
緑茶の日
9月28日は「プライバシー・デー」。今回は「プライバシー・デー」の意味や由来を解説します。
また、「プライバシー・デー」をきっかけに広報PR活動を行う効果やポイント、実際の広報事例もご紹介。広報やマーケティングネタを探している方、特にプライバシーや個人情報に関わる業務を担っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
9月28日は「プライバシー・デー」です。1964(昭和39)年9月28日、日本ではじめてプライバシーの権利に関する裁判が行われた出来事にちなんで、記念日として制定されました。
裁判のきっかけとなったのは、三島由紀夫氏による小説『宴のあと』のストーリーです。有田八郎元外務大臣が、作品内でプライバシーを侵害されたとして、発行元の新潮社と作者を相手に、裁判を起こしました。東京地裁は訴えを認め、作者に対し損害賠償を請求。
当時プライバシーについて取り上げられる機会が少なかった日本において大きな話題を呼び、以降「プライバシー」という言葉も広く浸透する結果となりました。
「プライバシー・デー」は、メディアがトレンドとして取り上げやすいテーマです。プレスリリースを始め、「プライバシー・デー」に関する自社の取り組みを発信することで、普段は接点が少ないメディアの目にも届く可能性が高まります。
特にSNSの場合、時節やトレンドにあった内容は、企業アカウントの投稿も受け入れられやすいもの。「プライバシー・デー」をネタにした投稿は、ステークホルダーとのコミュニケーションを取りやすく、自社に親しみをもってもらえるきっかけになります。
自社プロダクトやキャンペーン、自社の取り組みなどを合わせて紹介することで、より自社のことを知ってもらえるチャンスが生まれるでしょう。
「プライバシー・デー」をきっかけとした広報PR活動は、以下の流れで行うことが一般的です。
STEP1.「プライバシー・デー」の由来や、意識調査などから情報収集を行い、今年の傾向を掴む
STEP2.コミュニケーションを取りたいターゲットやゴールを決める
STEP3.自社サービスやプロダクトと「プライバシー・デー」をかけ合わせ、発信内容を検討する
STEP4.発信するコンテンツを作成する
STEP5.媒体を選び情報発信する
特に、メディア関係者に届けたい場合はプレスリリースの配信がおすすめです。生活者とカジュアルにコミュニケーションを取りたい場合はSNSを活用するのもよいですね。
トレンドキーワードを元に、広報PR活動に落とし込む詳細は以下の記事からご確認ください。
「プライバシー・デー」を具体的にどのように広報PRに活かすのか悩む方も多いでしょう。
次に、これから「プライバシー・デー」に関するイベントやキャンペーンなどを検討する際の参考になる事例と、GOODポイントを紹介します。記念日に関した事例ではないものも、今後「プライバシー・デー」を広報PRに活かすうえで参考になるでしょう。
プライバシーテック事業を展開するPriv Tech株式会社は、J-KISS型新株予約権発行による資金調達の実施を発表しました。株式会社アガルートや株式会社イードをはじめとする企業のほか、複数名の個人投資家から合計7,000万円の資金調達を実施。
「資金調達の背景と今後の展開」と題したプレスリリースの見出しでは、パーソナルデータの活用とプライバシー保護の両立が求められる点などに訴求しています。今回の概要を踏まえたうえで、各社からのコメントも掲載し、企業を中心に多くの人へ認知を広めた広報PR事例です。
参考:企業のプライバシー対策を支援する Priv Tech が7,000万円の資金調達を実施
データプライバシー業務のコンサルティングやOneTrustの販売などを手掛けるTrustNow(NKSコンサルティング株式会社)は、新たなセルフサービス支援プランの展開を発表しました。セルフサービスの導入リスクを低減するため、専門家のサポート体制を充実させた「セルフサービス支援パック」のプレスリリースです。
30時間から200時間まで4種類の時間別でパックを展開し、支援内容に応じて選択できるラインナップを強みとするサービスの特徴を紹介。割引価格での提供や無償利用対象条件なども用意し、導入を検討中の人に積極的にアプローチすることで販売促進につなげた事例といえるでしょう。
参考:TrustNow、OneTrust プライバシー評価自動化・データマッピングのセルフサービス支援パック(定額)の提供を開始
Nordvpn S.A.は、サイバーセキュリティに関する調査を実施し、レポートとして発表しました。毎年行われる世界的な調査「ナショナル・プライバシー・テスト(NPT)」で、2023年は175ヵ国から26,174件の回答を取得。
インターネットのプライバシーとサイバーセキュリティに対する意識・知識は、日本が世界ワースト2位であることに訴求しています。世界的な調査の結果について日本に着目し、タイトルでもその結果がわかりやすく明記されているのがGOODです。
「プライバシー・デー」にちなんだプレスリリースではありませんが、リード文のまとめ方や各項目の見出しといった構成が参考になります。
参考:日本人のサイバーセキュリティに関する知識は「世界ワースト2位」
9月28日の「プライバシー・デー」は、個人情報をはじめとするプライバシー保護や安全対策を想起させるきっかけになる日です。利用者の情報を取り扱っている方にとっては特に、「プライバシー・デー」を切り口として自社商品・サービスの魅力を伝える良い機会になるでしょう。
また、国際デーのひとつである1月28日の「データプライバシーデー」を含めて、企画を検討するのも一案です。お伝えした事例を参考に、ぜひ自社商品・サービスと「プライバシー・デー」をかけ合わせた広報PR施策を考えてみてください。
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