。

ポイント4.理解しやすい共通認識が持てる内容にする

社内やメディア関係者とのリレーションスキルや包括的な業務推進力、さまざまな角度から検討できる総合的な判断力など、広報職に求められるスキルは多くあります。数値やデータでの記載が難しい実績は、読み手が理解できる共通認識を明記しましょう。

例えば、「メディア関係者とのリレーションを築くために、メディアごとの特性に合わせたツールを活用した個別説明会を〇回実施した」「コーポレートサイトのリニューアルプロジェクトにおいて部門横断で集まったメンバーをまとめ、業務の細分化と進行管理・制作部門との窓口などを担当。プロジェクトの円滑な運営に努め、ローンチ予定を1ヵ月繰り上げることに成功した」など、どういったことを通じて何を達成したのかを明確にするとよいでしょう。

広報PRの職務経歴書に記載したいキーワード

広報PRの職務経歴書では、業務内容によって読み手に伝えたいことが変わります。ここでは、特に伝えたいキーワードを、業務内容別に見ていきましょう。

記載したいキーワード

社内広報

社内広報は、会社を構成する社員に向けた情報発信を通じて、自社の手がける事業やそのベースとなる理念や想いを伝え、社内全体の一体化を図ります。社員を通じたブランドイメージの醸成にも通じるため、コーポレート広報とも関連するでしょう。社内報やインターナルWebの管理運営、会社案内や社史の制作などの業務に携わることもあります。

【記載したいキーワード】
社内報・インターナルWebの企画運営と管理/各種ツール制作(会社案内、コーポレートサイト、社史など)

サービス広報

自社の製品やサービスの認知促進を手がけるサービス広報では、マーケティング視点・プロモーション視点を用いた広報活動を行います。サービス広報で培ったこれらのスキルはぜひ伝えたいポイントです。市場の流れやトレンド、ニーズを見極め、適切なキーワードでメディアや生活者にアプローチした施策などを成果とともに具体的に記載しましょう。

【記載したいキーワード】
広報PR戦略の企画立案・実施/プレスリリース作成・メディア対応/取材誘致/イベントの企画立案/Webサイト管理運営(製品・サービスのサイト、ソーシャルメディア)/製品・サービスに関わるカタログ制作 など

コーポレート広報

コーポレート広報は、企業として目指すブランドを醸成し、そのイメージを定着させていく活動を担います。ブランド醸成や管理は対外的に行うばかりではありません。事業展開や対外的な振る舞いに至るまでに理念や想いが反映されるよう、グループ各社の広報PR活動を最適化し統括管理するグループ広報や、社内広報と連携して社員一人ひとりに理念を浸透させていくことも求められます。また、あらゆるリスクから企業を守るための危機管理も必要不可欠です。

【記載したいキーワード】
広報PR戦略の立案・実施/プレスリリース・メディア対応/取材誘致/Webサイト管理運営(コーポレートサイト・ソーシャルメディア)/会社案内などの制作物企画/CSR など

IR広報

IR広報は上場企業における投資家や株主とのコミュニケーションを担います。四半期または半期ごとの決算説明会や株主総会の運営、IRレポートなどの関連制作物の企画制作などを通じ、株主や投資家が正しい投資判断をするための情報を発信します。また、市場動向を見据えながら事業の成長性や将来性を感じさせる情報発信による企業価値の向上にも携わっていきます。

【記載したいキーワード】
株主総会・決算説明会の運営/財務分析(アナリストや機関投資家向け)/開示資料・決算説明会資料作成/機関投資家・アナリストとのコミュニケーション

広報職以外から転職する場合の職務経歴書に記載したい内容

広報職以外からの転職を目指す場合、前職のどのような経験や特性が生かせるかをアピールする必要があります。広報職に必要とされる「コミュニケーション能力」「企画力」「情報収集力」「主体的な業務推進力」はほかの職種でも培うことができるものです。ここでは、広報職以外からの転職を考えたときに職務経歴書に記載したい内容について見ていきます。

