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広報のSNS担当「中の人」とは?キャラクターが伝わる投稿をするメリット・方法を紹介

企業の認知度を高め、製品やサービスを広く知ってもらうために、広報SNSの運用は有効な手段です。まだ創業して間もない企業はもちろんのこと、最近では何十年の歴史を持つ老舗企業も、広報SNSを積極的に運用し始めています。

そんな中で、広報SNSの担当者になったらまず何をすれば良いのでしょうか。本記事では、広報SNSを運用するうえで欠かせない「中の人」としてのキャラクター作りのメリットや運用におけるポイントなどをご紹介します。

SNSにおける「中の人」とは?

企業の広報SNSの運用担当者を俗に「中の人」と呼びます。アカウントの方向性決めから日々の投稿、生活者やほかの企業から送られてくるリプライの対応など、そのほとんどを中の人が担当することが一般的です。

企業が運営するSNSでは、SNSでの発信を通して企業の認知度を高めるため、企業の事業内容に寄り添ったキャラクター作りをすることも少なくありません。表立ったキャラクターの合間に運用担当者の人格が見えることもあることから「中の人」と呼ばれるようになりました。企業を表すキャラクター人格がありながら、その向こう側には実在する人間がいることが伝わる、良い呼び方ですよね。

とは?

広報において、中の人のキャラクターが伝わる投稿をするメリット

企業の広報SNSの運用において「中の人」のキャラクターが伝わる投稿をするメリットは大きく3つあります。それぞれの詳細を確認していきましょう。

メリット1.他企業との差別化になる

1つ目のメリットは、他企業の広報SNSと差別化できることです。企業が運用するアカウントは、自社製品・サービスのお知らせがメインになってしまいます。一般生活者から見れば、そうしたアカウントはどれも同様に見えてしまうため、わざわざフォローするにいたりません。

「中の人」のキャラクターが伝わる投稿にすることで、フォローする理由をひとつ作ることができるのは大きなメリットだといえるでしょう。

メリット2.製品・サービスへのタッチポイントが増える

2つ目のメリットは、「中の人」にファンがつき、製品・サービスへのタッチポイントが増えることです。

広報SNS運用の大きな目的は、製品やサービスに触れるタッチポイントを自然に増やし、購買に繋げることです。そのためには、どのように情報を伝えるかが大切です。

友達と交流するような感覚で情報を発信することで「中の人」のファンになってもらい、その結果、最終的に企業の製品・サービス自体のファンになってもらうことができます。

メリット3.運用上の都合がいい

3つ目のメリットは、運用担当者が変わっても受け入れられやすい環境を作れることです。通常、広報SNSの「中の人」が変わるとマイナスの捉えられ方をすることは少なくありません。あらかじめ「中の人」がいること、どんなキャラクターをしているか伝わる投稿を継続していくことで、運用担当者が変わってもフォロワーに受け入れられやすくなります。運用担当者が複数いる場合、そのことを公言してしまうのもポイントです。

ほかにも、キャラクターが伝わる投稿を心掛けることで、運用担当者にとって広報SNSの運用がしやすくなり、継続性もあがります。仕事でありながらも、楽しんで投稿していることがフォロワーに伝わる運用にすることで、多くのメリットを生むことができるのです。

広報のSNS担当「中の人」を決めるときの4つのポイント

企業によるSNSの利用は増えてはいるものの、SNS専任者のキャラクターが垣間見える運用をしている企業は多くはありません。、そういった現状の中で企業の広報SNSの担当者を決めるのは難しい部分も多いでしょう。

自社の情報を積極的に発信し、社会における自社の認知度を高める重要な役割を担う、SNSの「中の人」を決める4つのポイントをご紹介します。

ポイント

1.普段からSNSに接している人

1つ目のポイントは、普段からよくSNSを利用している人です。

各SNSの特徴を理解し、運用できることは大きなプラスポイントとなるでしょう。ヘビーユーザーである必要はなく、また得意であることもそこまで重要ではなく、SNSを使うことが好きで、アカウントを持っていて利用している程度で問題ありません。

