魅力的な商品やサービスを扱っているにもかかわらず、なかなか顧客獲得につながらないという悩みを持つ担当者も多いのではないでしょうか。魅力のある商品やサービスでも、利用する顧客対象者に合った集客方法を選択できていない場合、商品の購入やサービスの利用につながりません。
本記事では、顧客を集客するうえで必要な基礎知識や、オンライン集客とオフライン集客それぞれの成功事例について紹介します。
集客をするうえで知っておきたい基礎知識
適切な集客方法を選択するには、集客における基本的な知識が必要です。ここでは、実際に顧客の集客活動の前に知っておくべき基礎知識を紹介します。オンライン・オフラインそれぞれの顧客集客のメリットと懸念点も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
集客の目的と注意点
集客の目的は、自社の商品やサービスへの認知を広め、顧客となる方を集めることです。さらに、リピーターを増やし、自社商品やサービスのファンを増やすことも目的のひとつといえるでしょう。
集客はできているものの購入や利用につながっていない場合、例えばシニア層を対象としたサービスにもかかわらず、オンライン集客に注力しすぎているなど集客方法に課題があるかもしれません。
集客する際には、顧客のニーズやベネフィットを捉え、対象者に確実に伝わる集客方法を選択することが、集客を成功に導く秘訣です。
オンライン・オフライン集客のメリットと懸念点
集客方法には、大きく分けるとオンラインとオフラインで行う方法があります。それぞれのメリットや懸念点を正しく理解したうえで、対象者に合う方法を選択することが重要です。
オンライン集客のメリットは、紙媒体などの物理的な媒体を必要としないためコストを抑えやすいことや、時間や場所に縛られず対象者にアプローチできる点です。また、効果測定もしやすいため、次回の集客の際に改善を図りやすいのも魅力でしょう。ただし、オンライン集客に必要となる広告運用やSEOなどは、専門的な知識がある程度必要になります。
オフライン集客には、ダイレクトメールやチラシ、テレフォンアポインターの活用などがあります。対象者やエリアを絞り込んで告知などの集客ができるため、限られた対象者に認知を広げたり、理解を深めたりしやすいメリットがあります。ただし、集客するエリアや対象者が限定的になりやすいため、幅広い対象者に告知したい場合などには、オンライン集客との組み合わせなど、工夫が必要になるでしょう。
オンライン集客とオフライン集客は、基本的に単体で活用するよりも、対象者などに合わせて組み合わせながら進めることで、集客の最大化を図れるメリットがあります。
オンラインでの集客の成功事例7選
オンライン集客は、企業規模や、対象となる商品やサービスの値段などにかかわらず、取り入れやすい集客方法です。自社に合った方法を選定することが、集客アップのポイントになるでしょう。ここでは、オンライン集客での成功事例を7つ紹介します。
事例1.株式会社しまむら
株式会社しまむらでは、ダンスボーカルグループとのコラボレーション企画を開催。オンラインストア限定のコラボレーションアイテム販売や、メンバーがセレクトしたコーディネートアイテムを販売したことなどが話題を呼び、集客を増やしました。
さらに、セレクト中の様子に密着した特別動画のYouTube配信や、公式SNSやアプリとの連動キャンペーンを開催。オンライン企画を多く実施したことで、集客の最大化に成功した事例といえるでしょう。
株式会社しまむらでは、日常的に多くの有名インフルエンサーやモデルなどを起用しコラボレーションアイテムを販売しています。公式ホームページやSNSと、インフルエンサーの発信力の相乗効果を最大限に活用している企業です。
参考:ダンスボーカルグループ「ICEx」とファッションセンターしまむらのコラボが決定!
