企業で働く社員の生の声は、今や企業広報に欠かせない要素です。社員をPRする際にまず直面する壁が、広報・ビジネス用のプロフィールです。経歴や職種の羅列ではなく、興味を持ってもらえるプロフィールにするためにどのような点に気を付けるべきなのでしょうか。
今回は広報・ビジネス用プロフィールの内容を決めるときの3つのポイントや、プロフィールに入れておくべき必須事項、写真を選ぶときのポイントをご紹介します。
広報やビジネスにおけるプロフィールの役割とは?
広報やビジネスにおけるプロフィールの役割は、大きく分けて2つです。
1つは自身が勤めている企業について知ってもらえること。業務内容や過去の実績から、企業の強みや力を入れている事柄が見えてきます。もう1つは、個人について知ってもらえること。職務経歴や専門としている分野、現職にいたった背景などは、仕事をする上で信頼できる人物かを判断する材料になります。
たかがプロフィールとは思わず、企業と社員個人について興味を持ってもらうためにはどうすれば良いか、じっくり時間をかけて作っていきましょう。
広報・ビジネス用のプロフィールの内容を決めるときの3つのポイント
書き始める前に、まず3つのポイントをおさえておきましょう。ポイントをきちんと整理することで内容にブレがなくなり、相手に興味をもってもらえる、伝わりやすいプロフィールを書くことができます。
ポイント1.自分の経験や道のりを棚卸しする
その人が描く未来や根本にある思いに人は強く反応します。人に伝わるプロフィールを書くにはまず、現職にいたるまでの背景や、心に強く響いた事柄を洗い出しましょう。
必要であれば学生時代の経験まで遡り、そのときの経験が現在にどのように影響しているかを箇条書きで書き出すのも良いでしょう。今の仕事に興味をもったきっかけや、どんなところが好きで、やりがいを感じているのか。思いつく限り、細かく書き出していきます。
ポイント2.業務内容の整理
自分が担当している業務を人に説明するとき、困ったことはありませんか。途切れることなくやってくる仕事に対応していると、自分の仕事がどの職種の範囲にあたるのか見失ってしまうこともあります。
入社してから今までの業務内容を振り返り、整理していきましょう。その際、日々の業務、イレギュラーな業務、チャレンジした業務などに分けて整理するのがおすすめです。
ポイント3.ターゲットの明確化
プロフィールを通して誰に共感してもらいたいのか、応援してもらいたいのかなど、ターゲットを明確化します。
棚卸ししたこれまでの経験や道のりと、整理した業務内容から具体的なターゲットを考えます。社会人なのか、学生なのか、どんな仕事に就いていて、将来的にどんな仕事がしたいと考えているのかといった問いを通して、メッセージを届けたい相手をしっかりとイメージしましょう。
広報・ビジネスに利用するプロフィールに入れておくべき7つの必須項目
プロフィールは本来、形式の定まっていない自由なものです。しかし自由すぎては読む側に負担をかけすぎてしまいます。重要なのは、必要事項を入れながらも個性の見えるプロフィールにすることです。
ここでは7つの必須項目をご紹介します。
1.現職の会社名・所属部署名
名刺と同じ役割を持つので、公式のプロフィールならば会社名は必ず記載しましょう。「株式会社PR TIMES 広報部所属」など簡潔に分かりやすく書くことが大切です。
中には複数の部に籍を置いている方もいるかもしれません。そのような場合は「株式会社PR TIMES 広報部所属/営業部門兼務」とメインで在籍している部署がわかるような書き方にしましょう。
2.職務経歴・現職に至った背景
職務経歴を書く際、社名を出すとプロフィールが長くなることが多いので、「広告代理店」など総称で記載するのがおすすめです。
過去の経歴、現職まで書いたら、最後に現職に至った背景を一文で書き足しましょう。スキルアップのためなのか、会社のビジョンに共感したからなのか。大げさな言葉は使わず、等身大の言葉で書くことがポイントです。
3.主な実績
実績を書く際は、ひとつのプロジェクトにおいてどの業務を担い、その業務においてどんな成果を出せたかをメインに書きます。プロジェクト全体の成果と、個人の成果は切り離して考えましょう。
例えば、イベント動員数は広報・PR業務を担当した人の成果ですが、イベントでの売上はマーケティング担当者の成果です。これらを混同して書くことは避けるのがベターです。
4.具体的な業務内容
業務内容は、継続的な業務と単発の業務に分けて書くと、読んでいる側にも伝わりやすい内容になります。
【継続的な業務の例】
・社内向けの月刊の広報誌作成
・投資家向けの広報活動
・自社ソーシャルメディアの運用
【単発の業務の例】
・イベントの企画・開催
・イベントの報道対応
・イベントにおける広報活動の効果測定
5.印象的な事例
印象的な事例=大きな成果が出た事例である必要はありません。プロジェクトの中にはすぐに結果が出るものもありますが、継続した活動の先で結果が少しずつ姿を現してくるプロジェクトもあります。