まったくSNSを使っていない、アカウントも持っていない人よりは、普段からSNSに慣れている人のほうが「中の人」に向いているといえるでしょう。

2.計画性を持って運用できる人

SNSアカウントの運用には決まりがなく、またいつ終わるなどの期間の定めもありません。そうした中で自分で指針を定め、運用計画を作り、その計画に沿って運用できる人を選ぶようにしましょう。

地道に、毎日継続して運用できる人かどうかも一緒に確認したい点です。

3.自分とは別の人格で運用できる人

企業のSNSでは「機械的な文章しか書けない」「自分が前に出過ぎてしまう」というのはNG。企業の「中の人」のキャラクターにあった投稿をする必要があります。

企業アカウントの運用で大事なのは、投稿内容に運用担当者がそのまま反映されないようにすることです。消費者にとって重要なのは企業としての人格であって、運用担当者の人格そのものに興味を持つわけではないからです。

中の人の性格のまま運用しているように見えても、ある程度人格のラインを決めて運用しなければなりません。また運用の属人化の面でも、アカウントとしての人格を作り運用することで、SNSの担当を引き継いでも中の人が変わったことによる影響が出にくくなります。

自分のプライベートSNSと同様の運用ではなく、企業としての人格を持って運用できることも大切なポイントです。

4.ユーザーを第一に考えられる人

SNS担当者の多くは、専任ではなく兼任である場合がほとんどでしょう。メインの業務を行いながら、手隙の時間で行うと、どうしても企業都合の投稿内容、投稿時間になってしまいかねません。

企業本位の運用になるのではなく、改めてユーザーの視点に立ってどんな情報が求められているのか、情報がほしいタイミングはいつなのかを考えられる人は、SNS担当者に向いています。

企業とユーザーの距離が近い場所であるにはどうしたらいいか、ユーザーの求めていることに寄り添える人が、中の人に向いているといえるでしょう。

中の人のキャラクターが伝わる投稿を作成する3つのポイント

個人アカウントとは違い、広報専用のSNSで発信する内容は十分に精査する必要があります。そのうえで「中の人」のキャラクターが伝わる投稿をするには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。3つのポイントをご説明します。

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1.具体的な人格を作りあげる

1つ目のポイントは、具体的な人格を作り上げることです。企業のイメージに合わせて、「中の人」の人格を作りましょう。

SNSは基本的に企業と消費者の距離が比較的近い場所です。そうした場所で、消費者と友達になるような感覚で接してもらうにはどうしたらいいのか。友達になりたい、親近感があると思われるような人格の3つのポイントを設定して、その設定からブレないような投稿内容を考えるのがおすすめです。

2.ダメな部分も見せていく

2つ目のポイントは、ダメな部分も見せていくことです。

通常、企業が運営するアカウントでは良い部分しか見せないようにしていることがほとんどです。真面目で信頼できるアカウントとして運用するならそれでもいいですが、親近感を持ってもらい、キャラ立ちをさせるなら、ダメな部分も見せていくのもひとつの方法です。

例えば、寝坊してしまったと呟いてみたり、日々のちょっとした可愛らしいミスを呟いてみたり。もちろん、企業のモラルが問われる内容や、人間性が問われる内容は避ける必要がありますが、親しみを持てるような内容は、戦略的に発信することもおすすめです。

3.ユーザーに対して誠実であることを忘れない

3つ目のポイントは、ユーザーに対して誠実であることを忘れないことです。

フォロワーを増やすため、利益を出すための投稿や言葉は、想像している以上にユーザーに見透かされています。フォロワーを増やすことは企業として運営している以上重要ではありますが、自社本位になりすぎていないか、ユーザーに対して誠実な言動になっているのかは忘れてはいけないポイントです。

