広報PRに欠かせないメディアリストとは?作成方法から活用のコツまで

広報で欠かせない仕事のひとつが、プレスリリースでの情報発信です。プレスリリースの準備では、社内情報を収集して文章を作るだけでなく、プレスリリースの送り先を精査する必要があり、このときに作成するのが「メディアリスト」です。

広報に就任したばかりの時期であれば、「メディアリスト」という言葉もまだ馴染みがないのではないでしょうか。すでに自社のメディアリストがある場合はそれを元に活動できますが、ゼロから作成する必要がある場合、その具体的な方法が分からないという方も多いでしょう

今回は、メディアリストを作成する際のポイントから、実際にリストを活用してメディア関係者に連絡していくときの注意点などをご紹介します。

メディアリストとは

メディアリストとは、テレビ新聞雑誌Webメディアラジオフリーペーパーなどの様々なメディア種類の中で、自社のプレスリリースを送付する先をリスト化したものです。一般的に、メディアの正式名称コーナー名住所メールアドレスなどの連絡先、担当者名などを情報としてストックします。

メディア担当者によって望ましい連絡方法は異なるので、FAX番号やメールアドレスなどの連絡先に加えて、連絡履歴や特に配慮すべき点なども合わせて明記しておくと、広報チームの別メンバーが対応する際にもスムーズです。

もともとメディアリストは、企業の広報担当が直接メディア関係者にコンタクトをとったり、取材問い合わせに対応したりする中で、こつこつ件数を増やし、ブラッシュアップしていくのが定説でした。しかし、2008年頃から徐々に活用事例が増えてきた「プレスリリース配信サービス」の台頭で、メディアリスト作成にも変化が訪れます。

プレスリリース配信サービスが保有するメディアリストの活用とは

「プレスリリース配信サービス」は、その名の通りプレスリリースの配信を“代行”するサービスサービス側で保有・提供しているプレスリリースの配信先を活用することで、一度もコンタクトをしたことがないメディアにも、自社のプレスリリースを送ることができます。

選択するプレスリリース配信サービスによって配信先は異なりますが、これらを活用する最大の利点は掲載のチャンスが広がること。コンタクトしたことのないメディアに対するプレスリリースの配信が、思いがけないパブリシティの獲得に繋がる場合もあります。

ただし、配信先はメディア側が設置しているプレスリリース窓口となるため、相手の氏名や人柄、どのような情報を求めているかという、本来大切な人対人の関係性構築に直接寄与するわけではありません。あくまでチャンスやきっかけを広げる手段であることを理解しておきましょう。

自社のメディアリストを自分たちの手で作成し、ブラッシュアップしていく作業そのものが、メディアとの手触り感ある関係性を育むことにも寄与します。プレスリリース配信サービスを活用する中でも自社リストの作成に取り組むことがおすすめです。

メディアリストを新たに作成する5つのステップ

では、メディアリストを自社でゼロから作成するためには、どのようなポイントを押さえるのが良いのでしょうか。5つのステップに分けてご紹介します。

STEP1.自社の特徴・強みを言語化する

メディアリストは実際の情報収集よりも、作成前の準備がとても大切。実際に活用することも見越して、事前の情報整理を軽視しないことが分岐点になると言っても過言ではありません。

まず取り組むべきは、自社の特徴や強みを把握すること新商品プレスリリースの準備でメディアリストを作成する場合でも、該当商品のことではなく、まずは根幹となる企業としてのユニークポイントを整理しましょう。

業種・業態によって目指すべきメディアは当然変わりますが、自社をとりまく社会情勢にも目を向けられるとメディアを検討する視野が広がります。広報担当が複数名いる場合には、互いに共通理解を持つために一層言語化が重要です。

STEP2.誰にどのような価値をもたらすか具体化する

次に必要なのが、世の中にどのような価値をもたらすかの具体化です。これはさらに次のステップである「メディアの洗い出し」行う上でメディア選定の一つの基準となります。

STEP1で定めた企業としてのユニークポイントがすべての情報発信の「根幹」だとすると、この具体化は「幹や枝葉」の特徴を吟味する作業。実際にメディアにコンタクトをとる際にも必ずチェックされる部分です。プレスリリースで発表する新たなニュースによって、誰のどのような生活を良くするのかにメディア関係者も注目しています