どんなプロジェクトだったのか、そのプロジェクトにおいてどんな活動をしたのか、プロジェクトの結果と成果を書いた上で、印象的だと感じた点について書きます。
6.自身の強み・専門分野
注意すべきは、自身で強み・専門分野だと思っていることではなく、事実ベースでの強みや専門分野について書くことです。
過去の実績から強みを導き出すことで、実際の業務とプロフィール内容の整合性が取れます。経験が浅く、まだ強みが分からないという方であれば、これから強みにしていきたい事柄を書いても良いでしょう。
7.目指しているビジョン
ビジョンは2つの軸で語ります。1つは会社の一社員としてのビジョンです。誰もが自社や自社の製品について知っている状態を目指すのか、業界内での認知度を100にする状態を目指すのか、あるいは段階的な目標にするのか。ビジョンは大きく設定し、かつビジョンを達成するための自身の役割も具体的に考えます。
もう1つは個人として目指している自身の職種のあり方についてです。たとえば営業なら、営業という言葉の持つ意味をまっとうする営業を目指すのか、新たな枠組みを作ることを目指すのか。自身の仕事の意味や求められていることを改めて考えてもらい、書き出してもらいましょう。
広報・ビジネス用のプロフィール写真・画像を選ぶ3つのポイント
ターゲットと同じくらい、意外とおざなりにしがちなのがプロフィール写真の設定です。手元に良い写真がないから、容姿に自信がないからと適当な写真を選んでいませんか。写真は文章以上にその人の印象を左右します。ここではプロフィール写真を選ぶ際の3つのポイントをご紹介します。
ポイント1.プロに撮影してもらった写真を選ぶ
広報・ビジネス用プロフィールに設定する写真は、きちんとプロに撮影してもらうのがベストです。その際、証明写真のような真正面からの撮影ではなく、何かしら自然なポーズをとっている写真や、自然に笑っている写真になるよう意識しましょう。
白背景での撮影以外に、屋外の自然を背景に撮影したり、座っている状態での撮影もありです。他には、会社の人と談笑している様子を撮影してもらうのも良いですね。
ポイント2.実際のイメージとかけ離れていないか
プロフィール写真としての格好良さを重視するばかりに、実際のイメージとかけ離れている写真を選ぶと、マイナスに繋がることもあります。写真を選ぶ際は、第三者にその人らしい写真かどうかをチェックしてもらうと良いでしょう。
ポイント3.お客さんから信用を得られる写真を選ぶ
「この人と一緒に仕事がしたい」と思ってもらうには、清潔感や誠実さを感じさせる服装やヘアスタイルであることも大切です。
スーツであれば撮影の前にクリーニングに出し、綻びやシワをとり綺麗にしたものを着用します。オフィスカジュアルな服装の場合は、撮影用に選んだ服が社会人として適しているか、第三者に意見を聞くのが良いでしょう。
また、髪が目にかかってしまうほど伸びていないか、ヘアカラーにムラが出てきていないかなど、事前にチェックして整えておきましょう。
広報・ビジネスに使う良いプロフィール例
最後に実際どんなプロフィールにしたら良いのか、例をご紹介します。文字数に応じて、適宜変更を加えましょう。
氏名:◯◯
株式会社PR TIMES広報部/営業部門兼務
Webコンテンツ制作会社、大手Web広告代理店を経験し、現職に至る。コンテンツのあり方や、サービスやプロダクトをより多くの方に届けるためもっと自分にできることはないのかと考えていたところ、PR TIMESに出会い、ビジョンに共感して入社。
【担当業務】
社内向けの月刊の広報誌作成
投資家向けの広報活動
自社ソーシャルメディアの運用
社内外の広報に従事しながら、週に一度の頻度で営業部門も兼任。イベント時にはプロジェクト広報担当としてSNS運用やプレスリリースの作成、効果測定まで一貫して行う。近々では社内初の大規模イベントの広報を担当し、13都道府県から計3万5000人を動員し、イベント成功に貢献する。より良いものが最適な方法できちんと届く世の中になるよう、広報の可能性、楽しさを体現できる広報PRパーソンを目指す。
自社や社員個人を知ってもらえる機会を活かして
プロフィールは、多くの人が積極的に読んでくれるものです。自社のことや社員個人を知ってもらえるこの機会を逃さない手はありません。興味を持ってもらいたいターゲットを明確にしたら、プロフィールに最適な写真も用意し、確実に伝わるプロフィールに仕上げましょう。
その際、単なる羅列にならないよう3つのポイントをおさえつつ、社員個人の個性が伝わるような内容になっているかの確認も忘れないようにしてください。ターゲットの心を捉えるにはどんな情報が必要か、考えながら書くことが大切です。
社員個人のプロフィール作成で迷った際は、本記事で紹介した7つの必須項目やポイントを参考に作成してみてください。
広報・ビジネス用のプロフィールの作り方に関するQ&A
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