人事

人事経験者がアピールすべき特性は「コミュニケーション能力」と「自社を熟知しプロモーションする力」でしょう。人事は業務上で会社の上層部から新入社員を含む一般社員と広く接する必要があるため、コミュニケーションスキルに長けている人が多くいます。採用活動においては学生や転職希望者に自社をプロモーションする必要もあるため、自社を熟知している代表的な職種と言えるでしょう。個人情報や人事情報などの機密情報の取り扱いを経験していることも、広報業務で生かせるポイントになります。

営業

営業経験者の最大の特性は、相手のニーズをくみ円滑な人間関係を築く力でしょう。メディア関係者とのリレーションシップには欠かせないスキルです。自社製品やサービスを熟知し、競合製品や業界に関する深い知見とともにプロモーションできる力は、サービス広報に活かすことができます。

マーケティング

マーケティングは、広報職を兼務することもあるくらい近い職種です。市場動向をキャッチし、ニーズや社会的背景を反映したストーリーづくりは説得力のあるプレスリリースの作成に生かせるでしょう。数値やデータを用いた説明などにも長けているため、アナリストや投資家に根拠ある投資情報を提供することも可能でしょう。

カスタマーサクセス

顧客満足度を高め、製品やサービスの新規利用・継続利用を図るカスタマーサクセスは、相手の課題やニーズを素早くキャッチアップしたうえで、製品やサービスを用いてそれらを解決し「成功」を導き出す職種です。相手のニーズを正確につかむ力はメディア関係者とのリレーションづくりに役立つでしょう。「製品やサービスを用いて課題を解決する」という納得感のあるロジックを作ることは、プレスリリースやさまざまな資料作成にも生かせます。

デザイナー

デザインを手がける職種が持つ「抽象的なものを具現化する力」も、広報職に役立てることができます。広報業務は相手に理解できるよう表現する仕事です。文章で伝える、スローガンのような端的なワードに置き換える、会社案内やWebサイトなどの制作物にデザインとして反映するなど、その表現方法は多岐にわたります。デザイナー職で培った力を存分に発揮することができるでしょう。

広報PRの職務経歴書を提出する前に最終確認したいチェック項目

最後に提出前にチェックした項目を記載します。ほかの関係書類との整合性が取れているか、理解しやすい内容になっているかなど、きちんと読み込んで確認しましょう。

  • 誤字脱字、必要項目の抜けがないかチェック
  • 記載の各年月に相違がないか履歴書とも照合
  • 見出しやタイトルなど、文書として読みやすいレイアウトになっているか
  • 広報PR業務経験者以外の目から見ても読みやすい分類になっているか
  • 取り組み内容や成果の記載において、読み手が理解しやすい「比較」の記載がされているか(例:「年間MVPを〇回受賞」→「年間MVPを〇回受賞(対象者100人)」など)

積み上げたキャリアを伝える職務経歴書で、さらなる活躍ステージを見つけよう

広報PRの職務経歴書の書き方について見てきました。

すでに広報職でキャリアを積んだ人であれば、次のステージで身につけたいキャリア像を持っていることでしょう。職務経歴書では、これまで培ったスキルや経験が、目指すキャリアにどれだけ生かせるかをきちんと伝えることが大切です。

また、異職種から広報職にチャレンジしたい人は、自身の経験やスキルが広報職に適していることを具体的に記載していきましょう。広報PRは常に新たな発想を求められる職種です。経験がなくても、新たな広報PRの可能性を感じさせることができれば、決して遠い職種ではありません。

これまでの経験と身についたスキルを棚卸しして、魅力を伝える職務経歴書を作成しましょう。

広報PRの職務経歴書の書き方に関するQ&A

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この記事のライター

戸所 奈央

戸所 奈央

新卒で大手人材サービスグループに入社、人材ビジネス以外の各種プロジェクトに参画の後、同グループの海外ブランドアパレルの輸入販売・外販部門にて広報を担当。1998年より同グループの技術系人材派遣・紹介を行う子会社に異動、広報として15年従事する。2015年よりフリーランスとして活動、若手広報担当者の育成や各種ライティング業務などを通じ、企業の広報活動を支援している。

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