事例2.株式会社イーライフ
株式会社イーライフは、ファンコミュニティのプラットフォーム開発や運営支援に取り組む会社です。
同社が運営する森永製菓のオンラインファンサイトである「エンゼルPLUS」は、開設10年で会員数が75万人(2023年10月現在)に達したうえ、常に高いアクティブ率を保っていることから、ファンサイトの代表例ともいえます。
エンゼルPLUSのメインコンテンツには、お菓子好きの仲間とオンライン上で語れる掲示板や、写真を投稿できるエンゼルギャラリーなどを展開。根強いファンが多いサイトのため、森永製菓の開発担当などがマーケティングの一環として、ファンサイト登録者に向けて投票やアンケートを行うこともあります。
運営者側が顧客とのコミュニケーションを大切にしていることで顧客ロイヤリティは年々向上し、熱心なファンが増加しており、登録者へ向けたアンケートを実施すれば数千件を超える回答が数時間で集まることも。
エンゼルPLUSはコミュニティサイトとして、ブランド全体の根強いファンづくりに大きな貢献をしている存在といえるでしょう。
参考:森永製菓株式会社松野員人氏が、ファンコミュニティ「エンゼルPLUS」で長期的なファンとの関係構築ノウハウと重視するKPIについて解説
事例3.株式会社あしびかんぱにー
1995年から沖縄県那覇市国際通りで行われているエイサー祭り「一万人のエイサー踊り隊」は、毎年世界中から観光客が集まる県内最大級のお祭りです。2021年はコロナ禍ということもあり、VR空間「バーチャルOKINAWA」上での開催に。VRとECサイトを連動させたことで、結果的に1万人を超えるオンライン来場者につながる大盛況のイベントになりました。
バーチャルステージ上では、世界中で活躍している創作エイサー団体らによる琉球舞踊などのパフォーマンスのほか、ご当地VTuberによる演舞コラボなども実現。
さらに、バーチャルOKINAWAでは、ECサイトとリンクした屋台も設置され、沖縄の物産品などの購入も可能となりました。通常、メタバースでの支払いには仮想通貨が用いられますが、仮想通貨や暗号資産を持っていないユーザーも想定し、クレジットカードと連携させたことも集客を増すきっかけとなった成功事例です。
参考:世界中から約1万人が来場!沖縄最大級のエイサーイベント”一万人のエイサー踊り隊”をバーチャルOKINAWAで開催!
事例4.株式会社エフ・ディ・シィ・プロダクツ
株式会社エフ・ディ・シィ・プロダクツの手がけるジュエリーブランド「4℃」が、『匿名宝飾店』をオープン。デザインと品質のみを見てジュエリーを選択する体験型ジュエリーショップという珍しいコンセプトと、来店客によるSNSが徐々に広がりを見せたことで集客が成功した事例です。
オープンから約1ヵ月でブランド名を公開するという段階的なオンライン告知と、来店客により発信されたSNSが好意的な内容だったことなどが、良い相乗効果を生み出した結果といえるでしょう。
さらに、「ブランドイメージにとらわれず、ジュエリーを見てほしい」というブランド側の意図が反映されており、「4℃」というブランドが公開されて以降は再度話題を集めることができ、企業側の考えがしっかり伝わった成功事例といえるのではないでしょうか。
参考:原宿にあらわれた“ブランド非公開”のジュエリーショップ『匿名宝飾店』 その正体は、ジュエリーブランド「4℃」
事例5.株式会社小学館
株式会社小学館では、自社で創刊する雑誌『DIME』とWebメディア『@DIME』のビジネスカンファレンスを開催しました。
カンファレンス自体はリアルとオンラインのハイブリッドでの開催ですが、本イベントの参加には、小学館IDへの登録が必須です。イベント開催のタイミングを活用した自社メディアヘの登録者促進により、今後のイベント参加や自社商品購入などの見込み客につなげられた事例ともいえます。
参考:糸井重里氏、厚切りジェイソン氏、益 一哉東京工業大学学長…第一線で活躍する知識人、ビジネスリーダーが登壇!「DIMEビジネストレンドサミット」参加者大募集!!
事例6.株式会社ユニクロ
ユニクロでは、2023年11月に「UNIQLO DOWN SNAP」プロジェクトを始動。事前情報なく街の人にユニクロのダウンを着てもらい、自然体でのリアルな着こなしや感想などを動画とスナップで公開したプロジェクトです。
本プロジェクトは、ストリートスナップを得意とする、SNSで話題のカメラマンを起用し北海道・東京・大阪で開催しました。ダウンを実際に着用した街の人のリアルな様子が動画などで見られることが話題を呼びました。
購買の年齢層が比較的高めのユニクロですが、オンラインを活用して若年層の集客にもつなげた成功事例です。
参考:何も聞かずに着てみてください。「UNIQLO DOWN SNAP」動画を11月1日(水)より公開!