そうした姿勢から「中の人」のキャラクターが作られていくだけでなく、結果としてフォロワーが増えていくことにも繋がります。

中の人が人気のSNSアカウント事例5選

企業の広報SNSの担当を任された際、参考となる「中の人」が人気のSNSアカウント事例を5つご紹介します。自社との共通点を見つけて、取り入れられそうな部分は積極的に取り入れて運用していきましょう。

1.シャープ

SHARPのアカウント(@SHARP_JP)は、2021年4月時点で約82万人がフォローしている人気の企業アカウントです。

自社製品の紹介だけでなく、直接送られてくるリプライに反応したり、RTしたりとユーザーと積極的にやりとりをしているのが印象的です。日常的な投稿から「中の人」の人格が感じられますし、他企業とのやりとりからも人が運用している感じが伝わります。広報SNSの運用を始めたばかりの方にはぜひチェックしてほしいアカウントです。

2.ハンズ

ハンズのアカウント(@Hands_san)は、2022年12月時点で19.7万人のフォロワーがいる企業アカウントです。企業アカウントの中では珍しく、「中の人」は3人で運営していることをプロフィールで明かして運用しています。

扱っている製品を紹介しながら、ほどよくX(旧Twitter)のトレンドの波にのってみたり、ほかの企業アカウントと絡んでみたりと、人が運用している感じが伝わります。複数人での運用方針に悩んでいる場合、参考となる部分は多いでしょう。

3.井村屋

戦力である小豆の商品を中心に、和菓子など幅広く扱う井村屋のアカウント(@IMURAYA_DM)は、2021年4月時点で約15万人ほどのフォロワーがいます。かなり親しみを感じるキャラクターで、他部署の人とのやりとりも頻繁に登場し、「中の人」との関係性も伺えるのも楽しい部分です。

X(旧Twitter)で話題になったことから開発が進んだ具のない「すまん」は、開発から発売までの過程を逐一届けることで、フォロワーとの一体感を高め、発売まで盛り上がりを維持したお手本となる運用方法でした。

4.タニタ

2021年4月時点で約31万人のフォロワーがいるタニタのアカウント(@TANITAofficial)。簡潔で共感を得られるツイートがメインで、気負わない運用方針であることが伺えます。

ユーザーからの声に頻繁に答えており、製品のプロモーションがとても上手です。一般生活者が日常的に使用する製品を扱っている企業の広報SNSとして、お手本としたい部分が多いので一度確認するといいでしょう。

5.わかさ生活広報部

2020年8月頃から本格的な運用が開始し、1カ月に1000人を超えるペースでフォロワーを増やしている注目のアカウントが、わかさ生活広報部(@WAKASASEIKATSU)です。2020年に入社した新卒の社員が運用を行い、自社キャラクターであるブルブルくんのぬいぐるみと共に日常的なゆるいツイートを届け、徐々に人気が高まっています。

ユーモア溢れるツイートと、欠かさず行っているエゴサーチから、まめに反応を送ることで上手にファンを増やしています。自社ならではの公式キャラクターを活用してフォロワーを増やしたいと考えている広報担当者の方は、要チェックのアカウントです。

友達になりたくなる企業アカウントを目指して

企業と生活者が簡単に繋がることができるX(旧Twitter)では、どんな距離感で運用していくかを決めることが重要なポイントとなります。無理のない継続的な運用を目指すには、「中の人」のキャラクターを明確にして、ファンになってもらえるような親しみを持てる日々のツイートをすることを心掛けましょう。

「中の人」が人気のSNSアカウント事例5選でご紹介したように、企業SNSの「中の人」が人気になるには、生活者にとって友達になりたくなるようなアカウント運営がポイントとなります。「中の人」のキャラクターが伝わる投稿の3つのポイントを参考に、自社ならではのキャラクターを作り、楽しさが伝わる広報SNS運用を目指してみてください。

広報のSNS担当「中の人」に関するQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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