新商品であれば、商品の特徴を整理することで、それを利用する人のペルソナや傾向、エリア、活用場面など様々な切り口が見えてくるでしょう。

STEP3.合致するメディアを洗い出す

情報がある程度整理されたら、いよいよ対象となるメディアの洗い出しです。インターネットだけでなく、『マスコミ電話帳』などの専門媒体も参考になるでしょう。

メディアの洗い出しをおこなう上で大切なのは、自分たちが取り上げてもらいたい視点と、メディア側にとって有益な情報提供になるかという視点の、両方を持つことです。

「メディア」というと概念のように聞こえますが、その先にいるのは多忙を極める一人のビジネスパーソン。一人ひとり担当ジャンルを持っており、求めている情報は日々変わります。媒体資料や既出の記事からミスマッチがないかあらかじめ確認をすることが欠かせません。

そして、媒体の編集方針や記者の方々の所属先は更新されていくので、いつ時点の情報なのかもチェックすると良いですね。時間と労力はかかりますが、丁寧に、一つひとつ対象メディアを探していきましょう。 プレスリリースの送付窓口が見つからない場合は、問い合わせフォームなどから送付可否を確認するのも良いでしょう。

STEP4.リスト化しながら情報整理する

対象となるメディアの洗い出しができたら、いよいよリスト化していきます。最も一般的なツールは、ExcelやGoogleスプレッドシートです。冒頭でお伝えしたメディアの正式名称やコーナー名、住所、メールアドレスなどの連絡先、担当者名などの基本的な項目を埋めていくかたちで、情報を追加していきます。

また、基本的な項目以外でも、記者と直接やりとりした際に知り得た情報個別の会話メモなども、後々役に立つことがあります。特に記者が必要としているニュースのジャンルに関する情報は、各自が記録を残しやすいフォーマットにしておくのもおすすめです。

STEP5.定期的にブラッシュアップする

メディアリストがある程度まとまったら、プレスリリースの内容をもとに適切なメディアを選択し、実際の連絡に活用していくことになります。

ただし、メディアリストは一度作ったらそれで終了ではありません。メディア関係者の人事異動転職などで担当が変わることもあるため、定期的なブラッシュアップをおこなうようにしましょう。その際、入力や更新のルールがばらばらだと、情報更新の度に統一性が損なわれていきます。

高い頻度で更新が必要という前提に立ち、あらかじめ共通ルールを設定しておくと良いですね。

メディアリストを活用する上で注意するべきこと

地道な情報収集を重ねてメディアリストができてきたら、実際に連絡をはじめる前に、広報チームとしての活用方法を検討し、ルールを定めておきましょう。メディアリストはいわば個人情報が集約されたデータとなるため、情報の取り扱いに万が一のことがあってはいけません。注意点と一緒にメディアリストを展開することが必須です。

メディアリストの取り扱いルールを定める

メディアリストは、作成者以外の複数のメンバーが閲覧・編集することも往々にしてあります。原則となる個人情報保護法に基づき、情報の取り扱いには十分注意が必要であることを、関わるメンバーに必ず周知しましょう。

また、同時編集や別名保存の禁止、更新履歴記載の徹底など、自社にあったルールを定めることも大切です。メディアリストは、自社に関わる大切なメディア関係者の情報です。規律ある活用が大前提となります。

メディアコンタクトでは要望ばかり伝えず、共に良い記事を目指す姿勢で

自分たちの商品やサービス、活動内容に誇りを持ち、情熱を持って社会に伝えようとする広報担当者ほど、「記事にしてほしい」という気持ちが高まるのは自然なことです。

メディア記者が「記事にする」というのは、膨大な情報の中から「社会に伝えるべき価値ある情報」だと判断をしたことと同義。つまり、「どうしても記事化してほしい」と要望ばかりを伝えることよりも、なぜ記事として取り上げるべきなのか、メディアや読者にどんな示唆を与えるのかなど、相手の立場を理解しながら、共に良い記事を目指すための具体的なアイデアやストーリーを提示する姿勢も大切です。

メディアリストを良くするコツは継続的なブラッシュアップ

メディアリストを新たに作成するための情報収集や、実際にコミュニケーションをとる中でキャッチアップできる情報の反映など、丁寧なリスト整理を実践することで、メディアごとに異なる読者像や運営方針などの理解は進むでしょう。

重要なのは、メディア関係者とのリレーションを築くことだけをリスト作成の目的にせず、広報PRに携わるメンバーのメディアリテラシーを高めるという副次的な効果があることも踏まえて取り組むことです。

直接コンタクトをとる場合も、プレスリリース配信サービスを活用する場合も、プレスリリースの内容によって適切な送付先を選択できるよう少しずつ使い慣れていきましょう。

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PR TIMES MAGAZINE編集部

株式会社PR TIMESのカスタマーサクセス、社内広報、社外広報、イベント運営など8年以上広報PRと向き合うメンバーが在籍しています。日本最大のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営すること12年。さまざまな広報担当者からのお問い合わせやPRのご相談への対応経験を活かし、すべての広報PRパーソンに捧げるノウハウ記事を執筆中

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