事例7.学校法人 河合塾
河合塾グループが、高校1・2年生に向けた大学合同オンライン説明会「ユニフェスOnline2024」を実施。説明会は、オープンキャンパスに行く大学を決める前の、情報収集の場としての活用を推奨し、全国113大学が参加した大規模なイベントです。開催3日前の時点で、申込者数は3万件を突破しました。
本イベントは、オンライン説明会への参加で、オープンキャンパスに行く大学を効率的に選べるというベネフィットがあります。各サイトやSNSなどを活用し、対象者である高校生が参加するベネフィットをしっかり伝えられたことが集客成功のポイントではないでしょうか。
説明会では、河合塾の公式アプリをインストールすることで、さらに多くのプログラムに参加できる特徴があります。ホームページやSNSだけでなく、アプリなども最大限に活用した集客の成功事例といえるでしょう。
参考:大学合同オンライン説明会は高1・2生の大学選びの新定番!~『ユニフェスOnline2024』7/20・21開催~
オフラインでの集客の成功事例3選
対象者の年齢層や居住地域によって、ダイレクトメールやチラシ、テレフォンアポインターの活用などのオフライン集客は効果を発揮しやすくなります。ここでは、オフライン集客での成功事例を3つ紹介します。
事例1.イオン株式会社
ショッピングモールや総合スーパーなどを展開するイオン株式会社では、シニア層に向けた店舗づくりの際のオフライン集客が注目を集めました。
シニア層が多い地域にある店舗を「G.Gストア」に認定。シニア層にニーズの高い商品やサービスを積極的に提供する店舗へシフトしました。ある店舗では、シニア層の生活スタイルに合わせ、早朝にラジオ体操や簡単なエクササイズに参加できるイベントを実施したり、趣味や交流の場を提供するためのエリアを無料開放したりしています。
シニア層という対象に合わせて、告知方法はチラシやポスター、新聞折り込みなどを増やしたことで利用者が増えたオフラインでの集客の成功事例です。
参考:シニアのお客さまにやさしいお店づくりが「Enjoy Aging Award」を受賞しました
事例2.株式会社資生堂
日本の超高齢化社会に目を向けた株式会社資生堂から生まれた、シニア向けブランド「プリオール」。シニア層への認知拡大につなげるため、ブランドデビュー発表をテレビCMや新聞折り込みチラシなどのオフラインを中心に行いました。販売先として、シニア層の購入が見込めるドラッグストアや量販店などを中心に展開したことも特徴です。
シニアのニーズを把握するため、発売前には6000名を超えるシニア女性にモニター調査を実施し、行動や美意識、価値観に関する意識を調査しました。シニア特有のニーズや購買プロセスに着目した集客戦略が成功のポイントとなった事例です。
参考:日本のシニア女性の、“今”を輝かせる。 資生堂 シニア女性向け新ブランド 「プリオール」誕生 2015年1月21日(水)発売
事例3.日本支社ジェンハイジャパン株式会社
ジェンハイジャパンの取り扱いブランドのひとつである「Neakasa(ネアカサ)」は、ペット関連商品を主商品として展開しているブランドです。
飼い主がペットと一緒に来場できる日本で唯一のイベント「Pet博2024なごや」に参加することで、ブランドの購買対象者である飼い主との接点を増やし、ブランドへの認知拡大につなげています。
イベントで実際に商品を試してもらい、気に入ればそのまま公式オンラインストアで購入できるほか、プレスリリースを読んだ人やイベントに参加した方に限定クーポンの配布を実施。オフライン集客とオンライン集客を組み合わせた施策です。
同社が提供する商品の購入対象者はペットの飼い主がメインです。対象者が限定的なため、オフライン集客方法のひとつであるイベントや展示会に積極的に参加してもらうことで集客を増やしている事例といえます。
参考:【出展のお知らせ】Neakasa(ネアカサ)、Pet博2024なごやに出展!ペット同伴で入場できるイベント!
オンライン集客とオフライン集客を組み合わせて活用するのが集客成功の秘訣
集客の目的は、自社商品やサービスの認知拡大だけでなく、リピーターやファンを増やすことです。
集客方法には、オンラインやオフラインを活用する方法がありますが、いずれもメリットや懸念点があるため、集客したい顧客の対象者に合う適切な方法を選択する必要があります。
集客したい対象者の種類を把握したうえで、適切な集客方法を活用することが集客成功の秘訣といえるでしょう。
PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法と料金プランをあわせてご確認ください。
PR TIMESの企業登録申請をするPR TIMESをご利用希望の方はこちら企業登録申請をする