
パブリックドメインの日

1月1日は「世界平和の日」。今回は「世界平和の日」の意味や由来を解説します。
また、「世界平和の日」をきっかけに、広報PR活動を行う効果やポイント、実際に広報PRに活かしている広報事例を紹介します。
広報やマーケティングネタを探している方、特にイベント業界の方や、音楽やアートに関する事業をおこなっている企業は、ぜひ参考にしてみてください。
1月1日は「世界平和の日」です。1968年のこの日、平和のために祈るよう、ローマ教皇パウロ6世が制定しました。憎しみや悲しみ、戦争や分裂、搾取や飢餓のない平和な世界の到来を願い、カトリック教会が定めた記念日です。
毎年、教皇がテーマやメッセージを発表しています。この「平和メッセージ」は、平和の条件や、平和に対しての義務と責任などを論じているものです。
「世界平和の日」は、メディアがトレンドとして取り上げやすいテーマです。プレスリリースを始め、「世界平和の日」に関する自社の取り組みを発信することで、普段は接点が少ないメディアの目にも届く可能性が高まります。
特にSNSの場合、時節やトレンドにあった内容は、企業アカウントの投稿も受け入れられやすいもの。「世界平和の日」をネタにした投稿は、ステークホルダーとのコミュニケーションを取りやすく、自社に親しみをもってもらえるきっかけになります。
自社プロダクトやキャンペーン、自社の取り組みなどを合わせて紹介することで、より自社のことを知ってもらえるチャンスが生まれるでしょう。
世界平和の日をきっかけとした広報PR活動は、以下の流れで行うことが一般的です。
STEP1.「世界平和の日」の由来や、意識調査などから情報収集を行い、今年の傾向を掴む
STEP2.コミュニケーションを取りたいターゲットやゴールを決める
STEP3.自社サービスやプロダクトと「世界平和の日」をかけ合わせ、発信内容を検討する
STEP4.発信するコンテンツを作成する
STEP5.媒体を選び情報発信する
特に、メディア関係者に届けたい場合はプレスリリースの配信がおすすめです。生活者とカジュアルにコミュニケーションを取りたい場合はSNSを活用するのもよいですね。
トレンドキーワードを元に、広報PR活動に落とし込む詳細は以下の記事からご確認ください。
「世界平和の日」を具体的にどのように広報PRに活かすのか悩む方も多いでしょう。
次に、これから「世界平和の日」に関するイベントやキャンペーンなどを検討する際の参考になる事例と、GOODポイントを紹介します。記念日に関した事例ではないものも、今後「世界平和の日」を広報PRに活かすうえで参考になるでしょう。
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、講演会「世界の現状から『平和を考える』~難民キャンプで授業を行う~」に講師として登壇したことを、プレスリリースで発表しました。講演では、南スーダンやシリア、ルワンダなどでの教育支援の様子を、写真や動画とともに紹介しています。
プレスリリースでは、講演の概要に加え、紛争地域や災害地域での教育現場を具体的に伝えることで、「平和」や「人権」を遠い出来事ではなく、日常と地続きの課題として捉え直す構成となっています。参加者同士の対話の様子も紹介し、講演を一方的な情報提供で終わらせず、考えるきっかけとして設計している点が特徴です。
記念日に合わせた配信ではありませんが、「世界平和の日」のように平和や人権に関心が高まるタイミングに、講演会や啓発イベントをどのように発信するかを考えるうえで参考になる事例といえるでしょう。
参考:「世界の現状から『平和を考える』~難民キャンプで授業を行う~」に約400名が参加
沖縄の社会起業家支援企業 株式会社うむさんラボは、演劇と対話を組み合わせた平和学習プログラム「ピースシアター」を展開する株式会社ナラティブへ、400万円の出資を行ったことをプレスリリースで発表しました。ナラティブは、戦争体験を題材にした演劇を通じて平和の継承を図り、中高生向けに全国で公演を行っています。
プレスリリースでは、単なる資金提供の報告にとどまらず、出資の背景や目的、ナラティブが向き合う社会課題、演劇を用いた平和教育の意義を丁寧に整理しています。あわせて、事業のロジックモデルを図解で示し、平和の継承に向けた取り組みをどのように持続・発展させていくのかを具体的に伝えている点が特徴です。記念日に合わせた配信ではありませんが、「世界平和の日」のように平和や継承について考える機会が増えるタイミングに、活動を支える仕組みや投資の考え方まで含めて発信する事例として参考になるでしょう。
参考:株式会社うむさんラボが運営するカリーインパクト&イノベーション1号投資事業有限責任組合、平和教育×演劇の「株式会社ナラティブ」へ出資
中村キース・ヘリング美術館は、広島で開催した特別イベント「キース・ヘリングと平和をえがこう」において、約250人の子どもたちが参加する大型バナー制作ワークショップを実施したことを、プレスリリースで発表。1988年にキース・ヘリングが広島で示した平和へのメッセージを起点に、子どもたちが自由な表現で「つがいの鳥」を描き、一つの作品を完成させています。
プレスリリースでは、イベントの目的や背景を明確に示したうえで、制作の様子や完成したバナーの規模・価値を具体的に紹介しています。写真を通じて、子どもたちが主体的に参加するプロセスを伝えることで、平和を「学ぶテーマ」ではなく「体験として共有する取り組み」であることが伝わる構成となっています。記念日に合わせた配信ではありませんが、「世界平和の日」のように平和について考える機会が広がるタイミングに、参加型の創作イベントとしてメッセージを発信する事例として参考になるでしょう。
参考:キース・ヘリングの平和への願いを未来へつなぐ特別イベントを開催!広島で250人の子どもたちが描いた「平和のバナー」が完成
新しい1年がスタートする1月1日。「世界平和の日」は、社会的な活動から、エンタメやアート、ライフスタイルやファッションなど、ジャンルを問わず幅広い展開ができるテーマです。
「世界平和の日」にちなんだイベントやキャンペーンを開催したり、世界平和に関連した調査リリースを出したりするのも一案です。また、自社で「世界平和の日」に関する取り組みをしている場合はそちらも発信するといいですね。
今回ご紹介した事例を参考に、「世界平和の日」に併せたイベントや取り組み、広報PR活動の内容を考えてみてはいかがでしょうか。
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